ブラックロック・米国小型株式 ビッグデータ戦略ファンドの評価は?

(2018年3月時点)

ビッグデータとAIを駆使して小型株効果を更に高めてリターンを向上させるという触れ込みだが、結果は参考指数に惨敗しており、全く買う意味が分からない状態。それにもかかわらず、野村證券の販売力が凄いので既に600億円以上が集まっている。過去の運用データなど、全くあてになりません。

ブラックロック・米国小型株式 ビッグデータ戦略ファンド


  • ビッグデータを駆使したところで、運用目標たる参考指数には惨敗
  • 高コストが全く無駄になってしまっている状態
  • 小型株効果は常に有効とは限らないので注意


 


為替ヘッジあり、為替ヘッジなし共に、本ページで解説


ファンド設立後、庶民の注目を集めて短期間で多額の資金を集めたブラックロック・米国小型株式ビッグデータ戦略ファンド。2018年3月時点での純資産総額は、640億円に達しています。本ページでは、以下の2つのタイプを解説します。基本的に、これらはの中身は全く同一です。

・ブラックロック・米国小型株式 ビッグデータ戦略ファンド(為替ヘッジなし
・ブラックロック・米国小型株式 ビッグデータ戦略ファンド(為替ヘッジあり


ブラックロック・米国小型株式 ビッグデータ戦略ファンド


この投資信託は、最近世間を賑わせているビッグデータ・人口知能・AIを活用した資産運用を実現しているようです。販売の現場ではお年寄りなどに「人口知能やAIを使っています」とセールストークをして売り込んでいるのでしょうか。なんとなく大儲けできそうですし。

ただ、この手のテーマ型の投資信託は、当サイト管理人の過去の経験的には、大した運用成績にならない事が多いのです。果たして、ブラックロック・米国小型株式ビッグデータ戦略ファンドなる投資信託がいかなるもので、現時点でどのような運用実績があるのか、チェックしてみたいと思います。



小型株効果と「ビッグデータ戦略」によってリターン向上を目指すとの事


ブラックロック・米国小型株式 ビッグデータ戦略ファンドの投資対象は、読んで字のごとく米国小型株式です。確かに小型株は大型株に比べて大きな株価の上昇が期待できる為、投資したくなる気持ちは分かります。

これまでの米国小型株式の成績は、米国大型株式を凌駕する傾向にありますから。下記のチャートをご覧頂ければ、小型株効果が実感できます。大型株よりも、5~10%ほど小型株の成績が良いです。

小型株と大型株のリターンの比較


ただし、常に小型株の調子が良い訳ではありませんから、過度な期待は禁物です。過去、大型株より圧倒的にリターンが悪い時期も長く続いていたことも、頭に入れておきましょう。必要以上に小型株を勧めてくる金融機関があったら、それはそれで要注意です。

さて、この投資信託の最大の特徴は、ブラックロック・グループが開発したツールと、様々なビッグデータを使って投資銘柄を選定する点でしょう。

具体的な銘柄選定ですが、まずは十分な分析ができる2500銘柄の投資候補を絞りこみます。そこからAIを駆使した投資分析を行い、最終的に250~500銘柄に投資する事になります。最新の投資情報を常に入手して、最先端のビッグデータで分析、日々最適なポートフォリオに更新できる事を目指すとの事です。

ブラックロック・米国小型株式 ビッグデータ戦略ファンドの銘柄選択プロセス


参考指数としてラッセル2000インデックスが設定されており、それを凌駕するパフォーマンスを目指すアクティブ運用の投資信託ですから、運用が上手なのか下手糞なのか、一発で分かります。結果としてブラックロック・米国小型株式 ビッグデータ戦略ファンドがどうだったのかは、後述します。



ビッグデータ戦略とは何か、その特徴を徹底的に分析してみた


ブラックロック・米国小型株式 ビッグデータ戦略ファンドのセールスポイントは、「ビッグデータ戦略」であり、下記の3つの特徴からなるようです。

1.膨大で多種多様なビッグデータをいち早く入手し分析に活用する。
2.約2,500社の投資候補銘柄全て、約50の評価項目で多面的に分析し、投資魅力度を算出する。
3.人工知能(AI)も活用して、最先端の分析手法を追求する。



なんとなく凄そうで、圧倒的なパフォーマンスを叩き出しそうです。でも、これだけではよく分からないので、上記の順番でもう少し詳しく中身を見てみましょう。


人の手では扱えない膨大・多種多様なデータをいち早く入手して分析に活用


これまで機関投資家は、株価、財務データ、経済指標などを元に銘柄を選定していました。しかし、ビッグデータ分析では、従来の分析データだけでなく、ソーシャル情報・ニュース・インターネットなどからリアルタイムでデータを集め続けて、銘柄選定の補完を行います。

ビッグデータ戦略


この点については、「ああそうですか、頑張ってください」くらいしか、投資家としては言う事はありません。この点は、次の項も関連してきますので、以下もご覧ください。


2500社の投資候補について50の評価項目で多面的に分析し、投資魅力度を算出


上記、ビッグデータの分析で、下記のように約50の評価指数を弾き出して、総合点の高い魅力的な銘柄を選びだすようです。

投資候補銘柄の魅力度分析


ただ、機械的に導き出す数値ですし、どこの機関投資家も似たような評価指標と、分析データを用いるはずなので、結果的にビッグデータ分析を活用したファンドの銘柄は似たようなものになり、運用成績も平凡なものになるような気がします。

本当に他社を出し抜いて良い成績を出せるのか、当サイト管理人的にはどうも疑問に感じます。ポートフォリオの銘柄数などは最大500銘柄ですし、結局のところ平凡なファンドになる予感がプンプンしてきます。


人工知能(AI)も活用し最先端の分析手法を追求


ちなみに、「人口知能・AIを活用して何をするのかな」と思って販売資料を読み込んでみると、なんとAIの分析結果は、約50の評価項目の1つとして使うだけのようです。これでは、他の評価結果に埋もれて、AIが有っても無くても、大差はないのではないでしょうか・・・。

AIの指標が9割を占めるのなら人口知能の効果を期待できますが、1/50しか評価に占めないのであれば、ほとんど意味をなさないでしょう。これは、残念です。

AIを使った銘柄分析



同一戦略の運用成績は凄そうだが、この投資信託のリターンは参考指数に惨敗


何か目新しい手法で絶大なパフォーマンスを叩き出すのかなと期待したのですが、旧来から存在するような投資信託と、運用成績はそんなに変わらないような気がしてきました。

販売資料には、「ビッグデータ分析を活用した同一運用戦略のファンド」の成績を掲載していますが、ちょっと怪しいものです。証券会社はこのような「同一運用戦略の過去データ」をしょっちゅう持ちだしてきては「優れている」と言い張りますが、その後も優れていた実例など、記憶にないくらいです。

ブラックロック・米国小型株式 ビッグデータ戦略ファンドと同一戦略のファンドのリターン


投資の知識や経験の無い人が上記の結果を見れば、お宝ファンドだと勘違いするしょう。更に駄目押し的に、この投資信託に積立投資した場合のリターンのシミュレーション結果も掲載されています。投資金額321万円が1443万円になるなどと明示されています。

ブラックロック・米国小型株式 ビッグデータ戦略ファンドに積み立て投資した際のリターンシミュレーション


しかし、こんなものは野村證券が徴収する3%にもなる購入手数料と、毎年かかる1.445%もの信託報酬を、一切無視した数字です。実際にはこれよりもかなり下の数字になる筈ですし、そもそもこの投資信託を選ぶ必要など無いのではないかという視点を持つことの方が大事な気がします。

過去のデータや「同一の運用方針のファンドの過去の成績」など全くあてにならない「証拠」をお見せしましょう。ブラックロック・米国小型株式 ビッグデータ戦略ファンドの参考指数として、ラッセル2000インデックスが設定されています。

アクティブ運用の投資信託の場合、この参考指数やベンチマークと言われる運用目標に対して、それを上回っていたら買う価値があり、下回っていたら無価値であると判断できます。ブラックロック・米国小型株式 ビッグデータ戦略ファンドの現時点での運用成績は、次の通りとなります。

ブラックロック・米国小型株式 ビッグデータ戦略ファンドと参考指数とのリターン比較


たった半年程度の運用成績ではありますが、為替ヘッジありと為替ヘッジなしのいずれのタイプも、参考指数に対して3%ほどの大きな数字で負けています。惨敗と言って良いでしょう。

しかも買い付け時に野村證券に3%支払う事を考えると、参考指数には6%は負けている事になります。アクティブファンドの存在価値は、ベンチマークなどの運用目標に勝利する事ただ1つですから、ブラックロック・米国小型株式 ビッグデータ戦略ファンドに投資する意味は全く無いと言えます。

参考iシェアーズ 米国小型株ETF(ラッセル2000)の評価・解説



ブラックロック・米国小型株式 ビッグデータ戦略ファンドの概要


購入手数料上限3.0%(税抜き)
信託報酬年率1.445%(税抜き)
信託財産留保額:0.2%
分配金の取扱:年2回(3・9月の各20日)
償還日:2027年5月28日(設定日:2017年5月22日)
運用:ブラックロック・ジャパン株式会社

記事本文中にも書きましたが、こんなにもコストが高くなると、コストがリターンを明確に削って、投資化の実入りが極端に減る事になります。信託報酬で10年間の運用期間中に、投資元本の14.5%もが傷つきますので、それを考えただけでも買うようなものではない事が分かります。



ブラックロック・米国小型株式 ビッグデータ戦略ファンドの購入先


それでもブラックロック・米国小型株式 ビッグデータ戦略ファンドを買いたい人は、野村證券に手数料3%を支払って購入しましょう。現在のところ、野村證券のみで買い付けができます。


 


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