リスク抑制世界8資産バランスファンド(愛称:しあわせの一歩)の評価

(2018年2月時点)

国内外の8資産に投資しつつも市況に合わせて資産配分比率を機動的に変化させ、年率リスクを2%に抑える運用を志向する投資信託。一言で言うと、従来はリスクが怖すぎて投資ができなかったような人を、上手い具合に引っ張り込むことに成功した投資信託と言える。ゆうちょ銀行や地方銀行で販売し、純資産総額が1年で600億円を超える盛況ぶり。

リスク抑制世界8資産バランスファンド(愛称:しあわせの一歩)の評価


  • リスクとリターンを一定の数値に収める運用が出来ていて安心と言える
  • シンプルな運用ではないのにもかかわらず、コストは高すぎない
  • 隔月の分配金の出し方もタコ足ではなく、問題は見られない
  • コスト的にも許容範囲内と言えるので、良心的な投資信託だと考える


 


定期預金より有利な運用をしたいが、損をしたくない人向けの投資信託


ゆうちょ銀行や地方銀行などで販売されるリスク抑制世界8資産バランスファンド(愛称:しあわせの一歩)は、販売開始から順調に資金を集めて続け、純資産総額が611億円に到達しました。購入者は恐らく高齢者がとても多いと思われます。購入した個人投資家が本当に「しあわせ」なのか、中身を精査してみます。

リスク抑制世界8資産バランスファンド(愛称:しあわせの一歩)は、国内外の公社債、株式、不動産(REIT)の8資産に分散投資することで中長期で資産の成長を目指す投資信託です。

リスク抑制世界8資産バランスファンド(愛称:しあわせの一歩)の運用形式


図を見ると、マザーファンド名がパッシブファンドですので、てっきりインデックス運用だと思いましたが、実はこの投資信託はアクティブ運用を行っています。

少しでもお金を増やしたいけどリスクは取りたくない」と、実に都合の良い事を考える自分勝手な個人投資家のために、リスク抑制世界8資産バランスファンドでは、市場が下落する局面でも基準価額の変動リスク、つまり価格の振れ幅を、年率2%程度に抑えることを目標にしています。

リスク抑制世界8資産バランスファンド(愛称:しあわせの一歩)の運用目標


ただし、金融の世界ではリスクを押さえながらリターンだけを一方的に取る事は、よほどの事が無い限り、そんな事はできません。つまりこの投資信託のやろうとしている事は、リスクを2%に抑えると同時に、リターンもせいぜい2%止まりになるという意味になります。

2%という事になると、明らかに低リスク低リターンとなりますので、投資信託を買って大儲けしようという人には不向きです。極力元本割れリスクを低くしながら、定期預金よりも一定程度「マシ」な運用成果を求める人のための、とにかく安定重視の投資信託です。

ただし、元本割れはときおりは発生しますので、その点は流石に覚悟しておくように。元本割れがゼロの投資などは、この世には全く存在しません。



基準価額の変動を年率2%に抑える運用について、もう少々詳しく


この投資信託の運用方針は、市場環境の変化を瞬時に捉えて、安定資産の比率を機動的に変えてゆく事がポイントになります。しかし、そんな事が分かるのならば、むしろ資産をドンドンと増やす事が十分に出来てしまうと思うのですが・・・。




ちなみに、月単位で投資対象資産の基本的な配分の比率や、通貨の配分比率を変更します。各資産の投資比率が0~100%のようですから、現金100%もありえます。

また、以下のように、リスクを抑えるために、金利のリスク、為替のリスク・世界の経済成長のリスクが均等になるように、全体の資産配分を調整するとのことです。

リスク抑制世界8資産バランスファンド(愛称:しあわせの一歩)の基本配分戦略


これらの取り組みを実施することで、投資信託の設定以来、以下のような資産配分や通貨配分の推移となっています。傾向としては、やはり超安定志向のポートフォリオとなっています。

リスク抑制世界8資産バランスファンド(愛称:しあわせの一歩)の資産配分の変化



低コストのバランス型インデックスファンド代替えできるか検討


さて、上記のような複雑というのか面倒と表現してよいのか、そのような運用方針を採るリスク抑制世界8資産バランスファンドですが、運用が上手くいっているのか、あるいは投資するに値するのか、実はベンチマークや参考指数が無く、投資家にとって判断しにくいのが困ったところです。

ただし、年率リスクを2%に抑える数値目標があるので、この点は似たような運用(資産配分比率の変更)を行う他のボッタクリレベルの投資信託に比べると、良心的と言えますね。月次レポートを見ると、年率リターンは1.8%であり、目標の2%以内を達成しており、この点で問題は無さそうです。

リスク抑制世界8資産バランスファンド(愛称:しあわせの一歩)のリスクとリターン


ただし、繰り返しますが、リターンを犠牲にしてまでリスクをこの数値に抑えるという事であれば、債券を中心に据えた投資信託を買えば、一般的には十分です。わざわざコストの少々高い、リスク抑制世界8資産バランスファンド(愛称:しあわせの一歩)などを買わなくても良いかもしれません。

リスク抑制世界8資産バランスファンドの最新ポートフォリオを見ると、債券・現金が約7割、残りは株式・リートのリスク性資産となります。

リスク抑制世界8資産バランスファンド(愛称:しあわせの一歩)の現状の資産配分


であれば、下記のように、投資する対象はかなり減りますが、債券を重視した2つのインデックス投資信託で十分に代用が可能かもしれません。

資産クラス リスク抑制世界8資産バランスファンド 三井住友・DC年金バランス30(債券重点型)(マイパッケージ) 三井住友・DC年金バランスゼロ(債券型)(愛称:マイパッケージZERO)
日本債券 11% 55% 75%
先進国債券(為替ヘッジあり) 55% 0% 0%
先進国債券(為替ヘッジなし) 0% 10% 20%
新興国債券 7% 0% 0%
日本株式 7% 20% 0%
先進国株式 4% 10% 0%
新興国債券 3% 0% 0%
日本リート 3% 0% 0%
先進国リート 6% 0% 0%
現金など 5% 5% 5%


上の3つの投資信託のリターンを比較すると、以下の通りとなります。安定運用でドキドキしないという事を最大限に重視するならば、三井住友・DC年金バランスゼロ(債券型)(愛称:マイパッケージZERO)を買っておおいても良さそうです。

リスク抑制世界8資産バランスファンド(愛称:しあわせの一歩)とマイパッケージとのリターン比較


リスク、すなわち標準偏差の数値と、リターンの数値で判断すると、以下のようになります。こう見ると、ドンピシャでリスク抑制世界8資産バランスファンドの代替えを選ぶのは、少々難しいなと言う感じもしてきます。

マイパッケージは想定よりもリスクが高すぎますし、マイパッケージZEROでは少しばかりリターンが物足りないと感じるかもしれません。

※リターンは年率換算です
項目 リスク抑制世界8資産バランスファンド 三井住友・DC年金バランス30(債券重点型)(マイパッケージ) 三井住友・DC年金バランスゼロ(債券型)(愛称:マイパッケージZERO)
リターン(1年) 2.15% 6.96% 1.19%
リターン(3年) (運用無し) 3.74% 0.60%
リターン(5年) (運用無し) 6.43% (運用無し)
リターン(10年) (運用無し) 3.49% (運用無し)
標準偏差(1年) 1.78% 1.50% 1.11%
標準偏差(3年) (運用無し) 4.56% 1.49%
標準偏差(5年) (運用無し) 4.62% (運用無し)
標準偏差(10年) (運用無し) 6.10% (運用無し)


投資信託を個別に何本かバラで購入して、リスクとリターンを調整しようとしても、なかなかそれぞれが2%程度に収まるような運用を行う事は出来ません。したがって上記の分析結果を見ると、「この投資信託は上手い事やってるな」と感じたのが正直なところです。

とにかくひたすら安定的な運用を期待する人は、販売手数料が1%取られるのは非常に悔しいところではありますが、信託報酬もギリギリ許せる0.69%ですし、まあ買っても良い投資信託と言って良いかもしれません。



実は、かなり良心的な分配金目的の投資信託でもあります


リスク抑制世界8資産バランスファンド(愛称:しあわせの一歩)は、隔月分配型の投資信託です。という事は、毎月分配型投資信託とほとんど似たようなものであり、値上がり益よりもむしろ、分配金を得たい人向けの投資信託と言って良いでしょう。

毎月分配型投資信託は従来より、当サイトでも何度も問題視しているように、支払われる分配金が投資先資産の配当金などでカバーされておらず、多大なタコ足分配をしているという点が超絶にダメダメでした。

しかしながら、リスク抑制世界8資産バランスファンドの運用報告書をチェックすると、毎期、きちんと配当の範囲内で分配が行われている事が確認できます。これは至って普通の事なのでありますが、他の投資信託があまりにも酷いので、実に良心的な事のように見えてしまうから不思議です・笑。




年金が支払われる偶数月に対して、投資信託では奇数月に分配金が出ますから、少額にはなると思いますが、年金生活をカバーする一定の役割を果たす事になると思います。

今後当サイトでは、分配金の出し方が過剰になっていないかどうか継続的にチェックしたいと思います。この点を2,3年程度確認したのちに、問題がないと判断できたならば、投資の初心者層やリタイア世代などにとって、利用価値のある投資信託だと認める事になりますね。



リスク抑制世界8資産バランスファンド(愛称:しあわせの一歩)の概要


購入手数料上限1.0%(税抜き)
信託報酬年率0.69%(税抜き)
信託財産留保額:なし

分配金の取扱:年6回決算(1・3・5・7・9・11月の各11日)
償還日:2027年7月12日(設定・2016年10月24日)
運用:アセットマネジメントOne株式会社



リスク抑制世界8資産バランスファンド(愛称:しあわせの一歩)の購入先


リスク抑制世界8資産バランスファンド(愛称:しあわせの一歩)を買いたい場合は、ゆうちょ銀行で購入手数料1%で買い付ける事ができます。ネット証券でも売ってくれないかな・・・。お勧めするんだけど。

ゆうちょ銀行以外では、足利銀行、常陽銀行、北陸銀行、北洋銀行、横浜銀行などでも購入できます。


 


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