ニッセイオーストラリア利回り資産ファンド・見せかけの利回りに呆れる

(2017年12月時点)

オーストラリアの債券・株式・リートに投資して高利回りの収益を狙う投資信託。「利回り資産」などと耳ざわりの良い単語であるが、超過剰な分配を続けて強引に分配金利回りを高めただけの呆れた状態である。案の定、カモ投資家の資金が集まって短期間で400億円を突破。とんでもなくコストも高いので、投資する価値はありません。

ニッセイオーストラリア利回り資産ファンド(毎月決算型)(愛称:豪州力)


  • 配当利回り3~5%程度に対して、分配金利回りは20%は明らかに異常
  • 分配金を配当金などでカバーできておらず、大変なタコ足分配
  • タコ足分配の結果、基準価額が急速下落して資産価値がダダ下がり
  • 20%を超える分配金利回りを疑わないなら、カモ投資家になる素質が十分


 


ニッセイオーストラリア利回り資産ファンド(愛称:豪州力)の気になる点


ニッセイオーストラリア利回り資産ファンド(豪州力)の投資対象は、豪ドル建ての債券・高利回り株式・リートです。利回りの高い債券・株・リートに投資して、高インカム収入(利子や配当)を狙う運用方針です。

「債券」と「株式・リート」の投資比率は、だいたい50:50になるように配分が調整されます。実際には、下記マザーファンドへ投資するファンドオブファンズの投資信託となります。

・債券:LM・オーストラリア債券ファンド(適格機関投資家専用)
・株式とリート:LM・オーストラリア高配当株ファンド(適格機関投資家専用)



さて、ニッセイオーストラリア利回り資産ファンド(豪州力)の中身をチェックしていて、気になった事が2つあります。1つ目は、アクティブ運用の投資信託なのにベンチマーク・参考指数が存在しないことです。

投資信託選びでアクティブ投資信託を検討するならば、運用目標に対して勝っている優秀なファンドでなくては意味がありません。高いコストを支払う代わりに、高パフォーマンスを期待する訳ですので。

と考えると、この投資信託は投資判断ができないので、非常に困ります。運用目標を設定していない投資信託はロクでもない成績になる事が多いので、正直、期待ができません。

2つ目に気になることは、2016年頃から急に人気化して資金が猛烈な勢いで集まっている事です。設立後、ずっと100億円くらいをウロウロしていたのに、たった1年で400億円を突破してきました。

ニッセイオーストラリア利回り資産ファンド(愛称:豪州力)の純資産の集まり方


このような、急に人気になる投資信託には要注意です。過去の経験からすると、だいたい問題のあるファンドである可能性が高いですし、何よりも金融機関が売りたいという思惑だけで、目の前にノコノコとやってきたカモ投資家に売りつけている可能性が大ですから。



ニッセイオーストラリア利回り資産ファンド(豪州力)は超タコ足分配


上の項の表をもう一度ご覧いただくと、ニッセイオーストラリア利回り資産ファンド(豪州力)の場合、基準価額と「分配金を再投資したと仮定した基準価額」の乖離も、大きくなり続けているのが分かります。これは、身の丈に合わない過剰な分配をしている疑いがあります。

ニッセイオーストラリア利回り資産ファンド(豪州力)の分配状況をご覧ください。これまで月120円の分配を続けていましたが、2017年後半頃から減額しています。これまでの分配水準を維持できなくなったからではないでしょうか。

あるいは、カモ投資家にこの投資信託を買わせるまではタコ足分配をしまくって人を引き付けて、十分にカモが集結した段階で、分配金を減らしてゆく方針なのかもしれません。分配金が減額されたカモは、また新たな投資信託に高いコストを支払って乗り換えてゆく可能性も大ですし、金融機関は笑いが止まりません。

ニッセイオーストラリア利回り資産ファンド(愛称:豪州力)の分配金履歴


分配金利回りをチェックしてみましょう。2017年12月の時点で分配金利回りが20%に達しています。はっきり言って、異常な利回り水準だと思います

もしも本当に利回り20%の商品が有ったとしたら、庶民になど絶対に話は回ってきません。庶民レベルに降りてくる「利回り20%商品」などは、ボッタクリか詐欺か、そのいずれかしかないというのが世の必定です。

ニッセイオーストラリア利回り資産ファンド(愛称:豪州力)の分配金利回りの推移


マザーファンドで実現できている利回りをみてみましょうか。なんと債券ファンドの利回りは2.7%、株式ファンドの利回りは5.3%です。どう考えても分配金利回り20%を実現できるとは思えませんね。

ニッセイオーストラリア利回り資産ファンド(愛称:豪州力)のの投資先からの配当利回り


本当に毎月の収益で分配金をカバーできているのかは、分配原資の内訳をチェックしても分かります。以下の通り、安定収益で全くカバーできておらず、身の丈に合わない分配が続いています。

ニッセイオーストラリア利回り資産ファンド(愛称:豪州力)の分配原資の内訳


こんな状態では、あなたがもしもこの投資信託を購入していたとしたら、大半は特別分配金(元本払戻金)になっているのではないでしょうか。利益を分配せずに、高いコストの分だけお金を抜き取られた後に自分の元本を払い戻しているだけなのですから、呆れた投資信託という事になります。



結局いつもここに落ち着く、・・・インデックスファンドでじゅうぶんでしょ


ニッセイオーストラリア利回り資産ファンド(豪州力)は、アクティブ投資信託であるのに運用目標がありませんでした。そこで、オーストラリアの株式やリート、債券に投資できるインデックスファンド3つと比較してみることにしました。

i-mizuho オーストラリア株式インデックス(信託報酬0.57%)
eMAXIS 豪州リートインデックス(信託報酬0.60%)
i-mizuhoオーストラリア債券インデックス(信託報酬0.57%)


結果を見てみると、上記3つの投資信託をニッセイオーストラリア利回り資産ファンド(豪州力)と同様の資産配分割合で保有するほうが、運用成績が高くなりそうです。

ニッセイオーストラリア利回り資産ファンド(愛称:豪州力)のとインデックスファンドを比較


しかも上記のリターンは、分配金を全て再投資して、特別分配金ではなくて普通分配金の部分にかかる約2割の税金を考慮しない数字です。実際には元本を取り崩しまくって、それを何が何だかわからぬうちに消費し尽くしてしまった後の、出涸らしのお茶のような基準価額しか残らないのですから、タコ足分配の毎月分配型投資信託というのは罪深いと思います。

現状で、どうしてもニッセイオーストラリア利回り資産ファンド(愛称:豪州力)と同じような資産配分比率でオーストラリアに投資して分配金を受け取りたいのであれば、上述の3つのインデックスファンドをSBI証券で買って、投資信託定期売却サービスを使って、タコ足にならない自作の毎月分配型投資信託にするのが最良です。



ニッセイオーストラリア利回り資産ファンド(愛称:豪州力)の概要


購入手数料上限3.0%(税抜き)
信託報酬年率1.56%(税抜き)
信託財産留保額:なし

分配金の取扱:年12回
償還日:2021年8月27日(設定日・2012年12月3日)
運用:ニッセイアセットマネジメント株式会社

購入手数料が3%って、反吐が出るほど高いです。説明をした対価だというのが金融機関の言い分ですが、その説明が自社の利益しか考えていないような人たちの理屈ですから、承服できません。

というか、長期に渡って成果を収めている投資家は、自分の頭で考えて、リターンを落とすだけで何のメリットも皆無な手数料など、支払う事はありません。



ニッセイオーストラリア利回り資産ファンド(愛称:豪州力)の購入先


どうしてもニッセイオーストラリア利回り資産ファンド(愛称:豪州力)を買いたい場合は、以下の2社であれば、購入手数料0.5%で買い付ける事ができます。それ以外は3%もの手数料が取られますので、じゅうぶんにお気を付けください。

手数料0.5% 楽天証券SBI証券


 


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