コーポレート・ボンド・インカム(為替ノーヘッジ型)を評価すると

(2015/12~2016/12の成績を元に算出、2016年12月時点)

モーニングスターの債券部門で優秀ファンド賞を受賞した「エリート」にも関わらず、過剰分配方針に切り替えて猛烈な勢いで分配している。安全性が高いのに12%を超えるという利回りに庶民が殺到。純資産総額が急激に増え332億円に到達。資金の集まり具合をみると1000億円くらいまでは行くのではと思える残念なファンド。

コーポレート・ボンド・インカム(為替ノーヘッジ型)の評価

  • 運用(価格の上昇含む)利回り約▲9%に対して、現時点の分配金利回りは12%
  • 過剰分配する方針に変わったようで、分配金の増額が激しすぎる
  • 債券からの収益は3割程度。のこりの7割は、どこから捻出しているのか・・・

 


表向きは最優秀ファンド賞受賞の「エリート」ファンドだが

コーポレート・ボンド・インカム(為替ノーヘッジ型)の主要な投資対象は、米ドル建ての投資適格社債です。ただし米国以外の企業が発行する社債や、社債を対象としたETFなどにも投資する可能性があります。

実はコーポレート・ボンド・インカムは、知名度の高いファンド賞を受賞しています。モーニングスターアワード・ファンドオブザイヤー2015「最優秀ファンド賞(債券型部門)」を獲得です。当然ですけど、妙な事をしでかさない、真っ当なファンドのはずです。

コーポレート・ボンド・インカム(為替ノーヘッジ型)は最優秀ファンド賞受賞


近頃は高い利回りを投資家にアピールしやすい、クズ債券とも言えるハイ・イールド債のようなリスクの高いものに投資するファンドが多いのですが、当ファンドは下記が示すように、かなり安全性が高いです。

基本的にA格以上の良好な格付けを中心するスタンスです。投資適格ではありますが、もっともリスクのあるBBB格は10%程度の保有に留める方針にも好感が持てます(ただし20%までは投資できる)。最新のポートフォリオを見てみると、BBB格付以下は10%以下で、その方針通りです。

コーポレート・ボンド・インカム(為替ノーヘッジ型)の投資先の格付け構成比率


で、この安全性の高い債券でポートフォリオを組むため、下記のように、超コストが掛かりそうな運用プロセスとなっています。これで、本当に運用成績が向上すれば良いのですが・・・ 。

コーポレート・ボンド・インカム(為替ノーヘッジ型)の銘柄選定プロセス




しかし中身の分配方針はクズの極みだった(今風に言うとゲスの極み)

安全性が高い債券の部類になりますが、米国国債や、日本の社債に比べると高利回りです。年間3%程度の利回りが期待できるので、定期預金の変わりに活用したいと思ってしまいます。

主な債券の利回り比較


保有するポートフォリオから得られる利回りの実績は、2.3%程度です。リスクの低いものはリターンも低いのが当然の常識ですから、ま、こんなものでしょう。

コーポレート・ボンド・インカム(為替ノーヘッジ型)の投資先債券の最終利回り


という事は当然、本ファンドの分配金利回りも2%程度なのかと思いきや、2014年当初で5%の利回りがあり、そして現時点では12%近くにまで達しています。あり得ませんよね、普通は。

コーポレート・ボンド・インカム(為替ノーヘッジ型)の分配金利回りの推移


どうしてかと言うと、2014年末から急に分配金を増額しているからです。段階的に増やし続けた事で、月100円の水準に到達です。これまでの2倍、分配する方針に変わったようですが、そんな事が物理的にできるんでしょうか? これは、利回りを操作するファンドの典型的な事例ですね。

コーポレート・ボンド・インカム(為替ノーヘッジ型)の分配金履歴


分配金利回りが12%近くまで上昇していますが、保有する債券の利回りは2%程度ですから、差し引き10%はどこから捻出しているのでしょうか?

疑問に感じたので運用報告書を読んでみると、「基準価額の変動要因」が掲載されていました。債券からのインカムゲイン23円(青枠)に対して、毎月100円(赤枠)を支払っています。明らかに安定的な収益から補えていないのが分かります。

コーポレート・ボンド・インカム(為替ノーヘッジ型)の基準価額の変動要因


分配金の内訳を調査しても、7割前後が当期の収益(青枠)以外から支払う状態になっています。

コーポレート・ボンド・インカム(為替ノーヘッジ型)の分配金の内訳


当期以外の収益とは、何だと思いますか? 考えられるのは、過去に積み上げた利益か、投資家の投資元本です。これらを取り崩しながら支払うしか、出しようがないです。損益の状況を調べてみたところ、売買損益相当額の損失が積み上げり続け、繰越損益金の負債額も急激な勢いで増え続けています。

コーポレート・ボンド・インカム(為替ノーヘッジ型)の損益の状況


結局、このように身の程を超えて過剰な分配を続けるため、基準価額は一挙に下がっています。分配金を再投資して税金を取られなかったと仮定した青線に対して、過剰分配した結果の現実の基準価額(オレンジ線)は急降下しました。

本来、インカムゲイン目的の投資の場合、このように急激な基準価額の低下は望ましくなく、一定のインカムを頂きながらも長期的に資産が成長するものでなくてはならないはずです。分配金を高く見せかけて投資家を引き寄せるようなやり口は、いい加減にして欲しいものです。

ま、これは「基準価額が安い方がお得!」と考えてしまうダメな投資家が多すぎるからでもあり、底辺の投資家の勘違いを運用側が上手く利用してカモにしているという事でもあります。知ってて合法的にカモにする・・・・これが金融の世界ですから、注意してください。

コーポレート・ボンド・インカム(為替ノーヘッジ型)の基準価額の推移


正直、真相は不明ですが、それにしても知名度の高いファンド賞を受賞したエリート投資信託がこのような事をやるとは、もう何を信じて良いのか分かりませんね。




コーポレート・ボンド・インカム(為替ノーヘッジ型)の概要

購入手数料上限3.24%(税込み)
信託報酬:年率1.0692%(税込み)
信託財産留保額:0.15%
償還日:2029年5月7日(2009年5月29日)
運用:三井住友アセットマネジメント株式会社


それにしても、購入時に3%以上の手数料を取るとは、高い買い物ですね。今どき、投資信託などは手数料無料のノーロード投資信託で買える時代なのに、なんて勿体ないお金の使い方をするのだろうと頭をひねります。




コーポレート・ボンド・インカム(為替ノーヘッジ型)の購入先

コーポレート・ボンド・インカム(為替ノーヘッジ型)をどうしても買いたいのであれば、下記の金融機関から購入できます。これ以外の金融機関では最高金額の買い付け手数料を取られます。

フィデリティ証券ならば新規の買い付けは手数料無料になるので、どうしてもと言う場合はフィデリティにすると良いでしょう。

手数料2.16%SBI証券楽天証券カブドットコム証券SMBC日興証券フィデリティ証券三井住友銀行



 


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