ピムコUSハイインカム・ローン・ファンド・・・特に魅力なし

(2017年7月時点)

バンクローンに投資をすると言って、理解できる投資家は一体どれくらいいるのだろうか? そんな程度でこの投資信託を買ったとしても、満足する投資結果になるとはとても思えない。そもそもタコ足分配なので、自分の金を自分で引き出して喜んでいるに過ぎない側面がある。

ピムコUSハイインカム・ローン・ファンド(毎月分配型)

  • だいたいバンクローンなるものに、個人投資家が金を出す必要なし
  • 運用目標も運用の腕前も明確でなく、投資判断など下せない
  • 分配金については過剰なタコ足分配であり、分配金利回りの操作を疑う
  • コスト的にも非常に高く、金融機関を喜ばせるだけの投資信託だ


 


まず、そもそもあなたはバンクローンなるものをご存知か?

ピムコUSハイインカム・ローン・ファンド(毎月分配型)為替ヘッジなしは、主に米ドル建てのバンクローンを投資対象とし、利子収入を主な収益源としています。(⇒バンクローンの仕組みとリスクを参照の事)

市場を通して企業等に融資をするものを、バンクローンと呼びます。通常は銀行が企業に融資しますが、それ以外に市場を通して企業に融資する仕組みがあり、それがバンクローンです。この時点で、銀行が融資したがらない企業に融資するようなイメージであり、高リスクの香りがしてきます。

なお、バンクローンには通常、担保が設定されています。企業が破たんした際には、社債などよりも支払いの優先順位が高いのも特徴の一つです。

バンクローンへの投資イメージ


バンクローンの最大の魅力は、他の資産クラスに比べて利回りがとても高い点にあります。例えばアメリカの国債の1.8%に対して、バンクローンの利回りは6%と、かなりの水準です。

というか、新興国債券やクズ債券のハイイールド債券と同等水準という事は、かなりのリスクが有ります。このあたりをあなたは本当に理解して投資しているのか、非常に疑問ですね。

バンクローンの利回り水準


参考に、バンクローンと他の資産を比較した下記の一覧表をご覧ください。格付がハイイールド社債とほぼ同等のBBB格以下、つまりかなりのリスクのある企業に資金を託すという事です。有事の際には、倒産リスクが超高まるでしょうね。

バンクローンと他の資産クラスとの比較



しかも流動性を考慮して、同じくリスクの高いハイイールド債券にも投資すると明記されていました。流動性のリスクがあるという事ですから、売りたい時に売れないリスクも頭の片隅に入れておいた方が良いかもしれません。

実はハイイールド債券に投資する可能性だけではなく、資料を読み込むと、オプション取引などのデリバティブ取引(簡単にいうと投機的で危険な金融取引)も行うと明記されています。

本投資信託は、ファンド・オブ・ファンズ方式であり、「PIMCO バミューダ・バンク・ローン・ファンド A-J(USD)」にほぼ全ての資産を投資しています。

驚く事にこの投資先のファンド、内容を確認してみるとオプション取引、先物取引、クレジット・デフォルト・スワップ取引、トータル・リターン・スワップ取引、金利スワップ取引などの派生商品、つまりデリバティブ取引も行うと記載されています。

投機的な取引のオンパレードです。管理人にはもう、何が何だか良く分かりません。販売用資料を読み込んだだけでは、実際に内部で何をやっているのか、正直分からない投資信託になります。というか、そんな心配をするなら、投資するべきではないと思いますがね。




有事の際のリスクについて、想像を巡らせておこう

さて、前項でバンクローンの魅力とリスクについて触れました。実際のところ、有事が発生するとバンクローンはどうなるのでしょうか。金融機関が用意したチャートをご覧下さい。

確かに米国株や米国のハイイールド債券に比べると、リスク水準は低めです。しかしそのリスク水準とリターンは、どの程度釣り合いが取れているのでしょうか? そこが分からないと投資しにくいです。

バンクローンのリスクとリターンのイメージ


直近の3か年において、米国を含む先進国株式や先進国債券の平均的な値動きと比較してみると、確かに株式よりはリスク水準が低くて債券に近い値ながらも、リターンは株式に近くなっています。

この事を知った上で、機動的に資金を投入できるタイプの洗練された投資家であれば、資金のごく少量を、本ファンドに投じても、別に悪いという訳でもなさそうです。

ただし、ベンチマークや参考指数が無いので、そもそも運用の腕前すら良く分からない状況です。そんな成績の判断がつかないにファンドに、洗練された投資家が資金を投入するかどうかは何とも言えません。買うとしても、お遊び程度に留まるのではないでしょうか。

ピムコUSハイインカム・ローン・ファンド(毎月分配型)為替ヘッジなしと、先進国債券、先進国株式のリターン比較


当ファンドの保有する資産は、現実にはどうなっているのでしょうか。2017年5月時点での平均格付は「BB-」となっており、投機的格付となっています。自分の大切な資金を、投機的な格付けの企業に貸していると思うと、あまり気持ちが良いものではありませんね・笑。

ピムコUSハイインカム・ローン・ファンドの投資先の格付けの構成


ちなみに債券が10%ほど組み込まれており、おそらくハイイールド債券だと思います。リスクが超高い投資先に分散投資したとしても、有事の際には分散効果が効かずに、大ダメージになると思います。



 


分配金から、この投資信託の本当の姿を評価してみる

ピムコUSハイインカム・ローン・ファンド(毎月分配型)為替ヘッジなしは、投資先のリスクだけでなく、分配金の出し方にも問題があります。

例えば下記のチャートを見ると、分配金込みの基準価額と分配後の基準価額の差が、開き続けています。このような値動きをする投資信託は、分配のやり方に問題があります。

ピムコUSハイインカム・ローン・ファンド(毎月分配型)為替ヘッジなしの基準価額の推移


まず、2017年7月時点の分配金利回りが10%を超えています。しかも2015年当初に4%台だった分配金利回りが、2倍になっているのです。分配金利回り水準が高すぎるのではないでしょうか。

そういえば、2014年に40円だった分配金も、今は80円と倍になっています。当時、「分配方針というのは簡単に変更になり、多額の分配金を出すようになるため、注意が必要です」と、「警告」した通りの動きになっています。

ピムコUSハイインカム・ローン・ファンド(毎月分配型)為替ヘッジなしの分配金額と分配金利回りの推移


本ファンドの投資先から得られる配当利回りは、約5%です。ここから投資信託を運営する経費を支払うと、本来私たち投資家が受け取る配当利回りは、3%台になるはずです。

ピムコUSハイインカム・ローン・ファンド(毎月分配型)為替ヘッジなしの投資先の最終利回り


問題の裏付けを取るために、運用報告書に掲載されたの分配原資の内訳をチェックしてみましょう。下記を見る限り、毎月受け取る分配金に含まれる定期収益は、6割程度のようです。

残り4割はお金が湧いてくる訳ではないので、私たちのの投資原資が取り崩されて支払われているだけという事になりますね。実にタコ足分配であり、いい加減な投資信託だといえます。

ピムコUSハイインカム・ローン・ファンド(毎月分配型)為替ヘッジなしの分配原資の内訳


これは、月次資料に掲載の「基準価額騰落の要因分析」を見ても分かる事です。下記は2017年5月31日時点のものになりますが、インカムゲイン38円に対して、支払った分配金は80円です。

ピムコUSハイインカム・ローン・ファンド(毎月分配型)為替ヘッジなしの基準価額の要因分解


こんなタコ足分配になっているのを運用側は知りながら、見せかけの分配金利回りを高めに誘導して、情報弱者の投資家をおびき寄せている訳ですね。月80円の分配金など、笑止千万だと言わせていただきます。

次項に記す通り、購入手数料も2.16%で、信託報酬は年率1.7064%の、超高コスト体質の投資信託です。卵は少しでも安いものをと血眼になって探す人が、投資信託ではこんなにも高額なものを選ぶ行動そのものが、矛盾していると思います。

コストの高い投資信託




ピムコUSハイインカム・ローン・ファンド(毎月分配型)の概要

購入単位:販売会社が定める単位
購入手数料:上限2.16%(税込み)
信託報酬:年率1.7064%(税込み)
信託財産留保額:0.3%

償還日:2023年5月15日(設定日:2013年8月30日)
運用:日興アセットマネジメント株式会社
為替ヘッジ:なし

10年間投資すると、信託報酬で元本の17%、加えて購入手数料がかかりますから、何もしなくても約2割が消失する事になります。この分をカバーして成績を出さなければならない投資信託ですから、合理的に考えると不利な戦いを強いられることは明白です。

こんなものを買わなくても、先進国株式と先進国債券ファンドを比率半々で買っておけば、比較にならないほど低コストで済みますし、リターンなどもバンクローンファンドと同程度になるのではないでしょうか。




ピムコUSハイインカム・ローン・ファンド(毎月分配型)の購入先

ピムコUSハイインカム・ローン・ファンド(毎月分配型)為替ヘッジなしを購入したい場合、下記の証券会社で取り扱っています。

手数料2.16% SBI証券楽天証券、カブドットコム証券、SMBCフレンド証券他



 


この投資信託のお問い合わせや口コミ投稿などは、こちらからお寄せ下さい

みなさまにお願い当サイトが参考になりましたら、ぜひブックマークやいいねをお願い致します!
★当サイト限定企画スタート★
SBI証券



メインメニュー

投資信託と分配金に関するQ&Aコーナー

目からウロコ・当サイト人気のコラム集

分配金のもらい方