米国株アルファ・カルテット(毎月分配型)を評価すると

(2018年8月更新)

久しぶりに遭遇した危険度MAXの毎月分配型投資信託。デリバティブ取引を多用しており、複雑さではNo1レベル。先行販売された兄貴分的な投資信託が大人気だったが、当ファンドの人気はイマイチだったので、金融機関はがっかりしているだろう。分配を減額しても20%を超える分配金利回りと言う点も含めて、金融機関が作り上げた究極のカモ投資家向けの商品である。中身が分からないのであれば決して投資をしてはならない。


米国株アルファ・カルテット(毎月分配型)




 


超絶に複雑怪奇な仕組みであることが、まず大問題


米国株アルファ・カルテット(毎月分配型)を一言で表現すると、超絶に複雑怪奇な毎月分配型投資という事でしょう。複雑すぎて、管理人にも値動きが予測不可能になる事間違いなしの、危険な逸品です

当ファンドの中身の確認に入る前に、兄貴分的な毎月分配型投資信託で大人気の、日本株アルファ・カルテット(毎月分配型)のページも、ぜひご覧ください。

当ファンドも兄貴分並に複雑で、ギャンブル的な金融取引を全て盛り込んでいるために、下記のように理解が出来ないお金の流れが完成しています。基準価額の値動きが理解できない代物に仕上げています。

米国株アルファ・カルテット(毎月分配型)のお金の流れ


中身をよくよく見て参りましょうか。収益源は下記のように、米国株式、為替取引、株式と通貨を利用したオプション取引から成り立っています。この具体的な取引の仕組みを理解して投資している人は、ほぼいないと思います。儲かるようなイメージが沸き起こるのでしょうか。

米国株アルファ・カルテット(毎月分配型)の収益のイメージ図


米国の株式は、株価収益率(PER)からみた割安度に着目して銘柄を選びます。この米国株の運用だけにとどめておけば良いものを、余計な金融取引を詰め込みすぎです。

当然のようにベンチマークや参考指数が存在しないために、個人投資家として投資判断が出来ない設計になっています。素敵ですね。



ギャンブル的な複雑な取引で、大量のインカムゲイン狙い


さて、上記図の「高金利通貨戦略」は、ブラジル・レアルを利用したプレミアム収益(金利差による収益)の獲得を目指します。更に、デリバティブ取引の一種であるギャンブル的なオプション取引も多用しています。

確かに金利差の収益を期待できるのですが、激しい為替損失が発生する可能性がある点が非常に気になります。そもそも、米国に投資するのにブラジルのリスクを背負う意味が分かりません。

株式カバードコール戦略ではS&P500指数を、通貨カバードコール戦略では取引対象通貨(米ドルなのか不明)の、それぞれのコールオプションを売却します(上記の図の3番と4番)。

この「トレード」も一定額のオプションプレミアム(収益)の獲得が見込めますが、多額の損失が発生する可能性も非常に高い、危険な取引と言えます。

また、株式と通貨のオプション取引の2本建てですから、レバレッジが2倍に効いた状態で取引をしているはずです。個人投資家がそんなところに手を突っ込んでよいのか、胸に手を当てて考える必要があります。

なぜ、ここまで積極的にリスクを取りに行くのか。それは、表面的な定期収益を確保するためでしょう。これらの取引では、プレミアム収益と呼ばれる定期収益が得られるからです。

月報には、米国株、為替取引、オプション取引の安定収益を全て足し合わせると、年率利回りで23.9%もの数字になる見込みです。一目見ただけで、怪しい数字です。

米国株アルファ・カルテット(毎月分配型)が狙うインカムゲイン


これらの定期収益を背景に、設立後は5か月連続で300円もの分配金を出していました。その後は、月200円に減額、そして現在では月100円にまで落ち込んでいます。

やはり多額な分配金は、無理があるので継続できないということでしょうか。あるいは金融庁に忖度して、「いくらなんでもこんな無茶苦茶な分配を継続したらヤバい」と自制したのでしょうか。

分配金を減額したと言っても、2018年7月時点で、分配金利回りは20%を超える異常な状況です。月200円の分配があった時には40%を超えていたので、まさに無茶苦茶でした。設立時は、月300円の分配金でしたから、その際は極限までクレイジーだったと思います。

米国株アルファ・カルテット(毎月分配型)の分配金利回り


一般的な高配当株式の利回りは数%程度ですから、20~40%の分配金利回りが適正な数字とは、到底思えません。その証拠に分配原資の内訳をチェックしてみると、案の定、当期の収益で分配金をカバーできていません。

定期収益は、全体の1~2割しか占めていないので、受け取る分配金のほとんどは、私たちの投資原資となっているはずです。つまり、利益でもなんでもなく、投資元本を自分で受け取って大喜びしているという間抜けな状況が想定できます。

米国株アルファ・カルテット(毎月分配型)の分配原資の内訳


過去に、月300円や200円の分配金を出しまくって分配金利回りが40%を超えるような状態を無理やり作りだして、恐らく営業トーク的には「金融工学を駆使して年率40%の利益を獲得」などと言っていたのでしょうか。 (そんな余計な事は言わないで、ただひたすら「分配金利回りがとても良いファンドなので、今一番のおすすめです」と言っていたかもしれませんが。)



実は米国のインデックス・ファンドに投資した方が儲かった


ところで、米国株アルファ・カルテット(毎月分配型)には、ベンチマークや参考指数が提示されていません。アクティブ運用なのに運用目標が無いとは、本当にけしからんです。

そもそも購入時に3.5%、年間の信託報酬が2%弱ですので、初年度で5%以上の手数料が必要となる超高コストの投資信託です。ここまでコストが高ければ、それなりのパフォーマンスを出せていないと投資に値しないと思います。

主要な投資先である米国を代表する株価指数は、S&P500です。米国株式市場の全体を表していますので、これと米国株アルファ・カルテットの運用成績を比べてみるのが、適切だと思います。

S&P500指数をベンチマークとする低コストのインデックス・ファンドとして、iシェアーズ 米国株式インデックス・ファンド(信託報酬0.375%)が販売されていますので、運用成績を比較してみましょう。

米国株アルファ・カルテット(毎月分配型)と米国株インデックスファンドとのリターン比較


直近3年でインデックス・ファンドに運用成績で負けているので、アクティブ運用としては全く魅力が無いと言って良いでしょう。

しかも、よくご覧いただくと分かると思いますが、米国株アルファ・カルテットの基準価額が上下にブレる様は非常に大きいです。これは、為替取引やオプション取引によるものだと思われます。

つまり、非常に低コストのインデックスファンドよりもリスク(=価格のブレ)が大きく、リターンが小さいという事ですから、わざわざ金を大量に出してこのような複雑極まりないヘンテコな投資信託など買う必要が無かったという事になります。

このような投資信託を買うよりは、数千円の投資の本を買って勉強した方が、よっぽど利益になると思います。くれぐれも、このような投資信託に心を奪われるような事が無いように、気をつけて下さい。



米国株アルファ・カルテット(毎月分配型)の概要


購入手数料:上限3.5%(税抜き)
信託報酬:年率1.865%(税抜き)
信託財産留保額:0.3%
分配金の取扱:年12回
償還日:平成32年1月6日まで(設定日・平成27年2月4日)
運用:大和住銀投信投資顧問株式会社

コストや償還日を見ると「手数料貧乏を製造するための投資信託」と言えますね。決して近づいてはならない投資信託の筆頭のような存在です。



米国株アルファ・カルテット(毎月分配型)の購入先


それでも米国株アルファ・カルテット(毎月分配型)を購入したい場合、せめて、購入手数料が無料のところを選んでください。その他の金融機関だと、上限マックスのありえない手数料を支払わされるところが多いです。

手数料無料SBI証券楽天証券マネックス証券


 



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