グローバル・ロボティクス株式ファンド・・・合計1兆円も集まってウハウハ

(2018年4月時点)

特定の分野に集中投資する典型的なテーマ型投資信託で、テーマが大当たりして好成績となり、たった2年半で1兆円もの純資産を集めている状態。販売現場では、これほど売りやすい投資信託は他にあるまいというくらいのもので、金融機関の笑い声が聞こえてくるようだ。

グローバル・ロボティクス株式ファンド


  • 全世界の株式の平均的数値をはるかに上回る圧倒的な好成績
  • 参考指数には大きく負けており、投資判断が悩ましい
  • 「勝てば官軍」であり超高コストなんて「関係ない」
  • テーマ型投資信託の投資の出口には気を付けよう


 


「ロボット工学」というテーマを追いかけるテーマ型投資信託


AI(人口知能)やIoT(モノのインターネット化)も含めて、ロボティクス関連企業の株式に集中投資する投資信託になります。ロボティクスとはロボット工学の事で、第4次産業革命をけん引する産業分野になると言われています。まさに典型的なテーマ型投資信託ですね。

そしてグローバル・ロボティクス株式ファンドは、以下の4つのコースの中から選んで投資が可能です。投資の本質的な部分は共通ですので、いずれのコースを選択しようとも、本ページを読んで頂ければ中身が分かると思います。

・グローバル・ロボティクス株式ファンド
・グローバル・ロボティクス株式ファンド(年2回決算型)
・グローバル・ロボティクス株式ファンド(為替ヘッジあり)
・グローバル・ロボティクス株式ファンド(為替ヘッジあり・年2回決算型)


グローバル・ロボティクス株式ファンド


これら4つのタイプを合計すると純資産は1028454百万円、・・・なんと1兆284億円もの大量の資金が集まっており、超大ヒット商品になっています。このうち年1回決算と年2回決算のものが同等に人気であり、この2つで全体の95%を占め、為替ヘッジありタイプのものよりも圧倒的な支持を集めています。

なお、本ファンドの大成功に味を占めたのか、日興アセットマネジメントは姉妹ファンドとも言えるグローバル・フィンテック株式ファンドも世に送り出しており、こちらも合計で2500億円近い資金を集めて、ウハウハ状態になっていますね。



まず、参考指数に対しては明確に負けており、凄いとは言えない


グローバル・ロボティクス株式ファンドは、3%超の購入手数料と年間1.76%になる信託報酬がかかる、かなりの高コストの投資信託です。アクティブファンドで成長性の高いロボティクス関連株に投資するとしても、これらのコストをカバーできるパフォーマンスを叩き出せるのかが、非常に大事なポイントです。

グローバル・ロボティクス株式ファンドは、運用目標たる参考指数として、ROBO Global Robotics and Automation UCITS指数を提示しています。ベンチマークや参考指数の無いようなダメファンドも散見される中、これは良いです(本来は常識ですが)。

しかし、設定来の運用成績は、この指数を大きく下回る結果になっており、運用の「上手下手」で言えば、下手くそだと判定して良いでしょう。

グローバル・ロボティクス株式ファンドの運用成績と参考指数との対比


約2年で上記のように大きく目標未達となっており、当サイト管理人であれば、このような投資信託は高額なコストを支払うに見合わないと判断しますので、まず投資する気にはなりません。

しかし、グローバル・ロボティクス株式ファンドに対して別の見方をした場合には、1兆円も資金が集まるほど、一般の投資家にとっては買いたくなる商品だという事が良く分かります。それを、次の項で見てみましょう。



全世界株式の平均的数値は非常に大きく上回り、「凄い」と説明されるはず


全世界の株式に分散投資した場合と比較


特定のテーマに集中投資するという事は、投資の基本である分散投資をした時よりも、リターンが大きいのかどうかという視点も大事です。では、比較が妥当だと思える分散投資の指数は、どれが良いのでしょうか。それを特定するために、まずはポートフォリオを見てみます。

グローバル・ロボティクス株式ファンドのポートフォリオ


こう見ると、米国を中心にして日本を含む先進国の大型株に投資をしている事が分かります。となると、全世界の先進国株の値動きを示すMSCIワールド・インデックスと比較するのが順当だと思います。

ご覧いただくと、世界の株式をはるかに上回る、実にダブルスコアで「勝利」している事になり、これを対面営業で説明されたら、素人ならば一発で「落ちる」可能性が大ですね。

グローバル・ロボティクス株式ファンドと全世界株式とのリターン比較


それにしても、「今後はロボティクスの分野が伸びるはずだ」と見極めて、この投資信託を買ったという人がいらっしゃったら、本当におめでとうございます。投資の醍醐味を存分に味わえたと思います。たとえそれが金融機関に勧められるままに買っただけだったとしても、「運も実力のうち」ですね・笑。



「姉妹ファンド」のようなグローバル・フィンテック株式ファンドと比較


参考までに、同じ日興アセットマネジメント社が運用する、やはり超絶に大人気の類似ファンド、グローバル・フィンテック株式ファンドとのリターン比較も載せておきます。フィンテックファンドの方が更にリターンが良く、もしかしたらこれら2つを同時に買わされた投資かも多数いらっしゃるかもしれません。

販売会社にとっては、もう笑いが止まらない状況ですね。

グローバル・ロボティクス株式ファンドとグローバル・フィンテック株式ファンドとのリターン比較


このように、参考指数には大きく負けているけれども、世界株の平均的数値よりははるかにリターンが良いという時には、このような投資信託を買うべきか否かは、かなり迷うところです。(グローバル・フィンテック株式ファンドについては、参考指数をも凌駕しており、投資判断は容易です)

このような場合は、持てる資金を一気にグローバル・ロボティクス株式ファンドに投じるのではなく、一部にとどめておくという冷静さが必要になるかと思います。

そもそもテーマ型投資信託は、そのテーマがどのタイミングまで「旬」なのかは後になって初めて判断が付く事であり、そこから逃げるタイミングも非常に大事で、投資の成否はそこにかかっています。

しかも設定来では、どう見てもテクニカル的には2018年に入った今現在が、ちょうどその一部(半分程度)を利益確定するようなタイミングですから、今からこの投資信託に飛び乗るのは慎重になったほうが良いと思えます。したがって、余計に投資資金の一部にとどめておくほうが賢明な判断に思えますね。

ちなみに、当サイト管理人はこのようなテーマ型投資信託には関心は皆無です。なぜなら、ここ1、2年とか数年レベルで見た場合には、このように平均を上回る投資信託が登場する訳ですが、10年20年と言った長期で見た場合には、結局のところは大半の投資信託が平均を下回ってしまうからです。

テーマ型投資信託などは一般NISAで「儲かったらラッキー」程度に投資するのがベターであり、真剣に目をギラギラと光らせながら買い付けるようになると、案外、投資のエントリーやイグジットのタイミングを誤って、「大して儲からなかった」となりかねないような気がします。



4つのタイプのどれを選べば良いのか?


為替ヘッジの有りと無しについて


ところで、年1回決算と年2回決算、そしてそれぞれに為替ヘッジありのタイプも存在しますので、これら4つはどれを選べば良いのか、それも見ておきましょうか。

これらを、分配金を全て再投資したとした場合のリターン比較は、以下になります。オレンジ色と赤色、それと緑色と青色がそれぞれ完全に重なります。単純に、為替ヘッジが有るか無いかだけで見る事ができます。

為替ヘッジが有るタイプは為替リスクをほぼ無くすることができますから、円高リスクを回避することで基準価額の変動がマイルドになるケースが多いです。しかし、上昇一辺倒だった2017年が投資期間の大半を占めていて、顕著に円高になるケースが無かったので、今までは為替ヘッジの意味が無い状況でしたね。

ただし2018年に入り、市場が不安定になり、円高に振れつつあるタイミングでは、為替ヘッジありのタイプのほうが基準価額の下落は抑えられています。

例えば、為替ヘッジなしタイプの半分を利確して、残りの半分を為替ヘッジありにスイッチングして、今以上の相場の下落を抑える、といった使い方があるのかなと思います。

年1回決算と年2回決算、為替ヘッジありとなし



年1回決算と年2回決算について


これについては、年1回決算タイプが無分配で再投資されるのに対し、年2回決算タイプは高額の分配金が出るという違いがあります。為替ヘッジがあるなしに関わらず、年2回決算タイプは分配金が出ます。

年に2回、非常に大きな分配金を出しており、分配金利回りは以下のように27%超になります。毎月分配型投資信託もビックリな数字になっています。しかし、上の項のグラフで見ると分かる通り、トータルリターンは年1回決算タイプと変わりませんので、分配金が凄いとか、そんな事ではありません。

グローバル・ロボティクス株式ファンド(年2回決算)の分配金利回り


なぜこんなに分配金を出すのかと言えば、ときおり多額の分配を出すと素人投資家には「ボーナス」のように感じられて嬉しい、という単純な理由が一点。これは、販売現場で喜ばれます。

そしてもう一つは、強引に基準価額を下げるという意味合いがあります。投資信託を知らない素人投資家は、基準価額が高いと割高だと勘違いしている人が多数です。ですので、強引に分配して基準価額を無理やり1万円台近辺に落としてやれば、「割安だ」と勘違いするのです。・・・ほれ、この通り。

グローバル・ロボティクス株式ファンドの分配と基準価額


実態的には全く同じなのに、分配後の青線の基準価額を見せられた方が、なんだか割安に見えて、安心感が漂ってきますよね。「高値掴みしていないから、まだ今後は上昇が見込める」と錯覚するのです。

ここが金融機関のいやらしいところで、販売現場でも恐らく「年1回決算タイプよりも年2回決算のほうが今後の価格の上昇も望めますし、多額の分配も出るので、安心して保有できます」とか無茶苦茶な事を説明して、何も分かっていないカモ投資家を一網打尽にしていると思われます。

基本的に、グローバル・ロボティクス株式ファンドのようなテーマ型投資信託は、基準価額の上昇をひたすら取りに行くタイプの商品です。したがって、年に何度も決算されて分配金が出て、そのたびに税金を支払っていたら、その分、資金効率が悪化する事になります。

年1回決算と年2回決算をどちらか選ぶとしたら、これは年1回決算にする方が良いでしょう。同様に、為替ヘッジなどを下手に入れてリターンがマイルドになるのも、本来の目的からは逸れているように思えますので、ヘッジなしに投資をするのが基本でしょう。



グローバル・ロボティクス株式ファンドの概要


購入手数料上限3.5%(税抜き)
信託報酬年率1.76%(税抜き)
信託財産留保額:なし
償還日:2025年7月22日(設定・2015年8月31日)
運用:日興アセットマネジメント株式会社

最近の投資信託は、いつから購入手数料を3.5%まで取るようになったのでしょうかね。今までは高くても3%という雰囲気が合ったように思うのですが。個人的にはこのような手数料を見た瞬間、買う気がしなくなります。



グローバル・ロボティクス株式ファンドの購入先


グローバル・ロボティクス株式ファンドを購入したい場合、SBI証券楽天証券SMBC日興証券などで手数料3%を支払ってから購入する事になります。

もしもどうしてもこの投資信託を買うという時には、新規に口座開設すると3ヵ月間、購入手数料が無料になるフィデリティ証券で買付がおススメです。

それ以外にも銀行などで取り扱っていますが、この場合は手数料の上限である3.5%もの高額コストになりますので、とてもお勧め出来るようなものではありません。


 


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