ダイワ高格付カナダドル債オープンに呆れるばかり・・・

(2018年8月)

過去、500億円から5500億円まで純資産総額が激増、裏で猛烈な販売攻勢が行われた疑いのある投資信託。当時、分配金利回りは14%を超える無理やりな設定だったので、無知な庶民が尋常でない勢いで群がっていた。その後は分配金額を順次落として、投資家を他のファンドに乗り換えさせたか。運用成績自体も参考指数に負けており、高コストを正当化できない残念な状況。

ダイワ高格付カナダドル債オープン

  • 債券の利回り2.4%に対して、現時点の分配金利回りは11.36%
  • 分配金の内訳を調べると、投資先の債券収益では3割程度しか補えていない事実
  • 分配金をかなり減らしているが、それでも大幅なタコ足分配とは酷い
  • 過去の運用益の積立である分配準備積立金がゼロで、投資原資が非常に減っている


 


毎月分配型と年1回決算型の2つのタイプを評価解説


ダイワ高格付カナダドル債オープンは、カナダ・ドル建ての債券に投資するアクティブ型の投資信託です。年1回決算型と毎月分配型から選んで投資ができます。

毎月分配型の純資産総額は1800億円もあり、とても人気です。 そのため毎月分配型を中心に解説しますが、投資の本質的なところは同一ですので、年1回決算型を保有する人も当ページを参考にして下さい。

・ダイワ 高格付カナダドル債オープン(年1回決算型):純資産総額34億円
・ダイワ 高格付カナダドル債オープン(毎月分配型):純資産総額1819億円



さて、いきなり結論となりますが、ダイワ高格付カナダドル債オープン、特に毎月分配型には良いところは皆無に等しい投資信託です。私も様々な投資信託を毎日ひたすら見ていますけれども、これほど残念なファンドがとんでもなく売れてた現実に、ガックリ来ます。



信用度の高いカナダ債券に投資するのは、特に問題無いのだが・・・


ダイワ高格付カナダドル債オープンの唯一の良い点は、投資対象がカナダの信用度が高い、AA格相当以上の公社債に投資をしている事のみです。

ダイワ高格付カナダドル債オープン(毎月分配型)の投資先と投資比率、格付けなど


保有している債券の上位10銘柄を見ると、想像以上に利率が高いですね。これは非常に意外です。良い投資先だなと思いました。

ダイワ高格付カナダドル債オープン(毎月分配型)の投資先債券の利率


しかしながら下記の通り、直接利回りと最終利回りの差が大きいと感じます。前回チェックした際には、最終利回りは1%台でした。

最終利回りが1%という事は、債券が償還を迎えるまでの間に売却を行っていて、買った値段よりもかなり安い値段で売っていて、売却損失が発生しているという事を示唆しています。現時点では最終利回りは2.4%に上昇していますが、それでも直接利回りと最終利回りに差があるなと感じます。

ダイワ高格付カナダドル債オープン(毎月分配型)の投資先債券の直接利回りと最終利回り



ダイワ高格付カナダドル債オープンの非常に「無理な分配」の実態


さて上記のように、この投資信託の本来の利回りは2%強だという事が分かったと思います。年1回決算型であれば、無分配で再投資されているはずですから、問題はないでしょう。

一方で、多くの個人投資家が購入している毎月分配型の分配金利回りりがいくらになっているのか、見ておきましょうか。人気の秘密が分かるはずです。まずは、分配状況からチェックします。

分配金額の推移


実はここ数年で、ダイワ高格付カナダドル債オープン(毎月分配型)の分配金は、減額が続いています。10年近くの運用を続けている投資信託で、設立当初は35円の分配金をいきなり3倍近くの100円に増額した事がありました。

その後、徐々に減額させて、今に至っています。昔から過剰な分配を続けていた常習犯的な存在だったのですが、無理が続かなくなったのか、あるいはあまりにも実態に即さない分配金を出す投資信託を金融庁が問題視したのに影響されて、控えめな運用をしようと思ったのか、そういう事になっています。

しかし、分配金を減額したとは言え、それでも異常な高利回り状態が続いています。現時点の分配金利回りは11%で、明らかに高すぎます。 先ほど見て頂いたように、投資先の債券利回りが5%程度である事を考えると、現状の水準を維持できる事が非常に不思議です。 (しかも最終利回りは2%台です)

ダイワ高格付カナダドル債オープン(毎月分配型)の分配金利回りの推移


そして実際に、この投資信託がタコ足分配になっている事がはっきりと分かります。運用報告書で収益分配の内訳をチェックすれば、実態が明らかになっています。

分配原資の内訳


上記の通り、投資先債券からの収入(赤枠)は、分配金(青線)の3割強しかカバー出来ていないのが分かります。すなわち、大変な過剰分配という事です。以前チェックした時と状況が、ほとんど変わっていません。

下記の数字を見て分かる通り、過去の運用益の積立金である分配準備積立金(赤線)も、以前と変わらずゼロの状態が続いています。つまり過剰な分配原資は、私たちの投資原資である収益調整金のみです。

凄い勢いで収益調整金(投資原資)が減っている事も分かるかと思います(青線)。前回チェックした時から5分の1以下になっていますので、底をつきそうです。

ダイワ高格付カナダドル債オープンの収益分配金の計算過程


以上を見た限りでは、明らかに利回り操作をしているような印象を受けます。実に怪しい投資信託です。今後も利益でも何でもなくて自分のお金の取り崩しでしかない、「特別分配」が横行しそうな見通しです。

その見せかけの高利回りの影響か、以前の純資産総額は5,537億円も集まっていました。そのお金がいつごろから増えたのか、下記をご覧ください。2013年頃から急激に増加している傾向が見て取れます。

運用開始から10年近くも純資産総額が低いままだったのに、ここまで急に資金が集まるのは、分配金利回りを高く見せかけて資金を集めるという、証券会社にとっての錬金術だった訳ですね。

基準価額や純資産総額の推移


しかしその後は、分配金額がどんどん減らされるのに比例するような形で、純資産総額は5500億円から1838億円と急激に減少しています。 そのタイミングで、証券会社の餌食となった個人投資家は、その時点で分配金利回りが高い別の投資信託に乗り換えさせられたのだと思います。

こんな事をやっていたら、いつまで経ってもお金持ちには決してなれません。利益ではない自分のお金を自分に振り込んで「分配金だ」と喜んでいるのですから、証券会社からしたら、そのようなバカな投資家を一度手にしたら、二度と手放したくなくなるでしょう。格好の金づるです。



運用目標たる「参考指数」に負けているアクティブファンドは意味が無い


他にも、ダイワ高格付カナダドル債オープンが「明確にダメだ」と言い切れる証拠をお見せしましょう。ダイワ高格付カナダドル債オープンは、参考指数はとしてFTSEカナダ国債インデックス(円換算)を設定しています。参考指数は、個人投資家にとっては、投資信託の運用目標と考えても良い指標です。

これと実際の運用成績を比較してみれば、この投資信託の実力を一発で看破する事ができます。結果を見ると、直近5年間で参考指数に惨敗しています。

参考指数と実際のリターンの比較


これでは、次の項で示すような高いコストを正当化出来るような成績とは、到底言えません。アクティブ運用の投資信託は運用目標に勝ってこそナンボですから、これを見るだけで、買う気が失せるデータになります。



ダイワ高格付カナダドル債オープンの概要


購入手数料:上限2.0%(税抜き)
信託報酬:年率1.25%(税抜き)
信託財産留保額:なし
償還日:無期限(設定日・平成15年年5月20日)
運用:大和証券投資信託委託株式会社


上記のように、初年度で3%以上、翌年も1%以上もコストを抜かれる投資信託です。カナダの債券の直接利回りが5%有ったのに最終利回りが2.4%であるという理由の1%1.25%分が、このバカ高い信託報酬の影響です。いかに、コストがあなたの利益を食い潰すのかが分かりますね。

ダイワ高格付カナダドル債オープンで分配金を得たい場合、三菱東京UFJ銀行SBI証券楽天証券大和証券などで購入できますが、もちろん当サイト管理人としてはお勧めできません。



先進国債券ETFを使って、タコ足にならずに毎月の分配金が貰える


ところで、こんなダイワ高格付カナダドル債オープンに手を出さず、健全な商品を買う事で、それの代替えをする事ができます。例えば、当サイト管理人も実際に投資をしている、先進国全体の債券に分散投資をする分配型の上場投資信託(ETF)が宜しいのではないかと思います。

別に私もあなたも、カナダだけに投資をしなくてはならないほどカナダに熱中している訳ではなく、単に金儲けをしたいだけだと思います。その時に、ダイワ高格付カナダドル債オープンが不適な商品である事はご覧いただいた通りです。

広く先進国全体に債券投資をしており、毎月の分配金もタコ足にならない、上場インデックスファンド海外債券が宜しいかと思いますので、該当ページを参考にしてくれればと思います。

ただし、先進国債券は本来の利回りは低いので、直接利回りは2.7%、最終利回りは2%弱になります。利回りをどうしても高めたい場合は、少々リスクを取って上場インデックスファンド新興国債券にも投資を振り向けるなどの工夫が必要になります(こちらも当サイト管理人は投資している商品です)。


 


みなさまにお願い当サイトが参考になりましたら、ぜひブックマークやいいねをお願い致します!
★当サイト限定企画スタート★
SBI証券



メインメニュー

投資信託と分配金に関するQ&Aコーナー

目からウロコ・当サイト人気のコラム集

分配金のもらい方