世界インパクト投資ファンド(愛称:Better World)・特に投資価値は無し

(2018年7月時点)

社会的な課題の解決を図る企業に投資するという、耳ざわりは一人前の投資信託。その結果リターンを上げるのが責務なのだが、リターンのほうは完全に半人前であり、わざわざ投資する意味は感じられない投資信託。資産成長型については、コンセプトそのものの説明が無く、全く意味不明。

世界インパクト投資ファンド(愛称:Better World)


  • 参考指数に対して、設定来劣るリターンであり投資する意味が無い
  • 単に、同じベンチマークのインデックスファンドを買っていれば宜しい
  • コストは仰天するほど高く、今後も運用リターンを大きく下げる方向に働く
  • 資産成長型が通常タイプと何が違うのかの説明が無し


 


綺麗事は良いに決まっており、経済的利益と両立出来て初めて価値が出る


世界インパクト投資ファンド・・・一体何のインパクトが有るのかと思って目論見書を読むと、世の中に横たわる課題の解決と同時に経済的な利益も得る投資、と言う事のようです。動画まで用意して、投資家にガッツリとアピールしています。

『世界インパクト投資ファンド』特集!‐第1弾‐社会から求められる『インパクト投資の魅力』(2018/4) https://www.daiwasbi.co.jp/movie/watch538/

世界インパクト投資ファンド(愛称:Better World)


この種のアクティブ運用の投資信託は、常に耳ざわりの良い事ばかりを言う傾向にあります。基本的に企業というものは、世の中の課題を解決するからこそ支持が集まり、利益を出せるものだと思います。従って、「社会的な課題の解決」を声高に言わなくても良いだろうと思っています。

そして、自分で直接株式を買い付けるのと違って、余計なコストをかけてまで投資信託を買う訳ですから、いくらきれいごとを言ってもリターンが出ていなければ、何の意味もありません。「社会的課題の解決」と「経済的な利益」を両立できないという事になり、投資する価値が無いという事につながります。

と言う事で、世界インパクト投資ファンド(愛称:Better World)を評価してみたいと思います。この投資信託には以下の2つのタイプがあり、両方について本ページで評価します。

・世界インパクト投資ファンド(愛称:Better World)
・世界インパクト投資ファンド(資産成長型)(愛称:Better World)




肝心の運用成績は悪く、「worse world」という愛称が相応しい


では、運用成績をチェックしてみます。アクティブ運用の投資信託の成績の良し悪しを見るには、まず、ベンチマークや参考指数と呼ばれる運用目標(あるいはそれに近い存在)を確認します。

ところが、目論見書を見ると、「ファンドにはベンチマークはありません」と記載してあります。これでは運用が始まってから、運用の上手い下手をどうやって見分ければ良いのでしょうか。ケシカラン事です。

世界インパクト投資ファンド(愛称:Better World)のベンチマーク


しかし、運用が始まって1年が経過して発行された運用報告書を見ると、参考指数が書かれている事も多いです。こういう情報は事前にきちんと目論見書に書くべき事であり、二重にケシカランですな。

これを見ると、参考指数はMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込み)である事が分かります。なるほど、月報を見ると投資先が米国やその他の先進国、更には新興国まで含まれており、全世界の株式に投資する事になりますから、参考指数としては妥当な指標になりますね。

で、全世界株式の中から「インパクト投資」なるものを行う事によって参考指数を上回るリターンを狙うのが、この投資信託の責務になります。結果はどうなったのか、数字で確認してみます。

世界インパクト投資ファンド(愛称:Better World)の基準価額と参考指数とのリターン比較


参考指数は、設定来で10000万円から13447円(青枠)まで数字が伸びています。それに対して、基準価額は10075円です。毎期、分配金を出しているので、赤枠の数字を全て足してやると、12875円になります。となると、参考指数に対して劣る成績しか上げていない事が分かります。

これを、モーニングスターを使ってグラフで表したのが、下の図です。世界インパクト投資ファンドは、設定来で参考指数に対して5%も劣る数字になっています。これでは全く使う意味が無いと言えます。

世界インパクト投資ファンド(愛称:Better World)の基準価額と参考指数とのリターン比較


これならば、信託報酬が0.48%とはるかに低コストで、同じくMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスをベンチマークとするインデックスファンド、全世界株式インデックス・ファンドを買っていれば十分だという事になります。

世界インパクト投資ファンド(愛称:Better World)と全世界株式インデックスファンドとのリターン比較


実際に全世界株式インデックスファンドと世界インパクト投資ファンドを比べてみると、上記のように、ほとんど同一の運用成績です。実際には世界インパクト投資ファンドは購入時に3%もの手数料がかかりますので、それをカウントするとインデックスファンドの方が明確に勝利します。

世界インパクト投資ファンド(愛称:Better World)など買わずに、全世界株式インデックスファンドを買っていれば宜しい」という結論になります。



とんでもない高コストが、運用の足を引っ張る


投資信託選びの重要なポイントに、コストを見るという事があります。やはり運用報告書を読み込み、信託報酬以外の細かいコストも含めた実質コストをチェックしてみます。下記は、約半年間のコストの合計です。

何と、たったの半年なのに、税込みで1.839%ものコストがかかっている事が明示されています。その前の期の運用報告書がウェブサイトに無いので推定になってしまいますが、下記の数字を二倍にしてやって1年間の数字に直すと、実質コストは3.678%もすると言う事になります。

世界インパクト投資ファンド(愛称:Better World)の実質コスト


こんなバカげた高コストを費やしていたら、インデックスファンドや参考指数に勝てる可能性は著しく低くなります。自分自身のせいで年間3.6%強もリターンを下げているので、これをカバーして更に運用リターンを上げようとしても、非常に報われにくい運用になってしまいます。



世界インパクト投資ファンド(資産成長型)は皆目分からぬ意味不明


2018年初より、何故か急に資金が集まって純資産総額が増えた事に味を占めたのか、世界インパクト投資ファンド(資産成長型)なるタイプが、ファンドのラインナップに追加されました。

一体「資産成長型」とはどういう意味なのか、目論見書を読んでみました。・・・そうしたところ、何と今までの「通常タイプ」と一字一句、文言に違いが無く、資産成長型の意味を確認する事ができませんでした。

世界インパクト投資ファンド(資産成長型)


月報を見ても、全く記載内容が同一です。以下、ご確認ください。

世界インパクト投資ファンド(資産成長型)


ファンドマネージャーからだと思われるマーケットコメントも同一です。運用状況と今後の方針なども、一字一句同一です。これでは、資産成長型が一体何なのか、皆目分かりません。

世界インパクト投資ファンド(資産成長型)のファンドマネージャーのコメント


唯一の違いは、通常タイプが年二回決算なのに対して、資産成長型が年一回の決算です。でも、たったこれだけの違いしか無いのでしょうか。資産成長型は分配を行わないで、無分配再投資だという事であれば分かりやすいのですが。

世界インパクト投資ファンド(資産成長型)の決算


と言うか、年2回決算の通常タイプも、余計な分配は止めて欲しいですね。下記のように、年に2回ほど盛大に分配金を放出する事(赤枠)で、基準価額を調整して、初心者が「基準価額が高いと割高だ」と勘違いさせないような、1万円台(青線)に合わせるような分配をやっています。




資産成長型がこのような強引な分配をやらないというのであれば良いとは思いますが、そもそも通常タイプでそのような分配をやらければ良いだけの話しですね。



世界インパクト投資ファンド(愛称:Better World)のコスト


購入手数料上限3.0%(税抜き)
信託報酬年率1.8%(税抜き)
信託財産留保額:なし
償還日:2026年8月10日(2016年8月26日設定)、資産成長型は2018年5月14日設定)
運用:大和住銀投信投資顧問株式会社


猛烈に高コストだと言えます。途中、見て頂いたように、こんなにも高いコストを取っておきながら、全世界株式インデックスファンドよりもリターンが低い訳ですから、お金の使い方、つまり投資としてはかなりイマイチだと言えるわけです。



世界インパクト投資ファンド(愛称:Better World)の購入先


野村證券や三井住友銀行がメインに売っていると思われます。ネットでは、カブドットコム証券、フィデリティ証券、岡三オンライン証券、マネックス証券楽天証券SBI証券で買う事ができます。手数料は3%の手数料がかかります。(フィデリティ証券であれば、キャンペーンとして購入手数料がゼロになります


 



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