野村グローバル高配当株プレミアム(通貨セレクトコース)の評価

(2014/12~2015/12の成績を元に算出、2015年12月15日更新)

野村証券による強力な営業活動によって、3400億円近くの資金が集まっている人気商品。利回り操作によって分配金利回りが30%近くにまで上昇しているが、明らかに詐欺的な金融商品にしか見えない。実態を調べて見ると、オプション取引為替取引、過剰分配方針など投資対象としては明らかに不適格。超低コストの投資信託にボロ負けするような投信に価値は無い。

  • 運用(価格の上昇含む)利回り▲13%に対して、現時点の分配金利回りは29%
  • 2年間で分配金利回りが10%から30%へと3倍近くも激増しており、まともな金融商品には見えない
  • 投機的な取引を駆使してインカムゲイン(毎月の定期的な収益)が増え、一見すると過剰分配に見えないが、トータルの損益を見るとウンチみたいな成績であり、運用実態が不透明すぎる

 


まず、野村グローバル高配当株プレミアムは複雑すぎて理解不能

野村グローバル高配当株プレミアム(通貨セレクトコース)毎月分配型は、世界の株式への投資以外に、下記のようにギャンブル性の強いオプション取引と、5つの通貨(ブラジルレアルトルコリラ豪ドル・ロシアルーブル・メキシコペソ)を利用した、為替取引による金利差収入と為替差損による、大きく4つの収益源になっています。

野村グローバル高配当株プレミアム(通貨セレクトコース)毎月分配型の損益のイメージ


まずこの時点で、投資マニア以外のほとんど全ての個人投資家にとって、内容が複雑すぎて理解不能です。こんなもんを個人に勧める販売側の姿勢に、疑問が湧きます。

野村グローバル高配当株プレミアム(通貨セレクトコース)毎月分配型


本ファンドで採用しているオプション取引は、コールオプションの売りである訳ですから、利益限定の損失無限大である、ギャンブル的な取引になっています。

利益とは、まさにプレミアム収入だけになりますから、実績を月次レポートで確認してみましょう。最近のプレミアム収入の実績は5%程度でしょうか。

野村グローバル高配当株プレミアム(通貨セレクトコース)毎月分配型のカバー率とプレミアム(年率)の推移


上記の結果を見ても、プレミアム収入で多大な利益を得られる訳ではない事が理解できるかと思います。さらに、予想を反した株価になった場合にオプション取引による損失量がどの程度になるのか、資料を見ても良く分からない点が非常に気になります

なお、商品説明資料(詳細版)にはオプション取引と株取引の組み合わせを分かり易く説明したイメージ図があり理解を深める事に非常に良いかなと思います。

高配当株プレミアム戦略のイメージ


イメージ図とはいえ、本ファンドの特徴を理解するには、ばっちりです。①の箇所を見ると、オプション取引によるプレミアム収入1円に対して、もしも予想外の動きになった場合10倍(-10円)程度の大きな損失が発生すると言っている訳ですね。

ちなみに、損益の合計と現物の損益合計を見ると、株価が大きく上昇した場合の利益が激減する割に、それ以外のパターンがあまり変わらず、オプション取引をする意味があんの?と思ってしまいます。(というか管理人は、投資信託にギャンブル的なオプション取引を組み込むのはまったく不要だと思っていますが。)

更にもう1点、高配当株と言っていますが、実際の実績を月次レポートで確認すると利回り実績は約3%程度

株価が上がるたびに利回りは低下しますし、上記のイメージ図からも、好成績やボロボロの運用成績の場合は、ほぼ株価の値上がり値下がりが効いていると思って良いでしょうね。投資先の株式からの「高い配当益」を実現できている投資信託ではでは、まったく無いです。

野村グローバル高配当株プレミアム(通貨セレクトコース)毎月分配型のポートフォリオ特性値


本ファンドはもう一つ、為替取引というギャンブルにも手を出しています。月次レポートを見ると、5つの通貨の割合は下記のようになっており想定金利は約6%のようですね。

野村グローバル高配当株プレミアム(通貨セレクトコース)毎月分配型の通貨配分比率と金利


現在までの実績を整理すると、

 ・高配当株式による配当:3%
 ・プレミアム収入:5.4%
 ・金利差収入予想:7.6%


の合計16%程度が、想定される運用益です。しかし直近1年間の運用成績を見ると、トータルリターンでマイナス11%の損失をたたき出しているような状況です。

また、想定外の事態になった場合に損失をどれくらい見込めば良いのかがかなり分かりづらいという点が、管理人としてやはり気になります。

要は複雑すぎて、よく分からなくなってしまっているのです。リーマンショックのくず債券による混乱も、最終的な中身を投資家がまったく理解できなくなるように複雑化して、被害が拡大しましたからね。

投資はシンプルなものを取り扱うのが鉄則です。管理人としては、海外の株式に投資をするならば、低コストで良質な投資信託である「eMAXIS 全世界株式インデックス」を採用しても良いかなと思います。



じゃあ、超シンプルな投資信託と、運用成績を比べてみよう

野村グローバル高配当株プレミアムは、先進国を中心としながらも一定の割合をアジアの新興国にも投資して、なおかつ新興国通貨に手を出している現状です。

本来は野村グローバル高配当株プレミアムはベンチマークも無いようなロクデモナイ投資信託な訳ですが、だからと言って何も比較しないと実態が分かりにくいと思いますので、ここでは先進国株式と新興国株式(要は世界の株式市場全体)に分散投資されている、eMAXIS 全世界株式インデックスと比較してみましょう。

野村グローバル高配当株プレミアム(通貨セレクトコース)毎月分配型と、低コストのインデックスファンドとの基準価額の比較


インデックスファンドである全世界株式インデックスのほうが圧倒的な成績を叩き出しており、その差はなんとダブルスコア。本ファンドみたいな怪しいファンドに手を出すと、バカを見るという結果になっています。

この結果は、人気の投資信託でも運用成績はヘボい実例集と合わせてみて頂くと、野村グローバル高配当株プレミアムのようなファンドに手を出してはならないという事が、理解できるのではないでしょうか?



ついでに、金融機関に恐ろしいほどのコストを抜かれている点

上記を見て頂くと、野村グローバル高配当株プレミアムの運用成績が泣きたくなるような酷い状態である事が分かると思うのですが、ここで、追い打ちをかけるような事実をご覧いただきましょうか。

項目 野村グローバル高配当株プレミアム eMAXIS 全世界株式インデックス
購入手数料 4.2% なし
信託報酬(税込) 2.05% 0.65%
運用成績(1年) -13.49% 0.02%
運用成績(3年) 12.78% 24.22%



全てにおいて、良質なインデックスファンドが凌駕していますね。特に野村グローバル高配当株プレミアムの非常に高い手数料とランニングコストが目立って見えてしまいます。

購入時に4%も取られるなんて、狂気の沙汰です。100万円あったら4万円抜かれるわけです。ランニングコストも2万円抜かれるわけで、初年度に何もせずにあなたは自動的に6万円、貧乏になる事が決定します。

それに対してeMAXIS 全世界株式インデックスで抜かれるのは、たったの6500円です。こんなにもコスト差があるのに、野村グローバル高配当株プレミアムの運用成績の酷さといったら、噴飯ものでしょう。

なお、eMAXIS 全世界株式インデックスの分配金は、設定来0円配当ですから、自動的に再投資出来ている点もポイントです。

eMAXIS 全世界株式インデックスを購入して、毎月分配金のようにお金を受け取りたい場合は、SBI証券の投資信託・定期解約サービスを利用されると良いでしょう。



最後に、クレイジーな分配金も、一応見ておこうか

それでは野村グローバル高配当株プレミアム(通貨セレクトコース)毎月分配型の、分配金の配当履歴からチェックしていきましょう。といっても、この投資信託を買う人が「カモ」である事を理解頂くために、2014年時点の分配金から見てください。

本ファンドは、2014年度から毎月240円のかなり高い分配金を出すようになりました。成績が好調のために分配金が増えたのだと解釈するのは早計です。分配金の履歴を見てみると、2013年12月末時点の120円から、一気に2倍にあたる240円に倍増しています。管理人の感覚的に、「あ・や・し・い」と思います。

野村グローバル高配当株プレミアム(通貨セレクトコース)毎月分配型の分配金履歴(2014年時点)


そこで、利回りやリターンの傾向を確認してみましょう。2014年度8月時点の分配金利回りは、約18%。十分に高い数字である訳ですが、注目すべきは利回りと運用成績の傾向です。

2014年初めに分配金を2倍にしたため、10%近い利回りから18%あたりまで急上昇しています。リターン(運用成績)は下降気味なのに!です

野村グローバル高配当株プレミアム(通貨セレクトコース)毎月分配型の分配金利回り(2014年時点)


野村證券さんのランキング上位に位置する投資信託、例えば

ドイチェ・高配当インフラ関連株投信(米ドルコース)
アムンディ・欧州ハイ・イールド債券ファンド(トルコリラコース)
野村米国ハイ・イールド債券投信(豪ドルコース)毎月分配型

などによくある傾向なのですが、分配金を2倍にして利回りを上げて、カモの投資家を集めるような事をやっていそうな訳なのですよ

野村グローバル高配当株プレミアム(通貨セレクトコース)毎月分配型の基準価額と純資産残高(2014年時点)


本ファンドは、おそらく今から売り出そうと企んでいるファンドだと思われて、これから純資産は増加(カモ投資家が群がるから)していくと思います。分配金も2倍出していますから、基準価額は急低下し始めて、利回りはますます上昇する(分配金の量を高値一定にすると思われるため)でしょう。

・・・と、2014年時点ではかような事を書いているわけでありますが、あれから1年経過して、カモ投資家はこのファンドに群がったのでしょうか? 純資産を見てみます。

野村グローバル高配当株プレミアム(通貨セレクトコース)毎月分配型の基準価額と純資産残高(2015年末)


予想がバッチリ当たって、めっちゃカモが群がったであろう事が分かります・笑。2014年4月からの基準価額なんぞは、12500円から8500円まで1年で30パーセントも暴落していますから、投資家は踏んだり蹴ったりですね。

今後も運用益を超える配当利回りに設定するだろうから、基準価額は激しく下落するでしょうと予測もしましたが、これもバッチリその通りでした

で、今現在の分配金利回りがどうなっているか、見てみましょう。・・・2014年時点と違って、直近1年間のトータルリターンがマイナスに転落しているにもかかわらず、分配金利回りは相変わらずの3割近辺です。こういうのを、クレイジー投資信託と言います。

野村グローバル高配当株プレミアム(通貨セレクトコース)毎月分配型の分配金利回りの推移


あ、ここで思いだしてください。本ページの中ほどで、この投資信託の分配金の設計は以下のようなイメージだったはずですよね。

 ・高配当株式による配当:3%
 ・プレミアム収入:5.4%
 ・金利差収入予想:7.6%


合計16%程度が、想定される運用益です。これに対して、分配金利回りが30%なのですよ。基準価額も下落しているから、売買益も出てこない。

・・・じゃあ一体、あなたの分配金はどこから出てくるんでしょうか? 野村證券が損失補てんでもしているんですか? そんな事は有りませんよね。

おそらく答えは、分配金のかなりの部分を、特別分配金(=元本払戻金)が占めているのだと思います。元本の払い戻しですから、利益でも何でもありません。これも一応利益という事でカウントして、分配金利回り30%と称しているんです。

これって、限りなく黒に近いグレーじゃないでしょうか?? 詐欺とまではいわないけれども、詐欺的すぎるというのか。・・・・でも、投資は自己責任ですから、本ファンドのような複雑極まりない変なファンドを、特によく調べもせずに購入したあなたも悪いのです。



野村グローバル高配当株プレミアム(通貨セレクトコース)の概要

購入手数料:上限4.2%(税込み)
信託報酬:年率2.0504%(税込み)(運用管理費用込)
信託財産留保額:0.3%
償還日:平成33年11月17日(設定日 平成23年11月18日)
運用:野村アセットマネジメント株式会社



野村グローバル高配当株プレミアム(通貨セレクトコース)の購入先

下記に、購入できる証券会社を上げておきます。どうしても購入したい人はお好みでどうぞ。手数賞の上限は4.2%ですが、実際の販売現場では3.78%で売られているようです。ま、実質的には何も変わりはしませんけど。

手数料3.78%  :  野村證券


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