ニッセイ豪州ハイ・インカム株式ファンド(愛称:ラッキー・カントリー)

(2017年9月30日公開)

たった1年で1000億円超の資金を集めた、オーストラリア株に投資する人気のファンド。参考指数に負けているのになぜかR&Iファンド大賞を受賞。そのうえ激しい過剰分配の影響で基準価額が下がる一方だ。コストも高く、まったくもって投資価値がない一品。なにが「ラッキーカントリー」だよ。

ニッセイ豪州ハイ・インカム株式ファンド(愛称:ラッキー・カントリー)


  • 投資先の配当利回り5.4%に対して分配金利回りは21.4%で、数字が合わない
  • 分配原資の内訳をチェックしたところ、予想通り過剰分配が行われている
  • 基準価額の下落のほとんどが過剰分配の影響だと推測、価格上昇は期待できない


 


基準価額が下落し続ける一方の投資信託には、問題点が多い


ニッセイ豪州ハイ・インカム株式ファンド(毎月決算型)は、オーストラリアの株式に投資する投資信託です。配当利回りの高い「株式」や「リートを含む投資信託証券」を投資対象としています。

まず管理人が真っ先に注目したのは、基準価額と純資産総額の推移です。2017年8月末時点の資産額は、1601億円。たった1年で、1000億円以上の資金が流れ込んでいます。このように個人投資家が殺到する投資信託には、これまでの管理人の経験上、問題のあるファンドばかりです。

ニッセイ豪州ハイ・インカム株式ファンド(愛称:ラッキー・カントリー)の基準価額の下落


特に注目するべき点は、基準価額の推移です。受け取った分配金を再投資したと仮定した基準価額が上昇傾向なのに対して、基準価額は下落を続けています。理由は簡単で、身の丈に合わない分配金を出しているからです。



分配金利回りを「魅力的」に見せるために、タコ足分配を継続実施


さて、過剰な分配を行うファンドの分配金利回りは、どんな水準になるのかお見せしましょう。下記は、ニッセイ豪州ハイ・インカム株式ファンド(毎月決算型)の分配金利回りの推移です。

ニッセイ豪州ハイ・インカム株式ファンド(愛称:ラッキー・カントリー)の分配金利回りの水位


2015年に13%台だった分配金利回り(この時点で、すでに利回りが高すぎます)が、2017年9月時点で21%に達しています。これは異常なほどに高い利回り水準です。なぜかと言うと、投資先銘柄の利回りが、たったの5%だからです。(いや、5%といえば本来は十分に満足できる数字です)

株式の配当金の4倍相当の分配金を、どうやって拠出するのでしょうか。どう考えても、数字が合いませんよね。間違いなく資産を取り崩す過剰分配が行われているはずです。

オーストラリアの主要投資資産の配当利回り


過剰分配が行われているかどうかは、運用報告書に記載の分配原資の内訳をチェックすれば一発で判断できます。下記結果を見ると、案の定、当期収益で分配金を補うことができていません。毎月の150円の分配金(青線)に対して、おおよそ100円程度(赤枠)しかカバーできていません。タコ足分配ですね。

ニッセイ豪州ハイ・インカム株式ファンド(愛称:ラッキー・カントリー)の分配原資の内訳


利益だと思って受け取った分配金の3割ほどは、投資家ご自身の元本だったという事です。後述しますが、投資するために必要な経費(売買手数料や年間コスト)も、初年度で税込みで5%近くを確実に失います。どう考えても、資産運用に適しているとは言えないです。



運用目標に劣るパフォーマンスで、インデックスファンドに投資した方が儲かる


ニッセイ豪州ハイ・インカム株式ファンド(毎月決算型)は、過剰分配だけでなく、運用の腕前にも問題があります。アクティブ運用の投資信託なのに、参考指数よりも悪いパフォーマンスです。

下記、参考指数のS&P/ASX200指数(配当込み、円換算ベース)との比較結果をご覧ください。ほとんどの期間で、参考指数に劣る成績です。

ニッセイ豪州ハイ・インカム株式ファンド(愛称:ラッキー・カントリー)の参考指数と基準価額の比較


設定来からの比較では、参考指数より▲7.5%もパフォーマンスが悪いです。高額な運用手数料を支払っているのに、市場の平均点に負けるファンドに投資する意味が分からないですね。

先行きが不透明なアクティブファンドでなくて、例えば、S&P/ASX200指数に連動する運用成績を目指すi-mizuho オーストラリア株式インデックスを買い付けた方が、利益はでます。購入手数料や、年間に必要となるコストも手元に残る事を考えると、パフォーマンスの差が明らかに違うでしょう。



ニッセイ豪州ハイ・インカム株式ファンド(ラッキー・カントリー)のコスト情報

・購入手数料:上限3.0%(税抜き)
・信託報酬:年率1.66%(税抜き)
・信託財産留保額:0.3%
・償還日:2021年8月27日(設定日は2012年6月18日)
・運用:ニッセイアセットマネジメント株式会社


かように運用成績が体たらくであるにもかかわらず、手数料を3%も取り、年率1.66%もの信託報酬がかかります。これよりもリターンが良いインデックスファンド、i-mizuho オーストラリア株式インデックスの手数料がゼロで、信託報酬が0.57%である事を考えると、明らかにボッタクリだと言えます



ニッセイ豪州ハイ・インカム株式ファンド(ラッキー・カントリー)の購入先

ニッセイ豪州ハイ・インカム株式ファンド(毎月決算型)(愛称:ラッキー・カントリー)は、SBI証券楽天証券、三菱UFJ信託銀行にて、手数料3%で購入する事ができます。


 


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