しんきん世界アロケーションファンド(愛称:しんきんラップ)これもダメだ

(2017年10月時点)

信用金庫の窓口で買う投資家をターゲットにした、いかにも常時運用成績が良さそうな錯覚に囚われる投資信託。高コストなのに運用成績は大しことがなく、しかも安定型と積極型の2種類も用意しているが、投資価値は無いと断言できる。しんきんラップなる名称も、誠にふざけているとしか思えない。

しんきん世界アロケーションファンド(愛称:しんきんラップ)


  • 世界の株、債券、不動産に分散投資するのは長期分散投資の王道でコンセプトは良し
  • だた、市場環境に応じて機動的に資産配分を調整する機能がとても無駄で残念すぎる
  • その辺のバランス型インデックスファンドを適当に選ぶ方が相当マシ
  • 「信用金庫の職員さんたちを俺が食わせている」という人は是非買ってあげよう


 


安定型と積極型、2つのタイプが用意されている


しんきん世界アロケーションファンドは、安定型と積極型の2種類がラインナップが提供されています。それぞれ、下記の各マザーファンドに投資されており、各マザーファンドへの配分比率が違うだけです。

・しんきん世界アロケーションファンド(安定型)『愛称:しんきんラップ(安定型)』
・しんきん世界アロケーションファンド(積極型)『愛称:しんきんラップ(積極型)』


しんきん世界アロケーションファンド(愛称:しんきんラップ)のマザーファンド


なお、安定型が2013年10月に販売開始となっているのに対して、積極型は2016年2月に運用が始まっています。下のチャートを見ると、先行販売された安定型の純資産総額が急上昇するくらいのタイミングで、積極型がリリースされています。

しんきん世界アロケーションファンド(愛称:しんきんラップ)の安定型と積極型の基準価額と純資産総額の推移


安定型が売れ出したので急きょ積極型も投入して販売強化を図ったのか、あるいは積極型の投入と共に販売攻勢をかけたのか、どちらなのでしょうか。・・・どっちも買うほうからしたら複雑だな。。。



いい加減にうんざりな、「資産配分比率を機動的に変更」する投資信託


しんきん世界アロケーションファンドは、日本を含む世界各国の株式、債券、REITに投資します。投資セクターは、以下の7つで、資産運用で基本中の基本の資産に国際分散投資をしますので、その点は良いです。

しんきん世界アロケーションファンド(愛称:しんきんラップ)の投資先の資産


それぞれの資産で、それぞれ異なるリスク(値動きの振れ幅)があります。例えば国内債券の値動きは小さいですが、株式の値動きはとても大きいです。これらの異なる資産に分散して資金を投じれば、リスクを減らしつつ(基準価額の変動を抑えつつ)、リターン(収益)の最大化を狙えます。

長期投資では、この分散投資が基本です。この基本に沿って運用されるのであれば、しんきん世界アロケーションファンドの運用スタイルは特に問題ではありません。

しんきん世界アロケーションファンド(愛称:しんきんラップ)の資産配分比率変更のイメージ


ところが、しんきん世界アロケーションファンド(愛称:しんきんラップ)には問題があります。それは、市場環境の変化に応じて資産配分の調整をする運用方針にあります。市場の状況に応じて、リスク水準の高い資産の配分比率を下げたり、リスク水準の低い資産の比率を上げたりします。

理屈上では上手く運用できそうですが、急激に変化する市場環境に対応できるとは思えません。管理人は、これまで多くのファンドの失敗を見てきたからです。そんな事が容易に上手く行くのであれば、誰も苦労しないのです。

以下の通り、市場の環境に合わせて、リスクオン(好調時)、リスクオフ(不調時)、完全に守りに入るディフェンシブと、3つの局面で大きく資産配分を変えると言っています。書いてある事は大層立派なのですが、本当にこんなことができるのか、実に疑問です。


●しんきん世界アロケーションファンド(安定型)『愛称:しんきんラップ(安定型)』

しんきん世界アロケーションファンド(安定型)『愛称:しんきんラップ(安定型)』 の資産配分イメージ


●しんきん世界アロケーションファンド(積極型)『愛称:しんきんラップ(積極型)』

しんきん世界アロケーションファンド(積極型)『愛称:しんきんラップ(積極型)』の資産配分イメージ



こんなもん買うのでなくて、適当にインデックスファンドでも買っていれば良い


資産配分の調整が最大の目玉のしんきん世界アロケーションファンド。安定型、積極型、それぞれの最新保有状況と、運用モードの推移をご覧ください。

●しんきん世界アロケーションファンド(安定型)『愛称:しんきんラップ(安定型)』

しんきん世界アロケーションファンド(安定型)『愛称:しんきんラップ(安定型)』 の現在の資産配分


●しんきん世界アロケーションファンド(積極型)『愛称:しんきんラップ(積極型)』

しんきん世界アロケーションファンド(積極型)『愛称:しんきんラップ(積極型)』の現在の資産配分


現在、安定型・積極型ともにディフェンシブ状態ですので、ほとんど保有比率が同じです。・・・って、日本もアメリカも新興国も、株価が絶好調のこの今がディフェンシブ状態って、いったいどういうつもりで運用をしているのか、サッパリ分かりません。

絶好調時に守りを固めて安全資産で運用するとなると、財産を増やす時にしっかり増やせない事を意味しますから、こんな投資信託に投資する意味を疑いたくなります。それに、この種の投資信託は常に、相場を後追いするだけになりがちなのです。ここが、機動的に資産配分を変更する事の難しい点です。

また、安定型と積極型で、ディフェンシブ状態の資産配分比率が全く同一と言うのも、全く意味が分かりません。この投資信託の運用をしている者が手を抜いているとしか思えないのですが・・・。

残念ながら、運用目標となるベンチマーク・参考指数も無いし、しんきん世界アロケーションファンドの運用の腕前の凄さを確認できず、とても困ってしまいますね。

そこで、しんきん世界アロケーションファンドのディフェンシブ状態の資産割合に近い、インデック型バランスファンドの三井住友・DC年金バランス30(債券重点型)(マイパッケージ)と比較してみます。

この投資信託は、日本株式20%、日本債券55%、先進国株式10%、先進国債券10%、短期金融資産資産に5%ずつ投資するインデックス型のバランスファンドです。さて、下記の驚くべき比較結果をご覧ください。

しんきん世界アロケーションファンド(愛称:しんきんラップ)安定型と積極型と、インデックスファンドとのリターン比較


なんと、資産配分の調整を一切しないバランスファンドのDC年金バランス30(債券重点型)が、圧倒的な大差で勝利を収めています。しんきん世界アロケーションファンドの安定型・積極型ともに、直近1年ではマイナスの運用成績ですからね。市場環境に合わせた資産配分の調整が、まったく機能していません

そもそも、しんきん世界アロケーションファンドは、コストが猛烈に高いです。購入した時点で2%近い手数料を金融機関に支払って、毎年1%は運用費用で消えてなくなります。

現時点でこのような残念な運用成績であれば、今後、3年、5年と、辛抱強く保有しても結果は変わらないでしょう。こんなものに高い金を支払うくらいなら、損切りしてでもサッサと売却して、低コストなインデックス型の投資信託にスイッチするべきでしょう。



しんきん世界アロケーションファンド(愛称:しんきんラップ)の概要


購入手数料上限1.5%(税抜き)
信託報酬年率1.05%(税抜き)
信託財産留保額:なし
分配金の取扱:年2回(2・8月の各22日)
償還日:2028年2月14日(安定型は2013年10月25日、積極型は2016年2月16日設定)
運用:しんきんアセットマネジメント投信株式会社


保有していても、最高の上げ相場で全く資産を増やせていない投資信託に、手数料1.5%を取られて毎年のように1.05%の信託報酬も取られるなんて、本当にお金の無駄とはこの事です。全国の信用金庫で働いている人たちの給料を支払いたい人は、この投資信託を買ってあげると良いでしょう。

しんきんラップ」なる愛称が付いておりますが、こんなものはラップ口座でもないですし、富裕層などは見向きもしない投資信託だと思いますので、ラップという言葉にも騙されないようにして下さい。


 


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