アジア・ハイ・イールド債券ファンド・成長通貨コースの評価

(2014/10~2015/10の成績を元に算出、10月29日更新)

お金を返してくれない可能性が高いアジア地域の人に、資金を提供するようなイメージのファンド。6通貨もの為替取引を抱き合わせる、壮絶なギャンブル商品。金融機関が好き勝手に商品設計を行っている悪しき実例。基準価額の暴落も凄まじく、どうしてよいか分からない市民が多数いる事だろう。アーメン。

  • 運用(価格の上昇含む)利回り約▲0.1%に対して、現時点の分配金利回りは34%
  • 1年間で基準価額が1/4になり、多数の凍死家が増殖中かと思われる
  • 一見すると分配金の内訳に問題が無いように見えるが、壮絶な売買損失が発生中


 


まず、運用目標が分からないので、評価しようがないファンド

アジア・ハイ・イールド債券ファンド(毎月分配型)成長通貨コースの投資対象は、日本を除くアジアのハイ・イールド債券です。更に複数の為替取引も抱き合わせており、値動きのイメージが不可能という意味でも、超絶に難解な金融商品と化しています

アジア・ハイ・イールド債券ファンド(毎月分配型)成長通貨コース


投資信託を買うという事は、儲けたいから買うのでしょうが、では儲かったと判断できる基準は、あるのでしょうか?? このファンドに投資しているあなたは、投資が上手く行ったのかイケてなかったのか、どう判断しているのですか??

実は、投資が上手く行ったかどうかの判断材料として最も大切なのは、ベンチマークや参考指数と言われる数字です。それらを上回った数字を出して初めて、アジア・ハイ・イールド債券ファンド(毎月分配型)成長通貨コースのようなアクティブファンドは、存在価値が出てきます。

しかし当ファンドには、そういった指標が設定されていません。という事は、良い悪いが個人投資家には全く判断ができないという、実に困った事態になります。

過去、管理人が色々と見てきたなかで、ベンチマークや参考指数が無い投資信託はロクデモナイ結果に終わる事が多いと判断しています。今回のファンドも、そういう意味では期待ができないと思います。



報われなかった、アジア・ハイイールド債券への投資

日本に居ながらにして、今や全世界のありとあらゆる金融商品を買い付けることが可能な時代になったといっても、過言ではありません。

その中であなたは、どうしてアジアのハイイールド債券に投資したいと考えたのでしょうか? 儲かりそうだからですか? あるいはもしかしたら、銀行員が勧めてきたから買ったのかもしれませんね。

しかし、過去3年のリターンを見てみると、確かに新興国全般の債券に投資しただけのファンドより、ずいぶんとリターンは高い数字が出ています。(上場インデックスファンド新興国債券と比較)

ですが、先進国債券に単純に投資しただけの方が、実はリターンが高く出ていることも分かると思います。(上場インデックスファンド海外債券毎月分配と比較)

このように、ハイイールド債券のように、一言で言うと株式投資並みにリスクを取ったにもかかわらず、儲かりそうにないイメージの先進国債券に劣るのですから、アジアのハイイールド債券に集中特化して投資した意味が無いという事になります。

アジア・ハイ・イールド債券ファンド(毎月分配型)成長通貨コースと、先進国債券ファンド、新興国債券ファンドとの基準価額の推移の比較
(繰り返しになるが、当ファンドにベンチマークが無いから、このような比較をせざるを得ないのです。実に困ったことです。)


投資のキホンは分散にあります。今回はアジアハイイールド債券が大暴落しなかったから救われていますが、・・・いや、ここ1,2か月でかなりの急落をしていますね。

かように急落することもあるような投資対象だという事を認識したうえで、資金を投じているのならばまだマシですが、そもそもハイイールド債券自体が分かっていない人は、このようなハイリスクな投資対象に手を出すべきではありません。

・・・というか、全世界の株式や債券に分散投資するタイプの、バランス型ファンドとリターンを比較したらどうなるんでしょうね?? 急に興味が湧いたので、調べてみました。

アジア・ハイ・イールド債券ファンド・成長通貨コースと、セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドとの基準価額の推移の比較


って!!何だよ、この結果は!! 世界中の株や債券に分散投資して、複雑怪奇・魑魅魍魎の為替取引の多用などしない、シンプルかつコストの安い投資信託を買っていたほうが、はるかに儲かったという結果です。

比較にならないほどのリターンの差がついていますから、アジアのハイイールド債券を選んだあなたも、もしくはこれを推奨した銀行員なども、全く投資に関してはイケてないという事の証明のような結果です。



複雑極まりない商品設計、いったい誰が理解できるんだ??

さてようやくここで、本ファンドの収益源を確認しましょうか。主な収益源として、高リスクなハイ・イールド債券と為替取引を採用している点は、分配金の高い投資信託によくある組み合わせです。

アジア・ハイ・イールド債券ファンド(毎月分配型)成長通貨コースの収益の源泉


本ファンドの特長の一つは、金利水準が高い6通貨を使った為替取引です。商品の設計段階では、6通貨合計で平均して7.39%、ハイイールド債券部分で6.21%、合計で13.6%もの利回りを得ることを想定しています。

アジア・ハイ・イールド債券ファンド(毎月分配型)成長通貨コースの利回りの根拠


というか、成長通貨コースとはよく考えましたね。よく分かっていないジイさんバアさんが見たら、成長通貨=素晴らしくて問題ない通貨、と勘違いします。

でも実際に通貨が成長しているかというと全くそんな事は無くて、下記のように、平均金利はなぜか10%も出ているにもかかわらず、通貨自体の下落(円高)によって、ほとんどが設定来で損失計上しています。

アジア・ハイ・イールド債券ファンド(毎月分配型)成長通貨コースが組み込んでいるアジア通貨の騰落率と、平均金利


金融の世界では、金利の高い通貨は安くなることによって帳尻が合うというのが常識です。とすると、通貨を抱き合わせ販売するような投資信託は、素人を半ば騙して販売しているようなものです。

余計なお世話をするような投資信託など、決して相手にしてはなりません。というか上記の通貨、どんな配分で投資されているのか、月報などを見てもサッパリ分かりません。一体、投資家は何をどう判断すれば良いのか?という話しに戻りますね。

え??月報など見ないって?? そんな奴は、投資信託を買ったり投資したりすることをやってはいけません。個人向け国債か定期預金にでも、お金を預けておくほうが無難でしょう。いつかきっと、痛い目に合う事、必定です。



分配金の出し方が、もう無茶苦茶だ

アジア・ハイ・イールド債券ファンド(毎月分配型)成長通貨コースは、ダメなところばかりなので、この際すべて指摘しておきましょう。

上記の項で、13.6%の利回りを得ることを設計しているという話しでした。しかしながら実際の分配金利回りは、どんな水準なのか見てみましょう。

アジア・ハイ・イールド債券ファンド・成長通貨コースの分配金利回りの推移


実に、33%も出ています。設計よりも倍の数字が出るなんて、変すぎます。しかも、1年間のトータルリターンがマイナスなのに、無茶苦茶に分配していることになります。

実際にこのファンドを保有している人がいたら、ファンドからの報告書に目を通してください。入金される分配金は、全て普通分配でしょうか? おそらく、かなりの部分に特別分配(元本払戻金)が含まれているのではないでしょうか?

⇒参考:特別分配と普通分配の違い


もしそうだとしたら、そんなものは利益でも何でもありません。そもそも分配金を吐きだしたら、そっくりそのまま基準価額が下がるのですから、分配金などは利益とは言えないのです。

(このファンドも、下記にように最後の見にくいところに、正直に説明してますから、見ておくと良いでしょう)

投資信託の分配金は利益ではない


まあ、こんな事を書いてしまうと、「私は一体何をしているのか?」と嘆き悲しむことでありましょう。その嘆きの大きさの分、金融機関は喜び勇んでいるのです。

あ、そうそう、上の方で他のファンドとのリターンの比較図を載せてますが、あれは分配金を全て受け取らずに再投資して、余計な税金も差し引かれないと仮定した場合の数字です。

実際は分配金を受け取って、そっくりその分の基準価額が下がって、普通分配部分には20%強の税金をしっかり取られて、トータルの資産をすり減らす可能性が大きくなりますので、本当に、毎月分配型投資信託には気を付けねばなりませんね。合掌。



コストが異様に高すぎて、こんなものは投資とは言えない

最後に、こんなに散々な投資信託なのに、あなたが金融機関に支払うべきコストが異様に高いという話しで締めくくります。

安い商品を買うという行動


次の項でも書いたとおり、カブドットコム証券で買ったとしても、購入手数料として2.16%取られます。それ以外ではネット証券においては3.24%、対面式の金融機関では最大マックスの3.78%が取られます。

100万円投資したら、いきなり運用前から3万7800円のマイナスから投資のスタートとなるわけで、非常に不利な戦いを強いられます。

上述した世界分散のバランス型ファンドとの比較図をもう一度掲載しますが、手数料が3.78%も取られるという事は、アジアハイイールド債券ファンドを買った人は、左下の始点が3.78%も低いところから始まるという事で、トータルの利益に大いにマイナスの効果が出てしまう事が分かると思います

セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド ならば、かようなクダラナイ手数料はゼロです。手数料一つを取るだけで、実はマトモなファンドなのかどうか、すぐに分かるのです。手数料を取るファンドなど一切無視するという姿勢で、投信選びをしましょう

アジア・ハイ・イールド債券ファンド・成長通貨コースと、セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドとの基準価額の推移の比較


さらに補足しますと、アジア・ハイ・イールド債券ファンド・成長通貨コースで毎年取られる信託報酬は1.7636%にも及びます。上記のセゾンのファンドは0.7%程度ですから、何と半額以下です。

10年投資ししたら元本の18%近くが信託報酬で無くなってしまうような投資信託など、もはや投資とは言えません。そんな投資信託を買っても、低コストのバランス型ファンドにリターンが及ばないのですから、投資としては踏んだり蹴ったりです。

投資信託を選ぶときは手数料が無料なもの、そして信託報酬が年間1%を割るものを選ばなければ、いつまでたっても報われません。

卵や野菜を買うときは1円でも安いものを買うくせに、投資信託を買うときは恐ろしく高いものを買ってしまう。このような愚かな行動を改めなければ、投資で成功する可能性は低くなります。



アジア・ハイ・イールド債券ファンド・成長通貨コースの購入先

購入手数料は証券会社で大きく変わってくるため、注意が必要ですね。下記に、購入できる代表的な証券会社を上げておきます。購入したい人はどうぞ。

手数料2.16% :  カブドットコム証券
手数料3.24% :  マネックス証券SBI証券楽天証券


償還日:平成28年8月10日まで(設定日 平成23年 11月14日)
運用:損保ジャパン日本興亜アセットマネジメント株式会社


 

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