DITケイマンJ(後払手数料)で儲かるなど、単なる夢物語

(2016年12月時点)

日本円換算で約500億円(5億7,928万ドル)近くの純資産を誇るDITケイマンJ。様々な債券に投資するバランスファンドだが、ジャンク債であるハイ・イールド債券が多数組み込まれている。保有債券の半分は、投資不適格債券でリスクが高い。アクティブに運用する割に成績は悪いし、コストも腰を抜かすほど高い。投資価値なんて、まったくないと断言できる一品だ。

DITケイマンJ(後払手数料)

  • 投資対象の配当利回り約6%に対して、受け取れる分配金利回りは5.1%
  • 信託報酬が年率1.8%である事を考慮すると、数字が合っていない気がする
  • ただし外国の投資信託のため、分配金の内訳を精査する術がなく、とても不安
  • 販売資料を見るとそんなにリスクを感じにくいが、実は猛烈なリスクを取る投資信託

 


儲かりそうなネーミングの煙に巻かれている投資家が目に浮かぶ

DITケイマンJ(後払手数料)」などというネーミングを聞いて、具体的な投資対象や中身を想像できる人間など、全くいないのではないかと思います。DITケイマンJの投資対象は、米国政府債、ハイ・イールド社債、米国以外の先進諸国債、エマージング債です。

DITケイマンJ(後払手数料)の投資先


多様な債券に投資を行う「マルチセクター債券ファンド」とネーミングしていますが、基本的には様々な債券に投資するバランスファンドの一種です。そういう意味では平凡な投資信託ですが、平凡さを隠すようなネーミングなりキャッチコピーが付けられている投資信託は、要注意です。

米国政府債や、米国以外の先進国の国債は安全性は高いですが、ジャンク債と呼ばれてリスクのあるハイ・イールド社債や、先進国に比べて高リスクのエマージング債に、かなりの資金を投じる方針です。

個人投資家がハイイールド債券に投資する必要性などほとんど無いと思いますし、新興国債券だって特段の必要性はありません。が、以下のようにかなりの割合を割いて投資をしている点に、注意を払う必要が有ります。

結果として、格付で見ると投資不適格な債券の割合が非常にに高くなっていて、債券ファンドに投資しているにもかかわらず、株式投資並みのリスクを負っていると思っておいた方が良いでしょう。

DITケイマンJ(後払手数料)のポートフォリオ構成比と格付け構成比


と言うか、表を見ていて全く意味が分からないのが、左の表を全て合計したら100%をはるかに超えてしまいますし、右側の表では格付け無し債券の割合がマイナス28.3%になっていて、全く意味が分かりません

外国の資料を日本の金融関係者が日本語に翻訳して作成していると思うのですが、中身を本当に理解しているのでしょうか。・・・猛烈に不安に感じるところです。

そもそも、あなたがこのような日本の投資信託ではなくて、ケイマン籍の外国の投資信託を買うこと自体、何の意味があるのでしょうか?

投資しようと思えば、先進国債券もハイイールド債券も新興国債券も、日本で普通に、超低コストで簡単に買うことが出来ます。

まさか、ケイマン籍の外国投資信託ならば、運用成績が非常に良いと思っているのではないでしょうね?? そんなのは淡い幻想にすぎません。儲かりそうな投資信託に対する欲望は、捨て去った方が身の為でしょう。



分配金について、ちょっと記載しておきます

投資先のポートフォリオ全体の利回りを確認してみると、6%近くありますか。利回りとリスクは比例関係にありますから、この水準であれば、債券投資なのにかなりのリスクだと感じます。おそらく分配金を出さねばならない事から、無理してリスクを取りに行っているのだと思います。

DITケイマンJ(後払手数料)の最終平均利回り


その結果として、以下のような毎月の分配金が支払われています。またいちいちドル建てで表示されるので、見るのが面倒な気分になります。

DITケイマンJ(後払手数料)の分配金支払い実績


私たち投資家が受け取れる分配金の利回りを、簡単に計算してみましょう。月に0.03ドルですから、年間で0.36ドル。仮に7ドルで購入したならば、年間の分配金利回りは5.1%です。

外国投資信託なので詳細な資料を追えない事から、不明な点もありますが、日本で売られている大半の毎月分配型投資信託のように、元本取り崩すのいかがわしい分配だけはしていない感じです。

しかし、平均最終利回りが6%弱で、信託報酬が1.8%も取られるのだとしたら、分配金利回りは4%程度に下がると思うのですが、実際は5%です。少し計算が合いません。1つ上の項でも書いた通り、外国の投資信託はよく分からない部分が出てくるので、イマイチお勧めできません。



儲かりそうに見えて、実は全く大した事の無い運用成績

ところで当ファンドは、アクティブ型の投資信託となります。販売資料を読み込むと、「世界中の債券に、徹底した分散投資と資産配分の変更によって、ファンド全体のリスクを管理しつつ、高レベルの金利収益の獲得を追求」と記載されてます。

市場環境に対応して各セクターの投資配分を積極的に変更するようで、それぞれのセクターの配分は15~65%の間で、非常に大きくポートフォリオを調整するとの事です。これで本当に運用成績が向上すると思っているのは、何も知らない個人投資家だけです。

DITケイマンJ(後払手数料)のアクティブ運用のイメージ


ファンド名称やら販売資料やらケイマン籍やら見ると「儲かりそうだ」と思うでしょうが、結局のところ、そんなものは幻想に過ぎない証拠を、ここにお見せしましょう。

(だいたいアクティブ型投資信託のくせに、運用が上手くいっているのか下手なのかを判定する重要な指標、ベンチマークが示されていない時点で、お払い箱の投資信託ですけどね。)

まず、DITケイマンJ(後払手数料)の、分配金込みの運用実績をご覧ください。偉そうな能書きを垂れている割には成績が悪いなと、感じる数字です。

DITケイマンJ(後払手数料)の設定来の運用実績


では具体的に、日本で購入できる低コストのインデックス運用の投資信託と、パフォーマンスを比較した結果をご覧ください。

米国をはじめとする先進国の債券に投資ができるSMT グローバル債券インデックスオープンや、新興国の債券に投資できるSMT 新興国債券インデックス・オープンと比較してみました。 (インデックス運用の投資信託のコストはDITケイマンの3分の1程度の安さです)

投資信託の名称 1年の成績 3年の成績 5年の成績
SMT グローバル債券インデックスオープン -8.43% 1.67% 8.43%
SMT 新興国債券インデックス・オープン -4.91% -3.15% 4.38%
DITケイマンJ(後払い手数料) 0.07% -0.05% 2.71%



過去5年間のパフォーマンスを見ると、単純にリスクの低い先進国全体の債券に投資した方が、はるかに成績が良かった訳です。リスクの高いハイ・イールド債券に資金を投じる必要性もなく、アクティブに資産配分を変更しなくても、十分に好成績が残せるという事です。

以上のような事を考慮すると、管理人としては、DITケイマンJ(後払手数料)を選ぶ意味は皆無としか思えません。

なお、SMT グローバル債券インデックスオープンなどのインデックス運用の投資信託であっても、SBI証券の投資信託定期売却サービスを利用して少しずつ解約して行けば、自分で毎月分配型投信を作る事ができます。最初から高コストの毎月分配型投資信託など、買う必要はありません。



DITケイマンJ(後払手数料)の概要

購入手数料:無し。ただし換金時に、以下の通り手数料が発生する 。

DITケイマンJ(後払手数料)で後から発生する換金時手数料


信託報酬年率1.8%(税込み)
信託財産留保額:なし
償還日:2005年8月22日(2150年12月31日)
運用:ザ・パトナム・アドバイザリー・カンパニー・エルエルシー


投資対象や運用方針以外に、まだまだ気になるポイントがあります。それはコストです。DITケイマンJ(後払手数料)は、購入時に手数料を取らない代わりに、売却時に手数料を取る仕組みです。

これは単に手数料を先送りしただけであり、得であるという事は一切ありませんので、この点も上手く騙されないようにしましょう。日本の投資信託の平均保有年数はおよそ2.6年ですから、多くの人は実際には2%~3%の手数料を支払う事になると思われます。

信託報酬の年間コスト年率1.8%を考慮すると、保有を続けると、このとんでもない高コストに元本が削られます。本当は、さっさと売って縁を切るべきなのですが、「あと1年保有すると手数料も下がるし」などという甘い言葉に誘惑されるカモ投資家が沢山いそうです。とても、残念です。



DITケイマンJ(後払手数料)の購入先

DITケイマンJ(後払手数料)をどうしても買いたいのであれば、三井住友銀行から購入できます。全くお勧めできませんが、どうしても購入したいという人がいたら、銀行員が大喜びしますので、社会貢献と思って買ってあげてください。





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