ブラックロック・インデックス投資戦略ファンド(愛称:iパズル)

(2018年8月時点)

インデックスファンドを用いて国際分散投資を行うバランス型投資信託であるという点は評価できるが、実に余計な事に、機動的に資産配分比率を変更するという過ちを犯している。リスクを抑えてリターンを狙えるなどとセールスしており、素人目にはいかにも上手く行きそうに見えるので、最近は人気が有るというケシカラン状態になっている。

ブラックロック・インデックス投資戦略ファンド(愛称:iパズル)


  • 機動的な資産配分比率の変更などと言う余計な事をしてくれる投資信託
  • ごく普通に8資産に均等配分した投資信託でも、リスクやリターンは変わらない
  • コストが低いと言っているが、比較対象が高すぎるだけである


 


投資の素人に向けて、実に上手い具合にファンドを作ったという印象


当サイト管理人がブラックロック・インデックス投資戦略ファンド(愛称:iパズル)を眺めた時の第一印象は「投資の素人を対象にして、実に上手い具合にファンドを作ったな」というものでした。

投資の基本は、徹底した国際分散投資です。どの国や地域、そして株式なのか債券なのかリートなのか、またはどれが毎年儲かるのかは、ごく一部の天才投資家しか、それを当てる事は出来ません。だからこそ国際分散投資であり、長い目で見れば、結局はそれが一番儲かるのです。

ほら、この通りです。銀行や証券会社の店頭で、小うるさいジジイが(下品な表現失礼!)、「これからは何が伸びますかね?」などと質問している光景を思い浮かべますが、これを見て頂くと分かる通り、そんなものを素人が当てる事など、完全に不可能なのです。

資産別の年間騰落率ランキング


そして、国際分散投資をする上で更に基本となるのが、インデックスファンドを用いた投資であるインデックス投資です。(インデックス投資についてはリンク先を参照のこと)

従って、国際分散投資かつインデックスファンドを志向したブラックロック・インデックス投資戦略ファンド(愛称:iパズル)の、基本的なコンセプトは、全く間違っていないと思います。

しかしながら、本ファンドの大きな特徴である、市況に合わせてインデックスファンドの組み合わせや投資比率を機動的に変化させるという部分が、どうも引っ掛かります。

運用会社はそれが上手くいくと主張する訳ですが、市場の変化に投資を完全にゆだねるのがインデックス投資であり、人の手を介して余計な事をしないからこそ、インデックス投資が長期的に成功する訳、機動的なアロケーションなどが上手くいくとは、当サイト管理人としては到底思えません。

ブラックロック・インデックス投資戦略ファンド(愛称:iパズル)の資産配分比率の変更


本ファンドは設定以来、上記のように各資産クラスへの投資割合を変更して、時には現金の保有比率を大幅に高めたりしていますが、このような事はインデックスファンドを使ったアクティブファンドのようなものであり、いかにも上手く行きそうに思えてくるのが、「素人向け」という事なのであります。



運用目標が提示されていないので、結局は何も判断できない


そして、上記のように資産配分を機動的に変更して、リスク(価格変動のバラつき)を抑えつつもリターンは確実に狙うと主張している訳です。

ところが、そんな事を実施するのは勝手ですが、運用目標たるベンチマークや参考指数が無い投資信託でありますから、いくら「上手く運用した」と言われても、投資家は上手い下手を毎年チェックする事もできず、これでは全くの欠陥だと思います

インデックスファンドの分かりやすさという最大のメリットを、機動的な運用などと言う非常に曖昧なもので測定不可なものにしてしまっている点で、私はこれは、ダメな投資信託だと思います。



他の基本的なバランスファンドと、リターンやリスクを比べてみると・・・


では、彼らが言うように、本当にリスクを抑えてリターンを確保しているのかどうか、チェックしてみたいと思います。

ブラックロック・インデックス投資戦略ファンド(愛称:iパズル)の投資先は、以下の9つの資産クラスです。ただしコモディティへの投資は見送っていますので、実質的には8つの資産クラスへの投資となると考えて良いでしょう。(円グラフは2018年7月末時点)

ブラックロック・インデックス投資戦略ファンド(愛称:iパズル)の投資先資産クラス


では、これらの資産クラスに投資する、代表的なバランスファンドと比べてみます。比較するのは、以下の3つとなります。それぞれの特徴を、簡単に記します。

ほぼ同様の資産クラス(8つとは限りません)に対して、世界各国のGDP比率で投資するか、同じく時価総額比率で投資するか、はたまた8つの資産クラスに均等に投資するかの違いです。

名称 特徴 コスト(全て購入手数料はゼロ)
世界経済インデックスファンド GDP(国内総生産)比率を参考に、世界各国(日本を含む先進国、新興国)の株式、債券に50%ずつの比率で国際分散投資できるインデックス型バランスファンド。 信託報酬0.5%
セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド 時価総額比率を基本に、世界各国(日本を含む先進国・新興国)の株式と先進国債券(日本含む)に50%ずつの比率で、これ1本で国際分散投資ができる。 信託報酬0.68%
eMAXIS バランス(8資産均等型) 世界各国(日本、先進国、新興国)の株式、債券と日本、先進国のリートの8資産に12.5%ずつ均等投資するインデックス型バランスファンド。 信託報酬0.5%


結果は、下記のようになります。グラフよりもその下の表の標準偏差(=リスクを示す数値です)の数値を見ると、確かに世界各国のGDP比率で投資したり時価総額比率で投資する場合に比べて、リスクが明確に下がる事が分かります。

しかし、eMAXIS バランス(8資産均等型)に比較すると、ほとんどリスクは同一だと言って良い数字ですし、リターンについてもそんなに変わるようなものではないことが分かります。

ブラックロック・インデックス投資戦略ファンド(愛称:iパズル)と他のバランスファンドとのリターン比較


つまり、こういった比較から言える事は、機動的な資産配分の変更などといったところで、特に凄い事が起こる訳でも何ともないという事です。8資産に均等配分した、ごく一般的で、なおかつ「きちんとした」インデックスファンドを保有していれば、何も恐れる事は無いという事ですね。

ところで、eMAXIS バランス(8資産均等型)には、8つの資産に投資しながら、資産配分を機動的に変更すると銘打っているeMAXIS バランス(波乗り型)という投資信託も存在します。それも含めて、リターンの比較をしてみたのが、以下の図です。

機動的な資産配分をするバランスファンドのリターン


笑ってしまう事に、同じeMAXISどうしの比較でも、人為的に余計な事をやっている波乗り型が、何もやらない普通の8資産バランス型に負けてしまっているのが分かります。

つまり、インデックスファンドを用いた投資の場合、とにかく余計な事をやらないで、自然体で保有しておくのがベストに近いという事になります。

その意味から、ブラックロック・インデックス投資戦略ファンド(愛称:iパズル)は、特段の魅力がある訳でも、期待が持てる訳でもないという事ができます。

今ならば、eMAXIS バランス(8資産均等型)の超低コストバージョンである、購入手数料がゼロで、信託報酬がわずか0.159%しか取られないeMAXIS Slim バランス(8資産均等型)が存在します。こういったものに投資をして、10年20年と保有していれば、絶対とは言いませんが、あなたの財産は着実に、問題無く増えてゆくものと思われます。

なお、どうしてもみずほ銀行で投資信託を買うという場合は、たわらノーロード バランス(8資産均等型)を選ぶと良いでしょう。信託報酬は0.22%と、これも極めて低コストであり、投資家の立場に立った投資信託といえます。



ブラックロック・インデックス投資戦略ファンド(愛称:iパズル)の概要


購入手数料上限1.0%(税抜き)
信託報酬年率0.83%(税抜き)
信託財産留保額:なし
分配金の取扱:年1回8月の各2日)
償還日:無期限(2014年5月28日設定)
運用:ブラックロック・ジャパン株式会社
販売先:みずほ銀行、みずほ証券


ところで、ブラックロック・インデックス投資戦略ファンド(愛称:iパズル)は低コストも特徴だという事で、以下のような資料を用意して、この投資信託ぶメリットをアピールしています。

コストとリターンに付いて


しかし、信託報酬が1.6%という「高すぎるボッタクリ投資信託」と比較しているから良く見えるだけで、例えば先述したたわらノーロード バランス(8資産均等型)の0.22%のコストと比較した場合は、次のようなリターンの差が出てきます。

名称 信託報酬(税込み 10年後の価格
たわらノーロード バランス(8資産均等型) 0.2376% 13177円
ブラックロック・インデックス投資戦略ファンド(愛称:iパズル) 0.8964% 12339円
高コストのボッタクリ投資信託 1.6412% 11455円


なんと、10年間で7%の差どころか、15%もの差が付いています。ブラックロック・インデックス投資戦略ファンド(愛称:iパズル)に比べても、7%もの差が付いてしまっています。

ここから言える事は、似たようなリスクとリターンのファンドであれば、より低コストのものが有利だという事であり、どうせみずほ銀行を使うのであれば、店頭で変にお勧めされるようなブラックロック・インデックス投資戦略ファンド(愛称:iパズル)ではなくて、たわらノーロード バランス(8資産均等型)を選んだほうがはるかに良いという事になります。


 



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