エマージング・ソブリン・オープン・・リスク多大なので今は儲かる

(2017年5月時点)

ファンド・オブ・ザ・イヤー2013年で優秀ファンド賞を受賞しているが、債券の構成を見るとクズ債券も組み込まれており、安易に投資して良いとは思えない投資信託。ベンチマークにも負け、過剰な分配金を出している上に、債券の投資信託としては信託報酬が非常に高い。年老いた両親には絶対に勝ってほしくない一品。

エマージング・ソブリン・オープン(毎月決算型)

  • 運用(価格の上昇含む)利回り10%に対して、現時点までの分配金利回りは7%
  • チャートだけ見ると分配金の水準は健全に見えるが、安定収益源が占める割合は約2/3だ
  • 債券から得られる利回りに対して、信託報酬の利率が非常に大きく高コスト体質


 


ここ数年は「儲けられる」環境にあるが、運用目標には未達

エマージング・ソブリン・オープン(毎月決算型)の投資先は、米ドル建の新興国のソブリン債券(各国政府や政府機関が発行)、準ソブリン債券(政府の出資比率が50%を超えている企業が発行)です。

アクティブ運用型であり、ベンチマークはJPMorgan EMBI Global Diversified(円換算)ですが、残念ながらベンチマークに大負けしている状況で、アクティブ運用の価値がありません。

ベンチマークとの差異や純資産推移


更に、構成されている債券ですが、実は半分以上がクズ債券であるハイ・イールド債券です。投機的格付と呼ばれている危険な代物です。

全体としてみると、半分以上がB、BB、CCC格付です。投資不適格の債券が多く、かぎりなくハイ・イールドに近い信用度です。多額の資金を突っ込んでまで、投資したいとは思いません。

構成されている債券全体の利回りは約5%程です。現在の分配金利回りが7%程度ですから、過剰な分配をしている事が想像できますね。実際に分配金の内訳を調べてみると、債券からの安定収入の占める割合は三分の二程度です。

この過剰な分配金の影響がどうなるかご存じですか? 過去5年間の運用成績から分配金を受け取った場合の総損益は+30%、全て再投資をした場合は+68%です。

つまり、過剰な分配金のせいで、+38%程度の利益を取り逃がしたと思って頂いても良いと思います。過度の分配金は、損益に大きな影響を与える訳です。

エマージング・ソブリン・オープンの運用成績グラフ


ピーク時には1000億円近くの資金が集まっていましたが、2017年5月29日時点の純資産総額は302億円と減少傾向です。

ノーロードで購入できる証券会社が存在しますが、債券の投資信託と考えた場合に、信託報酬が約1.7%も取られるのは有り得ないですね

新興国に投資をするのであれば、コストを1/3程度に出来る「SMT 新興国債券インデックスオープン」か、さらにリスクを減らした先進国全体に投資可能な「SMT グローバル債券インデックス・オープン」に資金を投入した方が、長期的には良い結果になると思います。

と書いておきながら、ここ3年のリターンを見てみると、エマージング・ソブリン・オープンは圧倒的にインデックスファンドに運用成績が勝っていますね

ハイイールド債券などにもかなり投資してリスクを取っているリターンが反映されていると想像して良いでしょう。ハイイールド債券のようなハイリスクハイリターンの投資商品は、相場が良い時であればかなりのリターンをもたらしてくれます。相場に慣れた人向けの投資対象だと言えます。

エマージング・ソブリン・オープンとインデックスファンドの成績比較


ブラジルレアルの為替取引のページでご説明したように、新興国の金利が高いと言っても長期的には為替レートの変動で調整されるので、実は新興国債券であっても日本国債並みの期待リターンになります。そういったことも総合的に考えて、ご自身の投資行動を決めてくださいね。





分配金の状況を確認、それは正しく分配されているのか?

エマージング・ソブリン・オープン(毎月決算型)の分配履歴からチェックしていきましょう。設立時まで遡って確認してみると分配金の金額は50~80円の間で推移しています。

前回チェックした時は50円の分配金から60円に増額していました。今回、再びチェックしたところ、65円から45円に減額しています。

エマージング・ソブリン・オープン(毎月決算型)の分配金額と利回りの推移


利回りとリターンの傾向は、以前チェックした際には利回りが7%まで低下し、その後、不自然に10%近い利回りまで上昇し、再び7%台の分配金利回りに落ち着きつつあります。分配金の減額も影響しているのでしょう。

20%台の利回りを無理矢理に操作している投資信託ばかり見ていると、つい正常な値に思えてしまうところが怖いですね。この利回りが妥当かどうか、詳細をしっかりと調べる必要があります。一般的な感覚からすると、10%近い利回りなどは、嫌な感じがします。

しかし実は、下記のように債券から得られる収入源からの利回りは、約5%です。ここから経費である信託報酬が1.7%ほど差し引かれる事を考えると、割に合わないです。本当に投資信託のコストは重要です。

エマージング・ソブリン・オープンの投資対象地域と信用格付け


実際に分配金の内訳を見ると、下記のように債券からの収入源は三分の二しか占めていません。過去1年間はたまたま価格上昇が大きかったので良かったですが、基本的には過剰分配が常に続いていると思った方が良いですね。

分配原資の内訳




エマージング・ソブリン・オープンの中身はきちんと把握したか?

エマージング・ソブリン・オープン(毎月決算型)は、米ドル建の新興国債券に投資する訳ですが、組み入れ銘柄の選定にハイ・イールド債券も存在する事に注意する必要があります。

格付けと信用力の関係図


実際に組み込まれている構成をチェックすると驚くべき状況です。いつデフォルトする(借金を踏み倒す)か分からない(もしくはしている)相手に、資産の半分以上を託しています。以前チェックした時は四分の一だった割合が、更に悪化して過半数を超えており、だいぶリスキーですね。

エマージング・ソブリン・オープンのポートフォリオ


今は世界的に相場が高騰していますから、ハイイールド債券を多めに組み入れている当ファンドのような投資信託のリターンは、高めに出る傾向があるようです。

しかし、いざ相場が崩れるような暴落局面が到来した場合は、その分逆回転してリターンは相当落ち込むことも考えられますので、そこは十分注意してください。もしも購入したいという場合でも、資産の一部を回す程度にとどめておく方が無難ですね。




エマージング・ソブリン・オープン(毎月決算型)の概要

購入手数料:上限3.24%(税込み)
信託報酬:年率1.6956%(税込み)
信託財産留保額:0.5%
償還日:平成35年8月5日(設定日 平成15年8月8日)
運用:三菱UFJ国際投信株式会社


今は目先、いかにも儲かっているような感覚になっている投資家が多いと思うので、この1.7%に近い信託報酬も「納得」していると考える人が多いかもしれませんね。しかし本来、債券からの金利収入が5%程度の中から、2%近いコストを抜き取られるようなものが尋常である訳が有りません。




エマージング・ソブリン・オープン(毎月決算型)の購入先

エマージング・ソブリン・オープン(毎月決算型)で分配金を得たい場合、下記の証券会社で購入が可能です。証券会社によって、手数料が異なります。

手数料無料 フィデリティ証券SBI証券楽天証券カブドットコム証券
手数料3.24% 三菱UFJモルガン・スタンレー証券



 


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