米国ハイイールド債券ファンドの各コース(豪ドル他)を評価してみる

(2018年2月時点)

米国ハイイールド債券ファンドは、通貨別に5つのコースが設定されています。ただし、本質的な部分は変わりませんので、下記のいずれのコースについても、本ページをお読みいただければ分かると思います。

・米国ハイイールド債券ファンド・米ドルコース
・米国ハイイールド債券ファンド・円コース
・米国ハイイールド債券ファンド・ランドコース
・米国ハイイールド債券ファンド・豪ドルコース
・米国ハイイールド債券ファンド・レアルコース


米国ハイイールド債券ファンド

  • 債券からの利金収入に対して分配金利回りが高すぎる
  • 基準価額の激しい下落が、過去のタコ足分配の痕跡を色濃く残す
  • ハイイールド債券に為替取引、素人には無用の投資対象である
  • 投資の運用能力を測定する指標が無く、投資判断ができない


 


ハイイールド債券と為替取引から利益を出すような投資信託は、素人向けではない


米国ハイイールド債券ファンドの投資対象は、米ドル建てのハイ・イールド債券です。そして、コース別(ランド・豪ドル・レアル)に為替取引を抱き合わせて余計なリスクを背負うような、複雑な投資信託です。

正直、問題が多すぎる投資信託だと管理人は感じました。まず債券投資以外に、為替取引を行っている点がとても問題です。価格変動などの要因分析ができず、実態が分かりにくくなるからです。

米国ハイイールド債の要因なのか、抱き合わせた為替取引要因なのか、基準価額を見てもさっぱり分からないのです。複雑すぎるので、下記のような資料を金融機関が作成するくらいですし。分からないような商品ならば、投資対象から外すべきです。

米国ハイイールド債券ファンドの仕組み



米国ハイイールド債券ファンド 豪ドルコースは、問題が多すぎる投資信託ですね。まず下記のように債券投資以外に、を採用している点が問題です。価格変動などの要因分析ができなくて、実態が分かりづらくなります。

そもそも、為替取引などの複雑な運用を取り入れても、長期的に運用成績が向上するかどうかは分かりません。為替取引は単なる投機であって、ゼロサムゲームの典型だからです。

参考コラム「複雑な仕組みなのに大人気のファンド」の成績を斬る


加えて、ハイ・イールド債券に投資する問題もあります。債券の構成を見てみると、550銘柄の債券に分散されていますが、格付がBBB以下の投資先ばかりの代物です(だからこそハイイールド債券なのですが)。

米国ハイイールド債券ファンド・豪ドルコースのポートフォリオ


投資ではなくて投機対象と言っても良く、分かりやすく言うと。踏み倒されてお金を返してもらえないような人に自分のお金を貸しているようなイメージになります。今、この瞬間の利回りが良くても、リスクの裏返しである事は忘れてはなりません。

参考コラムハイイールド債券に魅力なんてあるのか??



豪ドルコースを例にとって、分配金の出し方をチェック


本来ならば、投資対象に投機的格付である債券を選んでいる点や、複雑な取引を組み合わせている時点で、投資対象から外れます(中身を本当に理解した上で投資するのはOK)。

しかしながら、ブラジルレアルコースと豪ドルコースの人気などはとても凄まじく、最盛期では共に、純資産総額が1000億円を超えてました。現在でも400億円で運用が続いてますので、かなりの個人投資家が保有していると思われます。

米国ハイイールド債券ファンドの基準価額と純資産総額の推移


米国ハイイールド債券ファンドには更に問題があり、「基準価額」と「分配金再投資後の基準価額」の2つのチャートの乖離がとても大きくなっています。このような傾向を示す投資信託では、身の丈に合わない分配金、つまり過剰な分配がとても多くなります。

一番人気の、米国ハイイールド債券ファンド 豪ドルコースの分配履歴をチェックしてみましょう。以前チェックした時には月170円の分配金で、分配金利回りが20%を超えてました。当時は、当サイト管理人としては、以下のようなコメントを出していました。


過去の記事・分配金の出し方への指摘


現在はどうなのかというと、凄まじい勢いで分配金を減額しています・笑。基準価額が5000円を切っていますし、これ以上は無謀な分配金は出せないとの判断なのでしょうか。

当然ながら、分配金が減るので分配金利回りは低下します。低下すると言いっても、利回り16%台を維持していますから、相変わらず過剰分配状況だと思います。

米国ハイイールド債券ファンド・豪ドルコースの分配金


ところで、分配金利回り16%を実現できない根拠は、投資先のクズ債券の利回りが6%程度だからです。運用経費が差し引かれると、個人投資家の手元には5%以下の債券収益しか手に入らない訳で、為替取引の収益があっても、現状の分配金をカバーできないはずです。

米国ハイイールド債券ファンド・豪ドルコースの投資先債券の利回り


その証拠に、分配金に対しての債券収入が占める割合は、わずか4割。残りは、「当期の収益以外」から分配金を出しています。何を使って補完しているのでしょうね?

米国ハイイールド債券ファンド・豪ドルコースの分配原資の内訳


残念ながら、過去の運用益の積立である分配準備金は底を尽きかけており、ほとんど残っていません。そうすると残された原資は、我々の投資原資だけですね。恐ろしい。

米国ハイイールド債券ファンド・豪ドルコースの損益の状況


ただし、最近の売買では損失よりも利益のほうが数字としては大きくて、そこから分配金をねん出している可能性もあります。この投資信託を買っている人は取引明細を確認して頂いて、分配金が元本払戻金でなければ、とりあえずは直近での分配金の出し方は、ギリギリ許せる範囲内と言っても良いかもしれません。



運用の腕前が理解できる投資信託を使おう


そもそも、米国ハイイールド債券ファンドの資産運用に関する腕前はどうなのかが、投資する上で一番気になるポイントです。ただし、残念ながらアクティブ運用なのに、ベンチマークや参考指数が設定されていません。このままでは、当ファンドの運用成績の是非の判断ができません。

どうしてもハイイールド債券に投資したいという人もおられるでしょうが、そのような人は、販売手数料はゼロで信託報酬(税抜き)が0.735%と低コストの、iシェアーズ ハイイールド債券インデックスあたりに投資すれば良いのではないかと思います。

当サイト管理人は投資の素人からはもう脱出しているので、ハイイールド債券ファンドにも投資しています。実際にiシェアーズ ハイイールド債券インデックスをときおり買い付けています。

そして下記、iシェアーズ ハイイールド債券インデックスと米国ハイイールド債券ファンドの各コースの、過去3年のリターンとリスク(標準偏差)の比較です。


オレンジ線iシェアーズ ハイイールド債券インデックス
赤線:米国ハイイールド債券ファンド・米ドルコース
青線:米国ハイイールド債券ファンド・ランドコース
緑線:米国ハイイールド債券ファンド・豪ドルコース
紫線:米国ハイイールド債券ファンド・レアルコース

米国ハイイールド債券ファンドとハイイールド債券インデックスファンドとのリスクとリターンの比較


これを見て気が付くのが、リターンの差以上に標準偏差(リスク)の値が非常に大きい事です。ざっと、普通にハイイールド債券(iシェアーズ ハイイールド債券インデックス)に投資するよりも、価格の上下動=リスクが倍にもなっているのが分かります。

各通貨の為替取引のような「余計なもの」をくっつけて見かけの分配金を嵩増ししようと企むあまり、通常よりもリスクを倍ほども背負い込んでしまった訳で、故に、こんなものは投資の素人が買うようなものではないと考える次第です。

どうしてもハイイールド債券に投資して分配金を貰いたい人は、iシェアーズ ハイイールド債券インデックスをSBI証券の「投資信託・定期売却サービス」を利用すれば、タコ足にならないようなごく自然なレベルの分配金を、それこそ一生涯得る事ができます。



米国ハイイールド債券ファンドの概要


購入手数料:上限3.24%(税込み)
信託報酬:年率1.6454%(税込み)
信託財産留保額:なし
償還日:2019年10月15日(設定日・2009年10月30日)
運用:みずほ投信投資顧問株式会社


初年度で5%近い手数料を取られるという、呆れてものも言えない高コストです



米国ハイイールド債券ファンドの購入先


米国ハイイールド債券ファンドで分配金を得たい場合、下記の証券会社で購入が可能です。買いたい人は、どうぞ自己責任にてどうぞ。

手数料3.24% SBI証券楽天証券、みずほ証券、みずほ銀行


 


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