バンクローン・ファンド・・・個人投資家にとって不要な存在

(2017年7月時点)

ハイイールド債券同等のリスクを含んでいる、危険なバンクローンに全力投資する投資信託。過去の有事の際には失神するような損失を出した過去の実績あり、非投資適格の債券に資金を投じる意味を本当に理解しているのか。販売資料では安全そうに書かれているが、それはマヤカシ。

バンクローン・ファンド

  • 分配金に占める債券収入の割合は40%しかなく、過剰分配である
  • そもそも債券収入の4割は信託報酬等で消し飛ぶ高コスト体質の投資信託
  • 運用目標に対して平凡な成績しか出せていない
  • 個人投資家は、バンクローンなるものに投資する必要すらない


 


バンクローンのリスクについて考えてみよう

バンクローン・ファンド(ヘッジなし)は、米国企業向けバンクローン(貸付債権)へ投資するファンドです。バンクローンからの高水準のインカムゲインの確保を目指す運用を行う訳ですが、そもそもバンクローンとはどんなものなのでしょうか?

バンクローンとは、大企業向けのローンです。一時期に問題になったサブプライムローンは、低所得者向けの住宅ローンでしたが、バンクローンの貸出対象は大企業です。一般的にバンクローンには、担保が付いています。

しかし、私たち個人投資家が市場を通して売買するバンクローンは、非投資適格のバンクローンとなり、リスクは相当程度、高いです。機関投資家が手を出したがらない領域に個人投資家が資金を託して良いものなのかどうか、非常に疑問です。


コラム参照バンクローンの仕組みとリスク、分かってる??

バンクローンの仕組み


ではバンクローンの魅力は何かと言いうと、高い利回りでしょう。下記の、資産ごとの利回り比較をご覧ください。2016年12月末の情報となりますが、日本の国債の利回りが0.1%に対して、バンクローンの利回りはなんと5.2%で、銀行預金の金利水準に慣れ親しんだカモの人にとって腰を抜かしそうな利回り水準です。

ただ、管理人が一番に驚いたのは、ジャンク債で有名な米国ハイイールド債券と、利回り水準がほとんど変わらない点です。ハイイールド債券なんてのは「夜逃げしそうな人にリスク承知で貸し出しているから利回りが高い」のであって、それとバンクローンは同水準なのですから、リスクも同じようなレベルだと認識しなくてはなりませんね。

各資産の利回り比較


では、バンクローンのリスクを最もよく示した下記チャートをご覧ください。2008年のリーマンショック時には、価格が▲40%近く落ち込んでいます。これは、株式セクターと同水準の下げ幅です。当ファンドを購入するなら、有事の際に何が起きるのかを、頭に叩き込んで欲しいです。

バンクローンのパフォーマンスと年間収益率の推移


さきほど、個人投資家が投資するバンクローンは非投資適格のローンであると説明しました。実際に当ファンドは、下記のように信用度が超低いローンを投資対象としています。貸出先の信用レベルは、ジャンク債のハイイールド債券とほとんど変わりないです。

S&Pとムーディーズの格付け


バンクローン・ファンド(ヘッジなし)の、実際のポートフォリオを見てみましょうか。下記の信用格付構成比率を見てみると、投資不適格なものばかりであり、なかなか恐ろしい状況ですね。

400を超える銘柄に分散投資しているとは言え、有事の際には信用度の低い企業は軒並み経営不振に陥るでしょうから、とても不安になります。

バンクローン・ファンド(新光)の信用格付け構成比率


本ファンドは、かようなリスクの塊である事をきちんと認識しており、有事の際はご自身の判断で直ちに全力でこの市場から逃げ出すことのできる人だけが、購入OKとなります。

いちいち証券会社や銀行に「今後の見通しはどうですか?」とアホな事を聞くような人は、決して買ってはいけない投資信託だと言えます。




投資家が手にする分配金についてチェックしてみた

この手の金融商品は、基本的にカモ向けの投資商品です。だいたい金融関係者が普通の精神の持ち主だったら、バンクローンなど個人投資家に売りつける訳ないですからね。こんな商品を知人や両親に推薦できないと思いますよ。

さて管理人、下記のチャートを見て、当ファンドの分配方針も「ロクなもんではないだろうな」と直感しました。過去の経験的に、基準価額と分配金再投資基準価額の差が大きい投資信託は、その分配方針に問題があるからです。

バンクローン・ファンド(ヘッジなし)の基準価額の推移


バンクローン・ファンド(ヘッジなし)の現在の分配金利回りは約5%で、月50円の分配を続けています。他の異常な利回り水準の毎月分配型投資信託に比べると低い水準ですし、先ほどバンクローンの利回りが高いと書いたので、「こんなもんじゃない」と思う人が多いでしょう。

しかし実際は、投資先から得た利益から経費が金融機関に抜かれる訳です。具体的に信託報酬が1.8%ですから、これが経費になります。単純な分配金利回りを見ても、本当に妥当な水準か分かりません。

バンクローン・ファンド(ヘッジなし)の分配金利回りの推移


最新のポートフォリオの状況を見てみると、投資先の利回りは約4.5%です。さきほどの経費1.8%を差し引くと、私たちが手にする分配利回りは、本来2.7%程度の水準になるはずです。それに対して分配金利回りが5%を超えてましたから、数字が一致しません。

バンクローン・ファンド(ヘッジなし)のポートフォリオの最終利回り


このような時は、分配金の内訳をチェックすれば、分配金に問題があるのかないのか一発で判断ができます。下記の分配状況を見た感じ、たった4割しか定期収益(配当金収入)でカバーできていません。

バンクローン・ファンド(ヘッジなし)の分配原資の内訳


金が湧き出る打ち出の小槌なんてものはありませんから、残り6割ほどにもなる「不足分」は、当然、私たちの投資原資から「勝手に」取り崩して支払われる訳です。

売買手数料や信託報酬と呼ばれる高額なコストを抜かれた挙句、利益でもない元々の自分たちのお金が取り崩されて戻って来るのは非常に馬鹿らしい事で、こんな仕組みは詐欺に近いのではないでしょうか。




アクティファンドとしての腕前も平凡で、投資する意味を見出せない

これまでバンクローンのリスクや分配金の問題について指摘してきましたが、そもそも運用の腕前は、どうなのでしょうか。アクティブ運用の投資信託ですから、最低でも高いパフォーマンスを出してもらわないと、後ほど記すような高コストを支払う意味がありません。

運用目標となる参考指数は、S&P/LSTAレバレッジド・ローン・インデックス(円換算)ですが、残念ながら比較できるチャートがありません。運用報告書にかろうじて掲載されている半年の月別パフォーマンスを見た限りでは、インデックスと大差ない印象を受けてしまいます。

バンクローン・ファンド(ヘッジなし)の基準価額と参考指数との対比


そもそも何度も指摘している通り、一般の個人投資家はこの投資信託の投資対象であるバンクローンなどに手を出す必要もなく、更には人をバカにしたようなタコ足分配である事も考え合わせると、参考指数との対比すら何の意味も無いように感じてしまいますね。手出し無用の投資信託です。




バンクローン・ファンドのコストなど

購入手数料:上限3.24%(税込み)
信託報酬:年率1.7564%(税込み)
信託財産留保額:なし
初年度で5%のコストがかかる。あり得ないほどの高コスト投信です。

償還日:平成34年12月9日(設定日:平成24年12月17日)
運用:新光投信株式会社




バンクローン・ファンドの購入先

バンクローン・ファンドで分配金を得たい場合、下記の証券会社で購入が可能です。金融機関によって、手数料が異なります。

手数料1.62% 東京スター銀行
手数料2.1% :みずほ証券



 


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