野村DC運用戦略ファンド(愛称:ネクスト10)は超低リターンでまったり

(2017年9月時点)

野村証券のiDeCoで買付が可能なアクティブ型の投資信託。価格変動を極限まで抑えて安定的に運用するようだが、まるで国内債券に投資しているのとほとんど同じようなリスク・リターンであり、コンセプト的にイマイチ魅力が感じられない。超絶にリスク耐性の弱い人向けの投資信託と言える。

野村DC運用戦略ファンド(愛称:ネクスト10)


  • 年間の価格変動を5%程度に抑えるという、超絶にリスク許容度が低い人向け
  • 年率リターンは、定期預金に濃い目の毛が生えた程度
  • 確定拠出年金口座で30年レベルで投資するのは「どうなんだ?」と感じる


 


凄い成績を出せそうな名称だが、実は真逆で、超安定志向な人向け


野村証券のiDeCoでのみ買付が可能な野村DC運用戦略ファンド(愛称:ネクスト10)。何だかいかにも儲かりそうな雰囲気です。投資対象は、国内外の株式、債券、不動産(REIT)です。株と債券と不動産を保有するという投資の王道を実現できるので、投資方針として全く悪くありません。

参考野村証券のiDeCoに関する評価と解説・商品ラインナップ


純資産総額の推移を見ると、急激に伸びています。投資の世界ではiDeCoに注目が集まっていますし、野村の営業マンが高コストのボッタクリアクティブ投資信託を売るついでに、資金を集めているのかもしれません。純資産総額が183億円を超えてきました。

・・・しかし、青線で記したように、値動きが本当に少ない印象ですね。株や不動産にも投資しているにもかかわらず、ここまで価格変動が無いというのは、かなりユニークであると言えます。

野村DC運用戦略ファンド(愛称:ネクスト10)の基準価額と純資産残高


さて野村DC運用戦略ファンド(愛称:ネクスト10)に資金を託せば、どのような資産運用をしてくれるのでしょうか。いくつかある特徴を挙げてみましょう。

1.為替ヘッジがあるので、為替変動の影響を受けず、価格変動リスクが抑えられている
2.国内外の株式、債券、不動産(REIT)に投資できる
3.相場環境に応じて資産配分を調整し、価格変動リスクを年率5%程度に抑えてくれる



簡単に言うと、リスク(投資の世界では「危険性」という意味ではなくて「価格の変動」の事を言います)を抑えて(目標価格変動は5%)、安定した運用を行うアクティブ型投資信託という事です。

これまでの資産配分の推移を見てみましょうか。2012年頃は先進国債券を6割保有。2017年現在は債券と現金を、合わせて8割、保有しています。

野村DC運用戦略ファンド(愛称:ネクスト10)の組み入れ資産の配分比率の変化


年率の価格変動リスクを5%程度に抑える事を目標としていますので、ポートフォリオに占める債券の割合はとても大きくなります。

ちなみにこの5%という数字は猛烈にリスク回避的であり、超絶に安定志向の人向けと言って良い数字です。ファンド名から想像するような、いかにも儲かる雰囲気とは真逆の投資信託だと考えて下さい。



リスクもリターンも小さく、まるで国内債券のような投資信託


野村DC運用戦略ファンド(愛称:ネクスト10)は、安全性を追求するタイプの投資信託ですから、比較対象としてシンプルに野村DC国内債券インデックスファンドと野村DC外国債券インデックスファンドの2銘柄と比較してみる事にします。

ここではあくまで傾向をチェックする目的ですから、本来はベンチマークが異なる投資信託どうしを比較するのは無意味なので、出てきた結果を絶対視しないようにしてくださいね。

1・3・5年の価格変動リスクを示す標準偏差を比較したところ、国内債券と外国債券の、ちょうど中間くらいのリスクとなっています。価格変動を抑えるという意味では、この投資信託の目標を達成しています。5%程度のリスクを目指しているので、より安定的という事ですね。

標準
偏差
野村DC運用戦略ファンド(愛称:ネクスト10) 野村DC国内債券インデックスファンド 野村DC外国債券インデックスファンド
1年 2.12 1.39 6.49
3年 3.14 2.09 8.69
5年 3.66 1.91 8.90


さて、ここで気になるのがパフォーマンスです。再び、比較した一覧表をご覧ください。野村DC運用戦略ファンド(愛称:ネクスト10)は、アクティブな資産配分の調整でリスクを抑える事には成功していますが、その分、パフォーマンスを犠牲にしている事がよく分かります。

ほとんど日本国債に投資しているのとほとんど変わらないような運用成績なのですね。リスクもリターンも、その程度のものだと認識しておきましょう。

リターン 野村DC運用戦略ファンド(愛称:ネクスト10) 野村DC国内債券インデックスファンド 野村DC外国債券インデックスファンド
1年 -0.24 -1.37 7.73
3年 0.30 1.98 1.87
5年 0.83 1.95 8.92


ただし、だからと言って国内債券に一本足打法を試みるのは、よくありません。今はマイナス金利政策で金利が低く、金利が低いと価格が上昇するのが債券ですから、もしも今後、金利が正常化されたら、債券価格は下がる以外に選択肢は無いとみられるからです。

そもそも、株や債券や不動産に分散投資をしようという者が、国内債券や外国債券にだけ投資をするというのも変な話ですし、投資の基本中の基本は分散投資にあります。あくまでも、「国内債券ほどしかリターンの期待ができない投資信託ですよ」という事を申し上げたいのです。

ここで冒頭の、野村DC運用戦略ファンド(愛称:ネクスト10)の基準価額を再度見て下さい。青線で示したリターンは、5年ほどで約7%増えているだけです。年率換算ですと、わずか1.4%にしかすぎません。

確かに野村證券のiDeCoにラインナップされているセブン銀行の定期預金の0.02%の金利よりはかなりマシではありますが、信託報酬を0.8%もかけて、こんなにも低いリターンを狙いに行くというのは、全く合理的ではないと思うのですが、いかがでしょうか?



野村DC運用戦略ファンド(愛称:ネクスト10)の代替え投信を考えてみる


そうは言っても、上記のような言葉は投資に慣れている管理人だからこそ言えるのであって、定期預金よりもリターンを多少でも望めるだけ満足であり、「投資のリスクにさらされるのは嫌だ」という人には、最適かもしれません。

が、せっかく非課税口座のiDeCoを利用できるのですから、30年40年と、長期でじっくりと増やせる可能性の高いものを選んだほうが良いのではないのかと思います。

野村のiDeCoであれば、信託報酬0.22%と低廉なバランス型のインデックスファンド、マイバランスDC30という、投資に慣れた人から見ると相当にリスクの低いものがラインナップされていますから、せめてそのくらいに投資されてはいかがかな、と思います。

野村DC運用戦略ファンド(愛称:ネクスト10)の代替えとなる投資信託


マイバランスDC30であれば、リスク水準も大きく高まる訳ではありません。国内外への株式の投資比率も30%と十分に抑えられており、もしもリスク許容度の低い人が「野村のiDeCoでどれを選べば良いでしょうか?」と聞いてきたら、私ならばマイバランスDC30と答えますね。

なお、マイバランスDC50やマイバランスDC70は、株式への投資比率がそれぞれ50%~70%と高まりますので、暴落などが起こった場合は、精神的に耐えられなくなる可能性が高いです。



野村DC運用戦略ファンド(愛称:ネクスト10)の概要


購入手数料:なし(ただし、野村證券の確定拠出年金口座の管理手数料等がかかります
信託報酬年率0.8%(税抜き)
信託財産留保額:なし
償還日:無期限(2012年2月28日)
運用:野村アセットマネジメント株式会社


なお野村證券よりも、個人型確定拠出年金(iDeCo)の口座であれば、国内で最強なのはSBI証券のiDeCoか、楽天証券のiDeCoです。野村證券もiDeCoは相当マシではありますが、それらの方が管理コストも低いし、商品ラインナップも良好です。この2社のどちらかを選んでおけば、間違いは無いでしょう。


 


みなさまにお願い当サイトが参考になりましたら、ぜひブックマークやいいねをお願い致します!
★当サイト限定企画スタート★
SBI証券



メインメニュー

投資信託と分配金に関するQ&Aコーナー

目からウロコ・当サイト人気のコラム集

分配金のもらい方