基準価格は高いのと安いの、どちらが得なのか?

●投稿者:ユルゲン クロップさん(48歳・男性)

堀田様、いつも見させて頂き投資信託について勉強をさせて頂いております。お忙しい所、申し訳ありませんがご質問をさせてください。

堀田様など資産運用のプロの方々が、投資信託において基準価額の額面は関係はないと言われておりますが、

基準価格が安い時に購入した方が基準価格が上がった時、含み益が増えますし、投資信託を売却などをする場合、お得ではないでしょうか?(基本は長期保持での資産運用を心がけてりおりますが)

ぜひとも教えて頂きたく宜しくお願いいたします。

※当ページでは、初心者の方向けに、「基準価格」と表記していますが、正しくは「基準価額」になります。

回答・基準価額が安いからお得ですよと囁く奴は詐欺師!

ユルゲン クロップさん。こんにちは。要は「投資信託の基準価格が安い方が、何となく値上がりしそうで、利益になりやすいからお得ではないか?」というご質問ですね。

これは、「個別株式の価格」と「投資信託の基準価格」の意味合いを混同して理解している場合に、非常によくある勘違いです。

確かに投資の世界では、安い時に買って高い時に売るべしと、至極当然の原則がありますね。ですが、この考え方をそのまま投資信託の基準価額にあてはめると金融機関の良いカモになってしまいます。

具体的に見てまいりましょう。

 



基準価格は、単に投資信託の設定日に由来するだけ

まず、投資信託が設立した時点で基準価額がどのように決まるか理解する必要があります。

⇒用語集:投資信託の純資産、基準価額、口数について


設立時の投資信託の基準価額は、設定日の前日を10,000円として決定されます。この意味合いは非常に重要ですから、しっかりと頭に叩き込んで下さい。

理解を深めるために、次のイメージで見てみましょう。例えば日経平均に連動するような投資信託が2つあると仮定します。全ての条件(コストや運用成績)が同一として違いは投資信託の設立日だけとします。




ですが、図のBの時期に投資信託Aの基準価格は16,000円に上がっています。そうすると、まったく同じ対象に投資をしているにも関わらず、設立日が違うだけで投資信託Bの方が基準価格が安く見えてしまうのです

投資信託AとBはまったく同じ対象に投資をしていますから、今後の価格変動率はまったく同じになります。このように、投資信託の基準価格だけを指標にすると勘違いしやすいので注意が必要です。



毎月分配型投資信託では、余計に間違えやすいから注意

さらに、毎月分配型の投資信託では分配金を出すことで基準価格を押し下げますから、なおさら注意が必要です。

特に多額の分配金を出す投資信託は、基準価格が激しく下落しており、非常に安い値に見えて、お得に見えてしまうので注意が必要です。

管理人は以前、、みずほ銀行で「基準価格は安いからお得ですよ?」と説明されて、卒倒しそうになったことがありました。ほとんど合法的な(いや、違法??)詐欺だと思いました。

投資信託の場合、安ければ何でもOKでは無いのです。投資信託は肉や魚ではありません。投資信託は基準価格だけで安い高いは判断が出来ない事をしっかりとご理解頂ければ、惑わされる事は無いと思います。

なお、投資信託の「真の良し悪し」を比較する場合は、比較開始日を合わせて変化率がどうなっているか比較する必要があります。

具体的に見てましょう。TOPIX(東証株価指数)をベンチマークとするインデックス運用の下記2つの投資信託。信託報酬も同等で、違いは設立日だけです。

①日本株式インデックスe・・・基準価額:14,212円
②SMT TOPIXインデックス・オープン・・・基準価額:10,179円

※2014年09月02日時点の基準価額を掲載

上記の基準価額だけで判断してしまうと、価額が安い「SMT TOPIXインデックス・オープン」の方がお得に見えて、今後利益になりそうと勘違いしそうですね。

ですが、ここでモーニングスターが提供している比較機能を使って過去3年間の変化率を確認してみましょう。




当然ですが、投資対象(ベンチマーク)が同一のために、まったく同等の運用成績になっている事がお分かりかと思います

このように基準価額だけで判断をすると、間違った解釈をしてしまう事を肝に銘じて頂ければと思います。

もう1つ、アクティブファンドとインデックスファンドで比較

念のため、もう1つ比べてみましょう。次の2つの投資信託の基準価格をご覧ください。

ピクテ新興国インカム株式ファンド(毎月決算型)・・・基準価額:4,334円
SMT 新興国株式インデックス・オープン・・・基準価額:24,224円

※2014年09月03日時点の基準価額を掲載


基準価格が6倍近くも差があるファンドです。当然、質問者さんは①のファンドのほうが安いので、割安でお得だと勘違いするはずですね。

じゃあ、その割安な投資信託のほうが果たして本当にお得だったのかと言うと、実際の運用成績の差を見れば一目瞭然です。




青線は2014年の年初のラインです。この時すでに、とてつもない基準価格の差があったのですが、どちらの成績が良かったかと言うと、基準価格が高い方なのです

このように、基準価格の高い安いと、投資信託の割安割高は、全く関係ありません。だいいち、投資信託は株と違って、割安度を測る指標など存在しません。

投資信託の場合、高いとか安いではなくて、ベンチマークに比較して運用成績が優れているのかいないのかで判断するものです。

そこを間違えると、とんでもないファンドをつかまさされますので、絶対に間違わないようにしてくださいね。

上記の例で言うと、②でなくて①をつかまされた人は、長期で泣きを見る事になります。


 

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