三井住友・豪ドル債ファンド

(2018年2月時点)

投資対象の債券そのものの信用度は高いが、残念ながら過剰分配の常習犯。アクティブ運用であるのだがベンチマークにも大負けしている情けない運用成績。このような状況だが「リッパー・ファンド・アワード・ジャパン2014」の最優秀ファンド賞受賞という不思議な現象。投資価値はマジで無い。

三井住友・豪ドル債ファンド

  • 投資先債券の利回り3.6%に対して、現時点までの分配金利回りは、約12%
  • 安定収入が占める割合が分配金の5割である過剰分配の常習犯
  • 多額の運用益の積立(分配準備積立金)があるが、その10倍の売買損失がありそうな意味不明な状況
  • 先進国や新興国に広く分散投資する債券ファンドを買えば良いのでは?


 


三井住友・豪ドル債ファンド・管理人の評価はこんなもんだ


三井住友・豪ドル債ファンドは、主にオーストラリアドル建てとニュージーランドドル建ての債券、またはその関連派生商品(先物取引、オプション取引、各種スワップ取引等)で資産を運用します。




1国への集中投資はリスクが高まる為、投資に慣れた人以外はあまりおススメできません。

しかし、オーストラリアの格付は最高ランクのAAA(この投資信託のポートフォリオも高格付)です。金利の水準も日本、米国、欧州と比較して高いので、メリットがあります。定期収益を得るためのオーストラリアへの債券投資自体は、悪くないと感じます。




加えて、三井住友・豪ドル債ファンドは「リッパー・ファンド・アワード・ジャパン2014」の最優秀ファンド賞を受賞しています。金融機関に運用の相談をするような人には、とても安心できる材料だと思います。普通は「運用成績が素晴らしいに違いない」と期待が高まりますからね。

リッパーアワード受賞の三井住友・豪ドル債ファンド


しかしながら、三井住友・豪ドル債ファンドの中身をよく確認してみると、管理人としては問題がありそうな投資信託だなと感じしまいます。その理由を、次項以降に記します。



運用成績自体が、まず残念過ぎる


三井住友・豪ドル債ファンドは、積極的に資産を増やすことを目指すアクティブ運用の投資信託です。ベンチマークは、「UBSオーストラリア・コンポジット・ボンド・インデックス(円ベース)」です。

ベンチマークを設定しないアクティブファンドが多い中で、キチンと運用目標を提示する姿勢には、とても好感が持てます。ただ残念なことに、ベンチマークには圧倒的に負けているのです。オカシイ・・・リッパーの最優秀ファンド大賞を受賞した優秀なファンドのはずなのに・・・ 。

三井住友・豪ドル債ファンドとベンチマークとのかい離


設定来からの運用成績を比べてみると、ベンチマークに負けている率は約29%で、このファンドに投資するという事は、わざわざ負け戦に参戦するという意味になりますね。

細かく見てみると、最近はベンチマークに負けているという事ではなくて、コストの分だけ下方乖離しているだけなのだろうと推定しますが、だったらそれはインデックスファンドと全く同じような値動きになる訳で、わざわざアクティブ運用の投資信託に投資する意味がまるでない事になります。

参考モーニングスターだけの評価で投資信託を買ってはならない


このような投資信託を選ばずに、素直にベンチマークに連動するインデックス投資信託を選べば、普通に納得できる成果が得られます。代替候補に関しては、当ページの最後で紹介しますね。



三井住友・豪ドル債ファンドの過剰な分配状況について


さきほどの運用成績のチャートには、私たち投資家にとって不利益となる大きな問題が隠れています。基準価額と、分配金を再投資したと仮定した基準価額の2つのチャートの乖離が、大きくなり続けているのがヒントになります。

この傾向を示す投資信託は、身の丈に合わない分配金、つまり過剰な分配をしている可能性がとても高いです。簡単に言うと、私たちの投資原資をそのまま分配しているという事です。

三井住友・豪ドル債ファンドの分配履歴を見てみると、過去の過激な分配を維持できずに減額が続いています。設立当初の30円から100円にまで到達した分配金を、減額する方針に切り替えています。

三井住友・豪ドル債ファンドの分配金履歴


2012年頃の分配金がピークの時は、15%を超える利回りでした。その後の減額によって、分配金の利回りは、11%台で落ち着いています。ただし、今の利回り水準でも高いです。なぜなら、投資先のオーストラリア債券の格付は非常に良いですから、10%を超える利回り水準は有り得ません。

三井住友・豪ドル債ファンドの分配金利回りと推移


三井住友・豪ドル債ファンドのポートフォリオ利回りは、3.6%程度です。ここから投資信託の運用経費を差し引かれるので、私たち投資家の分は、2%台程度ではないのでしょうか。分配金利回りが11%台だと、明らかに数字が合いません・・・ 。




実際に分配金の内訳を調べてみると、債券からの安定収入では5割しかカバーできていない状況です。打ち出の小槌など存在しませんから、足りない分は私たちの投資原資から捻出されている訳です。

三井住友・豪ドル債ファンドの分配金の内訳


過剰分配は問題ですが、なぜか運用益の積立金である分配準備積立金が大量に存在します。これを見ると非常に安心感が出て来ますが、損益も見てみましょう。分配準備積立金の10倍を超える売買損失が、恒常的に存在します。正直、状況が良く分かりません。

三井住友・豪ドル債ファンドの損益の状況


管理人が真っ先に気にするのは、関連派生商品の運用の影響です。つまり、複雑な運用のデリバティブ取引の一種の、オプション取引や先物取引、そして為替取引などの損益に与える影響のことです。

定期収益を底上げする効果はあると思いますが、売買のキャピタルロスで、トータルでは損失になっていると思われるからです。基本、運用成績に悪い方に働く傾向が強いために、注意が必要です。

参考「複雑な仕組みなのに大人気のファンド」の成績を斬る


こういう部分は運用報告書でしっかりと説明すべきなのですが、あらゆる毎月分配型投資信託をチェックしていても、重大かつ重要そうな部分に限って、説明が省略されています。



先進国と新興国の債券に投資できるインデックスファンドへの代替をおススメ


三井住友・豪ドル債ファンドの運用成績は、同じオーストラリア債券に投資する低コストのインデックスファンド、「i-mizuhoオーストラリア債券インデックス」と同等です。高い手数料を支払ってインデックスファンドと同等の運用成績、・・・・投資価値は全く無いと言って良いでしょう

三井住友・豪ドル債ファンドとインデックスファンドの運用成績比較


残念なことに、i-mizuhoオーストラリア債券インデックスは2018年4月27日に繰上償還されます。従って、代替の候補としてはオーストラリアを含む先進国全体の債券に投資するのが良いと思います。

当サイト管理人は、分配金目的で先進国債券ETFである上場インデックスファンド海外債券に投資をしており、タコ足分配ではない分配金を安定的に受け取っています。

ただし、オーストラリア債券にだけ投資するよりもリターンが低くなるので、それをカバーする目的で、利回りの高い 上場インデックスファンド新興国債券にも投資しています。

これら2つの債券ポートフォリオを組んでいれば、日本を除く世界全体の債券に投資が可能で、安定的に無理なく分配金を受け取り続ける事ができます。2018年2月上旬の世界的な株価の急落の際も、これらの2つの債券ETFは価格の下落は相当程度抑えられて、安心して見ていられました。



三井住友・豪ドル債ファンドの概要

購入手数料:上限2.7%(税込み)
信託報酬:年率1.3284%(税込み)
信託財産留保額:0.3%
償還日:無期限(設定日・2003年6月16日)
運用:三井住友アセットマネジメント株式会社

単なる先進国債券に投資するのに、手数料を3%近くも取られて、おまけに毎年1.3%もの信託報酬を取られたのでは、全く割に合いません。債券の利回りは元々低いですから、コストでこんなにも持っていかれたら、たまったものではありません

上の項でお知らせした債券ETFなどは、信託報酬は0.25%~0.45%程度です。債券に投資する場合は、とりわけコストに注意しないと、ご自身のリターンを食いつぶす事になりかねません。



三井住友・豪ドル債ファンドの購入先


三井住友・豪ドル債ファンドで分配金を得たい場合、下記の証券会社で購入が可能です。証券会社によって、手数料が異なります。

手数料2.7% SBI証券楽天証券、三井住友銀行


 


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