多くの人が異口同音に話す、「基準価額が安い方がたくさん口数を買えてお得!」の間違い

「基準価額が安い方がたくさん口数を買えてお得!」は本当か?

確かに口数をたくさん買う事が出来るが、得というわけではない

このページ、実は三菱東京UFJ銀行で投資信託の相談に行ってみた時に、銀行員から「基準価額が安い方が、口数がたくさん買えるからお得なんですよ~~(^^♪

・・・と言われて、「そんなはずはないだろう!!」とイラッと来たことから、調べてみました。まず、基準価額と口数の関係を思い出しましょう。

・基準価額は1万口当りの金額
・1口当りの単価(=基準価額)は変動する
・自分が保有している1口当りの単価も、売買で変動する



「基準価額は安いほうが有利」の嘘


重要なポイントは、1口の単価が変動するという点。この点が重要です。
1口当りの単価 = 基準価額 / 1万口」 で計算されますから、基準価額が変動すると、1口当りの単価も変動する訳です。では、下記の2つの投資信託を考えましょう。


投資信託A:1万口当りの基準価額10,000円(1口=1円)
投資信託B:1万口当りの基準価額5,000円(1口=0.5円)


で、上記の投資信託をそれぞれ1万円購入すると、「ややこしい」事態が発生します。金額は同じに買っているのに、保有する口数が異なるのです。


投資信託A:1万口保有できる
投資信託B:2万口保有できる


これを見ると、確かに基準価額の安い投資信託Bの方が2万口保有できるため、たくさん口数を買えます。これは正解。しかし、実際に保有している資産価値は全く同じなのです。


投資信託A:10,000円 (10,000口×1円/1口当り)
投資信託B:10,000円 (20,000口×0.5円/1口当り)


そりゃそうですよね。1万円出して購入しているのに、購入時点でどちらかの方がお得になるはずがありません。口数が多くても、保有している資産自体は変わりません。


 



分配金がお得になるのか、計算してみたところ・・・

で、ここからが本題です。「口数が多く買えるじゃないか!分配金をたくさん受け取れるのではないか?だったらお得だろ!」という意見が聞こえてきそうです。

そこで、「新光 US-REITオープン(愛称:ゼウス)」で受け取れる分配金が、本当にお得になるのか計算してみましょう。下記の分配金情報をご覧ください。

記事執筆時点で、1万口あたり、75円の分配金を出しているようです(赤枠の部分)。基準価額は2015年10月9日時点で、1万口あたりの基準価額は4,386円です。




ただし毎月分配型投資信託の場合、基準価額が安ければ安い程、特別分配金(タコ足分配)の比率が大きくなるはずです。無理やり多額の分配金を出すために、資産も多額に取り崩す必要があるイメージです。

⇒参考:普通分配金と特別分配金は違うからな


実際にもう一度、上記の表を見てください。今度は青い枠の部分です。例えば第120期をご覧ください。赤枠の分配金75円に対して、この月の収益は25円しかありません。

つまり、実際に手元に入ってくる75円のうち、3分の2は、この月の収益以外のところから分配が出されていることを示しています。

毎月分配型投資信託の場合、この3分の2の部分が売買益で賄われているのか、それとも特別分配金(元本払戻金)で賄われているのか、ファンドごとにどうも記述が異なっているように見えて、正直、外部からは分からないのが実態です。

しかしながら普通に考えて、全てを利益からねん出しているとは到底思えませんから(ここ、常識的な直感で判断されても良いところです)、下記のような条件で、計算をしてみたいと思います。


ケース①:現在の基準価額(4,386円)で30万円投入した時に、毎月もらえる分配金額。
ただし特別分配金の割合は、全体の2/3に及ぶとする

ケース②:基準価額が倍(8,772円)になった時に30万円投入して、もらえる分配金額。
ただし特別分配金の割合は、全体の1/3にまで減少しているとする

チェック項目 ケース① ケース②
投入金額 30万円 30万円
1万口当たりの基準価額 4,386円 8,772円
購入出来る口数 683,995口 341,997口
1万口あたりの分配金 75円 75円
毎月もらえる分配金額 5130円 2565円
特別分配の割合 67% 33%
実質的な分配金(普通分配金の部分) 1710円 1710円



特別分配金の割合が3分の2とか3分の1とか、今までの経験上、ざっくりと計算しただけだったのでありますが、導き出された数字から判断すると、口数が多くなっても特に得でも何でもない、という事が推測できます。

実際の運用をイメージして条件付けをして計算してみないことには、毎月もらえる分配金額など、まったく意味がないのです。

つまりタコ足分配になる状況を考えると、基準価額が高くても、安くても、手元に入手できる分配金(純粋に利益・配当金)は同額になるはずだという事ですね。「基準価額が安いからお得ですよ」というセールストークに騙されないようにしましょうね

(ただし、いくら過剰に分配しているとはいえ、相場が絶好調の時は、基準価額が低迷しても特別分配金の割合はそんなに高くない可能性もあります。投資時期によって、特別分配と普通分配の割合が大きく異なる点も、毎月分配型投資信託の不透明なところです。買ってみないと実際の細かいところが分からないというのは、投資家からすると欠陥商品だと思います。)

毎月分配型投資信託


なお、私もこの投資信託、実際に買ってみて、今後定期的にレポートしますわ。買ってもいないのに、実際のところ分からないだろうと、ゴチャゴチャ言われそうなので・笑。これほど非効率的で資産運用向きでないものを買うのは、超苦痛ですが・・・。

実際にやってみた結果分配金が元本払戻金だらけでゲスノ極み!



下記のページも、同時に目を通しておいてください

金融機関に行ってカモられないためにも、以下のページも同時にご覧になっていただいて、硬い頭をほぐして頂ければと思います。

分配金の計算方法について解説
タコ足分配といわれても、口数が減らないからOKですよね?
入金された分配金を再投資して、口数を増やすのはどうでしょうか?



 




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