アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信の各コースを評価してみる

(2018年7月更新)

米国の株式市場に投資するスタンス自体は問題ないと感じるのだが、アクティブファンドとしての腕前に疑問を感じる。長期でベンチマークに大負けしている状況を見ると、当ファンドの先行きに楽観するようなものではない。過剰分配を行う方針を宣言しているようなものでもあり、投資する価値が有るとは思えない。

アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信

  • 現時点の分配金利回りが19%に達しており、どう考えても異常な水準
  • 長期ではベンチマークに負けており、アクティブ運用としての今後がとても不安
  • 分配原資の詳細をチェックしてみると明らかな過剰分配状態であり、投資家の資金の取り崩しが知らないうちに行われている

 


優秀ファンド賞の受賞が本当に凄い事なのかチェックする


アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信は、これまでに数多くの優秀ファンド賞を受賞しています。営業の現場で「優秀ファンド賞を受賞した投資信託」と説明されると、中身が分からなくとも、買いたくなってしまう素人投資家が沢山おられるような気がします。

・トムソン・ロイター、リッパー・ファンド・アワード・ジャパン2018の最優秀ファンド賞
・R&Iファンド大賞2017の最優秀ファンド賞
・モーニングスターアワード、ファンド オブ ザ イヤー2017の優秀ファンド賞


アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信の受賞歴


このアライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信には、以下のように4コースから選択して投資できます。特に予想分配金提示型と呼ばれるCコースとDコースは、とても人気です。Cコースは1038億円、Dコースは、1819億円の運用資金が集まっています。

Aコース(為替ヘッジあり) ※年2回の分配方針
Bコース(為替ヘッジなし) ※年2回の分配方針
Cコース毎月決算型(為替ヘッジあり) 予想分配金提示型
Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし) 予想分配金提示型


本ページでは、アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信の各コースについて詳細を分析します。投資の本質的な中身は同じようなものですので、いずれのコースについても本ページが参考になります。



短期では目標を大幅に上回り、長期ではそれを大きく下回る成績


アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信の投資コンセプトは、とてもシンプルです。米国の成長株に集中投資する方針で、ベンチマークを上回る運用成績を目指すアクティブ型の投資信託です。

リーマンショック以降、米国の株は右肩上がりで上昇を続けています。 米国発のIT企業がイノベーションを起こし、世界的な経済を引っ張っているのは事実ですし、グーグル、Facebook、Amazonなどの新興企業の業績は絶好調です。

個人的には、投資資金の一部を米国に集中的に振り向けるのは悪くはないとは思います。アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信は、各コースで以下のベンチマークを設定しています。

・A/Cコースのベンチマーク:S&P500株価指数(配当金込み、円ヘッジベース)
・B/Dコースのベンチマーク:S&P500株価指数(配当金込み、円ベース)


アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信


米国の一般的な株価指数となるS&P500株価指数(配当金込み)が運用目標ですから、とても分かりやすいです。これらのベンチマークより、アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信の運用成績がどうなのか、その結果次第で投資信託としての価値が決まります。

アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信は銘柄の選定には非常に力を入れており、「高い利益成長がある企業、若しくは持続的な利益成長の可能性が高いと判断される企業を選別して投資」しているようですから、果たしてそんな事が継続して上手くいくのかどうか、そこを判断する事が重要です。

結論から申し上げると、この投資信託は、直近の3年程度は良好なパフォーマンスを計上していますが、10年スパンで見ると、運用目標に劣る成果しか出せていない状況です。



為替ヘッジありのAコースとCコースの運用成績


まず、最近の2014年に設定された、Cコース(毎月決算型・為替ヘッジあり)をご覧ください。これを見ると、運用後4年間でベンチマークを大幅に超過する極めて優秀な数字を計上した事が分かります。

アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Cコースの運用リターン


ところが、これと全く同一の中身(マザーファンド)に投資する、年2回の分配があるAコース(為替ヘッジあり)を見てみます。なんと、直近4年間が上記のように凄まじく良い成績だったのにもかかわらず、2006年からの12年間の長期で見ると、まだ5%も負けているのです

アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信のAコースの運用リターン



為替ヘッジなしのBコースとDコースの運用成績


同じく、為替ヘッジなしのタイプでも見てみます。最初はDコース(毎月決算型・為替ヘッジです)。設定来の4年間では、19%近くもベンチマークを上回っており、著しく好成績と言えます。

アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信のDコースの運用リターン


が、同じく同一の投資内容となる年2回の分配があるBコース(為替ヘッジなし)を確認すると、上記であんなに好成績だったにもかかわらず、12年間トータルで見ると、9%近くも負けているのです。

アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信のBコースの運用リターン



運用成績を見た感じでの乾燥


この成績は、近年の米国のハイテクバブルの影響を多分に受けているのではないかと推定できます。S&P500指数をベンチマークとしながらも、実際には、月報を確認すると投資先の半分はナスダック市場となっています。

そしてナスダック市場は、ハイテクバブルの立役者であるグーグルやFacebook、Amazonなどの新興企業が含まれており、それらに集中投資していた場合には、この数年でとんでもない株価の上昇がありましたから、その影響を多分に受けたものと思われます。

アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信の投資先市場


そして実際に本ファンド(Bコース為替ヘッジなし)と、ダウ平均株価、ナスダック総合指数、S&P500の過去3年の数字を比べてみると、特にこの1年でナスダックの突出した成長ぶりが明らかであり、それに連動する形でファンドの過去1年の成績が飛びぬけて良好な状態になっています。

アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Bコースと、米国のダウ平均、S&P500、ナスダックとのリターン比較


S&P500の企業群の中から、ハイテクバブルを演出する銘柄に集中投資をして、まさにそれが「当たった」格好であり、これはまさしくアクティブ運用の投資信託らしい勝利であると言えます。

しかしながら、その「当たり」が無かったら惨憺たる成績である訳で、実際に運用開始以降の10年の長きにわたってボロカス状態の悲惨な運用リターンしか上げられなかったダメファンドであるという側面も持ち合わせており、正直、良い悪いは判断付きかねます。

当サイト管理人の個人的な感想としては、投資信託の成績は長期で判断するものだと思っていますから、当然ながらアライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信は、全く評価に値しないという事になると思います。



予想分配提示型、というこれまた何とも言えない仕組み


アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信のCコースとDコースは、「予想分配金提示型」という聞き慣れぬ名称が付いています。

予想分配提示型とは、1万口当たりの分配金額を、基準価額の変動に応じて下記のようにあらかじめ決めておきますよ、と言う仕組みです。「分配金がいくら出るのか最初から決まっているとは良いファンドだ」と思うような人は、金融機関の格好の餌食、良いカモになる恐れ大なので要注意です。

予想分配提示型


上の表に従うと、現在の基準価額は11000円以上12000円未満ですから、毎月下記のように200円の分配金が出る事になります。「お客様にとってお受け取りいただく分配金額が分かりやすい仕組みです」などのセールストークで売れまくっているのでしょうか。

しかし、100円~200円などという大盤振る舞いの分配金を出し続けている関係から、分配金利回りは驚きの17%~19%に達しています。こんな多額の分配金は投資先企業の配当金から賄えるはずはなく、当然、タコ足分配されている事になります。以下をご覧ください。


Cコース・毎月決算型(為替ヘッジあり)予想分配金提示型の無茶苦茶な分配金


Cコース・毎月決算型(為替ヘッジあり)予想分配金提示型の分配金額と分配金利回りです。100円とか200円などと言う、通常では考えられない多額の分配を出すせいで、分配金利回りは20%近いクレイジーな数字になっています。

アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信のCコースの分配金


当然ながら、200円もの分配金を全て毎月の収益でカバーする事は出来ていません。思ったよりはカバーしている印象はありますが、この差額分は自分の投資元本を取り崩しているだけになります。

アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信のCコースの分配原資の内訳



Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)の予想分配金提示型の無茶苦茶な分配金


Dコース・毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型についても同様です。分配金額や分配金利回りは共に、異様に高い数字となっていて変すぎます。

アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信のDコースの分配金


こちらも案の定、タコ足分配となっています。純粋にリターンを分配してくれるのではなくて、自分の元本を自分に配っているだけの部分もありますから、投資している意味が分からなくなります。

アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信のDコースの分配原資の内訳



今のところ株価が好調なので、「当期の収益」で「当期分配金」が賄えなくても保有する株を売却すれば売買益で分配金を賄えるので、過去1年間のトータルリターンを見ると、問題はそれほどあるわけではないです。

しかし下げ相場がきつくなると、売買益などは見込めませんから、分配金なんて月に200円も出していたら破綻してしまいます。

今は米国のハイテクバブルに酔っている投資家が多いですから、表面的には何の問題も見えてきませんが、実際には投資信託の中身としてはとても褒められたものではなく、下落相場に突入すれば投資家は目を覚ます時がやって来るのだろうと思います。



アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信の概要や購入先


購入手数料:上限3.0%(税抜き)
信託報酬:年率1.57%(税抜き)
信託財産留保額:なし
分配金の取扱:A・Bコースは年2回の分配、C・Dコースは年12回の分配
償還日:全コース2024年6月17日(ABコースの設立は2006年5月25日、CDコースは2014年9月16日)
運用:三井住友信託銀行株式会社


明らかにコストが高すぎます。コストというのは極言すれば「損失」と同じです。買った瞬間に5%近い損失が生じる投資信託など、投資に値するとはとても言えません。

なお、この投資信託の買い付けは、:野村證券以外にも、SBI証券楽天証券で可能です。ただし購入時に3%かかるので、これを無料化したい人はフィデリティ証券を使うと良いでしょう。


 


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