買う理由が見当たらない、インベスコ・オーストラリア債券ファンド

(2017年3月更新)

分配金利回り操作に手を出した形跡がある怪しい投資信託。分配金利回りが上昇した後に純資産総額が1900億円近くにまで達したが、利回り低下と共に資金が流失、690億円まで減少。実態は運用成績が平凡でコストが高いだけの価値の無さ。ファンド賞を3年連続で受賞しているのが奇妙奇天烈。

インベスコ・オーストラリア債券ファンド

  • 運用(価格の上昇含む)利回り約7%に対して、現時点の分配金利回りは18%
  • 分配金はかなり不健全な状態で、たこ足分配の可能性が大
  • 金融機関の方針で分配金利回りが急上昇・急下降、まったく信用できない
  • 運用成績はごく普通であり、ファンド賞受賞の理由が分からない


 


この投資信託の投資する先は、ごく普通で至極マトモです

インベスコオーストラリア債券ファンド(毎月決算型)の投資対象は、豪ドル建ての公社債です。投資先のオーストラリアの国債は、信用格付が最高位のトリプルAであり、トップクラスの安全性を誇る債券に投資する訳です。

オーストラリア国債の信用格付け


近頃は、高い利回りを求めてハイ・イールド債券に投資するファンドの人気がありますからね。それを思うと、「真っ当な投資対象」との印象です。

ポートフォリオの中身も6割がトリプルA格の債券です。ポートフォリオ全体の格付もAAA格付ですから、問題を感じません。強いて言うならば、オーストラリアへの集中投資リスクくらいでしょうか。

インベスコ・オーストラリア債券ファンドの投資先債券の信用格付けと投資比率


ただし資産配分を見てみると、全体の2割が社債への投資となっています。債券ですから、株式やデリバティブ取引に比べてリスクは低いですが、社債は投資先企業が倒産したら紙切れになりますので、その点は少し、記憶にとどめておく程度には分かっていた方が良いでしょう。




しかし、純資産総額の推移を見ると、「おや?」と疑問を感じる

上記に記したように、投資信託が投資する先としては極めてマトモなのですが、一方でこの投資信託そのものについては、疑問がそこかしこに存在します。まず、純資産総額の推移です。

このチャートをご覧ください。2013年頃から急激に純資産総額が増えて、その後、激減しています。短期間で庶民の注目を集め、その後にやはり短期間で解約の嵐となったと推定できます。純資産総額のグラフが、このような「富士山型」をしている投資信託は、要注意です。

インベスコ・オーストラリア債券ファンドの純資産総額の推移と基準価額の推移


これは一時期に、金融機関が一般人に対して猛烈な勢いで営業をかけて投資信託を売りつけた過去がある証拠です。その際の2013年度以降から、分配金利回りを14%から24%以上に急上昇させて、分かっていない素人をかき集めたのです。

素人に多額の手数料を支払わせて売りつけた後は、当然ながらもうインベスコオーストラリア債券ファンドなどは「どうでもよい」投資信託になるわけですから、今度は持続不可能な分配金利回りを急激に下げて、素人投資家の目を他のファンドに向けさせそれを買わせる=本ファンドを解約してもらう事で、純資産総額が急減したものと思われます。

でなければ、オーストラリアが金融ショックに見舞われた訳でも、大災害が発生してクライシスが到来している訳でもないのに、平穏無事な投資先の状況からして、純資産が急増したり急減したりするわけがありません。金融庁はこういう「急降下」を見て、金融機関に説明を求めてもらいたいくらいです。




分配金の出し方が極めて不健全でタコ足分配な投資信託

上の項で言及した、分配金について書きましょうか。インベスコ・オーストラリア債券ファンド(毎月決算型)の分配金の拠出状況です。以前チェックした際には、分配金を80円から段階的に150円まで増額していたのですが、減額方針に切り替えた模様です。分配金が減り続けて、現在は月40円です。

投資先からの配当収入には変化がほとんどないのに、分配金だけがこのように大きく増えったり減ったりするのは、極めて怪しげですね。

インベスコ・オーストラリア債券ファンドの分配金履歴


現在の分配金利回りは18%です。利回りの低下が続いても、それでも18%の利回りなどはあり得ないほど高く、この数字を見ただけで「変だな」と直感しなければ、投資家失格と言った数字です。

インベスコ・オーストラリア債券ファンドの分配金利回りの推移


そもそもリスクの少ない債券に投資する訳ですから、投資対象から得られる定期収益は少額です。あなた、運用報告書を読んでいますか? これを見て下さい。ポートフォリオの利回りは、たった2%台です。ここからコストを差し引くと、投資家の手元には1%台の利益しか残らないはずです。

インベスコ・オーストラリア債券ファンドのポートフォリオ特性


念のために分配原資の内訳を見てみると、分配金(青線)に対して当期の配当金収入(赤枠)で、まったく補える事ができていません。ものすごい過剰分配を行っていることが分かり、これは呆れて笑いが出てくるレベルです。

インベスコ・オーストラリア債券ファンドの分配原資の内訳


分配金利回りのグラフをもう一度見て頂きたいのですが、1年間のトータルリターンが7%程度なのに、その倍以上の18%近くも分配金があったら、タコ足分配になるに決まっています。

そして、盛大に基準価額が下落して行きます。分配金を消費に使い込んでしまったら、あとはあなたの資産は出涸らし程度にしか残らない事になるのです。一体、何が嬉しくてこのような投資信託を買うのか、全く意味が分からない世界です。

・・・あ、唯一喜ぶのは、金融機関ですね。多額の手数料を取り、その後も高額な信託報酬であなたの元本から資産をかすめ取っていきます。一度手を出したら、止めるに止められない麻薬のようなビジネスなのです。営業担当が愛想笑いであなたを誘う理由が、想像できます。




この投資信託以外の選択肢があるので、それをご紹介

インベスコ・オーストラリア債券ファンドのような酷い投資信託を買わなくても、選択肢は有ります。本来は国際分散投資をおススメしたいところですが、どうもその投資方法は一般受けしないので、ここではオーストラリア債券への投資に限定して、代替案を提示してみます。

まず、インベスコ・オーストラリア債券ファンドのようなアクティブ運用の投資信託の大半は、インデックスファンドに運用成績で勝利する事は出来ないという事を、よく認識する事です。

運用目標であるベンチマークは多少異なるのですが、同じくオーストラリア債券に投資できる、i-mizuho オーストラリア債券インデックスという投資信託があります(コストはインベスコの半分以下です)。

3年チャートで比較して見てみると、運用成績はほとんど同一と言って良いほど同じです。むしろ、コストの安いi-mizuhoオーストラリア債券インデックスのほうが多少成績が良いくらいです。どうしてもオーストラリア債券に投資したい場合は、このファンドでOKです。

インベスコ・オーストラリア債券ファンドと、オーストラリア債券インデックスファンドとの基準価額の比較


金融機関を大喜びさせて高コストのインベスコを買うよりも、低コストのi-mizuho(アイ-ミズホ)を買ったほうが良いに決まっていますよね。

このi-mizuhoオーストラリア債券インデックスは分配金再投資型の投資信託なのですが、SBI証券の投資信託・定期売却サービスを利用すれば、毎月分配型投資信託と全く同じようにして使う事ができます。

しかも毎月の解約をタコ足分配にならないように自分でコントロールして決めることができますから、変に資産の取り崩しを加速させられるような事も回避できるので、検討の価値が有ります。

参考・管理人の手法はこれ分配型の「上場投資信託(ETF)」で一生、分配金を得る方法




インベスコ・オーストラリア債券ファンド(毎月決算型)のコストなど

最後に、インベスコ・オーストラリア債券ファンドのコスト面です。運用成績が良好ならば高コストは容認できますが、当ファンドはとてもそんな風には思えません。

購入手数料上限3.24%(税込み)
信託報酬年率1.296%(税込み)
信託財産留保額:なし
償還日:無期限(設定日 2003年7月2日)
運用:インベスコ・アセットマネジメント株式会社


それにしても、こんなコストが高いだけで、参考指数に対しても勝っているのか負けているのか分からないような投資信託が、以下のようなファンド賞を連続受賞する理由が、全く不明です。モーニングスターの評価だけで投資信託を買ってはいけない典型的な事例になっています。

インベスコ・オーストラリア債券ファンドは優秀ファンド賞受賞




インベスコ・オーストラリア債券ファンドの購入先

購入手数料は証券会社で大きく変わってくるため、注意が必要ですね。下記に、所定より安い購入手数料で購入できる代表的な証券会社をあげておきます。購入したい人はどうぞ。

フィデリティ証券に関しては、下記に対して購入手数料がゼロになるキャンペーンをやっているので、どうしても買いたい場合はフィデリティ証券に決まりでしょう

・手数料1.08% : 楽天証券SBI証券マネックス証券フィデリティ証券
・手数料2.16% : 岩井コスモ証券



 


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