ドイチェ・高配当インフラ関連株投信(米ドルコース)の評価

(2014/11~2015/11の成績を元に算出、12月3日)

まれに見る過激な分配方針に切り替えた事で、最盛期には1兆4,000億円もの資金を集めた超人気ファンド。禁断の分配金利回り操作と大手証券会社の営業力があれば、カモの投資家から簡単に資金を集めることができる実例。現在は7,000億円まですり減っており、次の売買回転用の投資信託に乗り換え営業が展開されている予感・・・。

  • 運用(価格の上昇含む)利回り▲5%に対して、現時点の分配金利回りは24%
  • 3年間で分配金利回りが5倍に激変する投信が、マトモな金融商品とは思えない
  • 基準価額の下落要因のほとんどが過剰分配のせい。基準価額が再び持ち直すことなど、無いだろう。
  • 投資先のMLPが大暴落、言わんこっちゃない状態で宴のあと


 


まず、猛烈にコストが高すぎる時点で、投資価値は無し

ドイチェ・高配当インフラ関連株投信(米ドルコース)の具体的評価に入る前に、素人投資家でも簡単にファンドの良し悪しを判断できるポイントをご教示しましょう。

ドイチェ・高配当インフラ関連株投信(米ドルコース)


まず、販売手数料(購入手数料)は、無料のものを選びます。購入した時点であなたの資金が一瞬にして3%も吹き飛んで消えるような投資信託は、言語道断です。

次に、信託報酬が、高くても1%未満のものにする事。仮に1%のものを10年間保有していたら、あなたの資金が1割も減少することになります。投資の成績とは全く関係ないところで。

という目線で本ファンドを眺めてみると、購入時には3.78%の手数料を支払う必要があります。信託報酬も毎年約1.9%も必要になる、超高コスト体質の投資信託です。

という事は、たった5年間保有するだけでも、あなたの貴重な財産の13%もの資金が金融機関側に移転する、という事になるわけで、こんなものは他人に現金をプレゼントするようなものであって、投資とは言い難いです。

え?1年か2年で他のファンドに切り替えるって?? ふふふふ、それこそ販売側の野村證券の思う壺だな。それについては後述するよ。


購入単位:1万円以上1円単位
購入手数料:上限3.78%(税込み)
信託報酬:年率1.8964%(税込み)(運用管理費用込)
信託財産留保額:0.3%
分配金の取扱:年12回
償還日:平成32年9月23日(設定日 平成22年10月28日)
運用:野村アセットマネジメント株式会社



そして次、目論見書の言っていること、あなた理解できるかい?

ドイチェ・高配当インフラ関連株投信の投資対象は、以下の2点です。

ドイチェ・高配当インフラ関連株投信の投資対象

①世界各国のインフラ関連企業の高配当な株式
②米国の取引所に上場されているMLP



上記を見ると、株式に投資を行うが、MLPとインカム・トラストにも投資を行うと記載があるのです。正直、上記の2点に関する情報がかなり不足しています。

このように管理人の頭が「??」という状態なのですが、おそらくあなたも同じでしょう。そこで、本ファンドの収益構造を交付目論見書で確認してみました。

ドイチェ・高配当インフラ関連株投信米ドルコースの収益の源泉


米ドル建てのため、円とドル間での為替の影響を受ける事は理解できます。更に、株式の値上がり益と利子、配当収入が収益源になる事も上記から理解できます。

更にチェックして見てみると、本ファンドは「ノムラ・カレンシー・ファンド―グローバル・インフラ・ストック・ファンド」と「野村マネーマザーファンド」の2つに投資を行っているようです。

ドイチェ・高配当インフラ関連株投信がファンドオブファンズで投資する先のファンド


上記を見ると、「通常の状況ではノムラ・ホニャララ・ファンドへ9割以上を投資する」と記載があります。通常の状況って、どうゆう事??

意味を理解しかねますが、本ファンドの資料を見ても資産の配分などがきちんと書かれていなくて、たいへん分かりにくいです。 しょうがないので、交付目論見書・詳細版を更に熟読。

ドイチェ・高配当インフラ関連株投信の投資コンセプト


本ファンドの主なターゲットは、配当利回りに着目している訳ですね。では実績はどうなんだと当然思いますので今度は月次レポートを精読。いや~疲れます。

そして発見!! というか、月次レポート発行前、つまりファンドの設定時点では、どうやって投資判断すれば良かったんでしょうね? 非常に不透明なファンドですよ。

ドイチェ・高配当インフラ関連株投信のポートフォリオ


と、・・・えー??配当利回りの実績が約4%!!非常に小さくないですか!? 配当利回りに着目して、アクティブに銘柄精査しているはずなのに・・・・。

インフラ関連株自体も非常にリスクが高く、価格の変動が大きい事を声高に叫びたいところですが、今回は謎のMLP



MLP価格が大暴落、・・・言わんこっちゃない。。。

2015年11月時点では14%程度の比率ですが、2014年夏の時点では約4割も資産をブチ込んでいましたからね。MLPって何? 交付目論見書・詳細版に書いてありました。


MLPとは何か


うーん。 まったく理解できん・・・ リスクなどデメリットなどの特徴が良くわからんので、Googleを使って調べたところ、ありました。


MLPと米国リートの違い
引用元 https://www.damj.co.jp/Themes/ThemesinFocus/MLP/QA


主要資産の利回り比較
引用元 https://www.damj.co.jp/Themes/ThemesinFocus/MLP/2


なるほど・・・、米国リートより利回りが高いのは理解しましたが、米国ハイ・イールド債に迫る利回りなのですね・・・、どれだけリスクがあるのか。・・・ 色々調べた結果、管理人として気になるリスクが交付目論見書に記載してありました。

MLPの価格変動リスク


⇒参考:MLP投資はリスク大でメリット小(コラム記事でまとめました)


流動性が低いために市場の混乱持等において、相対的に価格の変動が大きくなる。・・・損失が馬鹿デカイという事でしょう。米国ハイ・イールド債に迫る利回りが、何となく理解できます。

このような前提知識を持った状態で、交付目論見書・詳細版に記載してあるMLPの価格推移を見ると、近年はバブル並の上昇をしているようです。高値で買わされるなんて、超ハイリスクになるんですけど・・・

更に、流動性が低い状態でここから暴落した時を想像すると恐ろしくて本ファンドに手を出す訳にはいかなくなります

本ファンドが2013年あたりから運用利回りが高かった理由は、ほぼMLPの価格がバブル的な上昇を続けている結果なのでしょう。株式部分の配当利回りの実績が約4%という事を考えると、この運用成績を維持できるとは思えません。

まぁ、このようなファンドの資金がバブルの最後の買い手になるのでしょうね。まさに中身を理解していない投資家がカモにされている事が良く分かります


・・・などと、上記のような事を書いたのが、MLP価格がちょうど下記の図の矢印の部分にあった時です。そこから今現在、暴落状態にあります。野村證券の口車に乗ってこのファンドに飛び乗った者たちは、今ごろ相当に痛い目にあっていると思います。

米国における主要資産(指数)の推移


ちょうど今まさに、ドイチェ・高配当インフラ関連株投信(米ドルコース)を検討しているあなたはラッキーでした。危なく変なファンドを買う羽目になるところでした。

しかし、毎月分配型投資信託を買おうとしているというだけで、ファイナンシャルリテラシーが皆無の可能性が有ります

投資バカにつける薬でも読むか、あるいは無料なのでお金の教養講座にでも行って、根本から考え直す必要があります。

このファンドを買おうと考えた時点で、ファイナンシャル病院に緊急入院しなくてはならないレベルにあることを、しっかり認識しましょう。

そんなに良い投資信託ならば、野村證券の社長以下、全社員がこのファンドを全力で買いまくっているはずですからね。



投資のカモネギにされた者どもが寄り集まってきた痕跡

ついでですので、ファイナンシャルリテラシーの薄弱な投資のカモネギさんたちが、このファンドで甘い汁を吸おうと、「どこからともなく寄り集まってきた痕跡」が残されているので、記しておきましょう。

ドイチェ・高配当インフラ関連株投信(米ドルコース)毎月分配型の分配金額、2013年3月以降に40円→150円→250円と急上昇していました。

ドイチェ・高配当インフラ関連株投信の分配金(2014年時点)


この時の分配金利回りも、2013年度初旬は約3.5%から2014年7月時点で約21%と、利回りが約6倍に急上昇。怪しすぎる挙動です。

 ドイチェ・高配当インフラ関連株投信の分配金利回りの推移(2014年時点)


そして時を同じくして、この利回りに心奪われた方たちが殺到したのか、急激に純資産が増加しています。(下の図のオレンジの、下の部分の枠が純資産です)

販売側が欲を出して運営方針(分配金方針)を変えたのだろうと疑っていますが、この手法はカモネギを集めるのに、効果てきめんだという事が分かると思います。

ドイチェ・高配当インフラ関連株投信の純資産総額の推移(2014年時点)


ちなみにこの手法でカモネギを集めるやり口については、野村證券の投資信託が詐欺まがいでも記載しています。



今年の運用成績は「宴のあと」状態

さて、途中で書いたように、4割近く組み込んでいたMLPが大暴落状態になったこともあり、MLPの投資比率を必至こいて1割強に減少させたのも間に合わなかったのか、今年の運用成績は、マイナスのリターンに転落しています。

ドイチェ・高配当インフラ関連株投信の基準価額(2015年時点)


分配金を支払った後の基準価額は、3割ほども下落しています。だいたい現状の200円の分配金のかなりの程度が元本払戻金のはずなので、踏んだり蹴ったりですね。

このような状況ですから、純資産が減りに減っているのも頷けます。で、焦りの見える投資家に、野村證券はファンドの乗り換えを囁くのでしょうね。乗り換えてもらうと、そこでまた手数料を3%抜けますから、こんなにオイシイ商売はありません。

手数料は抜かれるは、信託報酬は異様に高いは、元本払戻金で全く利益でも何でもないは、基準価額が下がり続けて換金すると手元に残る金が大減少するは、・・・・こんな投資信託に「信じて託す」など、愚かさ極まれり、と言うところでしょうか。



参考までに、超低コストインデックスファンドに投資していたら?

参考までに見て頂きたいのが、もしもこの3年間、余計な欲をかかずに、超低コストの先進国株に単純に分散投資するだけのインデックスファンドを購入していたら、投資リターンはどうなっていたかです。

ドイチェ・高配当インフラ関連株投信と異なり、年間の信託報酬が3分の1しかかからない、SMT グローバル株式インデックス・オープンと比べてみましょうか。(米国株だけに投資するSMT ダウ・ジョーンズ インデックス・オープンとも比べています)

ドイチェ・高配当インフラ関連株投信はベンチマークのないロクデモナイ投資信託なので、本来は比較対象外なのですが、世界各国に投資するという視点で、比較してみます。

ドイチェ・高配当インフラ関連株投信と、インデックスファンド2本との基準価額の推移の比較


どうでしょうか? 野村證券などに多大なるコストを支払った結果、ほとんどお金をかける事のないインデックスファンドにボロ負け状態なのが分かります

上記のグラフのドイチェ・高配当インフラ関連株投信は、分配金を全て再投資して、普通分配金部分にかかる税金が一切かからない事を前提とした、アンフェアな比較です。それでもこれだけボロ負けするというのは、どうしようもない投資信託です。

付けくわえると、ドイチェ・高配当インフラ関連株投信を買うときに3.78%もの手数料を取られますから、ドイチェのファンドは左側の始点がインデックスファンドよりも3.78%も、「戦う前からボロ負け」でスタートしているわけです。

いかに、高コストのアクティブファンドを買うと酷い目に合うか、しっかりと理解していただきたいと思いますね。インデックスファンドを学んで、カモネギ投資家から卒業しましょう。



ドイチェ・高配当インフラ関連株投信(米ドルコース)の購入先

本ファンドを、安い購入手数料で買える証券会社は現在のところ存在しないようです。

手数料3.78%野村證券



 



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