三菱UFJグローバル・ボンド・オープン(愛称:花こよみ)の評価

(2014/6~2015/6の成績を元に算出、2015年7月時点)

純資産総額が3000億円近くもある大人気の毎月分配型投資信託。投資先を見ると非常に信用度の高い債券を選定しているために安心感はある。だが激しい過剰分配が続いており意図的な利回り操作の臭いがする。安心感が高い上に高利回りであれば、販売する金融側にとってはオイシイ商品であろう。コストも非常に高いので、投資する価値は見当たらない。

  • 運用(価格の上昇含む)利回り5%に対して、現時点の分配金利回りは10%
  • チャートで判断すると分配金は不健全な状態である事が分かる
  • 運用成績が良い場合は、基準価額が上がってしまうので過剰分配がカモフラージュされてしまう
  • 分配金の内訳を見ると、安定収益源で補えていない事がよく分かる

 


投資先は安全だし、運用目標は上回っているけれど・・・

この投資信託、販売資料のデザインはこれです。これを見た瞬間、この投信の顧客ターゲット層がどのあたりにあるのか、想像つきますね。

投資の世界に、「お花の便り」など全く関係ありません。このようなイメージ戦略で投資信託に親近感が湧くのであれば、あなたは金融機関にカモ肉団子にされる可能性が高いので、まずは投資の知識をしっかりと付けるべきですね。

三菱UFJグローバル・ボンド・オープン(愛称:花こよみ)


さて、三菱UFJグローバル・ボンド・オープン(毎月決算型)(愛称:花こよみ)は、世界の主要国の中から信用力・利回りが高い国の債券を選別して投資するファンドです。

参考指数(運用目標)として、シティ世界国債インデックス(除く日本、円ベース)を提示しています。多くの毎月分配型投資信託は運用目標を明らかにしていないので、この点は良しとしましょう。

また参考指数に対して、「分配金を再投資して、毎月分配の時の税金が全くかからなかったもの」として相当このファンドに有利な条件で計算した場合は、運用開始以来、良好な成績を保っていると言えます。

三菱UFJグローバル・ボンド・オープン(愛称:花こよみ)の運用成績と参考指数との対比


一般に、安全資産である外国債券に投資して、上記のように大きく参考指数に勝つことは稀です。なぜ大きく勝てているのかというと、投資先を分散させずに集中投資しているからです。

シティ世界国債インデックスの構成国から、オーストラリアが7割、ニュージーランドが3割と、2か国に対して集中投資しています。集中投資というのは上手くいけば良好な生気が得られますので、この花こよみなる投資信託は結果として上手くいっています。

ファンドの通貨別・国別投資比率や格付け


とは言え、投資先の格付けも高く、為替取引のような最近流行の複雑怪奇な手法を取り入れておらず、シンプルで悪くはない投資スタイルです。



分配金の出し方は、「過剰分配」になっている点に注意

さて上述したように、信用度の高い債券を利用している訳ですから、投資先から得られる収益は低くなります。リスクの少ないものはリターンが少ないのが、金融の世界の常識です

今回であれば、最終利回りは3%も無い程度です。ここからファンドの経費などが引かれる事を考えると、2%以下の水準になりそうですね。

三菱UFJグローバル・ボンド・オープン(愛称:花こよみ)が投資する債券の最終利回り


では一方で、あなたが受け取る分配金の利回りはどのくらいになっているかというと、分配金利回りは10%を超えており、明らかに上記の数字と合致しません。

三菱UFJグローバル・ボンド・オープン(愛称:花こよみ)の分配金利回りの推移


信用度が非常に高い上に分配金利回りが高いと、市民の人気が集まりますからね。純資産総額は2610億円と非常に多くの資金が集まっている点も、分配金利回り操作の影響でしょう。

なお、「え?分配金利回りってそっくりそのまま私の利益じゃないの?」と疑問に感じた方は、必ず分配金利回りと配当利回りの違いのページをご覧になってくださいね!



この部分を見ると、過剰分配なのかどうかが一発で分かる

まあ上記までで「あ、過剰分配の恐れが極めて大きいな」と想像はつくわけですが、心配なら、念のために運用報告書に記載されている、「分配原資の内訳」を見ておきましょう。

三菱UFJグローバル・ボンド・オープン(愛称:花こよみ)の内訳は、以下のような状況です。債券からの金利収入で分配金が賄われていなければ、基本的には過剰分配だと判断することができます。

毎月の65円の分配金に対して、安定収益源からの収入は20円台ですから、その差額をどこからか埋め合わせしなくてはならない、という事なのです。

三菱UFJグローバル・ボンド・オープン(愛称:花こよみ)の分配原資の内訳


実際、上記の丸を付けたところ、第136期だけは、過剰分配ではないように見えます。でも、投資先の収益で補える訳がありませんよね。よくよく調べてみると、下記のように資産を売却することで、利益をねん出していることが分かります。

三菱UFJグローバル・ボンド・オープン(愛称:花こよみ)の分配金のねん出状況


まあ136期は何とかなったとして、じゃあ残りの月はどうなっているんだとお思いだと思います。その答えはおそらく、あなたご自身のお金が勝手に取り崩されて分配金となって戻ってくる、タコ足分配の可能性が高いと思われます。

(タコ足分配かどうかは、毎月送られてくる郵便物を手元に置いていただいて、分配金が出た時のご案内資料の見方のページをご覧になってください)

高いコストを支払って投資信託を買っていても、それが利益でも何でもなくて、単純に自分のお金が戻ってきているだけだとしたら、これほと人をバカにした仕組みは他に無いと思いますね・笑。

唯一確実に、常に利益が出るのは、この花こよみなる投資信託を販売した金融機関と組成した金融機関だけなのです。



「花こよみ」の基準価額の見通しは今後どうか?

当ファンドは、過去3年に渡って安定的に毎月65円の分配を続けています。ですが既に記したとおり、高過ぎる水準です。過去1年間の、投資先債券の価格の上昇分や金利収入など、トータルの運用成績から考えると、やはり分配金の金額は不健全な状態です。

三菱UFJグローバル・ボンド・オープン(愛称:花こよみ)の基準価額の下落


細かい数字は省きますが、この投資信託は過去1年間のトータルの運用成績は約5%のプラスです。これに対して分配金利回りは10%と運用益を上回っているために、基準価額が下落する事になります。

「基準価額が安いと将来値上がりの期待が持てます」などと金融機関から言われたら、それは嘘八百ですから、騙されないようにしましょう。

だって、投資先債券は国債のような安全資産であって、突然値段が急上昇するような性質のものではありませんし、(株式と違うんだ)、そもそもタコ足分配していて毎月資産が削り取られていくのに、値上がりするわけないじゃないですか!

もしも値上がりするとしたら、今より分配金が3分の1以下に削減されたときのみです。その時あなたは「あら、分配金が少ないじゃないの!」と文句を言う事でしょう。

今のような分配が続く限り、基準価額は基本的には下落するとしか見通せません。よほどの円安が進めば為替差益を取れるので、下落に歯止めがかかる可能性はありますが。

このような投資信託に、下記のような多大なコストをかけて投資をする。・・・このような行為は、本来は投資とは言い難いものだと思います。




三菱UFJグローバル・ボンド・オープン(愛称:花こよみ)の概要

購入手数料:上限2.16%(税込み)
信託報酬:年率1.188%(税込み)
信託財産留保額:なし
分配金の取扱:年12回
償還日:無期限(設定日 2003年7月9日)
運用:三菱UFJ投信株式会社

投資信託選びの基礎の基礎として、投資先の中身や過剰分配云々以前に、購入手数料がかかる時点でNGだし、信託報酬も1%未満のものを選ばないとダメです。



三菱UFJグローバル・ボンド・オープン(愛称:花こよみ)の購入先

三菱UFJグローバル・ボンド・オープン(愛称:花こよみ)で分配金を得たい場合、下記の金融機関で取り扱いがあります。

手数料3.24%:三菱東京UFJ銀行、SBI証券楽天証券マネックス証券


 

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