楽天USリート・トリプルエンジン・プラス(レアル)毎月分配型

(2017年5月時点)

ハイリスクな為替取引、オプション取引が組み込まれた投資信託。月250円も分配されて分配金利回りが30%を超えている明らかに怪しいファンド。にも関わらず庶民の人気を集めて買いが殺到。中身は単に米国リートETFに投資する至って平凡なものなのだが、それをここまで複雑怪奇にする金融機関の強欲さには恐れ入谷の鬼子母神。

楽天USリート・トリプルエンジン・プラス(レアル)毎月分配型
中山鬼子母神立像より画像を拝借)

  • 分配金利回りは30%にも達するが、表面上は問題は無いように見える
  • 投資内容の性格上、分配金をはるかに上回る損失計上の可能性が多大
  • 現在は相場が好調なおかげで、懸念事項は全て隠されているような状態
  • 「よく分かっていない」人に限って、買ってしまうような投資信託


 


4つの収益源を意識、あるいは理解して購入・保有ができるのか?

楽天証券の販売ランキングに顔を出した楽天USリート・トリプルエンジン・プラス(レアル)毎月分配型。近年まれにみる、超複雑な投資信託です。販売資料には、下記4つの収益源があると説明されています。投資の知識が無い人であれば、すごく儲かりそうに見えてきます。


収益源1 : 米国リートETFに投資
収益源2 : 米国リートのカバード・コール戦略( オプション・プレミアム収入を狙う )
収益源3 : ブラジル・レアル戦略( 円とブラジル・レアルの金利差相当分の収益を狙う )
収益源4 : 米ドル/円のカバード・コール戦略( オプション・プレミアム収入を狙う )


楽天USリート・トリプルエンジン・プラス(レアル)毎月分配型の4つの収益源


4つの収益源を「エンジン」とネーミングするあたり、庶民にウケそうですね。下記のようなインカム性収益にばかり注目すると、今後も金融機関の美味しい「カモ」になり続けます。管理人はエンジンⅡ~Ⅳの赤枠部分の損失の可能性について、猛烈に不安になります。このあたりの説明をしましょうか。

楽天USリート・トリプルエンジン・プラス(レアル)毎月分配型のインカム収益とキャピタル損益



怪しい戦略その1:米国リート・米ドルのカバード・コール戦略

米国リートETFのコール・オプション、円に対する米ドルのコール・オプションの売却によって、オプション・プレミアム収入を狙う戦略です。簡単に言うと、リートの値上がり益を放棄する代わりに、定期収益を得る仕組みを採用しています。

問題は、損失を全て被るという点です。コツコツと利益を積み上げてドカンと損失を出し、全ての利益を吹き飛ばすかもしれない取引をしている訳で、長期的に資産が積みあがるものではないでしょう。

参考オプション取引とはどんな取引か?

カバードコール戦略の損益のイメージ



怪しい戦略その2:ブラジル・レアル戦略

円を売ってブラジル・レアルを買う為替取引によって、円とブラジル・レアルの金利差収益を狙う戦略です。ブラジル・レアルの金利水準は10%を超えており、確かに魅力的に見えます。

ただし為替損益の存在を忘れてはなりません。コツコツと金利を得ても、為替の損失で全てを吹き飛ばし、結局、日本の銀行に預けた事と変わらぬ状況になる可能性が高い取引です。これもコツコツドカンになる恐れがあるという事ですね。

参考ブラジルレアルの為替取引とは?

ブラジルレアル戦略のイメージ



更に上述の戦略を採用する事で、別の弊害が発生します。下記のファンドイメージ図をご覧ください。もしも米国リートに投資するだけなら、基準価額の変動要因が理解できます。米国の不動産市況にだけ注目すれば良い訳ですし。

しかし毛色がまったく違う金融取引を多数組み込んだことで、基準価額を見ても、何が起きているか分からない状況に陥ります。投資の基本原則は、シンプルで中身が分かるものに投資する事です。

楽天USリート・トリプルエンジン・プラス(レアル)毎月分配型のイメージ図


上記を見ても、私はサッパリ訳が分からなくなります。もしもこれを「分かる」という人がいるとしたら、多分その人は楽天USリート・トリプルエンジン・プラス(レアル)毎月分配型などに手を出さず、自分で個別にETFを買ったり、ブラジルレアルの外貨FXをやると思います。そのほうが比較にならないほどシンプルですから。



 


分配金額が多いからと言って、安心するようなものではありません

管理人であればごみ箱に「直行」の投資信託なのですが、残念ながら資産が集まり続けています。記事執筆時点で200億円の資金が集まっており、今後も増え続けそうな勢いです。何故しょうか?

下記、分配金利回りをご覧ください。実は設定来から月250円の分配金を出しており、現時点の分配金利回りは驚きの32%です。儲かる「金の卵」と勘違いした庶民が殺到している可能性が大です。

楽天USリート・トリプルエンジン・プラス(レアル)毎月分配型の分配金額と利回りの推移


分配金を出し過ぎなのではと思い、分配原資をチェックしてみました。下記、分配原資の内訳を見る限りでは、問題が無いように見えます。複雑な手法を駆使して、定期収益を底上げしているからだろうと思いますが。

楽天USリート・トリプルエンジン・プラス(レアル)毎月分配型の分配原資の内訳


そこで、もう少し詳しく精査してみます。損益の状況を見ると、確かに収益分配金が、受取配当金によってカバーできていることが分かります(青色の線の部分)。

しかしその一方で、毎月の売却損もいきなり多大に計上されたりすることもあり(赤枠の部分)、コツコツと定期収益を得る裏側で、凄まじい売買損失が発生する可能性を強く秘めているのだろうなという事が想像できます。


楽天USリート・トリプルエンジン・プラス(レアル)毎月分配型の損益の状況


さてところで、この多大な分配金が基準価額にどのような影響を及ぼしているのでしょうか? その「程度」が分かるグラフが有りましたので、載せておきます。2017年3月の、基準価額の要因分析です。

楽天USリート・トリプルエンジン・プラス(レアル)毎月分配型の基準価額の変動要因分析


多すぎる分配金の影響は、基準価額の推移を見れば一発で判断可能です。分配金を再投資した時の基準価額と、実際の基準価額の差異が非常に大きくなっているものは、どれも過剰分配過ぎる投資信託です。

楽天USリート・トリプルエンジン・プラス(レアル)毎月分配型の運用実績の推移


今は相場が好調なので、本ファンドの運用も幸運なことに成功しており、実際の基準価額が横ばいで維持しています。しかし、相場が停滞、あるいは逆回転した時は、分配額の大きな投資信託の「実際」の基準価額の下落スピードは非常に速いですから、その点はくれぐれも注意しておいてください。




楽天USリート・トリプルエンジン・プラス(レアル)のコスト

購入手数料3.24%(税込み)
信託報酬年率1.8284%(税込み)
信託財産留保額:0.3%
償還日:2026年1月16日(設定:2016年1月7日)
運用:楽天投信投資顧問

実に高いコストです。購入手数料は下記で買えば無料になりますが、猛烈に高い信託報酬はどうにもなりません。信託期間の10年間、本ファンドを保有したとしたら、コストだけで元本の18%が失われる計算になります。

10年の間には相場の低迷期も必ずあるでしょう。その時に楽天USリート・トリプルエンジン・プラスの基準価額は、それを上回る大きな下落になると思われます。高コスト&基準価額の下落という、往復ビンタを食らう可能性が強いと認識しておきましょう
楽天USリート・トリプルエンジン・プラス(レアル)毎月分配型のコスト




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