ワールド・リート・セレクション(米国)(愛称:十二絵巻)・ダメだこりゃ

(2018年4月時点)

米国REITに投資するアクティブファンドだが、参考指数に負けていて投資価値が無い。超高コスト体質で金融機関にとってはドル箱。それが分からないカモ投資家が群がって、今でも500億円を超える資産を運用中。過剰分配が甚だしいので、いますぐ乗り換えるべき投資信託だ。

ワールド・リート・セレクション(米国)(愛称:十二絵巻)


  • 投資する不動産から得られる配当利回り3.5%に対して分配金利回りは18%
  • 分配金は著しいタコ足分配となっている
  • 参考指数にボロ負け状態であり、高いコストを支払う意味が皆無
  • 為替ヘッジありのタイプも含めて、全くお払い箱の投資信託


 


問題あるワールド・リート・セレクション(米国)の4つのタイプを解説


「毎月、安定した分配金が欲しい」・・・そんな切実な思いで金融機関に相談に行くと推奨されるような投資信託が、これから紹介するワールド・リート・セレクション(米国)(愛称:十二絵巻)でしょうか。


このワールド・リート・セレクションは、毎月分配型・1年決算型・為替ヘッジの有無の、計4つのタイプが運用されています。運用の本質は同一ですので、いずれのタイプを保有している場合でも、本記事をご覧になってください。

・ワールドリートセレクション(米国)(愛称:十二絵巻) ※
・ワールドリートセレクション(米国)(愛称:十二絵巻)一年決算型
・ワールドリートセレクション(米国)(愛称:十二絵巻)為替ヘッジあり ※
・ワールドリートセレクション(米国)(愛称:十二絵巻)一年決算型・為替ヘッジあり


※1 毎月分配型です。


さて、ワールド・リート・セレクション(米国)の投資対象は、米国の不動産投資信託(REIT)です。不動産から得られる家賃収入は安定しているので、インカムゲイン目当ての投資の原資としては最適です。

しかし、毎月分配型のワールド・リート・セレクション(米国)の基準価額がひたすら下がりつづけるのを見た瞬間に、この投資信託への印象がガラリと変わります。

ワールド・リート・セレクション(米国)の為替ヘッジありとなしの基準価額


過剰分配の影響と思われる下落で、基準価額が2000円を切る水準(「為替ヘッジあり」は、2000円台)になっているのは、尋常ではありません。

本来、上記のようなチャートを見ただけで、「手を出してはならぬ金融商品だ」と見抜けないといけません。このような状況ですので、ワールド・リート・セレクション(米国)の問題点を大いに指摘します。保有する投資家はどうするべきか、よく考えて頂ければと思います。



毎月の分配状況に問題あり


まずは、一番人気のあるワールド・リート・セレクション(米国)毎月分配型の分配状況をチェックしてみます。この投資信託は2004~2006年頃に、毎月の分配金が単月で500円、1500円、500円、1250円、1900円と、突如、大きな分配金となる「怪しげ」な行為を繰り返していました。

投資をよく分かっていない素人投資家は、基準価額が高すぎるファンドを敬遠する傾向にあるので(基準価額は高いと割高だと勘違いする)、無理やり基準価額を下げる「対策」だったような気がします。個人的には、昔から問題のある投資信託なのではないかと思います。

過去、基準価額を操作したであろう痕跡


その後、リーマンショックの影響で想定以上に価格が下落して、大人しく(といってもこれでも大層な過剰な分配なのですが)、毎月40円の分配金を継続する方針に切り変えたようです。2018年になってからは、月20円に減額していますから、限界が近いです。

そして、特に直近3年の基準価額はとても酷いです。3500円から下がり続け、1000円台になっています。投資信託で1000円台の基準価額などは、ほとんど見たことがありません。

ワールド・リート・セレクション(米国)毎月分配型の基準価額の下偉く



そして、分配金額が過剰に多額で、基準価額が下がるのですから、分配金利回りは18%と異常な水準に到達します。2012年頃から10%を超える水準が続いていますので、過剰分配が継続しています。為替ヘッジのある毎月分配型のコースも、同様に分配利回りが高すぎるので、過激な分配がなされているようです。

ワールド・リート・セレクション(米国)の分配金利回り


そもそも、投資する不動産の配当利回りは、たったの3.5%(2018年3月)です。どう考えても、現在の18%強の分配利回りとは数字が合いません。実際に、毎月分配型の運用報告書で調べてみると(為替ヘッジなしのタイプ)、分配金は、毎月の安定収入では全くカバーできていない事が分かります。

ワールド・リート・セレクション(米国)の分配原資の内訳


毎月の収益が無い月も見受けられますし、実に酷い中身ですね。今のように相場が好調の時は、痘痕も靨(あばたもえくぼ)に見えますけれど、投資は最悪の事も念頭に置いて行うものです。ワールドリートセレクションが万が一の事態となった時にどのような状態になるのか、想像力を働かせることも大切です。

金融リテラシーをしっかりと高めて、投資の王道的なスタイルを学ぶべきだと思います。金融機関に勧められて、このような下らない投資信託をホイホイと買い付ける事の無いよう、気をつけたいですね。



ワールド・リート・セレクション(米国)の運用成績はボロボロだった


参考指数ときちんと比較できない欠陥がある


次に、ワールド・リート・セレクション(米国)が、アクティブ運用の投資信託である、という点に着目して話を進めたいと思います。アクティファンドはコストが高いことが多く、ワールド・リート・セレクション(米国)においても、申し込み手数料が3%、信託報酬は年率1.5%と、非常に高いです。

それだけのコストを要求する訳ですから、アクティブ運用で収益を最大化していただかないと困ります。これをチェックする場合は、参考指数の「FTSE NAREIT Equity TR Index(トータルリターン)」と比較すれば良いです。

結果は、以下の通り、参考指数に大敗している状況です。約15年間の運用で、ここまで大負けしている投資信託になど、資金を託すのはあまりにアホらしいです。

ワールド・リート・セレクション(米国)為替ヘッジなしの基準価額と参考指数の比較


ところで、上記の「FTSE NAREIT Equity TR Index」は、円ベースなのかドルベースなのか、イマイチはっきりとしないのもケシカランですね。上記の騰落率の表に「ドル円」の騰落率も同時に掲載されていますから、もしかしたらドルベースの可能性もあります。

「為替ヘッジあり」タイプでも騰落率を見てみます。よく見ると、参考指数の上の表の数値と下の表の数値が同一になっています。(設定来の数字が異なるのは運用開始日が違うから)

ワールド・リート・セレクション(米国)為替ヘッジありの基準価額と参考指数の比較


となると、これはやはり、円換算していないドルベースの指数だと推定できます。通常、為替ヘッジありタイプにベンチマークが存在する場合、指数も為替ヘッジありとするのが普通です。下記、野村インデックスファンド外国株式の為替ヘッジありとなしの、指数の部分に注目してください。




上記のように、きちんと比較対象になる数字にして頂かないと、全く意味がありませんよね。ワールド・リート・セレクション(米国)の、この非常にいい加減な比較は、毎月の月報だけでなく、運用報告書でもこの有様です。

素人投資家はこんなところは見ていないのかもしれませんが、・・・ずいぶんと舐められたものです。というか、ベンチマークや参考指数との比較は投資信託選びの超重要なポイントですから、今後は必ず、しっかりと目を通すようにして下さい。


フィデリティ・USリート・ファンドBと比較すれば、実力が一発で分かる


円換算した参考指数と比較できないので、正確なところ、ワールド・リート・セレクション(米国)の運用の実態が分かりません。先に提示したドルベースの参考指数に大敗を喫しているところを見ると、まず参考指数にボロ負けだろうなとは想像できますが、もうちょっとハッキリさせたいです。

であるならば、同じ指数の円換算したものをベンチマークとして運用している、フィデリティ・USリート・ファンドBと比べてみるのが一番です。

というのも、フィデリティ・USリート・ファンドBは、ベンチマークに大負けしているからです。フィデリティに負けていれば、ワールド・リート・セレクション(米国)も同様に大負けが確定になります。




結果は上記のように、大きく負けている事が分かります。為替ヘッジありのタイプでも見てみましょう。ここでも、フィデリティ・USリート・ファンドA(為替ヘッジあり)と比較できます。結果は以下。




結論としては、ワールド・リート・セレクション(米国)は、毎月分配型でも1年決算型でも、そしてそれぞれの為替ヘッジなしタイプもヘッジありタイプも、全く利用価値はゼロだという事になります。



素直にインデックスファンドを買っていれば宜しい


ところで、フィデリティの米国リートファンドが良いかというと、それについてもベンチマークに大負けしていますから、代替え対象にはなりません。

切り替えるとしたら、米国を中心に先進国のリートに投資する、超低コストのSmart-i先進国リートインデックス(信託報酬0.2%・購入手数料なし)を買っておけば良いでしょう。これで、フィデリティ・USリート・ファンドよりも、今現在では高リターンを得ることができます。

為替ヘッジが必要な時は、たわらノーロード 先進国リート<為替ヘッジあり>(同0.35%)を買っていれば良いでしょう。

それらのインデックスファンドは、分配金が出ないタイプの投資信託です。この場合は、SBI証券が提供している「投資信託・自動解約サービス」を使えば、ご自身の好きなように、毎月の資金を手元に戻すことが出来ます。

金融機関の言うがままにワールド・リート・セレクション(米国)など買わずに、本ページで説明したような部分に着目して、ぜひともマトモな投資信託を買うようにして下さい。それだけであなたの受け取るリターンも増えますし、永続的に納得のゆく投資ができるようになります。



ワールド・リート・セレクション(米国)(愛称:十二絵巻)の概要


購入手数料:上限3.0%(税抜き)
信託報酬年率1.5%(税抜き)
(毎月分配型、一年決算型、為替ヘッジあり、為替ヘッジなし、それぞれ同じ信託報酬です)

信託財産留保額:0.3%
償還日:無期限(設定日・平成15年9月30日)
運用:岡三アセットマネジメント株式会社

世の中では、高い金を払ってサービスを受けられないとしたら、それは詐欺と表現します。この投資信託のように、高い金を払ったにもかかわらず、それに見合う成果が得られなかったとしたら、それは「ボッタクリ」と表現します。

本ページで見てきたように、いかがわしい分配や参考指数にボロ負けしている状況などを鑑みると、ワールド・リート・セレクション(米国)(愛称:十二絵巻)はボッタクリ投資信託と言えます。



ワールド・リート・セレクション(米国)(愛称:十二絵巻)の購入先

ワールド・リート・セレクション(米国)(愛称:十二絵巻)を購入したい場合、下記の証券会社で取り扱っています。それ以外でも買えますが。ま、買いたいならば。

手数料3% マネックス証券SBI証券楽天証券


 


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