リスクが過大で過剰分配中の、楽天USリート・トリプルエンジン(レアル)毎月分配型

楽天USリート・トリプルエンジン(レアル)毎月分配型の評価

(2014/8~2015/8の成績を元に算出、2015年8月時点)

基準価額は壮絶な勢いで下落を続けているのだが、異次元の分配金利回りのために資金が猛烈な勢いで集まり続けている。2015年8月時点では1,200億円近くの水準に達しており、勝ち馬に乗ったと勘違いしているカモの投資家の方が多数おられるようだ。ギャンブル的な金融取引も多数活用しており、明らかに投資しては駄目な投信だと断言できる。

  • 運用(価格の上昇含む)利回り約12%に対して、現時点の分配金利回りは37%
  • チャートだけで判断しても、分配金は不健全な状態だ
  • 分配金の原資を確認しても当然ながら過剰分配状態であり、我々の資産が正しく運用されていない


 


ギャンブル的なトレードをフル活用した「投機信託」という実態

楽天USリート・トリプルエンジン(レアル)毎月分配型を一言で表現すると、ギャンブル性の強い金融取引をフル活用した、複雑な投資信託です。

楽天USリート・トリプルエンジン(レアル)


主要な投資対象は、米国の不動産投資信託指数に連動する、米国リートETF(主にiシェアーズ米国不動産ETF)です。

米国のリート指数連動ETFに投資する訳ですから、東証で直接「iシェアーズ 米国リート・不動産株ETF(1590)」を購入すれば良いのでは、と思える段階で投資価値を感じません。

更に当ファンドは、インカムプラス戦略とブラジル・レアル戦略を執り行っているようですが、具体的な中身をご理解できますでしょうか? この問題について、次の項で取り上げます。



インカムプラス戦略とブラジルレアル戦略の危うさ

高い分配金利回りを提示している投資信託にありがちなのですが、かなり意味不明な、かつハイリスクのある投資を行っているようです

まず、本ファンドの収益イメージを確認してみましょう。 交付目論見書に下記のように分かりやすい!?収益図が記載されています。

本サイトでは、何度も指摘しているのですが、この収益イメージ図をパッと見て理解不能な場合は、全力で本ファンドからは手を引く事をお勧めします




交付目論見書などをサッと確認してみると、インカムプラス戦略ブラジル・レアル戦略などと 何となく凄そうなネーミングに心を奪われると思いますが、本質を見極める目を養いましょう

単純に、オプション取引の売りと、ブラジル・レアルの為替取引を行いますという事です。米国リートETFからの配当金を収益に選ぶところは、ぎりぎり納得できます。アメリカの不動産は非常に良質だからです。

ですが、問題はオプションの「売り」と、 リスクが異様に高いブラジル・レアルの為替取引を導入している点です

インカムプラス戦略(オプションの「売り」取引)に着目して見ましょう。 下記に交付目論見書から抜粋したイメージ図を転載します。




上記の図は、オプション取引の「売り」の概念図そのものです。何度も言いますが、理解できない場合は本ファンドからは手を引きましょう。

オプション取引の「売り」の怖いところは、最大利益が限定され(例えば、10%以上の利益があったとしても、3%が上限になるようなイメージ)、最大損失が無限大な点。(損失に関しては、青天井という事)

初心者などが手を出すのは厳禁の、ハイリスク取引です。つまり、コツコツ利益を積み上げても 一発大きなトレンドが発生し、目論見を外すと異常に大きな損失が発生するのです。

交付目論見書を良く見てみると、ちゃんと注意書きがあります(下記)。デリバティブ取引、・・・この言葉を見た瞬間に逃げ出すべきですが、さらに追い打ちをかけるが如く「複雑な投資信託」。リーマンショックを思い出す言葉ですね。




・・・ 損失想定も記載されています。




相場が変動すると、3割減ると言っていますね・・・・でも正直なところ、上記の想定はまだ甘いんじゃないかと思います。と思ったら、一応記載がありますね(笑)。




大きな変動が発生すると紙切れになりますよという事です。買ってはいけない投資信託の代表では無いでしょうか? 高い配当に目が眩んではいけません。

今のような平時には何も意識しないかもしれませんが、いざ危機的な相場になったら、一発アウトになる可能性に満ちた投資信託だと言えるでしょう。



分配金の出し方が、全く不健全な状態になっている

ではなぜ、上記のような危険極まりないギャンブルトレードに手を出すのかというと、表面的な分配金利回りを極限まで高めたいという思惑があるからです。

インカムプラス戦略は、米国リートETFのコール・オプションを売却する事で、定期的なプレミアム収益の獲得を目指しています。その代償に、一発で全てのインカム収入を吹き飛ばすような損失が出る可能性がある取引を、やっているという事です。

さらにブラジル・レアル戦略では、ブラジル・レアルの為替取引による、金利差収益の獲得を目指しています。本来米国に投資するのに、まったく関連性のないブラジルの通貨を取引する意味が理解出来ませんが、金利を上乗せするために無理矢理やっているのですね。

このような事をやって、下記のように分配金利回りをとにかく上昇させることだけを考えているように見えます。一般的に考えて、あり得ない分配金利回りの領域に達しています。

1年間のトータルリターン(REIT価格などの上昇と配当金の合計)よりも、分配金利回りのほうが高いって、どういう了見でこのような事をするのか、意味が分かりません。

楽天USリート・トリプルエンジン(レアル)の分配金利回りの推移


無いところからお金をばらまくのですから、その痕跡は分配原資の内訳のデータにも表れています。毎月の安定収益で、分配金がカバーできていませんよね。

楽天USリート・トリプルエンジン(レアル)の分配原資の内訳


あなたがもしも楽天USリート・トリプルエンジン(レアル)を購入しているのならば、すぐにお手元に送られてくるはずの毎月の資料に目を通してください。

そこで分配金が「特別分配(元本払戻金)」となっていたら、典型的なタコ足分配です。ファンド側に高いコストを支払った挙句、勝手に元本を取り崩して、それを収益の配当金だと勘違いしているだけですから、よくよく注意が必要です。



素直に米国REITにだけ投資していれば良かった実例を見せよう

さて最後です。このように楽天USリート・トリプルエンジン(レアル)毎月分配型が、「トンデモ投資信託」だとお話ししてきたのでありますが、さらに追い打ちをかける結果です。

あなたはいかにも「儲かりそうだ!」と思って、まるでハゲタカファンドかなにかのようにこの投資信託を買い付けたのでしょうが、実はこの投資信託、とてつもないリスクを背負った割には、超絶にヘボい運用成績なのです。

冒頭でこの投信は、米国リートETFに投資しているだけのものだと書きました。実際に東京証券取引所で、「iシェアーズ 米国リート・不動産株ETF(1590)」を購入できます。

儲かりそうだという理由で、くだらないハイリスクギャンブルトレードを組み入れた投資信託と、素直に投資するETFの過去1年の運用成績を比べたのが、下記になります。

楽天USリート・トリプルエンジン(レアル)の運用成績が超ひどいことの証明


信じられないことに、たった1年で50%近い運用成績の格差が生じています。ありえないくらいの酷さです。高いコストを支払い、異様に高いリスクを差し出した結果が、超絶に低レベルの運用成績なのです。

上記のグラフは、分配金を再投資せず、そのまま分配したことを前提とした条件で計算しています。もしも再投資したとしても、約20%近い運用成果の差が付くことになります。

今回は損益の計算書などには目を通していませんが、ギャンブルトレードで手痛い損失などを食らった可能性も大きいでしょうね。



楽天USリート・トリプルエンジン(レアル)の概要

購入手数料:上限3.24%
信託報酬:年率1.512%(税込み)
信託財産留保額:0.75%

分配金の取扱:年12回
償還日:2020年8月17日まで(設定日 2010年8月31日)
運用:楽天投信投資顧問株式会社


それにしても、目を見張るような酷い投資信託にもかかわらず、何も知らないのかよく分かりませんけれども、買いたい人が殺到しているようです。純資産残高が右肩上がりです。

楽天USリート・トリプルエンジン(レアル)の純資産残高の推移


運用成績が良いのか悪いのかを瞬時に判断できるベンチマークが一切ないのに、買っている人は何を根拠にこの投資信託を選んでいるのでしょうか?



楽天USリート・トリプルエンジン(レアル)の購入先

購入手数料は証券会社で大きく変わってくるため、注意が必要ですね。下記に、購入できる代表的な証券会社を上げておきます。購入したい人はどうぞ。下記以外は、3.24%もの手数料を取られる可能性が有るので、どうぞ注意してください。

手数料なしで購入できる先SBI証券楽天証券マネックス証券野村證券
手数料1.62%:カブドットコム証券



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