DIAM世界好配当株式ファンド(毎月決算型)という投資信託の実態を見る

(2018年6月更新)

分配金が徐々に増額したことで分配金利回りが急上昇、ゆうちょ銀行専用ファンドとして、180億円程度の資金を集めている投資信託。分配金を利益だと勘違いするような人間を狙い撃ちにしたカモ商品。到底実現不可能な分配金利回りとなっている。

ハッピーインカムのイメージ
(販売資料を見ると、ゆうちょと運用者のDIAMが一番喜んでいるのが分かる・笑)

  • 株式からの配当利回りを高く見積っても4%に対して現時点の分配金利回りは15%
  • 分配金の内訳は、投資先の配当収入では4割程度しか補い切れていない状況
  • 単なる先進国株式インデックスファンドに投資しているほうがはるかに報われる




 


DIAM世界好配当株式ファンド(毎月決算型)は、ゆうちょ銀行が売る投資信託


DIAM世界好配当株式ファンド(毎月決算型)は、ゆうちょ銀行で販売される投資信託です。ゆうちょの窓口では、「毎月、年金に加えてお小遣いが貰えて、生活が安定しますよ」などのセールトークで拡販しているのではないでしょうか。

このDIAM世界好配当株式ファンド(毎月決算型)は、為替のヘッジ有りとヘッジ無しの2コースから選択できます。投資の本質的なところは変わらないので、いずれの投資信託を保有していても、当ページを参考にして頂く事ができます。

・DIAM世界好配当株式ファンド(毎月決算型) 『愛称:ハッピーインカム』
・DIAM世界好配当株式ファンド(毎月決算型)(H有)『愛称:ハッピーインカム(為替ヘッジあり)』



さて、DIAM世界好配当株式ファンド(愛称:ハッピーインカム)の投資対象は、日本を除く世界の好配当株です。好配当株式とは、相対的に配当利回りの水準が高いだけではなく、今後も配当の増額が期待できる銘柄の事を、そう表現するようです。

ハッピーインカムの実質的な投資対象


次に、全世界に投資すると明記されていますから、投資先をチェックします。米国が過半数を占めており、次いでイギリス、カナダ、フランスとなっています。全体を見ると、ほぼ先進国(ただし、日本を除く)に投資していると考えて良いかと思います。

DIAM世界好配当株式ファンド(毎月決算型)のポートフォリオ


単に先進国全体の株式に投資するだけですから、現時点で特に問題がないようにも見えます。ただ、基準価額と純資産の推移を見てみると、実は問題がある投資信託だと感じてきました。実際の基準価額と分配金再投資後の基準価額の乖離が大きくなっており、身の丈に合わない分配金を出している可能性があるからです。

DIAM世界好配当株式ファンド(毎月決算型)の基準価額基準価額の推移


そもそも、ゆうちょ銀行の窓口で販売手数料を3%(税抜き)も取られて、毎年1%弱の信託報酬も支払うような高コスト投資信託でもありますので、コストに見合ったパフォーマンスが出せているのかも、とても不安になり始めました。順に、見て参ります。



これがDIAM世界好配当株式ファンドの分配金の出し方


DIAM世界好配当株式ファンド(愛称:ハッピーインカム)は、株式の配当収益を中心に分配すると言っています。しかしこれは、本当なのでしょうか。日本で販売されている毎月分配型投資信託は、ほとんどがタコ足分配されており、まったく信頼できません。

DIAM世界好配当株式ファンド(毎月決算型)の分配方針


DIAM世界好配当株式ファンド(愛称:ハッピーインカム)の、分配履歴をご覧ください。分配金の増額を見ると、毎月分配型投資信託の「悪い意味でのお手本」だなと思えます。30円→50円→100円→130円と、凄い勢いで分配金が増え続けています。(2018年の今も、130円の分配が継続しています)

この傾向にあわせるように、純資産総額も増えています。このような手法は野村証券で横行していましたが、他の金融機関でも似たような事が起こっているという事ですね。

DIAM世界好配当株式ファンド(毎月決算型)の分配金履歴


もちろん運用側(販売側)は、投資信託の成績が好調だから分配金を増額していると言い張るでしょう。しかし、詳しくは後述しますが、そもそも運用が好調なのかどうか、ベンチマークを設定していないのですから、神様以外には誰も判断できないのです。

次に、分配金利回りを調べてみましょう。分配金の増額が続いた時期は、分配金利回りも勢いよく上昇しています。その後、現在に至るまで、月130円の分配が続いた事で、現時点では15%の利回りを超えています。

DIAM世界好配当株式ファンド(毎月決算型)の分配金利回り


数年前に、「今後は15%近くまで上昇するのではないでしょうか?」と書きましたが、その通りの水準となり、ちょっと笑ってしまいました。(が、とても良くない状況です。)

はっきり言って、分配金の傾向を見る限り、明らかに怪しい香りが漂ってくる投資信託です。こんな利回り操作(とあえて表現)をする投資信託を、堂々とゆうちょ銀行が独占販売する事に驚きです。金融機関は、どこも同じようなものですね。



やはり、分配金の出し方は異常だと言わざるを得ない点


別の角度から、DIAM世界好配当株式ファンド(愛称:ハッピーインカム)の分配状況をチェックしてみましょう。この投資信託、既に書いたように、凄い勢いで分配金額を増額してきました。

DIAM世界好配当株式ファンド(毎月決算型)の分配金実績


15%を超える分配金利回りなど、明らかに異常です。実際に投資している銘柄の配当利回りなどは、平均で3%強くらいではないかと思います。高く見積もっても4%強くらいでしょう。

どう考えても、15%を超える利回りを維持できる訳がありません。そもそも、月次レポートにポートフォリオ全体の平均配当利回りが書いていない時点で、けしからん状況だと思いますね。

参考分配金利回りと、株の配当利回りは違うぞ!


分配金の内訳を見てみると、状況がよく分かるかと思います。多額の配当収入がある時期も存在しますが、通期を通して、安定収益(赤枠)が占める割合は、分配金(青線)の4割程度です。以前チェックした時よりも、状況が悪くなっている感じです(以前は、安定収益が5割くらいだった)。

DIAM世界好配当株式ファンド(毎月決算型)の分配原資の内訳


この状況は、配当金で分配金をカバーできていない事を如実に物語っており、あなたが受け取る分配金はハッピーなインカム収入ではなくて、実にアンハッピーインカムだという事ができます。

恐らく、かなりの割合が元本払戻金だと思われ、そのような分配金をいくら沢山貰ったところで、自分自身の投資元本を取り崩しているだけですから、これを利益と勘違いして全て使ってしまったら、とんでもない勢いで財産を食い潰してしまう事になります。



単に、低コストなインデックスファンドへに投資していれば宜しい


このような投資信託に手を出さなくとも、世の中には数は少ないですが、真っ当な投資信託も存在しますから、そういうものを使って投資の王道を進んでいただきたいと思います。

DIAM世界好配当株式ファンド(愛称:ハッピーインカム)は、アクティブ運用ですがベンチマークや参考指数が一切存在していません。これでは運用成績がまったく分かりません。

先に見て頂いたように、本ファンドは日本を除く先進国の株式に分散して投資しているアクティブファンドですから、だったら同様に世界の株式に分散投資するインデックスファンドと比較するのみです。さっそく比べてみましょう。

比較するのは、SMTグローバル株式インデックス・オープンです。運用歴が長いので比較対象として選んでみました。そして驚愕の比較結果がこれ。DIAM世界好配当株式ファンド(愛称:ハッピーインカム)は、分配金を全て再投資したという前提です。比べ物にならないほど、本ファンドのリターンが悪いのが分かります。

DIAM世界好配当株式ファンド(毎月決算型)と、先進国株式インデックスファンドとのリターン比較


特にトータルリターンの5年の年率リターンはざっくり半分ですので、やってられないです。上記を見るだけでも、DIAM世界好配当株式ファンド(愛称:ハッピーインカム)に存在価値など全く無い事が分かります。

なお実際に代替するならば、コスト(信託報酬)最安値の、eMAXIS Slim 先進国株式インデックスが良いです。SMTグローバル株式インデックス・オープンより、さらに低コスト化を実現して、税抜きの信託報酬で、わずかに0.1095%にしか過ぎません。

これらのインデックスファンドは、毎月分配型ではなくて再投資型の投信です。もしもどうしても分配金のように、毎月お金を受け取りたいニーズがあるならば、SBI証券投資信託・定期売却サービスを使いましょう。

このサービスが登場して以来、わざわざボッタクリレベルの高額なコストを支払わなくても、手元に資金を取り崩すことが可能になりました。



DIAM世界好配当株式ファンド(毎月決算型)の概要


購入手数料:上限3.24%(税込み)
信託報酬:年率1.188%(税込み)(運用管理費用込)
信託財産留保額:0.3%
分配金の取扱:年12回
償還日:無期限(設定 2010年2月1日)
運用:DIAMアセットマネジメント株式会社

それにしてもコストが高すぎる! 「SMTグローバル株式インデックス・オープン」にするなら、購入手数料無料で、信託報酬が半額になります。それでいて運用成績がはるかに良いのですから、ハッピーインカムは検討の対象にすらなりません。

それでもハッピーインカムを購入したい場合、手数料3.24%とあり得ない高額料金を支払って、ゆうちょ銀行にて買い付けしてください。


 



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