たった1年半程度で、基準価額が半値になってしまい困っています

●投稿者:かもの子さま(年代不明・女性)2016年10月

はじめまして。こちらのページを拝見してご指導頂きたく投稿させて頂ぎます。昨日母から投資信託の分配金が半減したと相談があり、銘柄が『野村米国ファンド株式投資アジア通貨コース毎月分配型』で真っ青になりました。

野村米国ブランド株投資(アジア通貨)


仰る通り分配金が300円から200円そして100円に.... 投資開始日が2015年5月からで確かに分配金はそれなりにありますが、
買付金額よりも現在の評価額が約半分になっております。

野村證券との付き合いは止めた方がいいと言っていたのですが、お察しの通り上手い口車にのせられて購入した様です。

野村証券担当者からの分配金が半減した理由は『金融庁の指導によるもの』とのことだったので勿論突っ込みました。こちらから回復の見込みはあるのかとの質問をしたところ、5~6年はみて欲しいとの回答でしたが信用は出来ません。

差し当たり野村証券との付き合いを終わらせる為に売却したいのですがこのまま様子をみるのがよいのか、直ぐにでも手放すのが得策なのかアドバイス頂けると有り難いです。どうぞ宜しくお願い申し上げます。

分かりにくく長い文章で申し訳ありません。お時間のある時に読んで頂けると助かります。よろしくお願いします。



 

回答:あらゆる意味で大問題ファンド、保有している意味なし

ご連絡、ありがとうございました。本当に野村證券には、「人を翻弄する」ような投資信託の取り扱いと販売は止めて頂きたいものです。金融庁の指導などが本当かどうか、ただでさえ信用できないのですから、非常に疑問です。

ところで『野村米国ファンド株式投資アジア通貨コース毎月分配型』の名称ですが、野村米国ブランド株投資(アジア通貨)の事を指しておられると思いますので、そのつもりで回答をさせて頂きますね。

年老いた親に投資信託を売りつける証券会社については、以下のような困った会社も有りますので、あわせてご覧になってください。

三菱UFJモルガンスタンレー証券等で数千万円購入した投資信託の解約に悩む(2016年8月)
高齢者に多額の投資信託を売りつける三菱UFJモルガンスタンレー証券(2016年8月)
78歳の母に三菱UFJモルガンスタンレー証券が2300万も投資信託を売りつけ(2016年2月)



超絶高コストだから、野村證券は「保有」を推奨する

さて今回は該当の投資信託に、いったいいくらつぎ込んでしまったのでしょうか。具体的な金額は分かりませんが、ここでは300万円を突っ込んでしまったと仮定して、試算をしてみます。

当サイトで口を酸っぱくして申し上げているのは、投資信託選びで最も大切なことは、沢山儲かるかどうかではなくて、コストです。なぜなら儲かるかどうかなど野村證券の営業マンでも全く分からない一方で、コストは100%確実にあなたの利益を抜き取るからです。

日本(いや世界)で売られている投資信託の6割とか7割のものが、長期的に、市場の平均値に対して負けています。理由は、高すぎるコストに自滅して、どうしても平均値に手が届かないからです。

で、今回かもの子さまのお母様が購入した投資信託と、野村米国ブランド株投資(アジア通貨)のページにも記載した代替となる投資信託、i-mizuho 米国株式インデックスの、コストを比較してみましょう。もしも10年間保有したらどうなるのかの比較です。


かもの子さまから金融機関が抜き取れるコストの比較(税込み)

購入手数料 信託報酬 10年の
コストトータル
減る元本
野村米国ブランド株投資(アジア通貨)のページ 3.24% 1.8044% 21.3% ▲64万
i-mizuho 米国株式インデックス ゼロ 0.6156% 6.2% ▲19万
上記の差額 45万円!


上の比較表を見て頂くと分かる通り、野村證券の再度の口車に乗って今後5年6年と保有して、結局トータルで10年間保有してしまった時のコストは、現状のファンドでなんと64万円にもなります。

つまり何もしなくても、300万円の元本からたった10年間で64万円もの多額の現金がコストとして消滅して、その多くが野村証券に転がり込みます。こんなものを、投資と言って良いのでしょうか?

対するインデックスファンド、i-mizuho 米国株式インデックスでは、元本の目減りは19万円ほどです。同じアメリカに投資するファンドでも、こんなにもコスト差が有る訳です。

ちなみに2016年10月時点ではさらに低コストの投資信託が登場しており、iFree NYダウ・インデックスを選べば、10年でたったの7万円しかかかりません

これで分かりますよね、野村證券が失敗作を売りつけても解約を思いとどまるように言い聞かせる訳が。解約されたら、64万円の美味しい利益が失われるからです。面前で親切そうに見えても、金融関連の営業マンは、自分たちの事しか考えない生き物なのです。

もしもスーパーマーケットで米国産の卵が売られていて、一方が64万円して、もう一方が7万円だったら、かもの子さん一家は、どちらの卵を買うでしょうか? 間違っても64万円の卵など買いませんよね! 

ふだん、スーパーマーケットでは卵の価格を1円単位で厳しくチェックするのに、投資信託を買う段になると、途端に数十万円も「ゆるく」なるのは不思議でなりません。



そんな高額の投資信託の運用成績が、唾を吐きたくなるほどの体たらく

今回、かもの子さまのお母様が購入させられた米国株投信ですが、猛烈な高コストと引き換えに、市場の平均値よりも猛烈に高いリターンを叩き出しているならば、まだ辻褄が合います。

ところがどっこい、先ほども申し上げたように、高コスト投資信託(アクティブファンド)の大半が市場の平均値(インデックスファンド)に勝利できない現実の、典型的な事例となってしまっています。どうぞ下記の図を見て、腰を抜かしていただければと思います。

下記、野村米国ブランド株投資(アジア通貨)i-mizuho 米国株式インデックスの、過去3年間のリターンの比較です。野村のほうは分配金をすべて再投資、税金で抜き取られていた分も全てカウントして有利な条件にした上での比較になります。

野村米国ブランド株投資(アジア通貨)と、類似するインデックスファンドのリターン比較


なんと!野村の米国株投信は、低コストのインデックスファンドに猛烈な大差で負けています。私も図を見て、非常に驚きました。

こんなもん、全く投資に値しません(超高コストという時点で、投資価値皆無ですが)。これはいうなれば、「64万円もする「腐りかけた卵」を全力で購入した」ようなものです。



 


過去の分配金を見直してみて下さい

ところで頂いたメールによると、2015年に購入してから「分配金はそれなりにありますが」と書かれておりますが、その過去の分配金の明細を再チェックされる事をおススメします。

というのも、上の項で示したグラフによると、野村米国株投信の基準価額は2015年からすでに下落傾向にあるからです。下落相場で毎月1万口当たり300円とか200円もの超高額分配をしたら何が起こるのか、・・・既に受け取った分配金の大半が、元本払戻金だった可能性が高いからです。

私もテスト的に毎月分配型投資信託を購入しておりますが、実際の分配金は元本払戻金だらけでゲスの極みです

元本払戻金は文字通りあなたの元本が勝手に取り崩されるだけで、配当金でも何でもありません。自分のお金を他人(野村)が超高コストでATMから勝手に引き出してきて、それを利益と勘違いしているだけのお金です。

分配金の大半が元本払戻金で、なおかつ基準価額がここまで大幅に下落するのであれば、トータルの利益も大赤字である可能性が極めて高いでしょう。



そもそもお母様が、米国株&アジア通貨を買う意味があるのか?

と、ここまで野村証券と、彼らが売りつけた投資信託の酷さを説明してきましたが、私は個人的には、購入してしまった人にも非が有ると思っています。

そもそも、お母様がこのようなファンドを買ったのは、どのような理由からなのでしょうか? 恐らくそれは、ただ一心に儲けたいという強い欲望から来ているのではないでしょうか。

投資と強欲


そんな欲望を、百戦錬磨の野村證券の超優秀な営業マンが、見逃すはずも有りません。欲に目がくらんだ人は、付け入る隙が非常に多いのです。

ちなみに損失を出して泡食っている人も、欲に目がくらんだ状態です。いかにこの損を取り戻すかという欲望は、普通に投資して儲けようと考えている人よりも、何倍も強欲です。

損失を回避したい人に対しては、適当な根拠のない理屈をつけて塩漬けさせて(つまりあと5年待てとか)、その間に密かにコスト分の利益を抜くか、あるいは野村米国株投信並にボッタクリの高コストの、見た目だけはさぞ余計に儲かりそうな投信を提示して、乗り換えさせるかのいずれかです。

乗り換えさせる投信も、購入手数料は3%以上で、毎年の信託報酬も2%近いものになるでしょう。中身を確認するのを断念するような、米国株投信レベルの複雑な仕組みの投資信託を勧めてくると思います。

投資をすべきかどうかは、ひとえにかもの子さまのお母様がそのお歳になってから、アメリカの株式を購入する必要があるのかどうか、それ1つです。貯金と違って投資は勉強しなければ決して勝てません。当然のことながら株式投資の書籍を最低でも30冊以上は読んでからでないと、株式投資などやってはいけないのです。

加えて今回の投資信託は、米国株に投資している一方で、アジア各国の通貨を利用したギャンブルまがいのトレードまで行っています。これはリスクばかりが大きくなって、全く期待リターンがゼロであり、文字通りギャンブルです。

金融のプロならそんなことは百も承知ですが、分配金に目がくらんだ人には大人気なので、大喜びで作り、売りまくっている訳です。

したがってこの手のファンドを今後も塩漬け(あるいは乗り換えて購入)するのであれば、為替の本を30冊ばかり読む必要も有ります。でないと、アジア通貨も含めて、通貨への投資は儲かると勘違いして、今後も大やけどをする恐れが大だからです。



最善の手は現時点で損切りして現金化して、今後の方針を見直す事

と、ここまで説明すれば、今何をすればよいのかは明白です。そう、ただちにすべてを売却して現金化すること以外にありません。

持っているだけで凄まじいスピードで元本が失われていくのは説明したので、マトモに考えられる人であれば、保有するという選択肢はあり得ません。

基準価額が半値になった投資信託を見直す

もしもどうしても現金化するのが苦痛だという場合は、野村證券が提案するような投資信託に乗り換えるのではなく、先ほどご紹介したような、超絶低コストの投資信託に切り替えて、コストで元本が減るのを究極まで回避しながら、今後の上昇を待つのがベターです。

壺を買わせた詐欺師のようなところから、「別の壺」を買ってはならないのです。

もしも買い替えるのであれば、全世界の株や債券に広く分散投資するバランス型ファンドがお勧めです。本来であれば、お母様やかもの子さまにふさわしい資産配分を決めてからバランスファンドを買うのが良いのですが、今の段階ではだいぶ難しいので、とりあえずでエイヤ!とご紹介しますと、iFree 8資産バランス(税込み信託報酬0.2484%)で良いでしょう。

このiFreeバランスファンドは、分配金が出ないタイプのものです。どうしても分配金が欲しいという人ならば、SBI証券のみになりますが、ここで口座を開設したうえで、投資信託・定期売却サービスを利用すると、毎月お好みの金額を受け取ることが出来て、毎月分配型投資信託を「自作」したのと同じことになります。

ただ、今後の上昇を待つと言っても、お母様やかもの子さまが、本当に5年10年かけて投資信託を保有できるかどうかは未知数です。誰もが投資するのに性格的に向いているのかどうか分かりません。購入してから相場が暴落したら、10年程度は我慢できる程度の胆力が必要です。

別に投資などする必要もありませんから、余計な雑音をシャットアウトして、元本保証の定期預金でコツコツと増やしてゆくのも手でしょう。この場合、管理人の姉妹サイトになりますが、地方銀行まで含めた超高金利定期預金ランキング|定期預金の鬼をご覧いただければと思います。



野村證券の言っていることが本当かどうか、金融庁に聞いてみよう

ところで野村證券の担当者が、「金融庁の指導により分配金が減った」とか言っているようですね。だいたい今回のようなボッタクリ投資信託を紹介している時点で全く信用できませんが、いちおう金融庁に対して、「野村証券からそのように説明を受けたのだが本当か? なぜもっと早く指導しないのか? 当方は大きな損失を抱えて、大いに困っている」と、連絡してみてはいかがでしょうか。

金融庁・金融サービス利用者相談室


もしも野村証券の営業担当が、金融庁の名を騙ってうその説明をした挙句、問題の投資信託をあと5年6年と保有させる魂胆だったとしたら、大問題だと思います。

それこそ金融庁から野村證券を指導してもらわないとならないような問題だと思いますので、同様の被害を被る事の無きよう、一度、電話なりメールなりで連絡されると良いでしょう。(本当に指導が有ったのなら、「なぜそんな酷い投信を売りつけたのか」と、野村に突っ込みましょう。)



 

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