しんきんJリートオープン・・・タコ足分配で基準価額がダダ下がり

(2018年4月時点)

信用金庫で取扱い。高コストな上に過剰分配を続けている価値が見いだせない一品。アクティブ運用なのにベンチマークに負けている状況で弁解の余地無し。しかし、このような状況にもかかわらず無知な庶民が殺到しており、近年では資産が急増して2300億円近い巨艦に成長している。

しんきんJリートオープン

  • REITの配当利回り4%程度に対して、現時点の分配金利回りは17%
  • 真の姿は、安定収益源であるインカムゲインが2割しかないタコ足分配状態
  • REIT市場の悪化と過剰分配の悪影響により、基準価額が凄まじい下落
  • 信託報酬が7割以上安い低コストのインデックスファンドに運用成績が敗北


 


近年、純資産がぶっ飛んで増えているのには理由がありそうだ


しんきんJリートオープンは、国内REIT(不動産投資信託)を投資対象とした、全国の信用金庫で販売されている投資信託です。アベノミクスが始まる前は200億円の規模でしたが、現在では10倍以上の2300億円まで純資産が増加しています。庶民の、相当な「預金」が集まっているようです。

しんきんJリートオープンの純資産残高と基準価額の推移


庶民が群がる理由は簡単です。おそらく「魅力的だ」と錯覚する、分配金の利回りでしょう。現在では17%の分配金利回りとなってますが、管理人には到底理解のできない数字です。この高すぎる利回りについては、後で詳しく問題点を指摘します。

ところで、しんきんJリートオープンが人気となるその他の理由として、そもそも信用金庫で取り扱うREIT向けの投信が少ないという問題も関係しそうです。たとえば下記は、管理人のすぐ近くにある飯能信用金庫の投資信託ラインナップです。

信用金庫ではJリート投信の取り扱いが少ない


飯能信用金庫では、日本の不動産に投資できる投資信託は「しんきんJリートオープン」1本しかないのですから、下手に窓口にでも相談したら、選択の余地なくしんきんJリートオープンを選ばざるを得ません。比較検討ができない金融機関と言うのは、本当に困ったものですね。

なお、本ページではしんきんJリートオープンの毎月決算型を解説しておりますが、1年決算型についても基本的に中身は同じです。分配金の記述の部分以外では、1年決算型と毎月分配型には違いはありませんので、どうぞそのつもりでお読みください。



問題の分配金利回りを入念にチェック


では、分配金利回りが17%に達するしんきんJリートオープンの、分配履歴をチェックしてみます。

設立以降から分配金は増額され続け、ここ数年では75円の分配金となっています。前回チェックした際は月60円の分配でしたので、さらに増額されています。また、ここ2年で基準価額が下落しつづけ、ついに5000円台に到達。基準価額の低下とともに、分配金利回りが急激に上昇しています。

しんきんJリートオープンの分配金利回りの推移


やはり、17%を超える利回り水準は、明らかにオカシイです。リーマンショックでREIT価格が大暴落しても、そんな利回りは全く出ない領域です。

そもそも、月次レポートには投資先である不動産の予想配当利回りは、4%程度と明記されています。しんきんJリートオープンのマザーファンドでも配当利回りは4.16%だというのですから、本来はこれと全く同じ利回りにならないと、話しが変だという事ですね。

このような状況であなたに17%超の分配金が出るなんて、そんな美味い話が世の中にあるわけがありません。残りの13%程度の利回りは、どこから来ているか、とても疑問です。

Jリートの予想配当利回り


そしてその疑問は、運用報告書でしっかりと調べてみると全貌が見えてきます。毎月の安定収入であるインカムゲイン(当期の収益)は、全体の2割程度しか占めていない状況なのです。

しんきんJリートオープンの分配原資の内訳


インカムゲイン(当期の収益)で、全くカバーできていない状況は、以前と変わりません。以前にチェックした際には以下のように注意喚起をしていましたが、まさに恐れていた状況になっていると思います。

しんきんJリートオープンについての問題点の指摘



低コストのインデックスファンドに代替して、まっとうな資産運用を推奨


これまで分配金の問題に注目してきましたが、しんきんJリートオープンには、さらに重大な問題があります。それはアクティブファンドなのに、ベンチマークである東証REIT指数(配当込み)に運用成績が負けている点です。

月次資料に掲載されているベンチマークとの比較表をみてみると、設定来から運用成績が負けており、とても残念でならない現状です。

しんきんJリートオープンの運用成績とベンチマークとのリターン比較


このようなパフォーマンスしか出せないのであれば、東証REIT指数(配当込み)に連動する運用成果が出るンデックスファンドを使ったほうがマシだと思いますね。たとえばコストがたったの0.25%で良い、<購入・換金手数料なし> ニッセイJリートインデックスファンドと運用成績を比較したチャートをご覧下さい。

しんきんJリートオープンと低コストのインデックスファンドとのリターン比較


上記のように、東証REIT指数(配当込み)をベンチマークとするノーロードタイプのインデックス型投資信託に運用成績が負けている現実を直視すると、利用価値は無いと断言する事が出来ますね。

もしも、「分配金が欲しい」と言うなら、<購入・換金手数料なし> ニッセイJリートインデックスファンドをSBI証券の投資信託・定期売却サービスを利用して買えば、はるかに低コストに毎月の資金を手元に入金できるのです。

あるいは、国内上場のETFである、上場インデックスファンドJリートを利用するほうが何となく分かりやすいかもしれません。Jリートに投資して定期的に分配金を受け取りたい場合は、それらいずれかの選択肢がベストですから、肝に銘じていただきたいと思います。



しんきんJリートオープン(毎月決算型)の概要


購入手数料:上限2.16%(税込み)
信託報酬:年率1.026%(税込み)
信託財産留保額:0.3%
分配金の取扱:年12回
償還日:無期限(設定日 2005年2月1日)
運用:しんきんアセットマネジメント投信株式会社

信用金庫で購入する時に、2%の手数料を取られるのも、非常に良くないですね。2%分だけ、インデックスファンドとの運用成績の差が、更につく事になります。



しんきんJリートオープン(毎月決算型)の購入先


それでもしんきんJリートオープン(毎月決算型)で分配金をもらいたい場合、全国の信用金庫にて購入が可能です。残念ながら(いや、幸いな事に?)、ネット証券で購入することはできません。


 


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