ダイワ・オーストラリア高配当株α(毎月分配型)株式&通貨ツインαコースについての評価解説

ダイワ・オーストラリア高配当株α(毎月分配型)株式&通貨ツインα

(2016/2~2017/2の成績を元に算出、3月2日)

ファンドの設立後、700億円近くあった純資産総額が200億円までに減少。基準価額の下落も止まらないのだが、突然、大和証券の上位買い付けランキングに出現、庶民の人気が高まっている。デリバティブ取引に手を出している複雑な投資信託でコストが猛烈に高い点も悪評価だが、運用成績は良好。

ダイワ・オーストラリア高配当株α(毎月分配型)株式&通貨ツインα

  • 現時点の分配金利回りは27%で、ほぼ「設計値」に近い状況
  • この種の投資信託にしては珍しく運用成績はかなり良いが、基準価額は大幅下落
  • 集中投資の先としては、イマイチだと言える


 


突然、再び人気が出だした不思議な投資信託に価値は有るのか

ダイワ・オーストラリア高配当株α(毎月分配型)株式&通貨ツインαコースは、大和証券でしか買い付けができない投資信託です。最近人気が無いと思っていたら、突如、買付金額の3位にランクインしてきました。

大和証券の人気ランキング


純資産総額や基準価額の推移をチェックしたところ、純資産総額の減少が続いている上に、基準価額も下がり続けて、5000円を切る水準です。このような状態なのに、なぜ急に人気が出始めたのか不思議に思い、本当に投資価値があるのか調べてみたくなりました。

ダイワ・オーストラリア高配当株α(毎月分配型)株式&通貨ツインαの純資産残高と基準価額の推移




デリバティブ取引を大きく取り入れた非常に複雑な投資信託

さてダイワ・オーストラリア高配当株α(毎月分配型)、名称からから推測できる通り、投資対象はオーストラリア株式です。オーストラリア株式の最大の特徴は、高水準な配当利回りです。日本や米国株の配当利回りに対して2.5倍程度高い、年率5%の配当収入は、確かに魅力的です。

オーストラリア株式の概況


ただし販売資料を見て、問題だと思った点があります。それは、表面的に収益を底上げするために、デリバティブ取引の一種である「株式と通貨のオプション取引」を採用している点です。

多額の毎月分配金が欲しい庶民の皆さんは、我先にと「安定的に儲かりそう」な毎月分配型の投資信託を買いあさっています。しかし果たして、「どうして利回りが高いのか、その代償は無いのか」を判断しているのでしょうか。

下記のインカム性収益に掲載の「オプションプレミアム」と呼ばれるインカム収益源は、理解できますか? 普通は、まず分からないはずです。

ダイワ・オーストラリア高配当株α(毎月分配型)株式&通貨ツインαにおけるインカム性収益


下記、金融機関の販売資料をご覧ください。メリットが強調されていますが、重要なのはデメリット、つまりリスクの箇所です。何が問題なのかを、認識しないといけません。

株式と通貨のカバードコール戦略


損失方向に相場が動いた場合は全ての損失を被るのに、相場が良い方向に大きく動いた時は大儲けできる権利を放棄する、つまり利益に上限があるという事です。 簡単に言うと、大きく損して小さく儲けるというスタンスで、投資という観点からは意味不明な事になるわけです。

そして、もしもこれを読んで「理解できないな」と感じたら、絶対に投資してはいけません。なぜなら、分からないものに投資をしてはならない、という投資の大原則に違反するからです。




とにかく分配金をたくさん貰いたい人向けに設計された投信

ダイワ・オーストラリア高配当株α(毎月分配型)株式&通貨ツインαコースの、計算上のインカム収益の水準は、確かに凄いです。株の配当利回り、株式のオプションプレミアム収益、為替のオプションプレミアム収益の3つを合計すると、なんと21%にもなります。

定期預金の金利がほとんど0%近辺に張り付いている現状からすると、非常に魅力的ですよね! 

・・・と書いて「その通りだ」と感じた人、あなたは典型的なカモネギ投資家になりかねませんから、本ファンドに強い関心を抱いた事自体を恥ずかしいと感じて下さい。

ダイワ・オーストラリア高配当株α(毎月分配型)株式&通貨ツインαのポートフォリオ特性値


上記の設計に対して、現在、我々投資家が受け取れる分配金利回りが26%です。どうでしょうか。お宝銘柄だと感じましたか?

ダイワ・オーストラリア高配当株α(毎月分配型)株式&通貨ツインαの分配金利回りの推移


念のため、分配原資の内訳も調べてみました。かなりの分配金を当期の収益で補えており、確かに、多額のインカムゲインが有るようだなとは分かります。まだ若干、毎月の分配金を完全にカバーするところまではいっていませんが、健全に近い状況ではあります。

ダイワ・オーストラリア高配当株α(毎月分配型)株式&通貨ツインαの分配原資の内訳


一般的な常識からするとあり得ない利回り水準ではありますが、今のところ表面的な分配には、特段の大きな問題は無いようにも感じられます。




運用成績に関しても、設定来、問題の無い状況ではある

次に、ダイワ・オーストラリア高配当株α(毎月分配型)株式&通貨ツインαコースの運用成績です。過去のデータを活用したシミュレーション上では、オーストラリア株式の市場平均を圧倒的に凌駕する結果を提示しています。

ダイワ・オーストラリア高配当株α(毎月分配型)株式&通貨ツインαのシミュレーション


「ほんとか!?」と思い、本ファンドの参考指数である、S&P/ASX200指数との対比図を確認してみたら、ここ3年間程度の推移を見ても、分配金を再投資したと仮定した場合は、運用目標である参考指数を上回る成果が出せています。今のところ、かなり頑張っていると言えますね。

ダイワ・オーストラリア高配当株α(毎月分配型)株式&通貨ツインαの基準価額と参考指数の対比


ただし、分配金は再投資されずに、実際には全て分配金として配られてしまいます。分配金が出た後の基準価額を、もう一度この図で確認してみて下さい。猛烈な勢いで下落して半値になってしまっています

ダイワ・オーストラリア高配当株α(毎月分配型)株式&通貨ツインαの純資産残高と基準価額の推移


3年で半値になってしまうとしたら、いくらい分配金をもらったとしても、それを全て使い切ってしまったら、あなたは猛烈な勢いで資産を食い潰しているのと同じことになります。分配型投資信託の大きな欠点が出ているとしか、言いようが有りません。

先の項で見た通り、一見、問題の無さそうな分配をしているにもかかわらず、このような問題点を抱えているのですね。じゃあ、もらった分配金を貯めておいて再投資すれば良いと考えるかもしれませんが、分配されるたびに2割の税金を取られるわけで、納税のために投資をしている状況に陥ります。

恣意的に分配金が出せるなら、せめて基準価額を下げずに、1万円前後の安定した基準価額にして頂いて、その上で分配金を都度調整してもらって、資産を保全しながら一定の分配を受け取れるのならば、何も問題は無いと思います。

そのような毎月分配型投資信託が存在すれば(もちろん運用目標を上回る事は大前提)、私も多少のコストには目をつぶってその存在を認めるのですが・・・、とにかく分配金をたくさん出せと言うようなしょうもない投資家が多いからか、ダメな点の多い投資信託ばかりがゾロゾロ出てきます。




シンプルな毎月分配型投資信託を自作できる時代になっている

最後に、オーストラリアへの集中投資に関しては、まったくオススメできないと申し上げておきましょう。投資の基本は徹底した分散です。オーストラリアに集中投資をするならば、分散投資をするよりも明らかに高いリターンを得られると確信した場合に限ります

ダイワ・オーストラリア高配当株α(毎月分配型)株式&通貨ツインαとニッセイ外国株式インデックスのリターン比較


本ファンドに興味関心を抱くような、あなたのような投資家が集中投資をできる訳がありません。能力が無いならば、分散投資で確実なリターンを狙う戦略が最も有効です。

実際、過去3年で見るとオーストラリアへの集中投資は全く報われず、オーストラリアも含めた先進各国に広く分散投資をした方が、ダブルスコアで最高の成果が有りました。下手に狙い撃ちした投資家は利益が半分だったことになり、「お疲れ様でした」としか言えない状況です。

なお上記の2つのインデックスファンドは分配金再投資型の投資信託ですが、唯一、SBI証券の投資信託・定期売却サービスの仕組みを利用すると、自作の毎月分配型投資信託が出来上がります。

今の世の中、もはや高コストで複雑すぎる投資信託などに関わる必要が無いのです。本ファンドのような理解が難しい投資信託には近寄らず、ニッセイ外国株式インデックスファンドのような、シンプルイズベストな超低コストインデックスファンドを活用するのが一番だと思います

参考までに、証券マンなどに「今後はどこの株が上がりそうですか?」と聞くのも、アホらしさの極致ですよ。彼らにそんな事が分かるのであれば、世の中億万長者だらけになっていますからね。

上がる株を人に聞いて買うような事をしていると、億万長者よりもむしろ、貧乏人側に近づく可能性が大ですから、十分気を付けて下さい。




ダイワ・オーストラリア高配当株α(毎月分配型)のコスト情報

・購入手数料:上限3.24%(税込み)
・信託報酬:年率1.9984%(税込み)
・信託財産留保額:なし
・償還日:平成30年1月17日(設定日:平成25年1月23日)
・運用:大和証券投資信託委託株式会社

まず、コストがベラボウに高いです。初年度5%以上も取られるなんて、あり得ません。100万円あったら、運用する前にすでに5万円減ってのスタートですから、話しにならないです。

そして、運用期間がたったの5年間と言うのも、投資家をバカにしているとしか思えません。さんざん基準価額を下げて、「ハイおしまい」となる訳です。終了したらカモネギ投資家をまた別の「高分配」ファンドに誘って、更に手数料を稼ぐ。そんな魂胆を感じます。




ダイワ・オーストラリア高配当株α(毎月分配型)の購入先

ダイワ・オーストラリア高配当株α(毎月分配型)株式&通貨ツインαコースは、大和証券のみでの取り扱いです。コストを見るだけで買う気が失せますが、どうしてもこれじゃなきゃダメなんだ、という人は、大和証券にでも相談しに行ってはいかがでしょうか。



 


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