豪州高配当株ツインαファンド(毎月分配型)を評価すると

(2015年7月時点)

オーストラリアの株式に集中投資するスタンスについては妥協するとして、大きな問題はギャンブルに近いオプション取引を多用している点。オプション取引のお蔭で表面的には20%を超える定期収益が見込めるように設計している。実際に凄まじい過剰分配で、現在では30%を超える分配金利回りに。中身が無いので、基準価額の下落度合いは大暴落並みに急降下中。

  • 運用(価格の上昇含む)利回り▲3%に対して、現時点の分配金利回りは33%
  • 基準価額の下落も凄まじく、明らかに過剰分配状態である事が分かる
  • どうした訳か、分配金の内訳問題が無いように書いてある

 

ギャンブル的トレード満載な点が、まず絶対にNGだ

豪州高配当株ツインαファンド(毎月分配型)は、オーストラリアの高配当株式に投資しています。それだけなら何の問題もありませ。

しかしこのファンドの場合、株式オプションα戦略、通貨オプションα戦略と呼ばれる、ギャンブル的なデリバティブ取引を多用している点が、大きな問題です。

豪州高配当株ツインαファンド(毎月分配型)


投資というのは、期待されるリターンがプラスのものに資金を投じる事です。それに対して期待リターンがプラマイゼロの世界を投機と言います。実際はコストの分だけマイナスに振れますので、そうなると競馬やパチンコと近い部類の物事と表現できます。

さて豪州高配当株ツインαファンドのオプション取引の戦略は、欧州株式や豪ドルのコールオプションを売却する事で、オプションのプレミアム収入の獲得を目指すものです。で、美しい販売資料に書かれている次のような部分をご覧になって、具体的に中身がご理解できますか?

豪州高配当株オプションα戦略の概要
(実際には、もっと細かくビッシリと説明書きされています)


簡単に言うと、1カ月程度で強制的に取引を終える必要がある短期売買で、その上レバレッジが効いている危険なトレードです。何も問題が無ければコツコツと定期的にプレミアム収入が獲得できますが、損失が発生した場合は、今までの全ての利益を吹き飛ばすような「ギャンブル」という事です。

このようなギャンブルを取り入れる理由は、下記のようにオプション収入によって、表面上の収益が増えたように見せるからです。(月報の数字より)

ファンドが受け取る配当金や金利収入のシミュレーション


凄いですね~!!配当利回りとオプションのプレミアム収入で、合計年率20.75%です。天才投資家である、ウォーレンバフェットの年率運用成績と同等の水準です。

定期収益で確実に実現できれば、確かにお宝銘柄ですね!!「リスクなく実現できれば」の注釈つきのお話になりますがね。みんなトレードは百発百中で上手くいくと思っているんでしょうかね?

先ほども書いたように、ギャンブルトレードは期待リターンがプラマイゼロです。ファンドマネージャーが、いつも一方的に勝ち続けるわけがありませんよね。普通にやって、半分は負けるという事になりますので、勘違いなさらないでくださいね!



この分配金利回りは、もはやボッタクリを通り越して詐欺のレベル

豪州高配当株ツインαファンド(毎月分配型)の分配額は、毎月170円です。聞いた瞬間、「異様に高いな」という感想を抱きます。この金額で利回りを出すと、下記のようになります。

豪州高配当株ツインαファンド(毎月分配型)の分配金利回りの推移


2013年からの分配金利回りの傾向をみると、腰を抜かすほどの上昇です。2015年7月時点では、30%台の大台を突破してしまいました。

純資産総額を見ると右肩上がりで上昇を続けており、中身をまったく理解していない市民が殺到している事かと思います。だいたい、トータルリターンがマイナスなのに、どうして30%もの分配金が出るのか、全く意味不明ですよね!

ちなみに、分配金利回りと配当利回りは全く違います。配当利回りは操作できませんが、分配金利回りは運用側の思惑次第で、いくらでも高くしたり低くしたりできるのです。この違いを理解しないと、あなたは永遠に毎月分配型投資信託のいい餌食(エジキ)になります。

ところが、分配金利回りが30%を超えて明らかに異常な水準なのですが、分配金の内訳を調べると、これが実に不可思議な事に、問題が無いように見えます。毎月の安定収益で、分配金をほとんどカバーできてしまうように見えるのですから。

豪州高配当株ツインαファンド(毎月分配型)の分配原資の内訳


でも何で??? 念のために損益の状況も確認してみると(小さくて見にくくてすみません)、恒常的に売買損失を計上しています。つまり、毎月の収益を上乗せするための「トレード」が、危惧した通り上手くいっていないことを示唆しています。

一見問題無いように分配金を出しておきながら、陰ではこのような状況です。「分配金は出ますが、それを上回る巨額の損失も同時に味わえるファンドです」と、きちんと説明してくれなければ、これはもう詐欺だと言ってもいいくらいです。

豪州高配当株ツインαファンド(毎月分配型)の損益の状況



こんな状況だから、基準価額は大暴落して当然

表面的に分配金は出しているものの、その裏で多大な売買損失を抱えていたら、それはもう極めて単純な話で、基準価額は一方的に凄い勢いで落ちてゆくほかありません。

豪州高配当株ツインαファンド(毎月分配型)の基準価額と純資産残高の推移


残念な事に、中身がまったく分からずに、高水準の分配金利回りに目が眩んだ庶民が殺到しているのでしょう。純資産総額が右肩上がりで増加しています。まだ290億円程度ですが、今後も増え続けるのではないでしょうか?

怪しげな取引、異常に高い分配金利回、なぜか暴落するように下がる基準価額を見て、問題の無い金融商品だと思うのか。・・・何も感じないとすれば、あなたは金融機関の良い上客(カモの投資家)という事です。



追記:運用目標である「ベンチマーク」が無い投資信託はアウト

最後に追記的に書きます。この投資信託、販売資料ではたいそうな事書いて庶民をやたらと誘惑しているにもかかわらず、ファンドの運用成績が良いのか悪いのか一目瞭然で判定できる指標「ベンチマーク」を設定していません。これは、アウトです。

後日、この投資信託がマトモなのかどうか、判定できないじゃないですか。経験的に、ベンチマークや参考指数が存在しない投資信託の成績はロクデモナイです。

参考までに豪州高配当株ツインαファンドと、オーストラリアの株式投資に超シンプルに投資できる低コストのインデックスファンド、i-mizuho オーストラリア株式インデックス(年間コスト3分の1)を比較してみます。

豪州高配当株ツインαファンド(毎月分配型)とインデックスファンドの基準価額の比較


結果は、はるかにコストの安いシンプルな投資信託のほうが、運用成績が断然に良いという事実です。このデータには、受け取っている分配金を再投資して税金も引かれないという、豪州高配当株ツインαファンドにとってあり得ない有利な条件で表示しています。

それでこの体たらくな運用成績なのですから、販売用資料に乗っているような大層なお言葉、「株式や通貨によるオプション戦略」などクソの役にも立たなかったという事です。



豪州高配当株ツインαファンド(毎月分配型)の概要

購入手数料:上限4.32%(税込み)
信託報酬:年率1.9364%(税込み)(運用管理費用込)
信託財産留保額:0.3%
分配金の取扱:年12回
償還日:平成29年7月25日(設定日 平成24年8月31日)
運用:T&Dアセットマネジメント株式会社

手数料の上限4%越えって、どんだけボッてるんでしょうか? 先ほど紹介したインデックスファンドは、手数料0円で、信託報酬0.6156%です。

たとえて言うならば、豪州高配当株ツインαファンド(毎月分配型)の購入者は、「スーパーで、標準価格の10倍のお金を出して、不味い卵を買っている」のと同じ事になります。



豪州高配当株ツインαファンド(毎月分配型)の購入先

それでも豪州高配当株ツインαファンド(毎月分配型)を購入したい場合、せめて、購入手数料がまだ安いのところを選んでください。その他の金融機関だと、上限マックスのありえない手数料を支払わされるところが多いです。

手数料無料SBI証券楽天証券マネックス証券フィデリティ証券

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