日本企業価値向上ファンド(限定追加型)に関しての口コミ評価です

日本企業価値向上ファンドを辛口で評価してみるとこうなる

2015年4月時点で、今年最も人気の投資信託だが・・・・

2015年4月3日に、野村證券が自信を持って販売を開始した日本企業価値向上ファンド(限定追加型)。設定時点で、すでに1,057億円の資金が集まっており、設定額1,000億円超は、今年初だという事で、今年一番の大人気ファンドとなる可能性が非常に高いです。

日本株が絶好調なので、そこに乗っかって個人投資家の金を集めてやろうという魂胆が想像でき、野村證券として総力を集めて営業攻勢に出たんだろうなあというような、資金の集まり方です。

さて当ファンドの着目点は、アベノミクスの3本目の矢による効果で期待できる「企業の稼ぐ力の向上」です。この大きな流れに便乗して、大きく株価が上昇する見込みのある企業群に投資する事を、鼻息荒く宣伝しています。

日本企業価値向上ファンド(限定追加型)の視点


さてさて「販売資料が美しい投資信託ほど、蓋を開けるとヘボい運用成績でオシマイとなる法則」が働くと、当サイトの管理人は思っております。果たして、日本企業価値向上ファンドはどうなのか。じっくりと当ファンドの詳細をチェックして参りたいと思います。


 

事前シミュレーションが良好なのに、運用目標は有るようで無い

日本企業価値向上ファンドは、アクティブ運用である為に抜群の高成績を目指している訳です。そこで銘柄選定をする上で着目しているのは「ROE:自己資本利益率」です。

ROEとは


超簡単に説明すると、「効率的に高い利益を叩き出せる企業(ROEが高い企業)になる努力をする企業群の株価成長率は、高くなるはずだ!」というストーリーです。

美しい販売資料を見ると、我々を必死に説得する能書きが、書き連らなっていますが、野村證券側の一番のセールストークは、下記のシミュレーション結果でしょう。

日本企業価値向上ファンド(限定追加型)のバックテストの結果
    (TOPIX(配当込)と比較したシミュレーション結果)


簡単にいうと、1999年の段階で低いROEの銘柄群でポートフォリオを設定した場合の運用成績は、良好だったという事です。このデータより、当ファンドの運用成績が期待できると言いたい訳ですね。

ま、シミュレーションなんてものは、いくらでも数字合わせが出来ますし、説明する側に都合の良いデータに加工するのも、非常に簡単なのですけどね。

あなたも会社に勤めているなら、やった事ありませんかね? 都合のよい数字だけを見つけてきて、上司に報告した事。それと同じようなイメージを持って、今回のグラフを眺めるくらいの姿勢でいたほうが、良いのではないでしょうか。

ちなみに上記のような威勢のいいグラフを出しておきながら、 日本企業価値向上ファンド(限定追加型)にはベンチマークが設定されていません。

TOPIX(配当込み)に勝利してこそ、アクティブファンドは初めて評価に値するのですけれども、最初から運用目標が無い訳で、これでは一体どうやって日本企業価値向上ファンドの良し悪しを判断すれが良いのでしょうか?

ベンチマークや参考指数が設定されていない時点で、ほとんどのアクティブファンドは、投資価値が無い可能性が高いと疑ってかかったほうが良いと思います。



過去に似たような投資信託があったので、チェックしてみた

過去に似たような事例は無いかなと思って、色々と調べていたら、同じく野村證券が売り出しているリサーチ・アクティブ・オープンの例がありました。日本企業価値向上ファンドと同様に、ROEに着目しているアクティブファンドです。

一応TOPIXをベンチマークとして設定していますし、市場平均と連動する低コストのインデックスファンド、「SMT TOPIXインデックス・オープン」よりも良好なパフォーマンスを出しており、評価できますね。

日本企業価値向上ファンド(限定追加型)と他の投資信託の基準価額を比較


ただし!落とし穴が有ります。リサーチ・アクティブ・オープンは買い付けの時に、手数料が3%以上も持って行かれます。つまり、上記のグラフのオレンジ色の線は、最初から3%も低い位置からスタートするわけです。

それを考えると、購入手数料がゼロで、毎年の信託報酬がなんと4分の1に削減できる「SMT TOPIXインデックス・オープン」に、実質的に負けている事になります。

バックテストでは15年間でTOPIXの2倍も儲かるようなイメージを受けるでしょうが、実際に運用が始まると、バックテストには含まれない高額のコストが、毎年の運用の足を引っ張ります。

結果、ふたを開けてみると「最初からインデックスファンドを買っておけば良かった!」というような現象が発生するのが世の常なのです。

なお、上記のインデックスファンドを購入するのであれば、SBI証券楽天証券マネックス証券などで、超安い値段で買う事が出来ます。

(ひふみ投信は日本でナンバーワンの成績を誇るアクティブファンドで、これは証券会社を通さず、ひふみ投信ウェブサイトより直接購入する事になります)



買う人にも、あるいは売る側にも気持ちの良い「償還ルール」

運用実績が無く、信用性も有るような無いようなシミュレーションデータを持ち出してくるあたりから、マーケティング的に上手い具合に売りつけたな、という香りが漂ってくる訳ですが、日本企業価値向上ファンドにはもう1点気になる事があります。それは、基準価額が15,000円以上になると安全運用に切り替えて繰上償還するルールです

日本企業価値向上ファンド(限定追加型)の償還ルール


そもそも、基準価額が15,000円に達したら短期金融資産に切り替えて安定運用をする、なんてのは、基準価額は安いほうがお得だと勘違いしている人に、ウケるように商品設計しているとしか思えませんね。

安定運用に切り替えたのちは償還される、つまり強制的に現金化されますから、その時には「今ならこんな投資信託がありますよ~~」と、野村證券さんお得意の、回転売買の格好の対象になるかと思います。

ちなみにですが、待てど暮らせど15000円に到達しない時には、「市況が変わってきましたね~。今ならこんな投資信託を切り替えている人が多いですよ~~」と言って、やっぱり回転売買の対象になります・笑。



最後に、とにかくコストが高いという事を認識すべし

さて最後に、ダメ押しのようにコストの話を。人気が異常に高い日本企業価値向上ファンド、今のところ野村證券でしか購入できません。購入時には3.24%の手数料と、毎年1.35%の信託報酬を、金融機関側に払い続ける必要があるのです。

これほど高額なコストを支払っても、運用成績がどうなるのか全く分からない訳ですから、お金の使い方を皆さん間違えているんじゃないかとさえ思います。投資信託を買う時には、次の2つの点は絶対に見るようにしましょう。

①過去の運用成績がベンチマークよりも良好かどうか?
②購入手数料がゼロのもので、年間のコストが最大でも1%以内かどうか



この見方を覚えておくと、金融機関にカモにされずに済みます。身を守る、2つの呪文とでも言いましょうか、とにかくお経のように繰り返し思い出してください。・・・という事で、あなたの投資ライフが適切に行われていることを、切に願ってオシマイにします。



 




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