中華圏株式ファンド(愛称:チャイワン)のリスクの大きさには要注意

(2017年11月21日公開)

急に庶民の人気が高まってあっという間に600億円を超えた投資信託。人気の理由は30%超の異常な分配金利回り。明らかに実現不可能だと思うのだが、特に何も考えていないカモが群がっている模様。中国への集中投資リスクも、よく分かっているのだろうか。諸君らが、無事生き延びる事を期待したい。

中華圏株式ファンド(愛称:チャイワン)


  • 分配金利回りが31%に到達、明らかに「怪しい」と思える水準
  • 分配金を増額し、基準価額の値動きを見た限りでは身の丈に合わない分配が継続
  • ただし運用報告書によると分配金の出し方は「正常」となっていて意味が不明
  • 同程度の運用成績のインデックスファンドに投資していれば宜しい


 


中国に集中投資するアクティブ型の投資信託、リスクが高すぎると思う


中華圏株式ファンド(愛称:チャイワン)の投資対象は、中国経済圏(中国、香港、台湾)の株式です。中国(上海・シンセン)、香港、台湾の取引所に上場する株式に投資する、アクティブ運用の投資信託です。

中華圏株式ファンド(愛称:チャイワン)のポートフォリオ


長期分散投資の観点からすれば、初心者には、中国への集中投資をおススメできません。なぜなら、リスクが高すぎるからです。このリスクに関しては、後ほど説明しますね。

そのうえ困ったことに、ベンチマークや参考指数が存在しません。これでは、ファンドの運用成績を評価できないので、投資判断ができません。アクティブ型の投資信託で運用目標を提示しないファンドの成績は、ろくでもない事が多いので、この時点で投資対象から外したいところです。

さらに、中華圏株式ファンド(毎月分配型)は、他に問題を抱えています。それは、下記の「基準価額」と「分配金込み基準価額」を表示したチャートに表れています。

中華圏株式ファンド(愛称:チャイワン)の基準価額


2つの折れ線グラフの乖離が驚くほどに大きいのですが、このようなチャートの毎月分配型投資信託は、身の丈に合わない分配金を出している可能性がとても高いです。2017年10月末時点での基準価額は4602円まで下落しており、過剰な分配金の影響で下がり続けたのだろうと推測します。

2016年以降は急に人気が高まり、純資産総額633億円まで、短期間に資金が集まっています。この理由も、過剰な分配金で表面的な利回りが上昇したからではないでしょうか? このあたりの問題もチェックしてみます。



分配金利回り30%は高すぎて、身の丈に合わない分配の可能性もある


中華圏株式ファンド(愛称:チャイワン)の分配状況をチェックしてみましょう。直近3年の分配状況を見ると、分配金を増額しており、現在では月に120円にまで達しています。

中華圏株式ファンド(愛称:チャイワン)の分配金履歴


この水準が高いのか低いのかは、分配金利回りをチェックすれば一発で分かります。なんと、2017年11月時点で、分配金利回りが31%にまで達しています。これはどう見ても、高すぎるというのが第一印象です。

中華圏株式ファンド(愛称:チャイワン)の分配金利回り


ただし、運用報告書を見ると、分配金は毎月の利益(配当収益+売買益)でカバー出来ているようです。タコ足分配になっておらず、分配型投資信託としてはマトモに見えてきます。

中華圏株式ファンド(愛称:チャイワン)の分配金の内訳


上げ相場だとタコ足にならないのかなと思って、念のため下げ相場だった2015年半ば以降を見てみたら、こちらも分配金の出し方は問題ありませんでした。

中華圏株式ファンド(愛称:チャイワン)の分配金の内訳


どう考えても、投資先の中国株の配当金が30%を超えているとは思えないのですが、ファンド内での売買タイミングが非常に上手で、高い分配金を出すことが可能になっているのでしょうか? 内実は外からは全く分からないので、今後もこのような分配が継続する事を、神に祈りましょう。

なお、いくら分配金の出し方が不健全ではなさそうだと分かっても、分配金を湯水のごとく使っていたら、あっという間に資産を食い潰す事になるので、その点は注意しておきましょう。例えば2010年10月の運用開始時に500万円投資した人がいたとしたら、今現在の基準価額では、解約したら230万円にしかなりません。

「死ぬ時には金など要らぬ」という人ならまだしも、普通は資産を維持しながら分配が欲しいと思うはずなので、その意味からすると資産が減るスピードがあまりにも早い事になるので、要注意なのです。



初心者は、「リスク=値動きの変動の大きさ」に十分注意しよう


中華圏株式ファンド(愛称:チャイワン)のような投資信託を購入するような素人投資家にとっての最大の懸念事項は、リスク、つまり価格の変動の大きさだと思います。参考に、先進国や新興国の株式に投資するインデックス運用の投資信託と、値動きを比較した下記のチャートをご覧下さい。

中華圏株式ファンド(愛称:チャイワン)の値動きが激しいのが分かります。特に2015年の際立った下落相場に対して、普通は精神的に耐えきれなくなる可能性が高いです。

また、投資の初心者は「高値掴み」をする傾向にあるので、売買タイミングによっては取り返しのつかない事になります。2015年の初めの頃の価格が急騰したタイミングで慌てて購入して、その後に暴落に近い価格の下落に見舞われた場合、分配金を貰えても含み損失が大きすぎるという事になりかねませんね。

中華圏株式ファンド(愛称:チャイワン)のリスク


このような恐ろしいくらいの値動きが生じる新興国の株の、一国に集中した投資は、投資の事をよく分かってからにしたほうが無難だと思います。初心者がうかつに近づくようなものではありませんので、やけどをしないように十分注意してください。

先進国や新興国の株に広く分散投資をするインデックスファンドに投資していても、投資結果は大して変わらないものです。もちろん年によってかなり異なりますが。

(過去5年間のスパンで見ると、中華圏株式ファンドよりも、先進国株インデックスファンドのほうが運用成績が良いです。中国に投資したほうが儲かると思うかもしれませんが、そう単純ではないのです。)

SBI証券の投資信託・定期売却サービスを使えば、分配金再投資型のインデックスファンドに投資しながら、自分で毎月分配型投信のように一定額ずつファンドの解約ができます。投資を止める時になっても資産が大幅に減らないような、「自制心の効いた分配金目当ての投資」をしたいものですね。



中華圏株式ファンド(愛称:チャイワン)のコスト情報と代替えとなる投資信託


・購入手数料:上限3.5%(税抜き)
・信託報酬:年率1.7%(税抜き)
・信託財産留保額:0.5%
・償還日:2021年10月4日(設定は2010年10月29日)
・運用:日興アセットマネジメント株式会社


今どき、購入手数料が3.5%は意地汚いレベルで高コストです。また、年率1.7%の信託報酬も、分散投資ができるインデックスファンドでも、今なら0.3%前後のものが多数登場しているこのご時世、卒倒するくらいに高いといえます。

リスク(価格のブレ)が中華圏株式ファンド(愛称:チャイワン)よりも若干マイルドで、その分、わずかにリターンが低くなりますが、中国単独に投資できるインデックスファンド、i-mizuho 中国株式インデックスで十分なのではないでしょうか?

中華圏株式ファンド(愛称:チャイワン)の分配金の内訳の代替えになるインデックスファンド


i-mizuho 中国株式インデックスならば信託報酬は0.63%と低コストです。おまけに2%~3%の購入手数料がゼロですから、その分をカウントすると、両者の成績はほぼ同等という事になりますね。



中華圏株式ファンド(愛称:チャイワン)の購入先

中華圏株式ファンド(毎月分配型)(愛称:チャイワン)は、SBI証券楽天証券マネックス証券ならば、手数料2%で購入する事ができます。他は、上限3.5%に近いコストでの買い付けになります。


 


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