アメリカン・エクイティ・αクワトロ・・・調子の良い今が辞め時

(2017年4月26日公開)

純資産総額は40億円程度だが、ネット証券で売れ始めている。インカム収益を底上げするために、為替取引オプション取引を採用する複雑な投資信託。机上計算でインカム収益が23%近くあり、明らかに異常。分配金利回りは28%を超えており、こんなものが維持できるのかと強く懸念。

通貨選択型アメリカン・エクイティ・αクワトロ

  • 分配金利回りが28%と異常だが、価格の上昇があり問題なさそうに見える
  • 現時点では運用は上手くいっているが、いつタコ足分配になってもおかしくない
  • ファンドの性格上、いつ基準価額がドカンと下がってもおかしくない


 


極めて複雑難解なカバードコール戦略など、庶民には全く不要

SBI証券で販売ランキング入りし、人気が出つつある、通貨選択型アメリカン・エクイティ・αクワトロ(毎月分配型)。急に人気が出る商品にまともなものが無いのは、資産運用業界の常識。果たして本ファンドはどうなのでしょうか。

通貨選択型アメリカン・エクイティ・αクワトロの投資対象は、米国の高配当株式です。それだけなら全く問題ないのですが、実は余計な「取引」がてんこ盛りです。インカム性・キャピタル性の収益を底上げさせるために、以下の難解な取引に手を出しています。

・米ドル売り/ブラジル・レアル買いの為替取引
・株式のカバードコール戦略
・通貨(円に対するブラジル・レアル)のカバードコール戦略



通貨選択型アメリカン・エクイティ・αクワトロの収益のイメージ


当ファンドを購入した庶民の多くが、カバードコール戦略の事を理解していないはずです。頭の良い金融のプロが運用するので、「何とかしてくれる」とでも思っているのでしょうか。

下記に、株式・通貨のカバードコール戦略のイメージ図を掲載しました。簡単に言うすと、配当収益のようなインカム収益を確実に得るかわりに、値上がり益の一部を放棄し、損失は全て引き受ける取引になります。利益が少なく、損失が大きい取引をする訳で、かなりリスクが高い行為です。

コツコツと利益を乗せても、一発の大きな損失で全ての利益を吹き飛ばす、極めてデンジャラスなものであり、一般的には永遠に勝利など不可能な、無謀なトレードです。

株式と通貨のカバードコール戦略の効果



資金の流れが、超複雑になるのも問題です。基準価額の変動理由が、オプション取引の失敗なのか、通貨の変動なのか、米国株式の相場の影響なのか、全く分からないのです

通貨選択型アメリカン・エクイティ・αクワトロの取引イメージ図



超強引に分配金を多大に見せかける、問題の多い商品設計

複雑な投資信託が生まれ続ける理由は実に簡単で、インカム収益(あるいは分配金)をできるだけ大きく見せたいからでしょう。当ファンドの場合、インカム収益は全部で4つです。

一般的な株式投資、デイトレード、FXトレード、外貨預金と、性格の全く異なる取引を投資信託に1つにごちゃ混ぜにしてしまう金融機関の強欲さに驚きます。

・配当利回り:3%
・株式オプションプレミアム:4.1%
・通貨オプションプレミアム:5.5%
・ブラジル・レアル 金利:10.2%


通貨選択型アメリカン・エクイティ・αクワトロの分配金利回りの設計


これらを合計すると、年率で22.8%のインカム収益になります。毎年、かならず23%近い定期収益が実現できるなら、確かにお宝商品です。これが本当ならば、管理人は全財産をはたいてでも、アメリカン・エクイティ・αクワトロを買いまくります。

なお当ファンドの分配金利回りは、28%近くあります。販売する時に、上記収益計算を提示して、問題がないことを説明しているのでしょうか? 管理人は、分配金利回りが高すぎると思っています。

通貨選択型アメリカン・エクイティ・αクワトロの分配金利回りの推移


気になったので、分配原資の内訳をチェックしてみました。驚いたことに、ほぼ定期収益で分配金を補えているようです。今この時点では、設計通りの運用ができていて、しかも上記の通りリターンの上昇もありますから、全体でも問題ない運用が行われているものと推測します。

通貨選択型アメリカン・エクイティ・αクワトロの分配原資の内訳


ただし、実際に行っている取引には、多額のキャピタルロス(売買損失)が発生するリスクがあります。また、常に過剰分配によるタコ足分配のリスクがあります。

通貨選択型アメリカン・エクイティ・αクワトロの基準価額と純資産総額の推移


上記は、設定来の基準価額の推移です。現在は好調に見えるファンドですが、好調にもかかわらず基準価額が1万円から8000円台に大きく元本を割っている状態なので、おそらくどこかの期間においてかなりの損失を計上したか、あるいはタコ足分配をやっていたのだと思います。



アメリカの高配当株式ETFを「素直」に買っているほうが良い

当ファンド、自前で銘柄を選んで米国株に投資しておらず、実は私たち個人投資家が、普通に手軽にネット証券で直接、購入可能なiシェアーズ好配当株式ETFに投資しているだけです。

これは、ダウ・ジョーンズ米国セレクト配当指数に連動するタイプの海外ETFとなり、SBI証券、楽天証券、マネックス証券で普通に購入できます。

アメリカン・エクイティ・αクワトロ(毎月分配型)のような投資信託は、中長期で保有すると、ほぼ必ずと言ってよいくらいに、オプション取引でドカンと損失を計上して、基準価額が驚くほど下落するものです。

そして複雑なことをやるよりも、iシェアーズ好配当株式ETFを素直に買っておいたほうがはるかに利益が上がるケースがほとんどのはずです。

管理人の感想としては、内容を理解できない複雑怪奇で魑魅魍魎な投資信託を利用するより、シンプルなETFに直接資金を託したほうが、100倍マシだと感じています。

海外ETFを買い付けるのに抵抗感があるなら、国内ETFであるiシェアーズ米国高配当株ETF(モーニングスター配当フォーカス)を利用するのでも、何ら問題はないでしょう。

え?ETFに投資するだけでは分配金が少ないって?? ・・・だから言っているでしょう、無理やり分配金を多く見せかけても、そのうちオプション取引でドカンとやられますから、結局はETFに投資したほうが良いんですよ。



アメリカン・エクイティ・αクワトロ(毎月分配型)のコスト情報

・購入手数料:上限3.24%(税込み)
・信託報酬:年率1.565%(税込み)
・信託財産留保額:0.3%
・償還日:平成32年6月26日(平成27年6月26日)
・運用:大和証券投資信託委託株式会社


運用期間がたったの5年間と言うのも、投資家をバカにしているとしか思えません。さんざん基準価額を下げて、「ハイおしまい」となる可能性が大です。終了したらカモネギ投資家をまた別の「高分配」ファンドに誘って、更に手数料を稼ぐ。そんな魂胆を感じます。

もちろん手数料や信託報酬などのコストも異様に高額であり、もしも5年間も本ファンドを保有していたら、コストだけで確実に元本の11%が失われる勘定です。たった5年で手数料が10%を超過する金融商品なんて、買う奴の気が知れません。



アメリカン・エクイティ・αクワトロ(毎月分配型)の購入先

アメリカン・エクイティ・αクワトロ(毎月分配型)は、SBI証券楽天証券であれば、手数料無料で購入することができます。が、止めといたほうが良いと忠告しておきます。


 


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