シュローダー年金運用ファンド日本債券(愛称:年金運用日本債券)の評価

(2018年5月16日時点)

設定来16年の長期の運用実績がある投資信託で、ベンチマークを上回る運用成果を出せているが、実際には個別企業のリスクを負った社債への投資比率を上げているだけだ。本来、安全資産である日本債券クラスでリスクを高めてでもリターンを取りに行く戦略は、果たしてどうなのかなと思う。リスク資産への投資は株式クラスに役割を担ってもらうのが筋だとは思う。

シュローダー年金運用ファンド日本債券(愛称:年金運用日本債券)


  • 運用目標のベンチマークにには勝っている状態
  • 実態はリスクのある社債に投資することでリターンを底上げしている
  • 国内債券は安全資産だという気持ちなのであれば、社債は不要


 


長期的にリターンが良好なアクティブ運用の投資信託


一見するとインデックスファンド以上のリターンなので優秀だと見えるが


シュローダー年金運用ファンド日本株式(愛称:年金運用日本株式)はダメな投資信託でしたが、その姉妹ファンドで、日本債券に投資するシュローダー年金運用ファンド日本債券はどうでしょうか。このアクティブ型の投資信託は一般口座ではなくて、確定拠出年金専用ファンドとして買い付けができます。

確定拠出年金で運用するからには、10年、20年の超長期での運用を想定することになります。基本的には、コストを極限まで下げたインデックスファンドの方が、運用成績の面で有利です。

したがって、シュローダー年金運用ファンド日本債券のベンチマークであるNOMURA-BPI総合インデックスとリターンを比較して、アクティブ運用として納得できる成績となっているのかを確認すべきです。

ただし非常にけしからぬ事に、運用報告書を見ても直近5年間のデータしか掲載されておらず、設定来でベンチマークを上回っているのかどうか、いまいちわかりにくい事になっています。

シュローダー年金運用ファンド日本債券(愛称:年金運用日本債券)の最近5年間の運用成績


そこで念のために、SMT国内債券インデックス・オープンともパフォーマンスを比較してみます。本ファンド同様に、NOMURA-BPI総合をベンチマークとする日本債券インデックスファンドです。

シュローダー年金運用ファンド日本債券(愛称:年金運用日本債券)とインデックスファンドとのリターン比較


こうしてみると、顕著にインデックスファンドのリターンを超過した収益を上げていて、10年の長期でも全く問題は有りませんので、これだけ見ると「買っても良いアクティファンド」という事ができます。



実際には社債に手を出す事でリターンを上げている


それにしても、国債で運用しているだけでは、上記のグラフのように、いきなり運用成績に差が出るような事はほとんど考えられません。そこで、運用報告書で、投資先の内容を確認してみます。

すると以下のように、国債だけではなく、およそ2割もの比率で、債券としてはリスクの高い個別企業の社債に投資している事が分かります。

シュローダー年金運用ファンド日本債券(愛称:年金運用日本債券)のポートフォリオ


例えば以下のような社債銘柄の企業が倒産でもしたら、投資先の債券の価値は一気に紙くずレベルに落ちる訳で、このような高いリスクと引き換えに、本ファンドのリターンがインデックスファンド以上に出ていると分析する事ができます。

シュローダー年金運用ファンド日本債券(愛称:年金運用日本債券)が投資する社債銘柄


以上のようなリスクを排除したいならば、無難にインデックスファンドでの運用が安心かもしれません。そもそも日本債券に投資する意味は、金融危機などの相場の急変タイミングにおいて、あくまでも安全資産である事にこそ価値がある訳です。

そのような意味、価値を少なくしてまで債券をアクティブに運用する意義は、特に無いと感じています。その他、運用方針の変更や運用メンバーの変更など、様々な要因で今後パフォーマンスが劣化する可能性はぬぐい切れません。

なお、投資家の中には日本債券クラスにしか投資をしないという人もいらっしゃると思います。そのような人ならば、多少のリスクを取ってでもアクティブ運用の投資信託については超過リターンを上げて欲しいという要望はあるかもしれません。



運用方針がいまいち理解できないという点も不安


他に、シュローダー年金運用ファンド日本債券(年金運用日本債券)の目論見書を読んでいて、気になった点を書きます。以下のような金利戦略とクレジット戦略を駆使して、ベンチマークよりパフォーマンスが超過することに挑戦していますが、これだけで意味が分かるという投資家など、いないと思います。

シュローダー年金運用ファンド日本債券(愛称:年金運用日本債券)の運用プロセス


先ほど記した社債の銘柄選定プロセスや運用方針など、一体どのようになっているのかさっぱり分かりません。中身をよく理解できませんから、不安を感じますね。 なんだかカッコよさげに記述していても、内容が分からないと全く意味が無いと思います。



シュローダー年金運用ファンド日本債券(年金運用日本債券)の概要やコスト情報


購入手数料:なし(ただし確定拠出年金口座の管理運営コストは別途かかります)
信託報酬年率0.64%(税抜き)
信託財産留保額:なし
決算:年1回(4月25日)
償還日:無期限(平成13年11月1日設定)
運用:シュローダー・インベストメント・マネジメント株式会社


 



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