ピクテ新興国インカム株式ファンド(毎月決算型)の評価

(2014/10~2015/10の成績を元に算出、2015年11月10日更新)

野村證券の買付ランキングに再び登場して人気化しはじめている投資信託。すでに純資産総額は5000億円近くもあり「お安くてお得ですよ」的なセールストーク(スーパーで売っている特売の大根とは質が違いますから!!)が現場で横行しているような予感をヒシヒシと感じる。異次元な分配金利回りを見て、詐欺的金融商品だと判断できなくてはならない。

  • 運用(価格の上昇含む)利回り約▲19%に対して、現時点の分配金利回りは32%
  • 基準価額は下落を続け、2000円台の水準に到達。異次元すぎる・・・
  • 投資先の株式から得られる配当金は分配金利回りの1/6程度なのだが、分配原資の内訳をみると、かなり補えられている状況が不思議。辻褄は、あっているのか?

 


こんな美しいことを言っているが、現状はどうなのか?

ピクテ新興国インカム株式ファンド(毎月決算型)の投資対象は、新興国の高配当利回りの株式です。新興国はこれから株価が大きく上昇すると思うのかもしれませんね。運用元のピクテでも、下記のような「美しい動画」を撮って、顧客を誘っています。




「特定の国や通貨に集中せず、分散投資をします」などといわれた時点で、「おいおい、新興国というカテゴリーに集中特化しているじゃないか」と、早速ツッコミを入れたくなるのは、私だけでしょうか??

で、高配当利回りの株に更に集中投資しているわけですが、だからと言ってこの投資信託に投資をすると、利益が得られると思ったら大間違いです。

ピクテ新興国インカム株式ファンド(毎月決算型)の運用目標は、参考指数のMSCIエマージング・マーケッツ指数(円換算)を上回る成績を収めることです。しかし、運用レポート動画(下記)を見ても、そんな事は一言も触れられていません。




投資信託を購入する時に、コスト以外で最も大事な点が、参考指数のような運用目標に対して、買っているのか負けているのかをチェックすることです。

いくら「がんばりました」と説明されても、参考指数に劣っていたとしたら、それは平均点以下しか取れないような出来の悪い生徒の戯言だといっても良いでしょう。

ピクテ新興国インカム株式ファンド(毎月決算型)の場合、参考指数と実際の運用との比較図を掲載していないので、ロクデモナイ投資信託であるという疑惑が頭をもたげてきますね。

では、MSCIエマージング・マーケッツ指数(円換算)にピッタリと連動する、低コストのインデックスファンド、SMT新興国株式インデックス・オープンと基準価額を比較してみましょう。このファンドに負けていたら、平均点以下の運用だと判定できます。結果は下記。

ピクテ新興国インカム株式ファンド(毎月決算型)とSMT新興国株式インデックスオープンとの、基準価額の推移の比較


3年間で、市場の平均値よりも15%近くも大負けするという運用成績です。これでは参考指数との比較グラフを隠したくなる気持ちも分かりますね!!

「成長著しい新興国の、さらに高配当の銘柄に投資をするファンド」などと言われても、しょせん口だけの綺麗事であって、全く買うに値しない成績だという事です。



ヘボい運用成績のくせして、異様に高いコストを取るファンド

上記までに、ピクテ新興国インカム株式ファンド(毎月決算型)の運用成績は平均点以下で、どうしようもないという事をチェックしました。

でも、運用成績のヘボさに応じて、コストが猛烈に安いんなら納得できますよね。安かろう悪かろうという商品でも、安けりゃOKという事で、普段、買い物することがありますから。

でも、上記で比較した低コストのインデックスファンドよりも、はるかに高額なコストを取るんですよ。そんなの、どうやって納得すれば良いのでしょうか?

ピクテ新興国インカム株式ファンド SMT新興国株式インデックス・オープン
購入手数料 3.24% なし(※)
信託報酬 1.992% 0.65%
トータルリターン
(5年)
2.61% 4.5%
標準偏差
(5年)
19.35 21.06

SBI証券など、でノーロードとして購入した場合


いかがでしょうか? 投資初年度のコスト差は、なんと8倍にもなります。

例えて言うなれば、スーパーで他人の8倍の値段を出してタマゴを買って、食ってみたら下痢するほど不味かった、というような言い方ができるのかなと思います。

ピクテ新興国インカム株式ファンド(毎月決算型)は腐ったタマゴか


投資信託選びをする時は、まずはコストに着目してください。購入手数料がゼロであることは必須で、その上で、信託報酬が1%未満のものを選びます。

そうすれば、綺麗な言葉を並べるだけで運用成績の酷い、いわゆるボッタクリ投資信託の大半を、除去することができます。



30%を超える分配金利回りを見た瞬間、異常さに気付くべき

それにしてもこのファンド、とにかく良くない部分が多いです。多くの人は、毎月分配型投資信託を選ぶ際に、分配金利回りの高いものを好むとおもいます。

しかし、分配金利回りと配当利回りは全く違うのです。これを勘違いすると、あとあとトンデモナイ事になりますから、ここは絶対に押さえておいてください。

実際、ピクテ新興国インカム株式ファンドの月報にも、投資先からの配当利回りが下記のような数字だと書かれています。

ピクテ新興国インカム株式ファンド(毎月決算型)の組み入れ銘柄数と予想平均配当利回り


でもそれに対して、分配金利回りが下記のように32%ですよ。基準価額も1年リターンがマイナス19%もの下落になっていますから、売買益で分配金を賄えているとは到底思えません。

じゃあその分配金はどこから出ているのかと想像すると、おそらくあなたご自身の元本が取り崩されて、利益のように見えているだけなのではないかと推定します。

ピクテ新興国インカム株式ファンド(毎月決算型)の分配金利回りの推移


だいたい32%もの利回りが「本当の利回り」なら、世界中から投資家が殺到して、大バブルが発生するとおもいます。そんな気配がないという事は、世界の洗練された投資課たちは、こんなものには見向きもしないのだという事です。

こういう「まやかし」の利回りを利益だと勘違いする日本の頓珍漢な投資家だけが、下痢するほど高いコストを支払って、本当は運用成績がヘボい投資信託を一生懸命買っているという事なんですね。ああ無常。



それにしても、野村證券はこのファンドを売りまくってるな・・・

30%を超える分配金利回りという段階で、十分に怪しい香りがプンプンと漂ってくるのですが、野村證券の販売ランキングに入っている点で、すぐに「アウト~!」と叫びたくなる管理人です。

野村證券の販売ランキングに入っている、ピクテ新興国インカム株式ファンド(毎月決算型)


実は野村證券で人気のある投資信託は、突然分配金を2倍程度増額して、分配金利回りを高く見せるような操作を行っているようなのです

先述した通り、高い利回りはおバカなカモ投資家を集める事になります。当然ですが本ファンドも例外ではありません。過去にさかのぼって利回りと分配金の傾向を見てみましょう。下記は、2010年7月から分配金を一挙に増額した時にチェックした記録です。

ピクテ新興国インカム株式ファンド(毎月決算型)の分配金が増額されると純資産が増える法則


上記を見ても分かる通り、分配金を増額し始め、分配金利回りが急上昇した時期から、純資産総額が面白いように急増しています

当然ですが、多額の分配金を出し始めてから基準価額も下落傾向になっています。この「分配金を増やし分配金利回りを上げ、カモとなる投資家を集める」のは、野村證券のランキングにランクインしている、他の投資信託にも同じような傾向があります。

【例】

ドイチェ・高配当インフラ関連株投信(米ドルコース)
アムンディ・欧州ハイ・イールド債券ファンド(トルコリラコース)

野村米国ハイ・イールド債券投信(豪ドルコース)毎月分配型
アムンディ・欧州ハイ・イールド債券ファンド(豪ドルコース)

野村グローバル高配当株プレミアム(通貨セレクトコース)毎月分配型
ラサール・グローバルREITファンド(毎月分配型)


このような投資信託は、確実にカモの投資家を狙い撃ちしている訳ですから、絶対に買ってはいけない投資信託だと言えるでしょう。

2015年の10月においては、今回は分配金をいきなり増額したわけではありませんが、基準価額が大きく下落したにもかかわらず、分配金を減額しなかったことから、分配金利回りが非常に高く見えています。

本来は分配金を減額するような相場なのに、それを一切していないというのは、実質的には分配金を増額しているようなものですね。こういうファンドが平気で販売上位にランクインするというのは、実に嘆かわしいことですね。



ピクテ新興国インカム株式ファンド(毎月決算型)の概要

購入手数料:3.24%(税込み)
信託報酬:年率1.992%(税込み)(運用管理費用込)
信託財産留保額:0.3%
償還日:無期限(設定日 平成25年10月11日)
運用:ピクテ投信投資顧問株式会社

既に書いたように、このコスト体系は、異常に高いです。100万円投資したら初年度で5万円以上もコストで持っていかれるような高コスト投信は、全く買うに値しませんので、超要注意です。



ピクテ新興国インカム株式ファンド(毎月決算型)の購入先

購入手数料は証券会社で大きく変わってくるため、注意が必要ですね。下記に、購入できる代表的な証券会社を上げておきます。購入したい人はどうぞ。

手数料2.16%  : SBI証券楽天証券カブドットコム証券マネックス証券
手数料3.24%  : 野村證券SMBC日興証券



 


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