アセットアロケーション・ファンド(愛称:らっぷちゃん)は買うに値せず

(2017年9月時点)

相場環境に応じてアクティブに資産配分を調整し、リスクを抑えてパフォーマンスを追求する事。しかし一体、運用目標がどこにあるのか曖昧で、投資の素人には判断できない。また購入手数料も信託報酬も高い。ラップ型投資信託と銘打っているが、単なる高コストのアクティブファンドというだけであり、まやかし以外の何物でもない投資信託。

アセットアロケーション・ファンド(愛称:らっぷちゃん)


  • わざわざ「ラップ」という単語を入れること自体が無意味な投資信託
  • 運用目標が極めて分かりにくく、ほとんどの投資家には理解不能
  • かなりの高コストでかなりの低リターンに甘んじる事になる投資信託


 


運用成績が良いのか悪いのか、ほとんど判定が困難な困った投資信託だ


まず真っ先にダメ出ししたのは、この投資信託には運用成績の良し悪しを判断する基準が無いという事です。「テストが良く出来た」という子供がいた時に、それがクラスの平均点以上なのか、あるいは偏差値的にどうなのかが分からなければ、良く出来たかのかダメだったのか、全く分かりません。

それと同じで、この投資信託には運用成績を判断するための重要な指標、ベンチマークや参考指数が設定されていません。これでどうやって良し悪しを判断すれば良いのでしょうか?

「らっぷちゃん」なる名称が付いているので、「ラップ口座的」で「富裕層向け的」な雰囲気を醸し出したいのでしょうが、お金の事を知りつくしている本当の富裕層は(成金を除く)、きちんと判断できないものにお金をつぎ込む事などしません。・・・具体的に言いましょう。

アセットアロケーション・ファンド(愛称:らっぷちゃん)のポートフォリオとなるベンチマーク


アセットアロケーション・ファンド(愛称:らっぷちゃん)の販売資料を見ると、どうやらこの投資信託は、上記のような資産クラスに投資するもので、上記のインデックスに連動する成果を目指しているとの事です。

一方で、それら資産クラスの配分比率は市況を反映させて機動的に変化させる方針との事で、以下のように、リスク水準を一定程度の抑えるのが目的との事です。

アセットアロケーション・ファンド(愛称:らっぷちゃん)のリスクリターンのイメージ


となると、私たちは毎月毎月、あるいは年に1回、この投資信託の運用成績をどのように判断したら良いのでしょうか?その判定基準が無いので、普通の人からしたら全く判定不能の投資信託と言えます。

すこし投資をかじった人ならば、「目標リスク水準」という言葉が引っ掛かります。「目標」と書いてあるのならば、これが運用目標と捉えて良さそうです。となると、過去のリスク水準としては、「標準偏差」の数値をチェックするのが妥当だと思います。3つのらっぷちゃんの標準偏差を見てみましょう。

アセットアロケーション・ファンド(愛称:らっぷちゃん)のリスク水準


見てみると、それぞれの目標標準偏差に対して、どれも半分以下のリスクしか取っていない事が分かります。リターンについては、ベンチマークも何もありませんから、それが出ていようが出ているまいが、関係ありません。あくまで目標とされている数値に対して「全然ダメじゃん」と言いたくなります。

投資に詳しくない人は、「でも別に利益が出ているからいいじゃん」と言うかもしれませんね。ラップ口座の本来の目的からするとちゃんちゃら可笑しいのですが、リスク水準が低いと、本来獲得すべき利益も得られないという事を示しておきましょう。



リスク水準に照らし合わせても、買うべきファンドは他にいくらでもある


下記をご覧ください。まず、らっぷちゃんの安定型の標準偏差が2.46なので、それに非常に近い安定的で資産配分比率も極端に変わらない三井住友・DC年金バランス30(債券重点型)(マイパッケージ)を比較してみました。標準偏差は2.56で、下記の赤枠どうしの比較です。

マイパッケージはらっぷちゃんと異なり、純粋にインデックスファンドです。ファンドマネージャーが恣意的に資産配分比率を頻繁に変更したりしません。それなのに、らっぷちゃんと同程度のリスク水準で、らっぷちゃんを上回るリターンを得ているのです。(おまけにコストは比較できないくらいに安い)

アセットアロケーション・ファンド(愛称:らっぷちゃん)と比較されるべき投資信託


アセットアロケーション・ファンド(らっぷちゃん)の成長型も同様です。インデックスファンドの世界経済インデックスファンド(債券シフト型)と同程度のリスク水準で、らっぷちゃんよりも高いリターンを得ています。もちろんこちらも、コストは半額以下です。

こういう事実は、もちろん金融関係者は一切教えてくれません。彼らは、お金に詳しい富裕層からお金を取るのではなくて、ほとんど金融知識の無いあなたのような庶民を煙に巻いて、多大なコストを取り上げるのです。「ラップ型投資信託」というようなまやかしの単語に惑わされてはいけませんし、そもそも金融関係者が強くお勧めするような投資信託など、決して買ってはならないのです。

・・・それにしても、下記の販売資料の説明など、酷すぎますね。こんなもの、起点をどこにするかで全く異なる結果になるようなシロモノです。リーマンショックの直前に起点を持ってきたら、世界株式のほうが「リスクが高くてリターンが低い」に決まってます。

アセットアロケーション・ファンド(愛称:らっぷちゃん)の過去の数字が馬鹿馬鹿しい


仮にこれをアセットアロケーション・ファンドの運用開始以降の数字だけで示して見ると、こうなります。MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(ACWI)を運用目標とするインデックスファンド、三井住友・DC全海外株式インデックスファンドと比べています。

株式ファンドだからリスクは年率で10%近いのですが、その分リターンは高くて、アセットアロケーション・ファンドの成長タイプのダブルスコアの成績になっています。

アセットアロケーション・ファンド(愛称:らっぷちゃん)と、世界株式ファンドを比べる


そもそもベンチマークが異なるもの同士(アセットアロケーション・ファンドはベンチマーク無し)で、なおかつ標準偏差の目標が異なるもの同士を比較すること自体、全く無意味です。こんなことを平気でやるアセットアロケーション・ファンド(愛称:らっぷちゃん)など、いい加減そのものなのです。



アセットアロケーションを変動させるファンドの大半は、上手く行かない


ついでに記しておきます。アセットアロケーション・ファンド(愛称:らっぷちゃん)は、以下のように、相場に合わせて資産配分比率を機動的に見直す投資信託です。

アセットアロケーション・ファンド(愛称:らっぷちゃん)の機動的に見直される資産配分比率


・・・と書くと「いかにも凄い」と思うでしょうが、こんな事が上手くいく投資信託などほとんどありませんから、この手の投資信託の説明をされたら、無視しても良いでしょう。

私がすぐに思い浮かぶ限りでは、この手のアクティブファンドで上手にやっているのは、セゾン資産形成の達人ファンドくらいです。ただしこの投資信託は、らっぷちゃんに手を出そうとしているような「リスク水準を抑える」のとは対極の、「全力でリスクを取りに行く」ものですから、すぐに飛びつかないように。



アセットアロケーション・ファンド(愛称:らっぷちゃん)の概要


購入手数料1.0%(税抜き)
信託報酬年率0.98528%~1.01832%(税抜き)
信託財産留保額:なし
決算:年1回分配
償還日:2028年4月26日(2015年4月17日)
運用:三井住友アセットマネジメント株式会社


大体今どき、投資信託ごときを購入するのに、いちいち購入手数料を支払うというだけでも全くNGです。特に、お金を持っていない庶民から金を巻き上げようとするのは、イカンですね。1%と言えども、100万円買ったら自動的に1万円が差し引かれるなどというのはよくありません。

信託報酬だって、高すぎます。前項までに紹介したインデックスファンドなどは、これの半額以下、更にその半額というものもあります。大した中身ではないのに多大なコストを要求するとは・・・それが金融機関の目論んでいる事なのです。



アセットアロケーション・ファンド(愛称:らっぷちゃん)の購入先


アセットアロケーション・ファンド(愛称:らっぷちゃん)は、SMBC日興証券、カブドットコム証券、SBI証券にて購入が可能です。もちろんお勧めする訳ではありませんが、欲しければお好みでどうぞ。


 


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