三井住友・アジア・オセアニア好配当株式オープン(愛称:椰子の実)はダメ

(2018年5月時点)

優秀な投資信託との事で、色々な賞を受賞している注目の投資信託。だが、運用目標を下回っていて優秀とは言えない。怪しげな分配方針を続けており、身の丈に合わない分配金利回りに達している。コストも考えて、投資の価値があるのか、よーく考えよう。

  • 配当利回り4%強に対して、現時点の分配金利回りは約15%
  • 分配金を大幅に増額したり減額したり、やる事が怪しすぎる
  • 受け取っているのがタコ足分配金でないのか、確認しよう
  • そもそも、地域限定の集中投資は素人のやる事ではない


 


ファンド賞を受賞する投資信託でも、ベンチマークに負けるなら投資価値がない


三井住友・アジア・オセアニア好配当株式オープンは、毎月分配型と年1回決算型の2コースから選択できます。これら2つの投資信託の本質的なところは同一ですので、いずれのコースも当ページを参考にして下さい。

・三井住友・アジア・オセアニア好配当株式オープン(毎月分配型)(愛称:椰子の実)
・三井住友・アジア・オセアニア好配当株式オープン(年1回決算型)(愛称:椰子の実)

三井住友・アジア・オセアニア好配当株式オープン(愛称:椰子の実)


三井住友・アジア・オセアニア好配当株式オープン(愛称:椰子の実)は、一般的には優秀と言われており、LIPPER FUND AWARDS2014の優秀ファンド賞や、モーニングスターのFund of the Year 2014の国際株式型部門で最優秀賞を受賞した投資信託です。

しかしながら、知名度のある外部機関で優秀と認められたファンドだとしても、良好な長期パフォーマンスは保証されません。他人が「良い投資信託」だと言っても、決して鵜呑みにしてはいけません。当サイトも同様のスタンスでお読み頂き、自分自身の頭で最終判断することがとても大切です。

参考モーニングスターだけの評価で投資信託を買ってはならない


三井住友・アジア・オセアニア好配当株式オープン(愛称:椰子の実)は、日本を除くアジア・オセアニア地域の好配当の株式や不動産投資信託に投資します。大昔から現金・株・不動産に資産を分ける行為は、投資の王道と呼ばれ、基本的な投資先は良いと思います。

配当利回りに注目して銘柄を選定しますから、インカムゲイン重視だと推測できます。アジア・オセアニア地域の株や不動産投資信託(リート)に投資する理由は、日本・米国・欧州に比べて、アジア・オセアニア地域の配当利回りが高いからです。(株式の配当利回りは、欧州の方が良いですね。)

三井住友・アジア・オセアニア好配当株式オープンの投資対象の利回りの比較


投資の狙いはまあ良いとして、アクティブ運用の投資信託という点が気になります。アクティブ運用であれば、運用目標よりも成績が良いことが必須だからです。

参考指数として「MSCIオールカントリー・アジア・パシフィックインデックス(除く日本、配当込み、円ベース)」を設定していますので、この参考指数よりも運用成績が劣るようであれば、ただちに「投資価値無し」と判定できます。では直近5年の運用成績を比較してみましょう。

三井住友・アジア・オセアニア好配当株式オープン(愛称:椰子の実)の運用成績と参考指数とのリターン比較


結果は、最近5年間は参考指数に運用成績で負けています。特に2年の運用成績がとても悪いようです。2017年、2018年では、参考指数に対して10%程度のアンダーパフォーマンスであり、アクティブ型の投資信託としては、失格だと言える状況です。

(「24か月連続で営業成績未達です。以上!」と会議で報告するような営業マンがいたら、絶対にその会社をクビになるんじゃないかと思います。それと同じ事です。)

そして、本来は設定来の2002年からの対比を載せるべきですが、運用報告書を見ても月報を見ても、全くそれは掲載されていません。という事は、よほど見せたくない酷い運用成績だという事かもしれません。

このような投資信託はには、全く投資価値はありません。投資家に投資成績を適正に開示できない投資信託という意味でも、全くお役御免と言えるでしょう。



「椰子の実」の分配金の出し方が不自然怪しい


三井住友・アジア・オセアニア好配当株式オープン(愛称:椰子の実)は、運用成績だけでなく、他にも大きな問題があります。それは分配金の出し方が非常に怪しい挙動を示しており、何か意図的な印象を受けてしまうのです。そのような投資信託を多数見て来たので、そう感じます。

参考野村證券の投資信託が詐欺まがい


下記は、「椰子の実」の分配金の履歴です。2013年初旬から分配金の増額が続いて、20円の分配金から90円まで、なんと約4倍です。その後、2016年後半からやや減額して今に至ります。

三井住友・アジア・オセアニア好配当株式オープン(愛称:椰子の実)の分配金履歴


分配金の増額、減額に合わせて、分配金利回りが大幅に変わります。2013年初旬までは分配金を低めに抑えていたために、分配金利回りは4%台と、投資先の株式の配当利回りより少々大きい数字程度で身の丈に合っていました。

しかし、分配金が4倍になった後の2016年頃は20%近くにまで上昇しています。分配金が少し減額された今でさえも、利回りが15%近くもあります。どう考えても高すぎる水準です。明らかに実体よりも大きな分配金を出している訳ですから、帳尻合わせをする資金が必要になってきます。

三井住友・アジア・オセアニア好配当株式オープン(愛称:椰子の実)の分配金利回り


そもそも、高配当の投資先とはいえ、ポートフォリオの配当利回りを調べてみると4%強程度の実力です。ここから経費等が引かれる訳ですから、実質はもっと少ないかと。そうなると、現実問題として、投資先の株式やREITから得られる配当金利回りの4倍以上の分配金利回りは、明らかに過剰分配を続けているようだとの推測になります。

三井住友・アジア・オセアニア好配当株式オープン(愛称:椰子の実)の投資先の配当利回り


以下のように、投資先からの配当金が占める割合(当期の収益)は半分程度しかなく(ほとんど当期の収益でカバー出来ていない時期もある)、残りは売却等による運用益や、私たちの投資原資から捻り出している事になります。

三井住友・アジア・オセアニア好配当株式オープン(愛称:椰子の実)の分配原資の内訳


もしもお手元に分配金の明細があれば、それをご覧になってください。恐らく、あなたの受け取っている分配金の大半が元本払戻金のはずで、自分で自分の財産を取り崩して、それを利益と勘違いしている厳しい現実を目の当たりにする事と思います。(それも他人に信託報酬のような余計なコストを支払いつつ)



ここ数年は、集中投資が全く報われない状況に・・・・


ところで、三井住友・アジア・オセアニア好配当株式オープン(愛称:椰子の実)のように、アジア・オセアニア地区に「地域限定」で集中投資をしているという事は、当然のことながら全世界に分散投資をするよりも、高いリターンを期待しているという事になります。

しかし、現実はそのように甘いものではありません。集中投資はときおり「当たる」のですが、それは決して長くは続かない事を覚えておいてください。もしも永続するならば、世界のお金は全てアジアやオセアニアに集中する事になりますが、現実にはそうなっていないというのが全てを物語ります。

三井住友・アジア・オセアニア好配当株式オープン(愛称:椰子の実)への投資と全世界株式への投資の比較


上記のように、日本を含む先進各国と新興国という全ての地域を包括したインデックスファンドに対して、過去3年間のリターンは三井住友・アジア・オセアニア好配当株式オープン(愛称:椰子の実)は大幅に劣っているのが分かります。

ベンチマークが異なるものどうしの比較なので、単純な勝ち負けではありませんが、地域を決め打ちした集中投資が報われなかったという事は言えると思います。

しかも、上記の比較は三井住友・アジア・オセアニア好配当株式オープン(愛称:椰子の実)の1年決算型での比較になり、毎月分配型では猛烈なタコ足分配によって実際の基準価額は酷い事になっています。

・・・そもそも、三井住友・アジア・オセアニア好配当株式オープン(愛称:椰子の実)のような「イケてない」投資信託を選んでしまうようなあなたに、集中投資のセンスが有るとは、到底思えません。

ごく一部の天才か、余程のラッキーな人間以外は集中投資は報われませんので、このような投資信託を買う前に、まずは投資の勉強、あるいは投資信託についてしっかり学んで頂く事をお勧めします。学ばずに、金融機関の言う事を真に受けるようでは、投資の成功は考えにくいです。



三井住友・アジア・オセアニア好配当株式オープン(愛称:椰子の実)の概要


購入手数料:上限3.24%(税込み)
信託報酬:年率1.7064%(税込み)
信託財産留保額:0.3%
分配金の取扱:年12回
償還日:無期限(設定・2005年7月29日)
運用:三井住友アセットマネジメント株式会社



三井住友・アジア・オセアニア好配当株式オープン(愛称:椰子の実)の購入先


それでも椰子の実という投信を購入したい場合、下記の証券会社で購入すると、購入手数料が通常の3.24%から2.16%に減額できます。

手数料2.16% SBI証券楽天証券カブドットコム証券フィデリティ証券


ただしフィデリティ証券を活用すれば、実質的に購入手数料が無料になりますので、あえて椰子の実を選ぶのであれば、フィデリティ証券になりますね。


 



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