DWSロシア・ルーブル債券投信・・・超高リスク超高コスト投資信託

(2017年2月時点)

再び資金が集まり、純資産総額の増加が続くDWS ロシア・ルーブル債券投信。野村證券で売れ始めており、今後人気商品になる予感。ロシア債券に集中投資しており、机上計算では10年で資産が2倍になる利回りを提示。だが実態は8年経過しても、基準価額が買値と変わらない残念な投資信託。

DWSロシア・ルーブル債券投信(毎月分配型)

  • 運用(価格の上昇含む)利回り38%に対して、現時点の分配金利回りは8%
  • ロシアの債券に集中投資って、リスクのこと考えてないでしょ      
  • いちおう、今現在の分配金は健全な状態
  • 分配方針を変える事は日常茶飯事なので、まだ油断は出来ない

 


「日本初」のキャッチコピーに心動いた人は要注意

DWS ロシア・ルーブル債券投信(毎月分配型)の投資対象は、ロシアの国債及び準国債です。準国債とは、国が50%以上の株式を保有する企業の債券の事です。

さもお金のかかっていそうなDWS ロシア・ルーブル債券投信の販売資料に、「日本初、ロシア債券ファンド」のキャッチコピーが書かれていますが、このような「日本初」とか「世界初」の言葉に弱い人は、くれぐれも慎重に投資の判断をしてほしいなと感じます。

DWSロシア・ルーブル債券投信(毎月分配型)の販売資料


本投資信託の内容としては、「金利収入」「為替差益」「債券価格の上昇期待」の3つを収益としている、シンプルなものです。この点は、まあ別に悪い訳ではないなと思いましたが、事はそう単純ではありませんでした。この書き方は、非常に誤解を招きますね。

DWSロシア・ルーブル債券投信(毎月分配型)の収益の源泉




シンプルな投信かと思いきや、為替取引で利益を上乗せ狙い

投資先であるロシア債券の利回りは確かに高く、ロシア国債が約3%、ロシア準国際が約4%となっています。日本の債券が限りなく0%近い利回り水準である事を考慮すると、とても魅力的です。

ロシア国債とロシア準国債の利回り


さらにDWS ロシア・ルーブル債券投信は、債券ポートフォリオを構築する際に、投資期間の目安であるデュレーション毎に、投資比率(時価総額)を制限しています。簡単に言うと、回収が早い債券をより多く保有しているという事です。

DWSロシア・ルーブル債券投信(毎月分配型)のポートフォリオ構築方法


そして現時点でのポートフォリオは、下記のような構成です。34銘柄数を保有し、最終的な利回りが5.2%です。ノーリスクで利回り5%相当を実現できればとても魅力的ですが、そう単純ではなく、高い利回りには、相応のリスクがあると考えなくてはなりません。

DWSロシア・ルーブル債券投信(毎月分配型)のポートフォリオ特性値


さらに資料を見ると、国債の利益だけでなく、高金利なルーブルの為替取引によって、プレミアム収益(金利差によって得られる収益)があることも書かれています。・・・って、為替取引まで行う投資信託だったのか! シンプルな投資信託とは、とても言えない代物です。


DWSロシア・ルーブル債券投信(毎月分配型)の為替取引の内容


最終的にDWS ロシア・ルーブル債券投信が実現すると豪語する利回りは、10.6%となっています。債券の利回りだけでは飽き足らず、強引に為替取引で債券利回り以上の利回りを稼ぐという、最近ありがちな強欲な収益設計になっています。

DWSロシア・ルーブル債券投信(毎月分配型)の予想利回り


本来ならばとてつもない水準です、利回り10%という事は。7年保有すると資産が2倍になるという意味なので、本当にそうなった過去が有るのか、要チェックですね。



 


為替で生じる損失(為替損益)を忘れてはならない

DWS ロシア・ルーブル債券投信は、「豊富なエネルギー資源を武器に、国力向上を背景としたルーブル高期待」をしているとの事。もしもルーブル高になると、為替の利益が出て儲かります。

もちろん金融機関は、それらしい資料を作るのが大得意です。天然ガスの埋蔵量シェアや石油生産量が世界トップクラスである事、ロシアの個人商品である小売売上高が名目賃金の上昇と共に増加を続けている事を背景に、ルーブル高になると言っている訳です。

ロシアの魅力


しかしルーブル推移の現実は、下記チャートのようになっておりま、ルーブル安が続いている状況です。本ファンドは2008年に設立されていますが、ルーブル安は止まっていません。

ルーブルの為替変動の推移


利回り10%、7年で資産が2倍になると青写真を描いた人が多いかもしれませんが、仮に分配金を再投資した場合、8年経過して、買値にやっと戻った状態なんですね。まったく想定通りになっていません。8年間、信託報酬などの多額のコストを金融機関に支払っただけです。

DWSロシア・ルーブル債券投信(毎月分配型)の基準価額の推移


しかし、こんな投資信託が突如として売れて純資産がぶっ飛んで増加しているのですから、個人投資家が買っているのだろうとは思いますが、いったい何考えて買っているのかさっぱり意味不明です。というか、もしかしたら何も考えてないのでしょうか??




現時点で、分配金の出し方は健全な状況

さて、この手の商品で気になるのが、分配金そのものです。現状、月35円の分配が続いており、個人投資家の受け取る分配金利回りは、約7%前後を推移しています。

DWSロシア・ルーブル債券投信(毎月分配型)の分配金


分配原資の内訳をしらべてみると、確かに当期分配金で補えることが出来ている模様です。今は特に問題のある状況ではありませんが、今後、金融機関が本気で資金を集めたくなった場合、猛烈な過剰分配方針に切り替える可能性もあります。定期的に、分配金の状況をチェックすることをオススメします。

DWSロシア・ルーブル債券投信(毎月分配型)の分配原資の内訳




債券投資でこのような超高リスクは、本来取ってはならない

そもそも管理人から見ると、ロシアの債券に集中投資するのはリスクが高すぎると思います。1国のリスクを全て引き受けるよりも、全世界の債券に広く分散投資をしたほうが、リスクが下がるけども、パフォーマンスが上がると思います。

たとえば先進国全体に分散投資ができるインデックス運用型のSMTグローバル債券インデックスオープンあたりと比べると、DWS ロシア・ルーブル債券投信の猛烈に高いリスクがよく分かります。

債券投資と言うのはそもそも、あなたの資産全体の値動きをマイルドにする役目を担います。それがロシアの様に不安定な一国に集中投資するため、下の比較チャートを見て頂くと分かる通り、リーマンショックでもあるまいし、1年に価格が4割も大暴落しています。

こんな商品に数十万~数百万も投資した日には、安眠が妨害される事必定です。集中投資とは勝算が有って初めて行うものであり、先の行方の知れないものに対して集中投資をするのは、投資における低能者の証と言えます。

DWSロシア・ルーブル債券投信(毎月分配型)と先進国債券インデックスファンドとのリターン比較


大暴落したところで底値で拾う勇気や能力のある人ならば、利用価値はあるかもしれません。がそのような有能な人が、このようなボッタクリに近いコストの投資信託を使うとは、とても思えません。となるとDWS ロシア・ルーブル債券投信は、投資の低能者御用達なのかもしれません。




DWS ロシア・ルーブル債券投信(毎月分配型)の高コストさ

購入手数料上限3.78%(税込み)
信託報酬年率1.5988%(税込み)
信託財産留保額:なし
償還日:平成40年4月25日(設定日:平成20年5月29日)
運用:ドイチェ・アセット・マネジメント株式会社


そしてさらに大問題なのが、コストです。初年度に投資資金の5%が、投資をしていないのにコストとして消失するのは、お金をどぶに捨てるような行為です。

また、運用が終了するまでに20年の期間が有りますが、20年間で信託報酬として、元本の30%に相当する金額を金融機関に支払う羽目になります。こういう数字を見ると、「分かっていない人専用の投資信託」という性格が強いなと感じます。

ちなみに先に挙げたSMTインデックスファンドならば、20年保有の総コストは10%程度です。今ならば20年持って4%にも満たない超低コストファンドが有る中、本投資信託のコスト水準は異様に高すぎると判断できるでしょう。



DWS ロシア・ルーブル債券投信(毎月分配型)の購入先

DWS ロシア・ルーブル債券投信(毎月分配型)をどうしても買いたいのであれば、以下の金融機関から購入できます。とてもおススメできる代物ではありませんが、金融機関を喜ばせたい人は、どうぞ買ってみて下さい。

手数料3.78%:、野村証券SMBC日興証券



 


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