コストで配当の大半を食われる東京海上・円資産バランスファンド(愛称:円奏会)

東京海上・円資産バランスファンド(愛称:円奏会)は無意味だ

(2015/1~2016/1の成績を元に算出、2016年月1時点)

安全資産の日本国債をメインに投資するのに3%を超える分配金利回りを叩き出し、庶民に大人気。定期預金よりも高利回りでお宝発見と思っているのか。ゆうちょ銀行が売りまくった事で、純資産総額が2550億円に達している。実態を調べると、ベンチマークが存在せずに投資判断を下せない上に、高コスト、過剰分配の3点セット。投資するに値しない

  • 価格上昇を含めたチャートで判断すると分配金は健全な状態に見えるが、実態は過剰分配
  • リスク資産の配当利回りは1%以下、運用コストを考えると、ほとんど手元に残らない
  • 安全資産への投資でこのコストはあり得ない、高すぎて話にならない


 


安全資産の日本国債に投資するのに、あり得ないほどの高コスト

東京海上・円資産バランスファンド(毎月決算型)(愛称:円奏会)の投資対象は、日本の国債、株式、REITの3資産です。国内の複数資産に分散投資する事で、安定的な成長を狙っています。

各資産の投資配分は、基本的に日本債券70%、日本株式15%、日本REIT15%を目標とします。安全資産である日本国債が7割を占めますから、かなりリスクを抑えて収益を狙うタイプになります。

東京海上・円資産バランスファンドの資産配分比率


で、まず真っ先にツッコミたいのは、安全資産をメインにして投資するにもかかわらず、コストが異様に高いという事です

日本の国債なんて、郵便局でコストゼロで、個人向け国債を買うことが出来る時代です。そこに、購入手数料1.62%、信託報酬0.9072%を取るなど、あり得ません。債券の利回りなんて異様に低く、マイナス金利政策の導入でさらに低下しているのに、こんなコストを取られたら全く割に合いません。

債券投資の基本は、コスト倒れしないようにすることが非常に重要な中、仮に10年保有したら元本の1割以上がコストで失われるような投資信託に、お金を託してはなりません。



資産配分を機動的に変化させるなど、余計な事をする投資信託

そして、市場環境に合わせて投資配分をアクティブに変更する投資信託です。下記のようにリスク資産である株式とREITの比率を、上げたり下げたりして市場リスクに対応する方針です。

基準価額の変動リスクを年率3%程度に抑える為に、日本株式と日本REITへの投資割合を変更する訳ですね。このように機動的に投資配分を変更する投資信託で、良好な成績を叩き出したファンドを見た事がなく、猛烈に不安になります。

クソみたいな成績を残しているBAMワールド・ボンド&カレンシ-・ファンドなどの事例も読んでいただいて、そんな上手い具合に投資が出来たら誰も苦労しないという事を、理解すべきです。

東京海上・円資産バランスファンドの資産配分比率の変更

東京海上・円資産バランスファンドの資産配分比率調整のイメージ


これまでの資産配分比率を見ると、かなり積極的に比率を変更しています。こんな事をするから、売買手数料が無駄に必要になり、コストの分だけパフォーマンスが落ちるのが怖いです。

東京海上・円資産バランスファンドの過去の試算組み入れ比率の推移


販売資料を見ると、シミュレーション結果を提示しており、パフォーマンスが右肩上がりに上昇する事をアピールしています。しかし過去のデータの検証などは数学ができる人なら、如何様にも「作る」事ができます。

こんな素晴らしい成績が確実に出るのであれば、世界中の富豪が買い漁りに来て、わざわざ郵便局員があなたなんかに美味しい話などする訳がありません。なぜ皆、そんな事が分からないのでしょうか。

ま、あなたに話をする理由は、既に書いた通り、あなたに東京海上・円資産バランスファンド(愛称:円奏会)を売りつけることで、高い手数料を稼ぎたいからだけなのですけどね。

東京海上・円資産バランスファンドのバックデータ


記事執筆時点で、純資産総額が2550億円に達しています。あなたも含めて、カモになる人が本当に多い証拠です。非常に残念な事態です。



ベンチマーク無し、一体どうやって投資信託の良し悪しを判定するの?

上記のごとくシミュレーションまで駆使して、「優れたファンド」である事をアピールしている訳ですが、この東京海上・円資産バランスファンド(愛称:円奏会)には、運用の腕前を判断する重大な機銃である、ベンチマーク(あるいは参考指数)が存在しません。

という事は、あなたが購入した投資信託の運用が上手にできているのか下手なのか、一体どうやって判定するのでしょうか? 買ったら放置?? そんな投資はギャンブルでしかないので、最終的には運任せ、上手くいく訳がありません。

安全志向の人であれば、購入手数料が全くかからず、コストも年率で0.23%と半分以下の、三井住友・DC年金バランスゼロ(債券型)(愛称:マイパッケージZERO)あたりを買っとけば良いだけだと思います。日本の国債に75%の割合で投資する、バランス型のインデックスファンドになります。

高いコストをかけて、投資比率を機動的に変化させる東京海上・円資産バランスファンド(愛称:円奏会)と、過去3年のリターンに、ほとんど差異は見られません。(円奏会は購入時に1.62%の手数料が取られますから、それを考慮すると単純計算で全く差異は無くなります。)

東京海上・円資産バランスファンドと、三井住友・DC年金バランス30の過去3年のリターンの比較


三井住友・DC年金バランスゼロ(債券型)(愛称:マイパッケージZERO)をSBI証券で購入すれば「投資信託・定期売却サービス」も受けられます。その機能を使えば、毎月の分配金も適切な範囲で受け取る事も出来ます。(次の項を参照)

あるいは郵便局で個人向け国債を7割の比率で購入して、残り15%を適切な分配金が支払われる上場インデックスファンドJリート、さらに15%を同じく上場インデックスファンド日本高配当を同時に買っておけば、ほぼコストなどかけることなく、当ファンドと同じことが出来てしまいます。



東京海上・円資産バランスファンド(愛称:円奏会)の概要

さて、東京海上・円資産バランスファンド(愛称:円奏会)の分配金についても、見ておきましょうか。まず投資対象からの配当利回りが、下記になります。

東京海上・円資産バランスファンドにおける株式とREITの予想配当利回り

これらの配当利回りの約30%が資産配分比率ですから、1%未満の配当利回りになりますよね。これに対して信託報酬が約1%ですから、計算上、コストに食われて配当はゼロ、という商品設計です。こういうのはボッタクリと言わずして、何と言えば良いのでしょうか?

という事は70%の比率を占める日本国債からの金利収入だけですが、ご存知の通り、猛烈に金利が低くてほとんど収益など期待できないレベルです。こんな状態であなたに分配金を支払うのですから、実態は酷いものとなっています。下記をご覧ください。

東京海上・円資産バランスファンドの分配原資の内訳


毎月の分配金30円(青線)に対して、配当などの収益(赤枠)が数円程度しかない月も有ります。つまりこれは、基本的にはあなたの資産が勝手に取り崩されて分配金として支払われている可能性が強いことを示しています

手元にある分配金の内訳をご覧いただき、分配金が特別分配金(あるいは元本払戻金)と記載されていたら、それは利益でもなんでもないという事になります。



東京海上・円資産バランスファンド(愛称:円奏会)の概要

購入手数料上限1.62%(税込み)
信託報酬年率0.9072%(税込み)
信託財産留保額:なし

分配金の取扱:年12回
償還日:2032年7月23日(2012年11月9日)
運用:東京海上アセットマネジメント株式会社



東京海上・円資産バランスファンド(愛称:円奏会)の購入先

それでもどうしても東京海上・円資産バランスファンド(愛称:円奏会)に投資したい場合は、下記の金融機関から購入することが出来ます。どこも手数料がかかりますが、フィデリティ証券ならば購入手数料がゼロになるサービスが有りますので、フィデリティから買えば良いでしょう。


・手数料1.62%:ゆうちょ銀行、フィデリティ証券SBI証券楽天証券



 


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