分配金を減額された投資信託はどうすれば良いでしょうか?

●投稿者:MAさま(年代不明・女性)2018年4月

初めまして宜しくお願いします。投資の勉強をせず、1年4ヶ月前に米国リート アルファクワトロを購入しました。金額を1000万購入しました。毎月分配金が200円出ていたんですが、今年の1月から140円に なりました。

「担当者の話では心配しなくても大丈夫です、基準価格が下がらないように分配金を低くしたのです」とのことなのですが、今悩んでいるのは、基準価格が今年の1月2月から激しく下がっていることです。

4月中に売ってしまおうか、もう3ヶ月ほど様子を見ようか相談できる人がおらず、堀田様にご相談する次第です。自己責任なので、自分でもよくわからなくなってしまっています。

分配金の減額と基準価額の急落に驚く投資家


その後、自分の不勉強ぶりを反省し、少しでも得るものがあればと営業担当の方に話を聞きに行きました。質問内容は、分配金余力を教えて欲しい、どんな時に損切りしたらよいですか、タコ足なのですか、ということです。

分配金余力は公表されてないのでわからないとの回答、損切りするタイミングは、不動産リートが下がっている、ブラジルレアルが下がっている円高の時との回答。タコ足なのかとの質問には、そうではないとのこと。

1月2月に基準価格がガクンと下がっているのは、年内は法人税が30%だったのが、年が明けてからだと20%なので、それで売りが出たのではないかとの見解でした。

営業マンは、こちらが損をしようがしまいが持っていてくれれば手数料が入るという記事を読むと、鵜呑みにしない方がいいのか。こちらは長く持つタイプの商品ですと説明されると、ブラジルレアルは下がっているので、どうしたらよいものか悩んでしまいました。長文になり申し訳ございません。



 

回答:商品の内容も投資そのものも、無知のままに投資すると失敗します

MAさま、この度は当サイトまでご質問をいただき、ありがとうございました。ご質問分の途中にもリンクを入れておきましたが、今回のお便りをきっかけに、当該ファンドを数年ぶりにチェックし直しておりますので、現在の管理人の評価がどうなのか、しっかりとご確認ください。

参考通貨選択型 米国リート・αクワトロ(毎月分配型)の評価


そして、ご質問者様に対しては、ご指摘申し上げることが沢山あります。一言でいうと、投資家失格なので、投資を止めるべきではないか、と感じます。

いくつかのご回答をさせて頂いておりますが、かように訳の分からない商品を1000万円もの大金を出して買ってしまうなど、正気の沙汰ではありません。以下、よく目を通していただければと思います。



どうしてこのような投資信託を買ってしまったのかを思い出す


まず、何故、このような投資信託を買ったのでしょうか? 上記の評価ページを読むと分かる通り、これは「カモ投資家」御用達の投資信託と言ってよい、酷いものです。これを敢えて買った理由を、思い出してみてください。

営業マンが勧めてきたから買った、というのならば、即刻、投資など止めましょう。まずは投資信託に関する本を5冊~10冊くらい読んで、勉強をするのが先決です。お便りにあるように、「不勉強を反省したので営業担当に聞きに行ってきた」というのは全く勉強ではなく、単に「他力本願」になります。

とにかく分配金を得るのが目的ならば、営業担当が勧めるような投資信託は、絶対に買ってはなりません。そのほとんど全てが、金融機関が一方的に儲かるだけの商品です。分配金目当ての投資をしたい場合は、カモにならないための分配金の貰い方のページをよくお読みいただくと良いでしょう。



投資の知識が無いと、「質問」自体がまるで無意味になってしまう


さて今回、質問者さまは営業担当にいくつかの疑問を投げかけています。しかし、それを聞いて何を判断するのか、質問自体が意味不明ですし、帰ってきた答えも、営業マンの当惑ぶりを表しているかのごとく、意味不明です。質問内容を見て行きます。


分配金余力を教えて欲しい


これを聞いて、どうするつもりなのでしょうか。余力があるといわれたら安心して、無いと言われたら不安の塊になる、ただそれだけではないかと思います。

分配金の余力は、投資家ならば誰でも知っているモーニングスターというサイトに、投資信託の名称を入力して検索をすれば、出てきます。

参考毎月分配型投信の分配金余裕月数(楽天証券ウェブサイト)

分配金余力について


しかし、こんな数字を出したところで、ほとんど意味はありません。なぜなら、分配金額などは運用会社のさじ加減で、いくらでも増やしたり減らしたりできるからです。減額すれば、いつまでも余力を引き延ばすことができますので、私は参考程度にもならないと思っています。

証券マンは「分配余力は公表されていない」などと語ったようですが、運用報告書から自力で計算できるものです。それを知らないのかもしれませんし、質問者様も、こんなものはグーグルで検索すればすぐに分かる事ですから、ご自分でチェックしましょう。


タコ足なのですか?


これについては分配金のタコ足配当の問題点をお読みください。要は、受け取っている分配金が、普通分配金なのか特別分配金(元本払戻金)なのか、という問題です。これは、証券会社から定期的に送られてくる分配金の明細資料を見れば、一発で分かります。

特別分配金(元本払戻金)が計上されていれば、それはタコ足分配です。タコ足分配なのかどうかは、購入したタイミングによっても変わってきますので(つまり人によって異なる)、営業担当に聞いても、はっきり分からないと思います。



1月2月に基準価格がガクンと下がっている


これも、質問された営業担当は困惑したと思います。なぜなら、今年に入ってからは全世界的に株価が暴落しており、それに合わせて米国リート・αクワトロの基準価額も「ガクンと落ちた」だけの事です。

何故株価が暴落したのかは、こんな事は日ごろから経済関連のニュースを見ていれば聞くまでもない事であり、米国の金利が急騰したからです。金利が上がると株価は下がる・・・投資家ならば誰でも知っていなくてはならないような常識です。

なお、営業担当は他の理由を言っていますけれども、私はそれについては、何を言っているのか全く分かりませんでした。

(3月以降も、引き続いて下げ基調にありますね。この下げは、アメリカと中国との間で「貿易戦争」が起こるのではないかという懸念と、あとは相場を引っ張ってきたハイテク株の一部が崩れたからです。)


どんな時に損切りしたらよいですか、


こういう質問は、営業担当は一番困ると思います。なぜなら、こんな事は投資家一人ひとりの問題であって、万人に共通する損切りの基準などはあり得ないからです。

しかも営業マンから見ると、損切りさせる事は自社の利益が減る事に直結しますから、仮に損切りしたほうが良いと思っても立場上はそれを言えません。そんな人に損切りを聞きに行くのは、全くナンセンスです。

損切りのルールは人それぞれで、自分があらかじめ決めてから投資をするべき問題です。それが決まっていない投資家は、当然ながら投資をしても損をするでしょうし、徹底的に相場の肥やしにされるのです。

ただ、その営業マンの「長く持つタイプの投信」なんて言う言い方も、極めていい加減ですね。本ファンドはかなりの高コスト投信ですから、長く持つほど運用成績はコストで自滅する方向に働きます。

また、投資以外のギャンブルまがいの取引を多用しており、これは運よく成功するか不運な事に失敗するのか、丁半場的な性格を多分に有します。このような投資信託が「長く持つタイプ」とは、笑止千万です。

長く持つタイプではない事は運用会社も承知であり、だからこそ信託期間もたったの5年、2020年6月17日までと定められています。



私の結論は直ちに売却(損したか得したかは不問)、そして勉強ですね


それにしても、今回の「損切りしても良いかどうか」という質問に関しては、これほど回答が明確なものは有りません。誰がどう見ても、損切りして直ちに投資を取りやめとしか思えないからです。

まず、何のために投資をしたのかがはっきりしていれば、投資の前提が崩れた場合には、理屈からしたら投資を取りやめる事以外に選択肢はありません。目的に合わない投資をする人がいたら、その人は意味不明人間になってしまいます。

今回であれば、質問者様は分配金の減額をきっかけに不安になったように見受けられますから、「分配金を大幅に減らされた=目的から外れた」となりますので、売却でしょう。

米国リート・αクワトロの評価ページにも書いた通り、分配原資そのものが当時の半分に減っていますから、投資する意味が無くなりつつある、という判断になるのではないかと思います。

また、基準価額が大きく下げた事にも、動揺しているようですね。まさか、投資したら多少は元本割れしても、ほとんど問題無く値が上がっていくものだと思われたのでしょうか? この商品は別として、どんなに良い商品でも、相場のピークで買えば、大きな下落があるのも当然の事です。

ちなみに、値上がり益だけを取る投資家であれば、高値から10%落ちたら半分売却して、更に10%落ちたら全売却とか、あるいは投資した金額に対して10%下がったら損切りして撤退するとか、損切りの(または利確)のルールは立てやすいですね。

そして、損切りというのは、損切りしないタイプの投資以外では、やって当たり前の行動です。「損切りが嫌だ」という人は、やはりそもそも投資をしても良いタイプの人ではありません。

本来、分配金を目当てにした投資は、「損切りしない投資」の1つではあります。しかし、損切りしない投資には、それに相応しい投資信託や株式の銘柄(この場合は「配当金」)があります。

そういった投資信託などは、価格がいくら変動しようとも一生涯の長期保有で、損切りも利確もしません。米国リート・αクワトロのような投資信託を選んでいたら、「損切りしない投資」以前の問題なのです。

投資の勉強


なお、今回は質問者様にきつい投げかけを多数させて頂いておりますが、これは今後、同じような失敗を繰り返さないように、どこがどう悪かったのか、明確にしたかったためでもあります。

本来的には当然、通貨選択型 米国リート・αクワトロ(毎月分配型)などという、極めて消費者無視的な酷い金融商品を製造した金融機関が責められるべきものだといえます。

質問者様がこのような複雑な投資信託を全く理解できていないと思われるにもかかわらず、平気で売りつける証券会社にも呆れるばかりです。ネット証券で売っている分には、「買うほうがどうかしている」の一言で済みますが、営業マンがセールスしている部分に関しては、証券会社の責任も相当重いと思います。

最後にもう一度書きます。いくら保有し続けたとしても、タコ足分配なのであれば今後もひたすら基準価額は下がっていくだけであり、損切りをしないでいると余計に損失が拡大します。

もちろん相場次第であり、もしも今からぶっ飛んで相場が絶好調に回復したら話は別ですが、そんな事はあまり考えにくいでしょうから、淡々と損切りしてしっかり勉強して、次回の投資に回すお金をしっかりと確保しておくことが最も大切だと思います。


 

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