サテライト投資戦略ファンド(愛称:サテラップ)・全く意味がないと思う

(2017年10月時点)

サテライト的な運用を目指して設計された投資信託。投資初心者の心をくすぐる言葉が満載の販売資料に、金融機関側のカモを狙い打ちにした腹黒さを感じる。販売現場の「努力」により設立数か月で400億円を突破、その後ファンドから金が抜け続け、現在は250億円まで減少している。この数字は、現場でカモ相手の回転売買がなされている事を暗に物語っている。

サテライト投資戦略ファンド(愛称:サテラップ)


  • 洗練された投資家は、投資の「サテライト」にこんな複雑怪奇なものは使わない
  • この絶好調の相場環境の中、組み入れたヘッジファンドはことごとく元本割れの惨状
  • 投資家は、ヘッジファンドの運用の成否を、どうやって判断すべきなのか不明
  • 手数料や信託報酬もべらぼうに高く、金融機関だけが喜ぶ投資信託の代表例


 


普通に考えよう「こんなうま過ぎる話しなど無い」と、・・・それが金融の常識


投資家に理解できるような運用目標が何一つあらず


サテライト投資戦略ファンド株式型(愛称:サテラップ)は、以下の図の通り、「株式でお金を増やしたい!でも下落して元本割れが怖い~~~!!」と言うような無謀な要求を出す人に対して、金融機関側がほとんど強引に製造したとしか思えないような、しょうもない投資信託です。

下記の図のような資産配分比率になっていて、ヘッジファンドなるものを35%前後の割合で多数保有して、市況に合わせてこれらの比率を変動させ、下落を抑えながら上昇を取るという、そんな都合の良い事ができたらノーベル経済学賞が取れるんじゃないかと思うようなファンドになっています。

サテライト投資戦略ファンド(愛称:サテラップ)の特徴


とうぜん、アクティブ運用の投資信託となりまが、運用目標は具体的に何も無く、更には市場環境に応じて資産配分を調整するようですが、資産配分の目標の記載もありません。せめてリスクの目標でもあれば、判断ができるのですが、それも無し。

だとすると、上昇相場でも下落相場でも、金融機関がこの投資信託で適切なリターンを上げているのかどうか、誰も全く判定が不可能であり、これは大いに問題があると思います。

参考ベンチマークや参考指数が無い投資信託はロクデモナイぞ


投資のサテライト部分に複雑なバランス型ファンドを持ってくる事の意味不明さ


本ファンドは、サテライト投資戦略ファンド株式型(愛称:サテラップ)なるネーミングです。投資は先進国株、日本株、新興国株、リート、債券などのコアな資産(メジャーな資産で主要資産)で増やしたり守ったりするのが基本です。

それに対して、ポートフォリオ全体のリターンを上昇させる目的で、中小型株式、ハイイールド債券、MLPなどなどのサテライト資産を、全資産の中の数%程度保有する事があります。

今回のサテライト投資戦略ファンド株式型(愛称:サテラップ)は、そのサテライト部分をゴッソリとこの投資信託で代替えしようというものです。

コアサテライト戦略のサテライト投資戦略ファンド(愛称:サテラップ)


それにしても、コア運用はバランスファンドで行って、サテライト資産も本ファンドのようなバランスファンドでやるというのは、非常に違和感があります。

そもそもバランス型の投資信託を保有するには、ご自身の理想に沿ったアセットアロケーションが必要です。サテライト資産も、アセットアロケーションに沿って、配置しなくてはなりません。

その基本を逸脱して、サテライト部分に実力不明なヘッジファンドを多数配置したり、都度都度先進国株などの比率を変える訳ですから、リスクとリターンの関係が、全く読めなくなります。

こんなものは出来の良い投資家ならばほとんど確実に避けるでしょうし、初心者ならなおさら「何が何だか分からない」ような投資信託は避けなくてはなりません。

となると、これはいったい、世の中の誰が、使うに値する投資信託なのでしょうか? 厳密に考えると、これほど意味不明な投資信託も、珍しいのではないかと思います。

上記の図の中の右側のグラフを、再度ご覧ください。株式運用と書かれているところは、ハイリスクハイリターンを意味します。それに対して「コア運用」なるものは、ローリスクローリターンに見えます。

そして「サテラップ株式型」はミドルリスクミドルリターンになって「丁度良い塩梅」に見えるかもしれませんが、こんなものは実にいい加減な説明なのです。

本来ローリスクローリターンは、日本の債券やヘッジ付き外国債券です。そしてそれに、ハイリスクハイリターンの株式運用をミックスすると、ミドルリスクミドルリターンが実現します。

それはごく普通の人にでもできる事であり、わざわざ目がくらむようなコストを支払って、中身が全く見渡せないようなサテライト投資戦略ファンド株式型(愛称:サテラップ)などを、使う必要もないのです。



組み入れられたヘッジファンドが、どうしようもない成績のもの多数


ヘッジファンドというと、何かとてつもないリターンをもたらしてくれるような、そんなバラ色の成果を期待しているのではありませんか? 結論から言うと、それは夢物語です。

確かに世の中には、資産100億円単位の超絶富裕層向けのヘッジファンドが存在しており、もしかしたら圧倒的なリターンを上げたり、あるいは極めて強固な資産防衛の術を持っているかもしれません。

が、しかし、大したお金も無いようなあなた(1億円単位のお金を持っている人も含めて)に向けて作られた、特別なヘッジファンドなど、ありはしないのです。

ヘッジファンドの役割


販売する側が用意した資料を見ると、上昇局面だけでなく、下落局面でも利益を取れる風に見えます。まるで、収益が2倍になるかのように見える事でしょう。

しかし、こんな事が出来るトレーダーがいたら、あなたなんかを相手にせず、自分で稼いでいるに違いありません。もしもあなたを相手にするのならば、そのトレーダーに対して、信じられないような金額の成功報酬で報いなくてはなりません。そんな事が出来ない人に、かような「凄い」ヘッジファンドなどありません。


ダメさ加減が際立つ、ヘッジファンドのこの体たらく


具体的に見ていきます。サテライト投資戦略ファンド(株式型)は、全資産の35%を8つのヘッジファンドに投資しています。これはかなり大きな金額で、ヘッジファンドの運用成績が、全体に対してかなりダイレクトに効いてくる事を意味します。

問題は、これらヘッジファンドの運用成績です。ヘッジファンドは絶対収益を追求する事が命題ですので、設立以降、右肩上がりで資産が増えなければなりません。

しかし8つのヘッジファンド中、6ファンドの運用成績が設立時よりも悪いです。マイナス10%を超える残念なパフォーマンスのヘッジファンドが2つもあります。収益の安定化に貢献するどころか、パフォーマンスの悪化に貢献しています。

サテライト投資戦略ファンド(愛称:サテラップ)のヘッジファンドの運用成績


上記の図は、サテライト投資戦略ファンド(愛称:サテラップ)の月報から貼り付けたものです。月報には、「ヘッジファンドではない部分の資産」の運用リターンも乗っていますから、比べて見て頂きたいです。軒並みヘッジファンドよりも高いリターンを出しているのが分かると思います。

上げ相場で利益を出せていないヘッジファンドなど、全く投資価値などありません。その部分に「ファンド全体の値動きを安定させる役割を持たせているんだ」などと金融機関が反論してきたら、「だったら債券を割り当てれば良いだけだ」となりますので、実に無意味な投資信託になるのです。

コア・サテライト運用は、投資の基本中の基本の「お話し」になる訳で、そんなところでこのような「カモ投資家」向けのボッタクリ投資信託に騙されているようでは、あなたの今後の投資人生は、ヘッジファンドのように低空飛行でさまよう事となるでしょう。



サテライト投資戦略ファンド(愛称:サテラップ)の概要


購入手数料上限3.0%(税抜き)
信託報酬年率1.8013%~1.48%(税抜き)
信託財産留保額:なし
償還日:平成38年2月17日(設定日は平成27年6月16日)
運用:三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社

三井住友信託銀行で購入する事の出来る投資信託で、手数料は2.5%になります。高すぎます。また、信託報酬が、組み入れファンドの状況によって変動します。ただし、恐らく上限近い1.8%程度を取られる事になると思います(運用報告書が発行されないと、詳細は不明)。

それにしてもですよ、運用期間の10年間のコストを考えてみてください。仮に300万円をこのファンドに投資した場合、10年で20%ものコストを、金融機関はあなたから抜き取れます。実に300万のうち60万円もの多額のお金を、安全確実に抜き取れるのですから、金融機関の笑いが止まりません

この「抜き取り行為」で目減りした分も含めて、サテライト投資戦略ファンドはリターンを上げなくてはならないという猛烈なハンディキャップを負っている訳ですから、個人投資家はそもそも「無理ゲー」な戦いに参戦させられているに等しい事になります。



サテライト投資戦略ファンド(愛称:サテラップ)の購入先


それでもサテライト投資戦略ファンド(愛称:サテラップ)を買いたい頭のおかしい人は、三井住友信託銀行に行けば、2.5%の手数料で大喜びで売ってくれます。


 


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