UBS世界公共インフラ債券投信(通貨選択型)の無意味さを見よ

(2015/7~2016/7の成績を元に算出、2016年7月時点)

庶民のお金が2295億円も集まっており、野村証券の強力な販売力には脱帽。野村でしか購入できないので、比較的にお金を持っている高齢者が主要な犠牲者か。投資信託の中身を見ると、高コスト、ベンチマークが無い、運用パフォーマンスも平凡と、わざわざ投資する価値を見いだせない。人気があるファンドに手を出さない事が賢明だ。

  • 運用(価格の上昇含む)利回り5.1%に対して、現時点の分配金利回りは5%
  • 投資先債券の利回りは2%台だから、明らかに矛盾のある分配金利回り水準
  • 分配金の内訳をチェックしてみると、半分程度が過剰分配によって補完されている

 


投資先については、特に問題は無し

UBS世界公共インフラ債券投信(通貨選択型)円コース(毎月分配型)は、日本を含む世界の「公共インフラ」企業の発行する債券に投資します。生活に不可欠なサービスを提供している企業の債券なので、不景気でも比較的、安定性が高いそうです。

※ここでは円コースについて評価していますが、他の通貨コースでも本質的なところは全く同じです。

企業の今後のインフラ投資金額


販売資料には、世界経済の成長により2030年までに約6432兆円のインフラ投資が必要とされると明記されており、投資先の企業は儲かるよと言いたいようです。

投資先債券の格付を見ると、投資適格債ギリギリの格付であるBBBが過半数を占めています。安全性が最高レベルの債券に投資している訳ではなく、そこそこリスクを取りにいっているイメージでしょうか。

UBS世界公共インフラ債券投信(通貨選択型)の業種別、格付け別構成比


ただ、債券のデフォルト率を見ると、投機的格付債券に比べて圧倒的に低いです。ハイ・イールド債券に比べると、十分に安全性は高いので良心的です。(BBB格が倒産する事は、ほとんどないですし)

企業の格付け別のデフォルト率の推移



ただ、公共インフラ債券に集中投資する必要があるのか疑問

投資先に特段の問題は認められませんが、だからと言って公共インフラ企業だけに投資する必要があるのか、と言う視点が大事です。もしもそこに集中投資するのであれば、先進各国の国債に投資するよりも、リターンが高くないと意味がありません。

先に見て頂いた通り、格付けBBB格の債券の比率が多く、一定のリスクを取っているわけですから、少なくとも先進国債券よりも高いリターンを期待したいところです。投資先地域も、日本を少し含んでしまっていますが、先進各国に分散投資していますし。

UBS世界公共インフラ債券投信(通貨選択型)の通貨別、国別構成比


円コースは為替ヘッジされた投資信託なので、SMT グローバル債券インデックス・オープン(為替ヘッジあり)あたりと比較してみましょうか。

このファンドは、先進国債に分散投資するインデックスファンドです。UBS世界公共インフラ債券投信のようなアクティブファンドは、少なくともそのような何の特徴も無い、平均点を取りに行くようなファンドに負けるわけにはいかないと思いますし。

UBS世界公共インフラ債券投信(通貨選択型)円コースと、先進国債券インデックスファンド(為替ヘッジなし)の基準価額の比較


・・・と、過去2年半で思い切り大負けしているではありませんか! これでは何のためにリスクを取って、倒産の可能性もある企業の社債を買いに行っているのか、全く意味が分からないという事になります。

ジャンルを絞っての集中投資と言うのは、それが大きなリターンにつながらないと、無意味です。上の値動きを見るだけで、UBS世界公共インフラ債券投信(通貨選択型)など検討する余地は無いことが分かります。



円コース以外の為替取引で過剰ななリスクを取るのは愚かな行為

今まで円コースについてのみ、解説をしてきましたが、ここで為替取引を行う他の通貨コース、特に人気の或るブラジル・レアル豪ドルのコースについても言及します。

当サイトでも何度も言っていますが、本来の投資先に投資する以外に、それとはまったく無関係な国の通貨を持ち出してきて一緒くたに運用するなど、言語道断です。(下記)

UBS世界公共インフラ債券投信(通貨選択型)の収益の源泉


このような事をやると、リスクが非常に高くなる=価格変動が非常に大きくなるという事で、過去3年間のリターンをSMT グローバル債券インデックスオープン(今回は為替ヘッジ無しで)と比較すると、大変によく分かると思います。

緑線のブラジルレアルコースの値動きなど、酷いものです。2015年初に30%を超えるリターンをたたき出したかと思うとほぼ1年をかけて奈落の底に突き落とされるかのような40%もの暴落となっています。(パーセンテージは分かりやすく表現しています)

そしてまたここにきて価格が急回復してきて、結局3年のリターンではシンプルなインデックスファンドと何にも変わらないという結果になっています。個人投資家は、こういうリスクは引き受けてはなりません。下手をすると相場から退場させられる可能性が高いです。

このような通貨選択型投信の外国の通貨コースは、投資のストレスで己の寿命を短命に終わらせたいというニーズを持った人だけが、買っても良いような投資信託です。

UBS世界公共インフラ債券投信(通貨選択型)レアル・豪ドルコースと先進国債券インデックスファンドの基準価額比較


ところで、面白いグラフもお見せします。こちらは2年半のデータでの比較になりますが、UBS世界公共インフラ債券投信(通貨選択型)なんぞに投資しなくても、なんと普通に日本国債に投資していた方がリターンが大きかったという衝撃の結末です

また、日本国債と理屈上は期待リターンが同程度と推定される、為替ヘッジを付けた先進国債券、既に出しているSMT グローバル債券インデックス・オープン(為替ヘッジあり)も、ほぼ同程度のリターンです。

UBS世界公共インフラ債券投信(通貨選択型)よりも日本国債インデックスファンドの方が好成績


このようなグラフを見ていると、投資と言うのは「儲かりそうだ」という投資家の愚かな心を無くして、いかにリスクを少なくする運用が大事なのかが分かりますね



分配金を調査すると、タコ足分配だと分かる

最後に分配金の事を指摘して、UBS世界公共インフラ債券投信(通貨選択型)の無能ぶりのご説明に終止符を打ちましょう。

本ファンドの投資先については、問題が無いと説明いたしました。では安全性の高い債券の利回りは、どのくらいになるのでしょうか。運用報告書を見れば、分かります。最終利回りが、2%ですよね。

UBS世界公共インフラ債券投信(通貨選択型)の投資先債権のポートフォリオ特性値


でも分配金利回りを見ると5%台になっています(下記)。明らかに数字が合わないです。というか上の2%から信託報酬を削り取られたら、実質的は利回りは0.4%になると思います。

UBS世界公共インフラ債券投信(通貨選択型)円コースの分配金利回りの推移


ここになにかカラクリがあるという事で、分配原資の内訳をチェックしてみましょう。これを見ると、やはり当期の収益だけで分配金が賄えられていないようです。

当期の収益以外って何かと思うかもしれませんが、普通に考えて我々の投資原資でしょう。利益と思って受け取ったお金の大半は、実は自分自身の元本の払い戻しをしてだったという悲しい現実になりそうです。

UBS世界公共インフラ債券投信(通貨選択型)円コースの分配原資の内訳


以上、ほぼあらゆる面から考えて、UBS世界公共インフラ債券投信(通貨選択型)になんぞ投資してはならないという事になります。


どうしても債券ファンドから分配金を受け取りたい人は、上場インデックスファンド海外債券上場インデックスファンド新興国債券をバランスよく保有しながら、タコ足分配ではない分配金を受け取るようにしましょう。

また先に名前を出したSMT グローバル債券インデックス・オープン(為替ヘッジあり)、もしくはSMT グローバル債券インデックスオープンを、SBI証券の投資信託定期売却サービスを利用して少しずつ解約して行けば、自分で毎月分配型投信を作る事ができます。

タコ足分配にならない金額で定期売却していけば、末永く安定的な分配金相当額を受け取る事が可能です。しょうもない投資信託を買う時代は、終わらせることが出来るのです。



UBS世界公共インフラ債券投信(通貨選択型)の概要

購入手数料:上限3.24%(税込み)
信託報酬:年率1.6504%(税込み)
信託財産留保額0.3%
分配金の取扱:年12回
償還日:平成40年10月25日(設立 平成21年7月24日)
運用:UBSアセット・マネジメント株式会社


こんなしょうもない投資信託なのに、猛烈に高コストです。既に紹介した上場インデックスファンドやSMTインデックスシリーズは、比較にならないほど低コストで、あなたの元本が減るのを極限までセーブすることができます。



UBS世界公共インフラ債券投信(通貨選択型)の購入先

UBS世界公共インフラ債券投信(通貨選択型)円コースをどうしても買いたいのであれば、野村証券のみの販売になります。野村證券をたっぷり儲けさせてあげましょう。


 

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