北米エネルギーファンド(毎月決算型)・・・コストが高いだけの役立たず


(2017年9月時点)

株式とMLPに投資する、典型的なテーマ型投資信託。ハイ・イールド債券並みのリスクがあるのだが、個人投資家は分かっているのか。純資産総額は55億円程度なので、そこそこの人達が保有している。コストが異常に高く、よくありがちな、投資家をカモにした投資信託。分散投資していれば報われていたのに、残念です。

北米エネルギーファンド(毎月決算型)


  • 投資家が一網打尽でカモにされる、典型的なテーマ型投資信託
  • 極めて高いリスクが存在している事を、分かっていない人が多い
  • 分配も元本払戻金が多額だと思われ、投資する意味が皆無
  • 泣きたくなるほど、購入手数料や信託報酬が高すぎる


 


MLPと呼ばれる投資対象は、極めてリスクが高い事を知っているのか?


北米エネルギーファンド(毎月決算型)の投資先は、主に北米のエネルギー関連企業の上場株式とMLPです。

エネルギー関連企業は、原油や天然ガス等の天然資源の「探査、採掘、生産」を行う川上に位置する企業、「輸送、貯蔵」のような川中の企業、そして「精製、製造、販売」等の川下企業に分けられます。この投資信託は、エネルギーの輸送や貯蔵を担う、川中のエネルギーインフラ企業に投資します。

北米エネルギーファンド(毎月決算型)の投資対象


北米エネルギーファンド(毎月決算型)の注目ポイントは、投資先であるMLPの利回りの高さです。なんと、MLPの配当利回りは、2017年1月末時点で6.8%に達しています。年率7%の利回りであれば、10年で資産が2倍になる計算です。定期預金の金利が0.001%台である昨今の情勢を考えると、猛烈に高い利回りです。

さらに、格付けが低くて倒産しかねない会社に投資する米国ハイ・イールド債券よりも、MLPの配当利回りが高いです。という事は、米国ハイ・イールド債券と同等か、それ以上のリスクがあるという事を意味します。

北米エネルギーファンドの投資先の利回りの比較


では、どのようなリスクがあるのか、下記のチャートに注目して下さい。青枠で囲んだ400ポイント近辺から、半分の200ポイント(緑枠)近辺まで、大暴落が起きています。つまり天井付近で購入していたら、資産が半分になったという事です。

この値動きの荒さを、金融の世界では「リスクが高い」と言います。まさに、ハイイールド債券よりもリスクが高そうだなと直感した事は、その通りの事実なのです。

米国エネルギー主要指数の推移


北米エネルギーファンドのような投資信託を買う人は、直近のファンドの基準価額が急上昇しているのを見て、「儲かりそうだ」とばかりに手を出します。当然、価格が天井付近で買う事になるので大損する可能性が高く、甚大な損失が発生する可能性のある、かなりリスキーな投資対象だという印象です。



分配金の出し方も、問題を抱えている


北米エネルギーファンド(毎月決算型)は、分配方針にも問題があります。下記、「基準価額」と「分配金再投資基準価額」の推移をご覧ください。2つの価格の乖離が、徐々に大きくなっていす。これまでの経験上、過剰に分配金を出すファンドに見られる傾向です。

北米エネルギーファンド(毎月決算型)の基準価額の推移



次に分配履歴と、分配金利回りをチェックしてみましょう。2015年頃の分配金利回りが10%を超える異常な状態でした。ここ最近、減額を続けたことで、分配金利回りは7%台にまで低下しています。

北米エネルギーファンド(毎月決算型)の分配金利回りの推移


設立当初は基準価額の上昇が大きく、基準価額が上昇しすぎると投資家が警戒するため、定期的に分配金を更に多額に出している傾向がありました。直近2015年初旬も、似た事をやっています。

北米エネルギーファンド(毎月決算型)の分配金履歴


皆さん、基準価額が高い投資信託を買うと損する可能性が高い、(逆に基準価額が安いとお得で、値上がりもする可能性がある)と、大きな誤解をしていますからね。その辺りを考えて、運用側がわざと基準価額を下げて、投資家の誤解を利用している可能性が大いにあります。

分配金の出し方を、更に見てみます。北米エネルギーファンドは、現時点では株式に33%、MLP関連銘柄に67%の資産配分となっています。組入銘柄数は25で、ポートフォリオ全体の利回りは約4.7%です。

北米エネルギーファンド(毎月決算型)の投資先の配当利回り


そもそも投資対象の利回りが4.7%程度ですから、先述した7%の分配金利回りを出せる訳がありません。下記のように、安定収入源(当期の収益・赤枠)で分配金(青線)をまかないきれていません。投資家は、普通分配金ではなくて、単に元本払戻金を大量に受け取っているだけである可能性が高いです。

北米エネルギーファンド(毎月決算型)の分配原資の内訳


それにしても、変ですよね~。MLPの利回りは7%に近く、10年で資産が2倍に増える数字なのに、この投資信託の基準価額を見ていると、全く資産が増えていないのですから。もう一度、基準価額の推移のチャートを見ておいてください。



本ファンドのようなテーマ型投資信託ではなく、市場全体に投資しよう


北米エネルギーファンドのようなテーマ型の投資信託は、流行する=基準価額が強く上昇をする前にいち早くこれを買って、そろそろ流行が去る=基準価額が下がり始めるタイミングで、やはりいち早く売り抜けるような投資をしないと、リターンを得ることはできません。

既に示したように、流行してから証券会社の営業マンにそそのかされて投資信託を買うような人は、そもそもこのような投資信託は絶対に買ってはならないのです。北米エネルギーファンドは、本来、投資の腕前が良い人専用の投資信託であり、投資対象です。

本来であれば、本ファンドのようなアクティブ運用型の投資信託ではなく、インデックスファンドを買っておけば良いと言うべきところですが、MLPのインデックスタイプの投資信託もテーマ型である事に違いはなく、代替えする意味はありません。

当サイト管理人としては、MLPなどの事をよく理解しないで買ってしまうような、しょーもない投資家の人たちは、素直に王道の米国株を買って、一度買ったら永久保存するくらいの気持ちで、米国に投資をするインデックスタイプの投資信託を利用した方が、よほどマシだと考えています。

下記は、本ファンドとインデックスファンドMLP、そして米国株に投資するインデックスファンドi-mizuho 米国株式インデックスを比較してみたグラフです。

北米エネルギーファンド(毎月決算型)と、米国株全体に投資するインデックスファンドとの比較


このような比較はベンチマークが異なるものどうしの比較であり、強い意味があるものではありませんが、テーマ型投資信託は旬の時期が過ぎると、全く報われない可能性が高い事を、強く示唆しているのは確かです。(本ファンドにはそもそもベンチマークが設定されておらず、その点でも大いに問題です。)

投資信託という仕組みを使った投資は、本来は分散投資に向いています。米国株全体だけでなく、日本や先進各国、更には新興国まで含めて、幅広く分散させたポートフォリオを作る事こそが、リスクを低めに誘導して、それに見合ったリターンを得るための、一般庶民にとって最適な戦略になります。



北米エネルギーファンド(毎月決算型)の概要


購入手数料上限3.5%(税抜き)
信託報酬年率1.78%(税抜き
信託財産留保額:0.3%
償還日:2020年6月18日(設定日:2013年6月28日)
運用:三井住友アセットマネジメント株式会社


販売用資料では、米国エネルギー主要指数の推移という表を10年チャートで説明しておきながら、この投資信託の運用期間はわずか7年の予定だという、投資家を軽視したような状況になっています。

また、購入手数料及び信託報酬が、腰を抜かすほど高価です。初年度で5%も金融機関に金を抜き取られる投資信託など、そんなもんは投資とは言えません。

前項でご紹介した米国株全体に投資できるインデックスファンドなど、初年度に抜き取られるコストは、わずか0.5%ちょっとです。この差の累計が、年を重ねるごとにじわじわとボディブローのように、投資家の懐を痛めつける事になるのです。



北米エネルギーファンド(毎月決算型)の購入先


北米エネルギーファンド(毎月決算型)で分配金を得たい場合、下記の証券会社で購入が可能です。証券会社によって、手数料(税込み)が異なります。この投資信託を買って、証券会社を喜ばせてあげましょう。

手数料3.24% :エース証券
手数料3.78% :SMBCフレンド証券


 


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