国際アジア・リート・ファンド(通貨選択型)・結果オーライなら投資は成功

(2018年2月時点)

シンガポールと香港のリートに集中投資する投資信託。為替取引を抱き合わせる複雑な投資信託であり超コストが高い。先進国リートに投資する平凡なインデックスに比べると、直近1年のパフォーマンスは良好。ただ尋常でない過剰分配で表面的に分配金利回りをかさ上げする点がとても酷い。残念ながらカモ投資家の資金が集まり続け、純資産総額が1,000億円に到達。

国際 アジア・リート・ファンド(通貨選択型)インド・ルピーコース(毎月決算型)

  • リートの配当・為替のプレミアムの利回り9%に対して分配金利回り17%は高すぎ
  • 分配金は減額されてタコ足分配ではなくなっている
  • 資産を取り崩す分配が続くかぎり、基準価額の下落は止まらないだろう
  • 直近1年はアジアに集中投資して成功、ただし長期でのパフォーマンスは懐疑的


 


国際 アジア・リート・ファンドには、5つのコースがあり


国際 アジア・リート・ファンドには、5つのコースが用意されています。ただし本質的な部分は同一ですので、異なる部分のみ個別に解説いたします。

・為替ヘッジなしコース
・円コース
・インド・ルピーコース
・インドネシア・ルピアコース
・マレーシア・リンギコース
(2018年2月28日に繰上償還) ・・・マレーシアリンギの流動性が低下したことにより、運用が困難との理由で、繰り上げ償還になります。



複雑すぎる商品設計を、あなたは理解して買っているのか?


国際 アジア・リート・ファンド(通貨選択型)(毎月決算型)は、日本を除くアジア諸国の不動産に投資します。しかし、為替取引を余計に抱き合わせている投資信託で、問題だと思います。投資対象がリートである点は、その賃料収入を分配にあてがいやすいので毎月分配型として妥当でしょう。

投資対象の銘柄はアクティブ運用の投資信託らしく、特定の銘柄に特化しています。全体のポートフォリオに対して10%超を占める銘柄が存在し、その固有銘柄の価格変動リスクを受ける運用になっています。

下記のイメージ図であれば、リートA~リートEまでの5つ程度の銘柄の変動リスクを顕著に受けます。リスクを受けるという事は、裏返しとして運用が上手ならば、リターンも得やすい事になりますね。

国際 アジア・リート・ファンド(通貨選択型)インド・ルピーコース(毎月決算型)の投資対象は銘柄に特化


投資対象地域と銘柄を特化するので、当然ですが分散投資の効果は小さいです。集中して資産を大きく増やすためのポートフォリオと言えます。シンガポールと香港の2カ国で、全体の9割超を占めます。集中投資の効果がきちんと出ているのであれば、これはこれで正当化できます。

(下記は、全てのコースに共通しています)

国際 アジア・リート・ファンド(通貨選択型)(毎月決算型)のポートフォリオ


ただし冒頭に書いた通り、リートと全く関係のない為替取引を加える運用方針が、大問題です。




為替取引を採用する理由は、下記のようにプレミアム(金利差相当分の収益)が目的です。しかし金利の高い通貨は、為替損失で金利差収益が相殺されやすく、表面上、儲かっているように見えるだけだけです。

これを、どれだけの人が認識を持っているのでしょうか。多分、国際 アジア・リート・ファンド(通貨選択型)を買うような人は、全く分かっていないと思います。

国際 アジア・リート・ファンド(通貨選択型)インド・ルピーコース(毎月決算型)の為替プレミアムと為替コストの関係


そもそも為替取引を抱き合わせる最大の問題は、投資が複雑になりすぎて、投資信託の価格変動の理由を理解できなくなる点です。

下のイメージ図をご覧ください。お金の流れが複雑で、投資信託の価格が上がったり下がったりするのが、リートの変動要因なのか通貨の変動要因なのか、正直よく分からなくなります。管理人でも判断ができません。

通貨選択型投資信託の損益のイメージ図


インド・ルピー、インドネシア・ルピア、マレーシア・リンギコースなどという通貨は、普段は1ミリも意識する事の無いマイナーな通貨ですから、こんな無関係なものをシンガポールや香港の不動産に無理やり抱き合わせるなんて、本来はやってはならない投資なのです。

マレーシア・リンギコースに至っては、為替取引の流動性が低下して運用困難になった事から、2018年2月28日に繰上償還されます。途中で投資を打ち切られるリスクもあるのです。

なお国際 アジア・リート・ファンドの月次レポートを調べても、為替取引の収益情報の記載が一切なく、情報開示の姿勢にも問題を感じています。三菱UFJ国際投信らしいです。

ま、そんなものを載せたところで、それを見たり理解しようとする投資家など皆無に等しく、だからこそ本ファンドのようなボッタクリ投資信託を、いとも簡単に製造できてしまうのでしょうが。


 


一見、分配金が適正に支払われているように見える陰で・・・


国際 アジア・リート・ファンドの基準価額の推移をご覧ください。「基準価額」と「受け取った分配金の再投資後基準価額」の差が開きすぎていると思いませんか?

国際 アジア・リート・ファンド(通貨選択型)(毎月決算型)の基準価額と純資産の推移


特にインド・ルピーコースに注目してください。2016年後半から急に売れ始めて、今では1,000億円を突破しています。記事執筆時点で17%強の分配金利回りに達しており、明らかに過剰な分配状態が続いている影響で、分配金を出すたびに基準価額が下落しています。

2015~2016年ごろの、利回りが20%を超えていた時の基準価額の下落幅は、とりわけ大きいですね。

国際 アジア・リート・ファンドのインドルピーコースの基準価額の推移


以下のように、分配金利回りは17%を超えた水準です。

国際 アジア・リート・ファンド(通貨選択型)インド・ルピーコース(毎月決算型)の分配金利回りの推移


ちなみに、主要投資対象のリート配当利回りは5.2%、為替取引の収益が4.2%、合計9.4%を毎月の収益にする想定です。となると、現状の分配金利回り17%を実現できない状態だと一瞬にして分かります。

国際 アジア・リート・ファンド(通貨選択型)の配当利回りと為替プレミアムの想定数値


具体的に分配原資の内訳も調べてみたので、下記もご覧下さい。ほとんどの期間で、受け取る分配金の半分以上が「当期の収益外」となっています。たこ足分配(私たちの投資原資を取り崩して分配)になっているという事です。

つまり、分配金を受け取って大喜びしているが、その半分以上はあなた自身の元本であり、自分の身を食っているだけの状態である可能性が高い、という事になります。ご自身が受け取っている分配金が普通分配金なのか元本払戻金(特別分配金)なのか、よく確かめてみる事です。

国際 アジア・リート・ファンド(通貨選択型)インド・ルピーコース(毎月決算型)の分配原資の内訳


本来、リートが受け取る不動産の賃料収入はかなり安定しています。リート自体の価格が株式市場で大きく上下に動くため、上に動いた時は分配金を増やし、下に動いた時は分配金を減額し、できるだけ簿価を一定に保ちつつも、長期にわたって安定的に分配を行うのが望むべき姿なのではないでしょうか?

そんな努力は全くせず、表面上の分配金を猛烈に出して投資家を引き寄せて、投資信託の基準価額を半分意図的に下落させて「出涸らし」状態になったら別のファンドに乗り換えさせる。

本ファンドを大々的に売っている業界リーダーの野村証券は、人を欺く姿勢をいい加減にやめにしてもらいたいものです。投資家も、このような酷い投資信託を買うような愚を、反省して改めなければなりませんね。



2017年の結果が良好で、集中投資が報われる結果にはなっています


既に書いた通り、本ファンドはシンガポールや香港のリートに集中投資しています。投資において集中投資をする理由はただ一つ、リターンを大きくする事です。果たして国際 アジア・リート・ファンドの集中投資は成果が出ているのでしょうか?

そこで日本を除く先進国不動産、及び新興国の不動産に分散投資する低コストインデックスファンド、eMAXISの2つの低コストインデックスファンドとのリターン比較結果をご覧ください。




2015年、2016年と、国際 アジア・リート・ファンドの成績は特に良いとは言えない状況だったのですが、直近1年があまりに好成績であり、結果として見事に集中投資が報われる成績となっています。

当サイト管理人的に見ると、複雑な中身の投資信託である点や、過去に極めて大きなタコ足分配をやっていた「実績」がある点などを考えると、投資の素人のような者がこのような投資信託で集中投資をするのは愚かすぎると思いますが、結果オーライで利益を上げた人は、おめでとうございます。

問題は、このような投資信託から、いつ「降りるか」だと思います。たまたま利益を上げただけの人が投資の出口を判断できるのか、なかなかに不安なところですね。「集中投資を当てた俺は凄い!」という人は、上手い具合に出口を掴むことができるかもしれません。武運を祈ります。



国際 アジア・リート・ファンド(通貨選択型)のコストが酷すぎる


購入手数料3.24%(税込み)
信託報酬年率1.9604%(税込み)
信託財産留保額:なし
償還日:2023年6月13日(設定・2013年9月20日)
運用:三菱UFJ国際投信


本ファンドは、信託期間の10年間保有したら、購入手数料と信託報酬でトータル約25%ものコストがかかります。何もせずに、あなたの元本の25%が金融機関に吸い取られて消失する、かなり大きな負の効果が有ります。

国際 アジア・リート・ファンド(通貨選択型)


それに対して、ご紹介したeMAXISインデックスファンドならば、6%程度にしかなりません。この差は「運用成績の差」として結果として出てくるわけで、これをひっくり返してさらに成績を上げないと、国際アジア・リート・ファンド(通貨選択型)は長期的には勝利できません。

コストの事も考えて投資信託を買わないと、端から「無謀な戦いをする投資」になりかねないのです。本来金融機関はそう言った事を教えるべきですが、金のなる木をみすみす逃す事もしないと思います。となると、個人投資家が賢明でないと、完全にカモられるという事になります。



国際 アジア・リート・ファンド(通貨選択型)の購入先


それでも国際 アジア・リート・ファンド(通貨選択型)が欲しいという人は、購入手数料を支払って、下記の証券会社で買い付けしてください。

手数料3.24%野村証券三菱UFJモルガン・スタンレー証券SBI証券楽天証券ほか


 


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