腐った債券を良質な債券に仕立て上げる方法

腐ったみかんが入っていても、オレンジジュースの味は結構変わらないもんだよ。。。

皆さん、みかんって好きですか? 管理人は、寒い冬にコタツで温まりながら食べるミカンが最高に旨いと思っています。

実はみかんって、管理が大変なのですね。みかん箱の中に1個でも腐っているミカンがあると、周囲のみかんもどんどん腐っていくのですよ~。だから良質でないものが1個でもあると、全体に与えるダメージってデカいのです。

 全体が腐る


では金融の世界では?と言うと、これまた不思議な世界なのですよね。金融工学という頭が良い人達が切り開いた領域の知見を利用する(つまり證券化する)と、、、

なぜか腐った債券が大量にあっても、良質な債券と混ぜ合わせると全体としては食べられる債券になるという、奇跡が発生します。


 

具体的な奇跡を見て、驚いた件

では実在する某投資信託を参考に、具体的な例を実際に見てみましょう。下記のように投資適格債券(BBB格以上の信用度の高い債券)と、クズ債券であるハイ・イールド債券=投機的格付債券(デフォルトしているような債券の集まり)に、50%ずつ投資をすると何が起きるのでしょうか?

債券の抱き合わせ販売の実例


ハイ・イールド債券って何?って人は、下記コラムでも読んで真剣に勉強して下さいね。

参考コラム:
 ⇒ハイイールド債券に魅力なんてあるのか?
 ⇒誰も教えてくれない、ハイ・イールド債券の本当の見通し


そもそも正式には「投機的格付債券」という名称を、「高利回り債券」と表現する時点から怪しい香りが満載です。下記をみると信用度の低い投機的格付債券である、ハイ・イールド債券が大量に存在しますよね。

高利回り債券だと?


で、AAA格付という、非常に信用度の高い債券も多数組み込まれています。おそらく、このあたりがマジックの肝でしょうね。




そんでもって、このような組み合わせでガラガラポンすると、下記のように、全体的な格付が投資格付、つまりBBB格債券に早変わりします

債券の格付け分布


投資不適格な債券が50%も存在するのに、投資家から見た全体の債券の格付は投資適格になるって、ある意味詐欺的じゃないですかね? ・・・というか、この考え方ってまさに悪名高きサブプライムローンと一緒だと思います。



そういえばサブプライムローンってどんな仕組みだったけ?

サブプラムローン問題に関する、非常に面白い書籍(良質)をご紹介します。かなり分厚く、読むのを躊躇してしまうような書籍ですが、あやしい債券投資の恐ろしさを感じるためには良いと思います。

というかハイ・イールド債券のようなものに手を出す人は、必読ものです。


世紀の空売り―世界経済の破綻に賭けた男たち (文春文庫)


この中の文章の一部を抜粋(注意:非常に分かりづらい)

--------------------------------------------------------------------------------------------- 100の異なるサブプライム・モーゲージの塔から、それぞれ1階ぶんを計100(100の異なるトリプルB債券)寄せ集めたうえで、見た目はともかく、二枚としてまったく同じものはない、と格付け機関を説得したのだ。でたらめもいいところだった。元の100基の塔は、同じ氾濫原に建っているのだから、ひとたび洪水が起これば、すべての塔の1階が等しく被害を受ける。所が、格付けのたび毎にゴールドマンサックスを始めとするウォール街の投資銀行からたっぷりと手数料を受け取る格付け機関は、なんと、新しい塔の80%をトリプルAと認定したのだ。 ----------------------------------------------------------------------------------------------

上記を要約すると、独立する多数のBBB格債券(投資適格の最下位)を100個集めたら、AAA格債券(投資適格の最上位)に認定されたと説明している訳ですね。

これって、先ほどの投機的格付債券(ハイ・イールド債券)50%と投資適格債券50%を組み合わせると、投資適格債券になるという論理と同じですよね~。証券化って、ホント怖い。

なお書籍の中では、他にも非常に興味深い発言がなされています。その一部を抜粋しましょう。これまで、当サイトで指摘して来た事と同じような事を言っていますよ。


・消費者金融と呼ばれる業界そのものが、要は客から金をだまし取るために存在している。
・ウォール街で働く非常に多くの人間が、自分の仕事の内容をまったく理解していないという共通認識を持つに至った。
・バブルのインフレ期には、誰もが認識できる明らかな指標が存在する。熱狂状態の特徴のひとつは、詐欺の発生率と複雑性が急激に増す事
・債券市場の用語は、意味を正確に伝えるより、むしろ部外者を惑わせるように出来ている。


 信用できない


ありていに言うと、金融業界出身者を基本的に信用するなって事です。そもそも変なな商品を笑顔で売る人たちですからね。自分の身は、自分の身で守るしか無いって事です。

それにしても、人間の欲望って無尽蔵です。あれだけ世界を破滅的な状況に陥れた証券化の仕組みが、今でも普通に残っているという事ですから。



詐欺みたいな債券が「賞」を受賞しているという驚き

さて、ここまで本ページをご覧頂きましてようやく、「奇跡」が起きた債券ファンドを公開いたしましょう。実は下記の投資信託です。

ピムコ ハイ・インカム毎月分配型ファンド


管理人的にもう一つ驚きの事実があります。上記の詐欺みたいな投資信託なのですが、債券カテゴリーとしては優秀であるという事で、賞を受賞しているのですね





モーニングスターのFund of the Decade2013債券型部門で受賞しています。現時点までの運用成績は良いですからね。

そりゃそうですよ。リスクも利回りも超高いクズ債券が組み込まれているので、有事が発生するまでは何の問題も無いかのごとく回ってしまいますから

下記のコラムでも解説していますが、運用成績よりも中身がどうなっているかを、しっかりと理解できるものを選ぶべきですね。

⇒コラム:モーニングスターだけの評価で投資信託を買ってはならない


何か大きな経済的な問題が発生して価格が急落した場合、基本的にはプロですら固まって何も出来ずに、ただ下がっている株価を見ているだけになりますから。初心者の投資家なら、尋常ではない打撃を受けて凍死家への道を突き進む事になると思います


 




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