国際 アジア・リート・ファンド(通貨選択型)インド・ルピーコース

(2017年2月時点)

シンガポールと香港のリートに集中投資する投資信託。為替取引を抱き合わせる複雑な投資信託であり超コストが高い。先進国リートに投資する平凡なインデックスとパフォーマンスが同等というのがこの投資信託の本質か。尋常でない過剰分配で表面的に分配金利回りをかさ上げする点も酷い。残念ながらカモ投資家の資金が集まり続け、純資産総額が274億円に到達。今後も「犠牲者」が増える予感。

国際 アジア・リート・ファンド(通貨選択型)インド・ルピーコース(毎月決算型)

  • 運用(価格の上昇含む)利回り16%に対して、分配金利回りは24%と高すぎる
  • 分配金の詳細を見ると明らかにたこ足分配、強烈な過剰分配に驚き
  • 資産を取り崩す分配が続くかぎり、基準価額の下落は止まらないだろう
  • 現状の成績では、アジアに集中投資する意味は無し


 


複雑すぎる商品設計を、あなたは理解して買っているのか?

国際 アジア・リート・ファンド(通貨選択型)インド・ルピーコース(毎月決算型)は、日本を除くアジア諸国の不動産に投資します。しかし、為替取引を余計に抱き合わせている投資信託で、問題だと思います。投資対象がリートである点は、その賃料収入を分配にあてがいやすいので毎月分配型として妥当でしょうか。

投資対象の銘柄はアクティブ運用の投資信託らしく、特定の銘柄に特化しています。全体のポートフォリオに対して10%超を占める銘柄が存在し、その固有銘柄の価格変動リスクを受ける運用になっています。

下記のイメージ図であれば、リートA~リートEまでの5つ程度の銘柄の変動リスクを顕著に受けます。リスクを受けるという事は、裏返しとして運用が上手ならば、リターンも得やすい事になりますね。

国際 アジア・リート・ファンド(通貨選択型)インド・ルピーコース(毎月決算型)の投資対象は銘柄に特化


投資対象地域と銘柄を特化するので、当然ですが分散投資の効果は小さいです。集中して資産を大きく増やすためのポートフォリオと言えます。シンガポールと香港の2カ国で、全体の9割超を占めます。集中投資の効果がきちんと出ているのであれば、これはこれで正当化できます。

国際 アジア・リート・ファンド(通貨選択型)インド・ルピーコース(毎月決算型)のポートフォリオ


ただし冒頭に書いた通り、リートと全く関係のない為替取引を加える運用方針が、大問題です。為替取引を採用する理由は、下記のようにプレミアム(金利差相当分の収益)が目的です。

しかし金利の高い通貨は、為替損失で金利差収益が相殺されやすく、表面上、儲かっているように見えるだけだけです。これを、どれだけの人が認識を持っているのでしょうか。多分、国際 アジア・リート・ファンド(通貨選択型)を買うような人は、全く分かっていないと思います。

国際 アジア・リート・ファンド(通貨選択型)インド・ルピーコース(毎月決算型)の為替プレミアムと為替コストの関係


そもそも為替取引を抱き合わせる最大の問題は、投資が複雑になりすぎて、投資信託の価格変動の理由を理解できなくなる点です。

下のイメージ図をご覧ください。お金の流れが複雑で、投資信託の価格が上がったり下がったりするのが、リートの変動要因なのか通貨の変動要因なのか、正直よく分からなくなります。管理人でも、判断ができません。

通貨選択型投資信託のイメージ図


インドルピーという通貨も、普段は1ミリも意識する事の無いマイナーな通貨ですから、こんな無関係なものをシンガポールや香港の不動産に無理やり抱き合わせるなんて、本来はやってはならない投資なのです。

ちなみに国際 アジア・リート・ファンドの月次レポートを調べても、為替取引の収益情報の記載が一切なく、情報開示の姿勢にも問題を感じています。三菱UFJ国際投信らしいです。

ま、そんなものを載せたところで、それを見たり理解しようとする投資家など皆無に等しく、だからこそ本ファンドのようなボッタクリ投資信託を、いとも簡単に製造できてしまうのでしょうが。



 


一見、分配金が適正に支払われているように見える陰で・・・

国際 アジア・リート・ファンドの基準価額の推移をご覧ください。「基準価額」と「受け取った分配金の再投資後基準価額」の差が開きすぎていると思いませんか?

国際 アジア・リート・ファンド(通貨選択型)インド・ルピーコース(毎月決算型)の基準価額と純資産の推移


これは、記事執筆時点で25%近くの分配金利回りに達しており、明らかに異常で過剰な分配状態が続いている影響です。分配金を出すたびに、基準価額が下落するのです。

国際 アジア・リート・ファンド(通貨選択型)インド・ルピーコース(毎月決算型)の分配金利回りの推移


ちなみに主要投資対象であるリートの配当利回りは5.4%、為替取引の収益が6%、合計11.4%程度を毎月の収益にする想定です。となると、現状の分配金利回り25%など、実現できない状態であることが一瞬にして分かります。

国際 アジア・リート・ファンド(通貨選択型)の配当利回りと為替プレミアムの想定数値


具体的に分配原資の内訳も調べてみたので、下記もご覧下さい。受け取っている分配金の半分以上が「当期の収益外」となっています。たこ足分配(我々の投資原資を取り崩して分配する事)になっているという事です。

つまり、分配金を受け取って大喜びしているが、その半分以上はあなた自身の元本であり、自分の身を食っているだけの状態である可能性が高い、という事になります。ご自身が受け取っている分配金が普通分配金なのか元本払戻金(特別分配金)なのか、よく確かめてみる事です。

国際 アジア・リート・ファンド(通貨選択型)インド・ルピーコース(毎月決算型)の分配原資の内訳


本来、リートが受け取る不動産の賃料収入はかなり安定しています。リート自体の価格が株式市場で大きく上下に動くため、上に動いた時は分配金を増やし、下に動いた時は分配金を減額し、できるだけ簿価を一定に保ちつつも、長期にわたって安定的に分配を行うのが望むべき姿なのではないでしょうか?

そんな努力は全くせず、表面上の分配金を猛烈に出して投資家を引き寄せて、投資信託の基準価額を半分意図的に下落させて「出涸らし」状態になったら別のファンドに乗り換えさせる。

本ファンドを大々的に売っている業界リーダーの野村証券は、人を欺く姿勢をいい加減にやめにしてもらいたいものです。投資家も、このような酷い投資信託を買うような愚を、反省して改めなければなりませんね。




集中投資をしている効果が全く見受けられない平々凡々な運用成績

既に書いた通り、本ファンドはシンガポールや香港のリートに集中投資しています。投資において集中投資をする理由はただ一つ、リターンを大きくする事です。果たして国際 アジア・リート・ファンドの集中投資は成果が出ているのでしょうか?

それがよく分かる比較データを、次に示しましょう。全世界の先進国不動産に分散投資する低コストインデックスファンド、SMTグローバルREITインデックス・オープン(税抜き信託報酬0.55%)とのリターン比較結果をご覧ください。

国際 アジア・リート・ファンド(通貨選択型)インド・ルピーコース(毎月決算型)とSMTグローバルREITインデックスとのリターン比較


3年間の数字を見る限り、顕著に先進国不動産を上回る成績を残しているとは言い難い状況です。一見、国際 アジア・リート・ファンドの成績がやや上回っているように見えますが、このグラフは購入手数料を一切取られないとした時の数字です。

実際に国際 アジア・リート・ファンドを購入した場合には、3%もの購入手数料を取られます。つまりグラフの左側の始点が下に3%落ちたところから始まるのに等しい訳で、実質的には負けていると言っても良いかもしれません。

しかもこのグラフは、国際 アジア・リート・ファンドの毎月の分配が無くて、普通分配金にかかる税金がゼロだと仮定した有利な数字です。その状況でこのようなグラフなのですから、集中投資をしている成果が出ているとは、とてもいいにくい状況です。

そんな投資信託を、以下にも記すように高いコストを支払って買うくらいならば、SMTのインデックスファンドをSBI証券の投資信託・定期売却サービスを使って買えば、自作でタコ足分配にならない毎月分配型投資信託が出来上がります。

国際 アジア・リート・ファンドのような、総合的に考えてとても買う価値が有るとは思えない投資信託を買うのは、まことに愚の骨頂と言えましょう。




国際 アジア・リート・ファンド(通貨選択型)のコストが酷すぎる

購入手数料3.24%(税込み)
信託報酬年率1.9604%(税込み)
信託財産留保額:なし
償還日:2023年6月13日(設定・2013年9月20日)
運用:三菱UFJ国際投信


本ファンドは、信託期間の10年間保有したら、購入手数料と信託報酬でトータル約25%ものコストがかかります。何もせずに、あなたの元本の25%が金融機関に吸い取られて消失する、かなり大きな負の効果が有ります。

国際 アジア・リート・ファンド(通貨選択型)


それに対してご紹介したSMTインデックスファンドならば、6%にしかなりません。この差は「運用成績の差」として結果として出てくるわけで、これをひっくり返してさらに成績を上げないと、国際 アジア・リート・ファンド(通貨選択型)は勝利できません。

コストの事も考えて投資信託を買わないと、端から「無謀な戦いをする投資」になりかねないのです。本来金融機関はそう言った事を教えるべきですが、金のなる木をみすみす逃す事もしないと思います。となると、個人投資家が賢明でないと、完全にカモられるという事になります。




国際 アジア・リート・ファンド(通貨選択型)の購入先

それでも国際 アジア・リート・ファンド(通貨選択型)インド・ルピーコースが欲しいという人は、購入手数料を支払って、下記の証券会社で買い付けしてください。

手数料3.24%野村証券三菱UFJモルガン・スタンレー証券SBI証券楽天証券ほか



 


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