三菱UFJ新興国債券ファンド・・・分配しまくって基準価額が下がりまくる

(2017年10月時点)

以前は資産の2割だったハイ・イールド債が今では5割以上も組み込まれていて、もはや新興国債券ファンドとは言えない。平均格付は投機的な債券に転落。身の丈に合わない分配も継続しており、説明できない高い利回りには疑問だらけ。6000億円も集まっていた資金が流出しており、金融機関に次なる投資信託に回転売買させられている可能性も大。運用成績やコストも考慮すると、選ぶ必然性は皆無。

三菱UFJ新興国債券ファンド通貨選択シリーズ(毎月分配型)


  • 6年連続で20%超の分配金利回りになっている時点で、怪しすぎる
  • 分配金の水準は予想通り不健全で、安定収益源が占める割合は7割にすぎず
  • そのタコ足分配の影響で、基準価額の下落が止まらない
  • そもそもこの投資信託は、構造が複雑すぎて、個人投資家には全く不向き


 


典型的なカモ向けの回転売買用投資信託であり、酷すぎる資金の出入りに涙


2014年頃にチェックした際、投資信託の「疑惑の総合商社」と名付けましたが、あまりにも酷すぎる状況は下記チャートから読み取れます。なんと、設立2年で集めた6000億円もの資金が流出しはじめて、今では860億円まで減少しています。純資産総額の推移が、富士山の形をするファンドを買っていけません。

三菱UFJ新興国債券ファンド通貨選択シリーズ(毎月分配型)ブラジルレアルコースの基準価額と純資産総額の推移
(ブラジルレアルコースで、チャートを表示しています)


さらに、基準価額と分配金を再投資した場合の基準価額に、猛烈な乖離が生じています。

このような値動きのファンドは、身の丈にあわない分配をする過剰分配の恐れがあり、これまた買ってはいけない投資信託です。 (ブラジルレアルコースを例にとって記述していますが、円コース、豪ドルコース、トルコリラコースなど、他の通貨を選んでも、本質的には書いてある内容に違いは有りません)



分配金額と、分配利回りを見て、疑問を持つようにしよう


では、三菱UFJ新興国債券ファンドの分配履歴をご覧ください。過去を遡って確認してみると、設立当初から200円近い分配金を出し続けている形跡がみられます。

その後は、基準価額の下落が著し過ぎたからなのか、分配金を徐々に減額しています。基準価額が3000円にまで下落した、出涸らしのお茶のような状態になっています。もしかしたら「基準価額が安いからお得だ」と勘違いする馬鹿者が、新たにこの投資信託を買い付けるかもしれませんね。

三菱UFJ新興国債券ファンド通貨選択シリーズ(毎月分配型)ブラジルレアルコースの分配金履歴


さらに、本ファンドの分配金利回りもチェックしておきます。なんと、6年連続で20%以上です。これは明らかに過剰な分配金であり、タコ足分配をしている事が想像できますね。

というか、高すぎる分配金利回り、そして分配金自体が多すぎる場合は、「世の中、そんなに美味しい話は無い」と思い出すようにしなくてはなりません。

三菱UFJ新興国債券ファンド通貨選択シリーズ(毎月分配型)ブラジルレアルコースの分配金利回りの推移



分配金の出方について、別の角度から見てみると


そもそも三菱UFJ新興国債券ファンドの運用は、かなり複雑です。もし、下記の投資信託のイメージ図を見ても、複雑すぎていかがわしい投資信託だと感じないのであれば、カモ投資家になる素質があります。

三菱UFJ新興国債券ファンド通貨選択シリーズ(毎月分配型)の仕組み


投資の基本は、その内容を理解できる事が最低条件です。上記のイメージ図を見て、価格が動いた場合に何が原因なのか、何が起きているのかを、瞬間的に理解できるでしょうか? 管理人は価格だけでは分からないですね。下記のように要因分析がされていないと、切り分けが不可能です。

三菱UFJ新興国債券ファンド通貨選択シリーズ(毎月分配型)ブラジルレアルコースの基準価額の変動要因


実際に要因分析された価格変動の詳細をチェックしてみると、為替取引によるプレミアム収入を超える為替益が発生してますよね。今回はプラスでしたが、為替損になる場合もある訳で、基準価額の変動要因になるのです。このような事は、販売資料を見るだけでは非常に分かりにくいのです。

また、主要な投資先である新興国債券の構成を確認してみましょう。下記のように、組み込まれている債券の格付は、かなり低いです。 以前チェックした時は、平均格付がギリギリ投資適格のBBB格でした。

しかし、今では資産の5割をハイ・イールド債券と言われる投機的格付の債券に投じています。平均格付自体が投機的格付に成り下がっていますので、この段階で投資価値なしだと思います。

三菱UFJ新興国債券ファンド通貨選択シリーズ(毎月分配型)の債券の格付け分布


ここまでリスクを取っているのに、債券全体の最終利回りは約5%程度です。実際には、ブラジルレアルの為替取引によって、10%程度の金利収益が見込めることを考えても、三菱UFJ新興国債券ファンド通貨選択シリーズの分配金利回りは、15%以下にならなければなりません。

三菱UFJ新興国債券ファンド通貨選択シリーズ(毎月分配型)ブラジルレアルコースの債券の利回りや為替プレミアム


分配金の利回りが20%を超える状態が、異常だという事がお分かりですかね? なお為替取引で10%の金利収益が見込めますが、長期では為替の損失でほとんど相殺されるので、結局は債券からの5%程度の収益が最終的に手元に残るお金という、ヤヤコシイ仕組みになっています。

さて話を戻しましょう。三菱UFJ新興国債券ファンドが無茶苦茶に高すぎる分配金利回りになっている原因を見てみます。下記、債券や為替差益、金利などからの安定収益源(当期の利益)が分配金に占める割合は、約7割ですよね。結局、残りは投資資金などを取り崩して分配するしかない訳ですね。

三菱UFJ新興国債券ファンド通貨選択シリーズ(毎月分配型)ブラジルレアルコースの分配原資の内訳


そして、入ってくる利益以上に無理やり分配して投資家の目くらましをしている結果として、冒頭のチャートのように、基準価額が恐ろしく下落していったわけです。このような構造の投資信託の基準価額など、上がる訳が無いのです。「安いからお得」などと言うのとは、全く質が異なります。



三菱UFJ新興国債券ファンドをインデックスファンドに変更


三菱UFJ新興国債券ファンドは、かように酷い状況なのですが、更に、ベンチマークや参考指数が設定されていないために、運用成績の可否を問う事が全く出来ません。

では、もっと良いファンドが無いのでしょうか? 代替え案となりうる投資信託がいくつかありますので、それを見てみましょう。本来ならば、三菱UFJ新興国債券ファンドの乗り換え案は、新興国全体に投資を行うインデックス運用型のSMT新興国債券インデックス・オープンです。

しかし、管理人としては、新興国債券でリスクを取りすぎるよりも、債券として信用度の高い、先進国の債券に投資する事をお勧めします。試しに先進国全体に投資を行うインデックス運型のSMTグローバル債券インデックス・オープンも追加して比較してみましょう。

三菱UFJ新興国債券ファンド通貨選択シリーズ・トルコリラ・ブラジルレアル・豪ドルコースの基準価額の比較


上記では、三菱UFJ新興国債券ファンドにおいては純資産の多い3つのタイプ、ブラジルレアルコース、豪ドルコース、トルコリラコースを選んで、SMTの2つのインデックスファンドと比較しています。

ここ3年間で見ると、ブラジルレアルコースはかなりの好調な成績ですが、それ以外は特に顕著に良好なリターンを得られるような結果にはなっていません。

5年のスパンで見た場合も、「ごく普通にインデックスファンドに投資していれば良いのではないですか?」と言っても良いくらいではないでしょうか。

ブラジルレアルコースは、5年間保有できた人は、そこそこの利益を得られましたね。ただしこれに関しても、冒頭のチャートの純資産のところを見て頂くと分かる通り、資金がぶっ飛んで集まって急速に抜けていってますから、ほとんどの人は2年程度で大した利益も取らずに売却したものと思われます。

三菱UFJ新興国債券ファンド通貨選択シリーズ(毎月分配型)のような投資信託は、証券会社からしたらお客を回転売買させて手数料をむしり取るのに最適です。「餌食」になった投資家が、多数おられるのでしょうね。インデックスファンドでじっくりと利を乗せてあげれば良いのにね。

ただし、SMTのインデックス投資信託は、毎月分配型投資信託ではありません。もしもどうしても分配金のような形で毎月の収益を手元に残したい人は、SBI証券の投資信託・定期売却サービスを利用してください。

これを使えば、SMTインデックスファンドシリーズを運用しながら、債券からの配当の範囲内で収益を取ることができます。

ご自身で受け取る金額の調整が可能ですから、勝手にタコ足の過剰分配をされることがありません。毎月分配型投資信託の存在理由が皆無になってしまうほどの、優れた仕組みです。



三菱UFJ新興国債券ファンド通貨選択シリーズの概要

購入手数料:上限3.0%(税抜き)
信託報酬:年率1.526%(税込み)
信託財産留保額:なし
償還日:2019年4月20日(設定日:2009年4月28日)
運用:三菱UFJ国際投信株式会社


ここまでコストをかけても、インデックス投資信託のほうが長期で保有するのが望ましいのですから、三菱UFJ新興国債券ファンド通貨選択シリーズ(毎月分配型)などは全くの不要です。

上記の項ではSMTインデックスファンドを紹介していますが、最近では極限まで低コスト化されたものも登場してきています。例えばeMAXIS Slim 先進国債券インデックスなどは、SMTと同等の運用成績で信託報酬はわずか0.17%です。

投資信託は、コストがかかればかかるほど投資家が手にするリターンが減少しますので、三菱UFJ新興国債券ファンド通貨選択シリーズ(毎月分配型)のような高コスト商品は、徹底的に無視するのがベターです。



三菱UFJ新興国債券ファンド通貨選択シリーズの購入先


それでもも、三菱UFJ新興国債券ファンド通貨選択シリーズで分配金を得たい場合、下記の証券会社で購入が可能です。と言っても2019年までの運用ですから、今更こんなものを買いたいと思うような人はいないと信じたいですね。

手数料3.24% カブドットコム証券、三菱UFJモルガンスタンレー証券



 


みなさまにお願い当サイトが参考になりましたら、ぜひブックマークやいいねをお願い致します!
★当サイト限定企画スタート★
SBI証券



メインメニュー

投資信託と分配金に関するQ&Aコーナー

目からウロコ・当サイト人気のコラム集

分配金のもらい方